文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社片倉工業㈱は、1873年の創業以来、国内最大手のシルクメーカーとして「カタクラシルク」のブランドを世界に広めると同時に、わが国近代産業の発展に寄与してまいりました。また、長い歴史の中で培われてきた信頼と有形無形の財産の有効活用により事業の多角化を推進し、カタクラグループとして広く社会に貢献してまいりました。創業から140年以上の長きにわたり培われた社風である「親和協力」のもと、ステークホルダーの皆様の満足を得ることに努め、社会と共に持続的な発展を目指すために、以下の経営理念を掲げております。
≪経営理念≫
≪経営ビジョン≫
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2017年2月に2021年度を最終年度とする中期経営計画「カタクラ2021」を発表し、基本戦略である「成長事業への転換」に基づき、構造改革に取り組んでまいりました。特に不採算事業については計画策定時からの更なる事業環境の悪化により構造改革を1年延長し、2020年度での黒字化が見込めない事業の大幅な縮小または撤退を行いました。
この結果、当社グループは、計画策定時に想定していた事業ポートフォリオから大きく異なる状況となったため、2020年6月に中期経営計画「カタクラ2021」は取り下げをいたしましたが、大幅な固定費削減を実現させ、収益構造を改善することができました。
2020年年初からの新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループにおいても、ショッピングセンターの臨時休業や営業時間の短縮等の影響を受け、不動産事業を中心に減収傾向にありますが、構造改革による収益力の改善により、業績は堅調な推移を見込んでおります。
当社グループは、今後、ポスト構造改革の取り組みとして、不動産事業等の成長分野へ経営資源を振り向けるとともに、安定した収益構造への転換を果たした事業については、より一層の採算性改善に努めてまいります。加えて、他社との事業提携やM&Aによる成長を検討するとともに、更なる資本効率の改善や、株主還元の適切な水準への引き上げを図ることで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
また、社外取締役の増員による取締役会の実効性向上や、関係会社管理規程に基づくグループ全体のリスクマネジメント(コンプライアンス含む)を一層充実させることで、引き続きガバナンス体制の強化に努めてまいります。
さらに、持続的成長を担う人材確保のために、社内外からの積極的人材登用や研修等を通じた計画的育成を行ってまいります。また、連続休暇や時差出勤制度に加え、在宅勤務・サテライトオフィス活用によるリモートワークを一層推進し、従業員一人ひとりが安心して働き続けられ、最大限の能力を発揮できる職場環境を整えてまいります。
主要な事業について優先的に対処すべき課題は次のとおりです。
(不動産事業)
さいたま新都心における「まちづくり事業」を中核事業と位置付け、不動産事業および不動産周辺ビジネスの拡充に努めてまいります。
また、その他の社有地については、構造改革により新たに活用が可能となった不動産を含め、資産の効率的な活用を図り、収益拡大に努めてまいります。
なお、大規模投資については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による外部環境の変化を見極めながら、最適な時機やプランを検討してまいります。
(医薬品事業)
製薬業界は、2021年4月から始まる薬価の毎年改定の影響を受けるなど、一層厳しい事業環境に置かれます。今後は、これまで取り組んでいるジェネリック医薬品のラインナップ拡充、アウトライセンスによる販売拡大、共同研究等のインライセンスによる効率的な創薬開発をさらに強化してまいります。これらに加え、販売・生産・研究にかかるコスト構造の更なる見直しにより、安定した収益基盤の確立に努めてまいります。
(機械関連事業)
消防自動車事業については、受注精度を高めるとともに、生産性向上に取り組み、引き続き採算性の改善を図ってまいります。
加えて新たな事業領域の拡大により更なる収益基盤の強化に努めてまいります。
(繊維事業)
実用衣料については、当社衣料品事業部門を大幅縮小のうえ一部事業を連結子会社へ譲渡し、さらに国内物流拠点を統合いたしました。今後は、統合によるコスト圧縮・販路拡大に加えて、介護商品など付加価値の高い商品拡充による収益力強化を進めてまいります。
機能性繊維については、新たな高機能素材の開発と耐熱性繊維の用途開発・販路拡大を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の記載事項は、当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅したものではありません。
(1) 自然災害等
当社グループは、国内に生産工場やショッピングセンター等の事業所を配置しており、また海外に協力工場等があります。これらにおいて、地震、台風、洪水等の自然災害や火災、停電、感染症の世界的流行(パンデミック)等が発生し、生産活動や営業活動等に支障をきたした場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため在宅勤務や時差出勤を推奨し、防疫対策や感染が疑われる場合の対応についても周知を図っております。
しかし、新型コロナウイルス感染症の収束は依然として不透明であり、政府や自治体による外出自粛や営業制限、休業要請が長期に亘る場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の取引先等
