第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 当社グループでは、株主、投資家、顧客、従業員、取引先、債権者、地域社会等の全てのステークホルダーの皆様に価値を提供する企業として持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 当社グループは、当社のスポンサーグループであるスターアジアグループと業務提携契約を締結し、当社グループとスターアジアグループとが両者の強みを活かし協働し、人的・物的リソースを有効活用して持続的かつ安定的に成長することについて合意しております。

 現在のホテル事業は、宿泊特化型ホテル『ベストウェスタン』及び『ココホテル』と中長期滞在型ホテル『バリュー・ザ・ホテル』の3ブランドを事業の中核に据えており、全国的な展開を行っております。当社グループにおいて運営するホテルでは、ハイリスク・ハイリターン型の長期固定賃料支払の賃貸借契約タイプの運営から、運営委託契約を中心とした”Fee-For-Service” (サービスの対価としてのフィー)モデルへの移行に注力しており、低単価・低稼働でも利益が捻出できる経営体質とすべく、既存店舗と近接するエリアへの出店による人的資源の共有化やエリア単位で一括して業務を外注する等、損益分岐点の引き下げを図ることで利益率の高いホテル運営を目指しております。

 また、今後はこれまで行っておりましたホテル事業に加え、不動産事業として既存ホテルとは一線を画す競争力のあるホテル開発や、ホテル開発を通じて得られる情報によって、その延長線上で考えられる様々な不動産の開発にもチャレンジしてまいります。

 加えて、当社では、未曽有のコロナ禍において、一時的にホテル物件の取引市場では買手がほぼ不在となっている状況で、投資収益率及び競争力の高いホテル物件を割安に購入できる機会が増えているため、今後、ホテル運営の受託とともに、ホテル物件の取得を推進し、ホテル物件の所有者でありホテル運営者であるオーナー・オペレーターモデルへのシフトを行ってまいります。割安なホテル物件の取得や出資を通じて、ホテル需給環境の回復に伴い、ホテル運営による収益拡大のみならず、将来的な物件売却益の実現により、高い投資リターンを享受することが期待できます。

 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及びその収束時期が当社グループの事業活動に与える影響につきまして、現時点で合理的に予測することが困難な状況ではありますが、株主価値の最大化を図るため中長期的な最低目標として自己資本利益率(ROE)15%を目指しております。

 

(2)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の実施などにより国内における経済活動が制限されたことや同感染症に関わる水際対策強化の影響により国内への入国の制限が行われたことなどにより、宿泊需要は引き続き低水準となっており、観光庁が公表している宿泊旅行統計調査によると、2021年において日本人延べ宿泊者数が2019年比35.3%減、外国人延べ宿泊者数が2019年比96.4%減となっております。当社グループにおきましても運営ホテル数及び客室数の増加はありましたが、連結売上高は2019年度比31.9%減となっております。また、翌連結会計年度におきましても同感染症の感染拡大が、当社グループの事業活動に与える影響につきまして、現時点で合理的に予測することが困難な状況でありますが、一定期間にわたり影響が継続するものと考えております。一方で、今後は、Go To トラベルやワクチン接種者の増加などにより国内の移動制限が緩和され、海外へのレジャー旅行需要が国内旅行需要に振り替わるなど宿泊需要の回復も想定されます。

 当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により訪日外国人が著しく低下しているものの、日本独自の国民性、食文化、歴史、風土といった観光資源には高い国際競争力があり、中長期的にはこれまでよりも多くの外国人の方々が日本を訪問する時期が来ると考えております。日本政府においても、2030年に訪日外国人6,000万人を目指す方針を堅持しており、当社グループは、コロナ禍により大変厳しい状況ではございますが、このような状況を成長戦略実現のための千載一遇の機会と考えております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、当社グループにおける経営方針・経営戦略等及び経営環境を踏まえて、下記の課題を認識し対処してまいります。

 ホテル事業における業績の改善のため、引き続き、コロナ禍における社会情勢の変化に対応した医療従事者向けプランやテレワーク向け等の販売プランの造成及び推進、レストラン部門の外注化及び法人契約の拡大等を行い、レベニュー・マネジメントチームを中心とした各地域の同感染症の回復状況に応じた客室販売戦略及び料金戦略の立案、実行を行ってまいります。また、ホテル運営における業務プロセスの効率化、自動化を行いローコストオペレーションに努めてまいります。