医薬品事業を営む連結子会社トーアエイヨー㈱の売上高は、大部分が特定の取引先に対するものであります。また、不動産事業のうち、ショッピングセンター事業については、特定の取引先が複数のショッピングセンターに核テナントとして入店しております。このため、当該取引先の事業方針の変更等により、現在の取引形態の変更が余儀なくされるような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料又は商品の仕入れ等に関するリスク
当社グループは、一部の原材料及び商品の仕入や外注加工に関して、災害等の要因によって仕入又は外注加工が困難になり、重要な製品の製造停止や重要な仕入販売取引の停止等を余儀なくされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品の品質に関するリスク
医薬品事業における製品に重大な副作用その他の安全性の問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、機械関連事業等における製品は、独自の厳しい規格に基づき製造を行っておりますが、製造物責任賠償につながる製品の欠陥が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 医薬品の研究開発に内在する不確実性
医薬品の開発には多額の研究開発費と長い期間が必要とされますが、開発の過程で期待した有効性が証明できない場合や、重篤な副作用が発現した等の理由により、開発の継続を断念しなければならない可能性があり、上市や事業としての成功の可能性には不確実性があります。
(7) 薬事行政の影響
医薬品事業は医療政策の影響及び薬事行政の規制を受けております。医療費抑制策や、医薬品の開発・製造
及び販売に関する規制の厳格化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産におけるリスク
当社グループは、知的財産権の第三者からの侵害について継続的に注意を払っております。しかしながら、第三者が当社グループの技術を利用して当社グループ製品の市場ないしは関連する市場において知的財産権が侵害を受けた場合、また、当社グループの事業活動が他社製品の知的財産に抵触した場合には係争となる可能性があり、その結果次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 退職給付債務
当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については長期国債利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 株式等の時価変動について
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
(11) 為替相場の変動について
当社グループは、為替予約により為替相場の変動リスクを低減しておりますが、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財政状態に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
(12) 内部統制・コンプライアンスに関するリスク
当社グループでは、コンプライアンスの強化、及び財務報告に係る内部統制を含めた整備を進めております。
しかし、従業員による不正行為があった場合や、当社グループが適時に信頼できる財務報告を作成できない場合、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 不動産事業に関するリスク
当社グループの不動産事業において、景気動向等により大型テナントが退店し、その後の建物利用も困難な場合、多額の解体費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが所有する既存施設について、環境問題・土壌汚染等が判明した場合には、追加費用の発生や開発スケジュールの変更が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を背景に厳しい経済環境へと急速に転じました。緊急事態宣言の解除後も経済活動の回復に向けた動きは鈍く、11月には新型コロナウイルス感染症の感染再拡大がみられるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような厳しい環境ではあるものの、当社グループは、構造改革後も継続して収益基盤の強化や採算性の改善に取り組み、中長期的な企業価値の向上に努めてまいりました。
この結果、当期の売上高は前期に比べ44億4百万円減収の396億39百万円(前期比10.0%減)、営業利益は前期に比べ10億26百万円増益の35億95百万円(同40.0%増)となり、経常利益は45億44百万円(同32.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、28億71百万円(同65.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<売上高の内訳>
イ. 不動産事業
不動産事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、商業施設の臨時休業や営業時間短縮を実施したこと等により減収となりました。
この結果、不動産事業の売上高は98億27百万円(前期比8.4%減)、営業利益は36億91百万円(同10.0%減)となりました。
ロ. 医薬品事業
医薬品事業の売上高は137億29百万円(同3.3%減)となりました。