 ホテル事業におけるアフターコロナの業績拡大のため、フィー収入型ホテルやオーナー・オペレーターモデルホテル等の損益分岐点の低いホテルを中心にスターアジアグループとのリレーションも活用しつつ、運営するホテル数の増加を図ってまいります。

 不動産事業につきましては、同感染症の影響により変化するホテル業界に対して、不動産事業の観点から開発やリノベーションの検討を行ってまいります。

 財政基盤を強化するため、翌連結会計年度以降もコロナ禍の状況が一定期間続くことが想定されるため、金融機関を中心に資金の借入れ等を行っていきたいと考えております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ホテル事業につきましては、以下の事業等のリスクがあります。

① 訪日外国人旅行客の減少

 為替相場の状況や地政学的リスクの高まりなどにより、訪日外国人旅行客が減少し、稼働率及び客室単価が低迷する場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該事業等のリスクは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う各国政府による渡航制限などにより顕在化しております。当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり対処しております。

② 自然災害や伝染病の発生

 当社グループのホテルが、大規模地震や自然災害の発生により、建物や施設に損害を被り、一時的な営業停止となった場合や広域の伝染病の流行により、旅行や団体行動に制限が生じた場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該事業等のリスクは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う各国政府による渡航制限や日本政府によるイベントの自粛要請等により顕在化しております。当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり対処しております。

③ 賃貸不動産の中途解約

 当社グループ及び一括借上しているホテル建物オーナーが、経済情勢等の理由により賃貸契約を同条件で継続できなくなった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該事業等のリスクは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による運営ホテルの稼働率及び客室単価の低下により顕在化しております。当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり建物オーナーと賃料の減額について交渉しております。

④ 食中毒等の事故

 当社グループの運営するホテルは、安全衛生には充分な配慮を行っておりますが、万が一に事故が発生した場合などに、一時的な営業停止や評判の悪化により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは年間を通してホテルを運営しており、当該事業等のリスクは、常時顕在化する可能性があります。当社グループでは、事故防止を徹底するとともに、事故が発生した場合の対応方法を定め業績への影響の低減を図っております。

 

 不動産事業につきましては、景気後退や供給過剰等による賃料水準の低下や空室率の上昇や不動産市況の悪化などにより保有不動産の資産価値が減少することがあります。その場合、保有不動産の減損などにより損失を計上する可能性があります。当社グループでは現在、保有する不動産の数を大幅に削減しており、当該事業上のリスクが顕在化した場合でも、当社の経営成績に与える影響は軽微であります。

 

 当社グループは、複数の金融機関と借入契約を締結しております。当該借入契約の一部において財務制限条項が付されており、事業活動をする上で、これらを遵守する必要があります。なお、これらの財務制限状況に抵触することとなった場合には、借入先金融機関からの請求により、当該借入についての期限の利益を喪失する可能性があり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当該事業等のリスクは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴うホテル事業の経営成績の低下により顕在化しております。当社グループでは、各金融機関との交渉を行い、財務制限条項に抵触することとなった場合にも、期限の利益喪失の権利行使をしない旨の同意を得ております。

 

(重要事象等について)

 当社グループは、前連結会計年度において4期連続して営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高が著しく減少したことにより営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により、当社グループの需要回復の見通しはいまだ不透明であると考えられること、当連結会計年度末における当社の発行する転換社債型新株予約権付社債900百万円には、2021年10月30日以降社債権者からの請求による繰上償還条項が付されていること、財務制限条項に抵触した金融機関借入金210百万円が存在すること、既存借入金の返済が資金繰りに影響を及ぼすことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。

 このような状況を解消するために、当社グループは、2021年3月期におきまして、ホテルオーナーとの賃借料の削減交渉、人件費の削減、運営するホテルの一部を休館するなどの経費削減、雇用調整助成金等の活用に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましても、役員報酬の減額、本社経費の削減、ホテル運営の効率化、不採算ホテルの営業中止、休館などを中心に引き続きコスト管理を徹底しております。また、新型コロナウイルス感染症の収束後に向けた事業投資も進めております。

 当社グループは、前連結会計年度において債務超過となっておりましたが、当社は2021年11月24日に2,800百万円の第三者割当増資等を行ったことにより、債務超過を解消しております。また、当社は同日に2021年第1回及び第2回新株予約権の発行を行っており、2022年6月23日に新株予約権の行使を受け純資産が902百万円増加し、残りの未行使の新株予約権が全て行使された場合は純資産が2,232百万円増加いたします。その他に当社では、2020年7月30日に1,500百万円の転換社債型新株予約権付社債及び2020年第1回新株予約権を発行しております。転換社債型新株予約権付社債につきましては、当連結会計年度末までに600百万円の転換請求を受けており、残りの900百万円について転換請求があった場合、純資産が同額増加いたします。2020年第1回新株予約権につきましては、未行使の新株予約権が全て行使された場合は純資産が1,442百万円増加いたします。

 また、当社グループは2022年3月30日にメインバンクである金融機関及び当社の親会社グループであるスターアジアグループに属するSAO Ⅲ LLCからそれぞれ300百万円(合計600百万円)の金銭消費貸借契約を締結し、2021年6月15日に取引金融機関との間で536百万円の金銭消費貸借契約を締結し、2020年10月6日に株式会社日本政策金融公庫との間で950百万円の新型コロナ対策資本性劣後ローンに関する金銭消費貸借契約を締結し、資金繰りの改善を図っております。

 なお、資本性劣後ローンは、2040年9月20日を返済期日とし、会計上の連結貸借対照表上は借入金に含まれるものの、金融機関の資産査定上は自己資本とみなすことができるものであります。また、当社は取引金融機関に対し事業計画・資金計画等を説明し、財務制限条項に抵触している借入金210百万円については、期限の利益喪失の権利行使をしない旨の同意を得ております。返済期限を迎える既存借入金につきましては、金融機関との協議を行い借り換えなどによる返済期限の延長を行います。

 なお当社は、スターアジアグループにより運用されているファンドであるStar Asia Opportunity III LPと資本提携を行い、同社に対し2018年11月12日及び2019年3月29日に第三者割当増資を実施し、スターアジアグループを当社の新たなスポンサーとしております。また、スターアジアグループに属するStar Asia Management LLCと業務提携を行い、当社グループとスターアジアグループが両者の強みを活かし協働し、人的・物的リソースを有効活用して持続的かつ安定的に成長し、今後の新規ホテルの開業を含む当社グループ事業及び上記施策の実行についての協力関係を築いております。そのため、当社グループの財務体質及び業績は改善するものと見込んでおります。

 これらの対応策により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により経済活動が制限される状態が続きました。

 当社グループのメイン事業が属するホテル業界におきましては、2021年4月から9月まで全国主要都市を対象として発令されました緊急事態宣言により国内における経済活動が制限されたことや新型コロナウイルス感染症に関わる水際対策強化の影響により国内への入国の制限が行われたことなどにより、国内利用客数及び訪日外国人旅行客数は、低水準で推移いたしました。その後、緊急事態宣言の解除により国内利用客数に若干の改善がみられましたが、同感染症の再拡大に伴い、2022年1月から全国主要都市にまん延防止等重点措置が実施されたことにより再び宿泊者数は減少いたしました。

 観光庁が公表している宿泊旅行統計調査の2021年年間速報によると、国内全体の延べ宿泊者数は3億1,497万人泊(2019年比47.1%減、前年比5.0%減)、その内訳として日本人宿泊者は3億1,076万人泊(2019年比35.3%減、前年比0.2%減)、外国人宿泊者は421万人泊(2019年比96.4%減、前年比79.3%減)となっております。

 当社グループでは、同感染症によりホテル物件の取引価格が低迷している状況下において、投資収益率及び競争力のあるホテル物件を割安に購入できる機会が増えてきているため、ホテル物件の取得を行い、当社グループがホテル物件の所有者でありホテル運営者となるオーナー・オペレーターモデルへの移行を進めました。当連結会計年度においては、3つのホテル物件に対する匿名組合出資を行い、オーナー・オペレーターモデルへの移行を行いました。オーナー・オペレーターモデルへ移行することで、賃料支払い債務が無くなる等によりホテル運営に係る損益分岐点比率が引き下げられ、株主資本利益率を引き上げることが期待できるとともに、ホテル物件の取引市場における流動性が以前の水準まで戻った際には、ホテル物件の売却による利益を計上することも期待できると考えております。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、運営ホテル数の増減、運営ホテルの稼働率及び客室単価の増減等であり、当社グループは、同感染症の感染拡大の影響による運営ホテルの稼働率及び客室単価の低下の影響を大きく受けました。