営業利益は新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制約に伴う販売費の減少により5億79百万円(同5.0%増)となりました。
ハ. 機械関連事業
機械関連事業は、消防自動車事業で減収となり、売上高は80億69百万円(同14.9%減)となりました。
営業利益は消防自動車関連の原価低減の取り組みが奏功し93百万円(前期は2億34百万円の損失)となりました。
なお、機械関連事業の自動車部品、工業用バルブ、工業用洗浄機等の設計・製造・販売の事業については、コロナ禍の想定を超える受注減により、安定した収益構造への転換が困難であると判断し撤退することといたしました。
ニ. 繊維事業
繊維事業は、実用衣料の事業縮小に加え、水溶性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより、売上高は63億53百万円(前期比19.0%減)となりました。
営業利益は実用衣料での商品構成・販路見直しや労務費・販管費等の減少による採算性向上により2億74百万円(前期は1億23百万円の損失)となりました。
ホ. その他
その他の区分は、ビル管理サービス、訪花昆虫の販売等により構成されております。
その他の売上高は16億59百万円(前期比7.8%減)、営業利益は不採算事業からの撤退により1億3百万円(前期は58百万円の損失)となりました。
当期末の総資産額は、前期末に比べ66億9百万円減少の1,343億84百万円(前期末比4.7%減)となりました。
当期末における負債総額は、前期末に比べ38億51百万円減少の525億41百万円(同6.8%減)となりました。
当期末における純資産額は、前期末に比べ27億58百万円減少の818億43百万円(同3.3%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下、「資金」という。)は、80億17百万円となり、前期末に比べ45億14百万円の増加(前期末比128.9%増)となりました。
イ. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、65億30百万円(前期比32.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(44億69百万円)、非資金項目である減価償却費(29億55百万円)があったことによるものであります。
ロ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果得られた資金は、21億67百万円(前期は35億53百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入(14億83百万円)、有形固定資産の売却による収入(12億75百万円)があったことによるものであります。
ハ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、41億84百万円(前期は49億78百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出(15億25百万円)、自己株式の取得による支出(11億48百万円)、短期借入金の純減少額(5億31百万円)があったことによるものであります。
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格ベースで表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「機械関連事業」の一部を除き、原則として受注生産ではなく見込生産であります。
なお、受注生産を行っている「機械関連事業」の当期の受注高及び当期末の受注残高は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
a. 経営成績の状況
当期における経営成績の概要については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。連結損
益計算書の主要項目ごとの前期との主な増減要因は次のとおりであります。
イ. 売上高
当期の売上高は、前期に比べ44億4百万円減収の396億39百万円(前期比10.0%減)となりました。
(不動産事業)
当期の売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、商業施設の臨時休業や営業時間
短縮を実施したことにより減少となりました。一方で、社有地開発や構造改革により新たに利用が可能と
なった不動産を含め、資産の効率的な活用を図るなど、グループ全体の不動産ポートフォリオの再構築に取
り組んでまいりました。
翌期の売上高は、回復傾向にあると見ているものの、コロナ禍の影響が一定程度続くものと予想しており
ます。
人々の移動が制限されていることに加え、さいたま新都心のコクーンシティでは近隣の大型マンションへ
の入居が始まることもあり、足元商圏のお客様に対する取り組みを強化してまいります。
(医薬品事業)
医薬品事業は、2020年4月から尿酸排泄薬「ユリノーム錠」を販売開始したこと、2020年6月から高脂血
症治療剤「エゼチミブ錠」を販売開始したことによる売上増加があったものの、2020年4月の薬価改定の影
響により減収となりました。
翌期の売上高は、2021年4月から始まる薬価の毎年改定の影響を受けると予想しております。
これまで取り組んでいるジェネリック医薬品のラインナップ拡充、アウトライセンスによる販売拡大、共
同研究等のインライセンスによる効率的な創薬開発をさらに強化してまいります。これらに加え、販売・生
産・研究にかかるコスト構造の更なる見直しにより、安定した収益基盤の確立に努めてまいります。