 その結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、次のとおりとなりました。

 

売上高               3,712百万円(前期比24.9%増)

営業損失(△)           △1,332百万円(前期△1,627百万円)

経常損失(△)           △1,623百万円(前期△1,685百万円)

親会社株主に帰属する当期純損失(△)△1,830百万円(前期△2,101百万円)

 

 売上高は、ホテル事業において新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、前連結会計年度においてベストウェスタンホテル4店舗及びKOKO HOTEL5店舗、当連結会計年度においてKOKO HOTEL2店舗がオープンしたことにより増収となりました。

 営業損益は、上記の新規ホテルの運営による新たなコストの発生もありましたが、前連結会計年度からホテルオーナーとの賃借料の削減交渉、人件費を含む経費の削減に取り組むとともに、運営するホテルの一部を休館するなど、コスト削減に最大限取り組んだ結果、前期と比較して損失が縮小いたしました。

 経常損益は、2021年11月24日に第三者割当により新株式及び新株予約権を発行したことによる株式交付費153百万円などを計上したことにより、前期と同程度となりました。

 親会社株主に帰属する当期純損益は、当期に減損損失102百万円、投資有価証券評価損9百万円及び店舗閉鎖損失78百万円を計上しましたが、特別損失の縮小により損失が減少いたしました。

 

 セグメント間の取引を含む各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 ホテル事業は、売上高3,673百万円(前期比29.5%増)、営業損失△1,071百万円(前期営業損失△1,385百万円)となりました。主な売上は、ホテルマネジメント売上などであります。

 ホテル事業につきましては、上記のとおり新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響もありましたが、前連結会計年度においてベストウェスタンホテル4店舗及びKOKO HOTEL5店舗、当連結会計年度においてKOKO HOTEL2店舗がオープンしたことにより増収となりました。

 不動産事業は、売上高231百万円(前期比70.8%増)、営業利益27百万円(前期比128.6%増)となりました。主な売上は、不動産賃貸売上などであります。

 当連結会計年度末の当社グループの財政状態は、次のとおりとなりました。

 総資産は、12,036百万円となりました。これは、前連結会計年度末より7,039百万円の増加であります。主な要因は、販売用不動産の取得に伴う販売用不動産の増加5,914百万円、第三者割当により新株式を発行したこと、資金の借入れを行ったことなどに伴う現金及び預金の増加565百万円、匿名組合出資を行ったことなどに伴う投資有価証券の増加193百万円などによるものであります。

 負債合計は、11,843百万円となりました。これは、前連結会計年度末より6,062百万円の増加であります。主な要因は、短期借入金の増加406百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の増加4,761百万円、長期預り金の増加1,040百万円などによるものであります。

 純資産合計は、193百万円となりました。これは、前連結会計年度末より977百万円の増加であります。主な要因は、第三者割当により新株式を発行したことに伴う資本金及び資本剰余金の増加2,800百万円、親会社株主に帰属する当期純損失△1,830百万円の計上などによるものであります。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ565百万円増加し、2,224百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、7,819百万円のマイナス(前期は1,510百万円のマイナス)となりました。主な増加要因は、減価償却費190百万円、減損損失102百万円などによるものであります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失1,813百万円、販売用不動産の増加5,970百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、415百万円のマイナス(前期は651百万円のマイナス)となりました。主な減少要因は、敷金及び保証金の差入による支出397百万円、投資有価証券の取得による支出204百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、8,799百万円のプラス(前期は2,946百万円のプラス)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入5,085百万円、株式の発行による収入2,647百万円、長期預り金の受入による収入1,030百万円などによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生産業務を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは、売上高に占める受注販売割合の重要性が低いため、受注実績の記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ホテル事業

3,672,768

129.5

不動産事業

39,360

29.1

合計

3,712,127

124.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

SAJP IV Hospitality LLC

373,763

12.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が世界規模で深刻化する以前の2020年3月期第3四半期時点において、当社グループでは、営業利益149百万円、経常利益60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益166百万円を計上しておりましたが、同感染症の感染拡大以降、各国政府による渡航制限や日本政府によるイベントの自粛要請等により、訪日外国人旅行客及び国内利用客は大幅に減少し、同感染症の感染拡大以降、2020年3月期、2021年3月期においては、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当連結会計年度におきましても、2021年4月から9月まで全国主要都市を対象として発令されました緊急事態宣言により国内における経済活動が制限されたこと同感染症に関わる水際対策強化の影響により国内への入国の制限が行われたことなどにより、国内利用客数及び訪日外国人旅行客数は、低水準で推移いたしました。そのため、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,712百万円、営業損失△1,332百万円、経常損失△1,623百万円、親会社株主に帰属する当期純損失△1,830百万円となりました。

 このような状況の中で、当社グループではホテルオーナーとの賃借料の削減交渉、人件費の削減、運営するホテルの一部を休館するなどの経費削減、雇用調整助成金等の活用、役員報酬の減額、本社経費の削減、ホテル運営の効率化、不採算ホテルの営業中止などのコスト管理を徹底しております。

 また、当社グループは、前連結会計年度において債務超過となっておりましたが、当社は2021年11月24日に2,800百万円の第三者割当増資等を行ったことから、債務超過を解消しております。

 今後につきましては、過去に前例のない世界的な同感染症の拡大や収束時期を合理的に予測することは極めて困難であり、この状況がどの程度当社の企業経営に影響を及ぼすのか見通すことができない状況ではありますが、同感染症の対策を行いつつ経済活動の再開が今後、行われていくものと考えております。

 そのため、ウィズコロナ、アフターコロナに向けての取り組みとして、同感染症によりホテル物件の取引価格が低迷している状況下において、投資収益率及び競争力のあるホテル物件を割安に購入できる機会が増えてきているため、ホテル物件の取得を行い、当社グループがホテル物件の所有者でありホテル運営者となるオーナー・オペレーターモデルへの移行を進めております。また、当社グループでは、運営するホテルをハイリスク・ハイリターン型の長期固定賃料支払の賃貸借契約タイプの運営から、運営委託契約を中心とした”Fee-For-Service”(サービスの対価としてのフィー)モデルへの移行に注力する中で、運営ホテル数及び運営客室数の拡大、人的資源の共有化による人件費合理化施策の実施及びエリア単位で一括して業務を外注することによる経費削減等、損益分岐点の引き下げを図ることで強固な財務基盤の構築及び利益率の高いホテル運営を目指しております。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、経営環境や事業の状況を勘案の上、将来キャッシュ・フローの状況を把握して、資金の管理を行っており、資金需要が生じた場合には、主として金融機関等からの借入れを行っております。上記のとおり、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いホテル事業の経営成績が低下しており、運転資金等の資金需要が生じる可能性があります。当社グループでは、主として金融機関等からの借入れにより資金調達を行う予定であります。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

4【経営上の重要な契約等】

(業務提携)

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

Star Asia Management LLC

Wilmington,Delaware,

U.S.A.

業務提携契約

2018年

10月25日

Star Asia Management LLCの属するスターアジアグループ各企業との人的・物的リソースの有効活用による両社の企業価値の向上に向けた取組みに係る契約

 

(匿名組合契約による出資受入)

 2021年4月27日に当社の連結子会社であります合同会社天神ホテル管理は、当社の親会社でありますStar Asia Opportunity III LP及びSAO III LLCとの間で、匿名組合契約を締結し、2021年4月27日に匿名組合出資を受けております。

 

(匿名組合契約による出資)

 2021年4月27日に当社は、合同会社築地ホテル管理との間で、匿名組合契約を締結し、2021年4月27日に匿名組合出資204百万円を行いました。

 

(信託受益権売買契約)

 2021年4月28日に当社の連結子会社であります合同会社天神ホテル管理は、信託受益権売買契約に基づき信託受益権を取得いたしました。

 

(コミットメントライン契約)

 2021年5月26日に当社は、当社の親会社でありますStar Asia Opportunity III LPとの間でコミットメントライン契約を締結いたしました。

① 借入極度額     900百万円

② コミットメント期間 2021年5月31日~2022年5月31日

③ 担保の有無 無

④ 保証の有無 無

 

(金銭消費貸借契約による資金の借入れ)

 2021年6月8日に当社の連結子会社であります合同会社天神ホテル管理は、ドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト(ドイツ銀行)東京支店との間で、金銭消費貸借契約を締結し、2021年6月10日に借入れを実行いたしました。