(機械関連事業)
当期の売上高は、消防自動車事業で前期のODA向け車両及び電力会社向け車両の受注が剥落し、減収と
なりました。
翌期の売上高は、自動車部品、工業用バルブ、工業用洗浄機等の設計・製造・販売の事業からの撤退によ
り、減収を見込んでおります。消防自動車事業については、受注精度を高めるとともに、生産性向上に取り
組み、引き続き採算性の改善を図ってまいります。加えて新たな事業領域の拡大により更なる収益基盤の強
化に努めてまいります。
(繊維事業)
繊維事業は、実用衣料の事業縮小に加え、水溶性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより減収となりま
した。
今後は、実用衣料においては国内物流拠点の統合によるコスト圧縮・販路拡大に加えて、介護商品など付
加価値の高い商品拡充による収益力強化を進めてまいります。機能性繊維においては、新たな高機能素材の
開発と耐熱性繊維の用途開発・販路拡大を進めてまいります。
(その他)
ビル管理サービスが好調に推移したものの、介護福祉機器事業、はなびらたけ・高機能野菜の生産・販売
事業から撤退した影響により、減収となりました。
ロ. 売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当期の売上原価は、前期に比べ35億94百万円減少の243億91百万円(同12.8%減)となりました。売上原価率は前期に比べ2.0ポイント低下して61.5%となりました。
売上総利益は、売上総利益率は上昇したものの減収により、前期に比べ8億9百万円減益の152億47百万円(同5.0%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、当社管理部門の労務費の減少等の影響により前期に比べ18億36百万円減少の116億51百万円(同13.6%減)となりました。
なお、売上高販管費率は、前期に比べ1.2ポイント低下し、29.4%となりました。
以上の結果、営業利益は、前期に比べ10億26百万円増益の35億95百万円(同40.0%増)となりました。不動産事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による減収を受け、減益となりました。医薬品事業では、減収ながら、新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制約に伴う販売費の減少により増益となりました。機械関連事業では、減収ながら、消防自動車事業での構造改革に伴う外注費や原材料費の削減により好転となりました。繊維事業では、実用衣料で構造改革に伴う商品構成・販路見直しにより採算性の改善を進めたこと等により好転となりました。その他の事業では、構造改革に伴う不採算事業からの撤退により好転となりました。
構造改革により、ベースの収益力を向上させることができた結果、全セグメントで営業黒字を計上することとなりました。
今後は不動産事業等の成長事業へ経営資源を振り向けるとともに、安定した収益構造への転換を果たした事業については、より一層の採算性改善に努めてまいります。
ハ. 営業外収益(費用)、経常利益
営業外収益(費用)は、前期に比べ88百万円増益となり、9億49百万円(前期比10.3%増)の収益(純額)となりました。これは主に、受取配当金が増加したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は、前期に比べ11億14百万円増益の45億44百万円(同32.5%増)となりました。
ニ. 特別利益(損失)、税金等調整前当期純利益
特別利益(損失)は、前期に比べ2億87百万円好転し、75百万円の損失(純額)となりました(前期は3億62百万円の損失(純額))。これは主に、割増退職金が増加したものの、固定資産売却益及び投資有価証券売却益が増加したことによるものであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ14億2百万円増益の44億69百万円(前期比45.7%増)となりました。
ホ. 法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、前期に比べ31百万円増加の11億16百万円(同2.9%増)となりました。
なお、税金等調整前当期純利益に対する負担率は25.0%となり、前期に比べ10.4ポイント低下しました。
非支配株主に帰属する当期純利益(損失)の控除額は、主に子会社であるトーアエイヨー㈱が増益となったため、前期に比べ2億31百万円増加の4億81百万円(同92.6%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ11億38百万円増益の28億71百万円(同65.7%増)となりました。
b. 財政状態の状況
イ. 資産の部
流動資産は、前期末に比べ12億73百万円増加の538億22百万円(前期末比2.4%増)となりました。増減の主要な項目は、現金及び預金、受取手形及び売掛金であり、現金及び預金は36億96百万円増加し、受取手形及び売掛金は22億19百万円減少しました。
固定資産は、前期末に比べ78億82百万円減少の805億61百万円(同8.9%減)となりました。増減の主要な項目は、建物及び構築物、投資有価証券であり、それぞれ19億83百万円、58億50百万円減少しました。
上記により総資産額は、前期末に比べ66億9百万円減少の1,343億84百万円(同4.7%減)となりました。
ロ. 負債の部
流動負債は、前期末に比べ2億2百万円増加の196億88百万円(同1.0%増)となりました。増減の主要な項目は、支払手形及び買掛金、短期借入金、預り金であり、支払手形及び買掛金は4億54百万円、短期借入金は5億31百万円減少し、預り金は9億13百万円増加しました。
固定負債は、前期末に比べ40億54百万円減少の328億52百万円(同11.0%減)となりました。増減の主要な項目は、長期借入金、繰延税金負債であり、それぞれ15億25百万円、19億68百万円減少しました。
上記により負債総額は、前期末に比べ38億51百万円減少の525億41百万円(同6.8%減)となりました。
ハ. 純資産の部
純資産は、前期末に比べ27億58百万円減少の818億43百万円(同3.3%減)となりました。増減の主要な項目は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金であり、利益剰余金は23億79百万円増加し、その他有価証券評価差額金は30億25百万円減少しました。
また、自己資本比率は前期末に比べ0.3ポイント上昇し、42.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、不動産事業における商業施設等の運営費用や医薬品事業、機械関連事業、繊維事業における製品製造のための原材料等の購入、製造費、販売費等の運転資金に加え、設備投資や研究開発活動費、社有地における大規模開発等の戦略的投資資金であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達を行っています。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本とし、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。また、当社及び連結子会社においてグループ・ファイナンス制度を導入し、資金効率の向上と金融収支の改善に努めております。大規模開発資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 1.各指標の算出方法は次のとおりであります。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
6.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の選択・適用、期末日における資産・負債及び会計期間における収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
イ. 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状態の悪化による価格の下落リスクを負っているため、社内規定により、その他有価証券で時価のある株式については、下落率30%以上のものにあっては回復可能性が認められる合理的な反証が無い限り減損処理を行っております。このため、株式市況の変動により、投資有価証券の減損費用が発生する可能性があります。
ロ. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しておりますが、見積りの前提となった仮定や条件が変更され、当該課税所得の見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ハ. 退職給付に係る負債
当社グループの退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している連結子会社を除き、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) (新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについて)」に記載しているため、記載を省略しております。
該当事項はありません。
当社グループでは、医薬品事業、機械関連事業及び繊維事業の各事業領域で、新しい製・商品の開発、既存製・商品の品質の向上、新しい技術の発見等を目的とした研究開発活動を行っております。
セグメントにおける主な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) 医薬品事業
医薬品事業を営むトーアエイヨー㈱では、循環器領域およびその周辺領域において、経皮吸収製剤、後発品を含めた付加価値製剤の開発、他社とのライセンス提携、共同開発や製品導入等を積極的に展開しております。
開発状況につきましては、2020年2月に大阪大学と中性脂肪蓄積心筋血管症治療薬「CNT-01」について全世界における独占的な開発・製造・販売権などに関する契約を締結しました。また、2020年2月に高脂血症治療剤『エゼチミブ錠10mg「TE」』の製造販売承認を取得しました。
当事業に係る研究開発費は、
(2) 機械関連事業
消防自動車事業を営む日本機械工業㈱では、市場ニーズに合わせた新製品の検討、既存消防車の標準化や操作性向上に関する研究開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、
(3) 繊維事業
繊維事業では、インナーウェアで当社の衣料品事業室及びオグランジャパン㈱が、機能素材繊維で㈱ニチビがそれぞれ研究開発活動を行っております。
インナーウェアでは、着用者の視点に立った、高機能・高感度・高付加価値を追求した差別化商品の開発を行っております。
機能素材繊維では、アルミナ長繊維の改良を進め、製造プロセスの最適化により化学的安定性や耐熱性のさらなる向上を目指し、多様なニーズに対応できるよう製品開発に取り組んでいます。
また、アルミナ長繊維に続く新たな機能性無機繊維の研究開発を進めています。
当事業に係る研究開発費は、
これらの結果、当連結会計年度の研究開発費は、