① 借入額   2,200百万円

② 担保の有無 有

③ 保証の有無 当社は、本契約に係る合同会社天神ホテル管理の債務について連帯保証しております。

 

 2021年6月15日に当社の連結子会社であります株式会社フィーノホテルズは、株式会社商工組合中央金庫との間で、金銭消費貸借契約を締結し、2021年6月18日に借入れを実行いたしました。

① 借入金額  300百万円

② 担保の有無 無

③ 保証の有無 無

 

 2021年6月15日に当社の連結子会社であります株式会社バリュー・ザ・ホテルは、株式会社商工組合中央金庫との間で、金銭消費貸借契約を締結し、2021年6月18日に借入れを実行いたしました。

① 借入金額  236百万円

② 担保の有無 無

③ 保証の有無 無

 

(第三者割当による新株式並びに2021年第1回及び第2回新株予約権の発行)

 当社は、2021年10月15日開催の取締役会において、2021年11月24日を払込期日とする2,800百万円の第三者割当による新株式の発行及び行使時の払込金額の総額が3,127百万円となる第三者割当による新株予約権の発行を行うことを決議いたしました。なお、新株式の発行に係る資金の払込みは、2021年11月24日に完了しております。

 

1.本株式の発行の概要

(1)

払込期日

2021年11月24日

(2)

発行新株式数

普通株式32,557,500株

(3)

発行価額

86円

(4)

調達資金の額

2,799,945,000円

(5)

募集又は割当方法

(割当予定先)

第三者割当の方法により、以下の者に割り当てます。

Star Asia Opportunity Ⅲ LP 24,180,200株

Four Quadrant Global Real Estate Partners 3,924,400株

Hazelview Global Real Estate Fund 1,308,100株

EVO FUND 1,162,700株

Charlestown Energy Partners, LLC 639,500株

マルコム・エフ・マクリーン4世 581,300株

増山太郎 581,300株

橋本龍太朗 58,100株

Joseph Altwasser 58,100株

梅木篤郎 23,200株

細野敏 23,200株

田口洋平 17,400株

(6)

資本組入額の総額

資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本金の額の総額であり、会社計算規則第14条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。当該資本金等増加限度額から当該増加する資本金の額を減じた額を増加する資本準備金の額とします。

2.本新株予約権の発行の概要

(1)

割当日

2021年11月24日

(2)

発行新株予約権数

合計363,576個(新株予約権1個につき普通株式100株)

2021年第1回新株予約権:325,575個(新株予約権1個につき普通株式100株)

2021年第2回新株予約権:38,001個(新株予約権1個につき普通株式100株)

(3)

発行価額

総額0円

(4)

当該発行による

潜在株式数

普通株式36,357,600株

2021年第1回新株予約権:32,557,500株

2021年第2回新株予約権:3,800,100株

(5)

調達資金の額

総額3,126,753,600円

(内訳)

2021年第1回新株予約権

新株予約権発行分     0円

新株予約権行使分     2,799,945,000円

2021年第2回新株予約権

新株予約権発行分     0円

新株予約権行使分     326,808,600円

(6)

行使価額

2021年第1回新株予約権

86円

2021年第2回新株予約権

86円

(7)

新株予約権の行使期間

2021年11月25日(当日を含む。)から2024年11月22日(当日を含む。)までとする。

(8)

募集又は割当て方法(割当予定先)

第三者割当の方法により、以下の者に割り当てます。

2021年第1回新株予約権

Star Asia Opportunity Ⅲ LP 241,802個

Four Quadrant Global Real Estate Partners 39,244個

Hazelview Global Real Estate Fund 13,081個

EVO FUND 11,627個

Charlestown Energy Partners, LLC 6,395個

マルコム・エフ・マクリーン4世 5,813個

増山太郎 5,813個

橋本龍太朗 581個

Joseph Altwasser 581個

梅木篤郎 232個

細野敏 232個

田口洋平 174個

2021年第2回新株予約権

ドイツ銀行ロンドン支店 38,001個

(9)

新株予約権の行使により株式を発行する場合の資本組入額

2021年第1回新株予約権及び2021年第2回新株予約権の行使により当社普通株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし(計算の結果1円未満の端数が生じる場合はその端数を切り上げた額とする。)、当該資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額を増加する資本準備金の額とする。

 

3.調達する資金の具体的な使途及び支出予定時期

本株式及び本新株予約権の発行、並びに割当予定先による本新株予約権の行使によって調達する資金の額は、発行諸費用の概算額160百万円を控除すると合計約5,766百万円となり、調達する資金の具体的な使途については、次のとおり予定しています。

具体的な使途

金 額(百万円)

支出予定時期

新規ホテル物件取得及び新規出店資金

5,766

2021年11月~

2024年3月

合計

5,766

 

(資産の取得)

 2021年12月10日に当社の連結子会社である合同会社天神ホテル管理は、資産を取得することを決定し、同日に売買契約を締結いたしました。

① 取得の理由

当社グループは、当社グループがホテル物件の所有者兼ホテル運営者となるオーナー・オペレーターモデルへの移行を進めることを成長戦略の1つとして掲げております。その成長戦略を実行すべく、当社グループが長期固定賃料型の賃貸借契約に基づき第三者から賃借し、運営している本ホテルを、現所有者から購入し、オーナー・オペレーターモデルへと移行することといたしました。これにより、本ホテルの損益分岐点が大幅に引き下げられ、株主資本利益率(ROE)の向上が期待できるとともに、ホテル物件の取引市場における流動性がコロナ禍以前の水準まで戻った際には、潜在的な含み益を有する本物件の売却による利益貢献も期待できます。

② 取得資産の内容

(1)

対象資産名称

フィーノホテル札幌大通

(2)

所在地

北海道札幌市中央区南1条西6丁目8番地1号(住居表示)

(3)

資産の概要

信託受益権(土地、建物)

(4)

取得価額

守秘義務契約により非開示とさせていただきます。

③ 取得の相手先の概要

(1)

名称

アルファコ-ト株式会社

(2)

所在地

北海道札幌市中央区南一条西七丁目1番地3

(3)

代表者の役職・氏名

代表取締役 川村 裕二

(4)

事業内容

総合不動産業・デベロッパー業

(5)

資本金

100百万円

(6)

設立年月日

2004年3月22日

(7)

純資産

4,014百万円(2021年5月末)

(8)

総資産

23,989百万円(2021年5月末)

(9)

大株主及び持株比率

アルファホールディングス株式会社 96.3%

(10)

当社と当該会社との関係

資本関係

特記すべき事項はございません。

人的関係

特記すべき事項はございません。

取引関係

当社と相手先との間には、特記すべき事項はございません。なお、当社の連結子会社である株式会社フィーノホテルズは、同ホテルを含む2ホテルについて相手先との間で賃貸借契約を締結しております。

関連当事者への該当状況

特記すべき事項はございません。

④ 取得の日程

(1)

購入決定日

2021年12月10日

(2)

契約締結日

2021年12月10日

(3)

物件引渡日

2021年12月28日

 

(販売用不動産の売却)

 2021年12月10日に当社は、販売用不動産(所在地:茨城県水戸市、種類:土地及び建物)を売却すること決定し、同日に売買契約を締結いたしました。なお、販売先及び販売価格等につきましては、販売先との守秘義務契約により公表を控えさせていただきます。

 

(金銭消費貸借契約による資金の借入れ)

 2021年12月24日に当社の連結子会社であります合同会社天神ホテル管理は、ドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト(ドイツ銀行)東京支店からの資金の借入れを決定し、同日に金銭消費貸借契約を締結しております。

① 借入額   2,459百万円

② 担保の有無 有

 

(匿名組合契約による出資受入)

 2021年12月24日に当社の連結子会社であります合同会社天神ホテル管理は、当社の親会社でありますStar Asia Opportunity III LPからの匿名組合契約による10百万円の出資の受入れを決定し、同日に匿名組合契約を締結しております。

 

(金銭消費貸借契約による資金の借入れ)

 2022年3月30日に当社は、株式会社きらぼし銀行からの借入れを行うことを決定し、同日に金銭消費貸借契約を締結しております。

① 借入額   300百万円

② 担保の有無 無

 

 2022年3月30日に当社は、当社のスポンサーグループであるスターアジアグループに属するSAO Ⅲ LLCからの借入れを行うことを決定し、同日に金銭消費貸借契約を締結しております。

① 借入額   300百万円

② 担保の有無 無

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。