(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済においては、米国では内需主導で景気拡大が続き、中国では当局の景気下支え政策により景気減速に歯止めがかかりました。また、欧州は英国のポンド安の影響が懸念されるものの、ユーロ圏では景気はゆるやかに拡大しました。一方、国内では、堅調な外需や設備投資の回復を背景に、景気はゆるやかに回復しました。
このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しています。当第1四半期連結累計期間においても、平成30年3月期までの4年間の中期計画で掲げた「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って、事業活動を進めました。
「海外展開の加速」においては、エンジニアリングプラスチック事業で、海外市場における販売拡大に努め、新たにインドに販売拠点を設立しました。また、エアバッグ用基布事業では、原糸から基布まで一貫生産するグローバルメーカーとして、海外顧客の認証取得を進め、当連結会計年度後半からの拡大に向けた準備を進めました。
「新製品の拡大・新事業の創出」では、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”の拡販を、大手偏光板メーカーを中心に進めました。また、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”については、米国での販売準備を進める一方、国内では適用症例数を着実に伸ばしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比43億円(5.1%)減の785億円となり、営業利益は同4億円(8.3%)増の50億円、経常利益は同9億円(27.2%)増の43億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同4億円(15.4%)増の28億円となりました。
セグメント別の概況は次のとおりです。
なお、当第1四半期連結累計期間より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、原料価格の影響を受けたものの、工業用フィルム製品は販売を伸ばし、また、機能樹脂製品でも拡販が進み、前年同期に比べ増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、原料価格上昇の影響を受けました。一方、工業用フィルムは、電子部品関連の特化フィルム製品を軸に販売を伸ばし、増収となりました。
機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、国内外ともに自動車関連用途が好調に推移し、増収となりました。光機能材料は、アジア等の海外向け製品の販売が好調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比14億円(4.1%)増の369億円、営業利益は同2億円(8.3%)増の30億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、スーパー繊維は苦戦しましたが、生活・産業資材が回復基調にあり、前年同期に比べ減収増益となりました。
生活・産業資材は、バグフィルター用PPS繊維“プロコン”の市況は改善方向に向かいました。一方、スーパー繊維は、“イザナス”は堅調に推移しましたが、“ザイロン”の販売が伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比2億円(1.4%)減の145億円、営業利益は同3億円(54.5%)増の8億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、バイオ・メディカル事業および機能膜・環境事業において、海外向けの販売が堅調に推移しましたが、一部の国内向け製品が苦戦し、前年同期に比べ減収減益となりました。
バイオ・メディカル事業では、ライフサイエンス用試薬の販売が堅調に推移しましたが、診断システムの国内向け販売が苦戦しました。
機能膜・環境事業では、海水淡水化用逆浸透膜の販売は堅調に推移しましたが、機能フィルターの販売が伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比10億円(11.5%)減の76億円、営業利益は同2億円(15.4%)減の9億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年同期に比べ、減収減益となりました。
ユニフォーム用途は堅調に推移しましたが、寝装用途、スポーツ衣料製品の販売が苦戦しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比40億円(19.7%)減の161億円、営業利益は同0億円(21.9%)減の2億円となりました。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比6億円(14.3%)減の33億円、営業利益は同0億円(0.5%)増の7億円となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前年度末比61億円(1.4%)減の4,447億円となりました。これは主として現金及び預金が減少したことによります。
負債は、前年度末比79億円(2.8%)減の2,720億円となりました。これは主として短期借入金が減少したことによります。
純資産は、その他有価証券評価差額金などの増加により、前年度末比18億円(1.0%)増の1,727億円となりました。
(2)事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、平成29年5月11日に開催された取締役会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の更新を決定しました。本プランは、平成29年6月28日開催の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、出席株主の議決権の過半数の賛同を得て可決されております。
1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えております。
しかしながら、最近の我が国の資本市場における株券等の大量買付行為の中には、現経営陣の賛同を得ず一方的に行為を強行する動きも見受けられ、①対象会社に対し高値買取の要求を狙う買収である場合や、重要な資産・技術情報等を廉価に取得するなどして会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙う買収である場合、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合、③株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく行われる買収である場合、④対
象会社の企業価値向上のために必要な従業員、取引先、お客様等の利害関係者との関係を損なうおそれのある買収である場合等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものも少なくありません。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の財務および基本理念、事業内容、
コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする
者であるべきだと考えます。したがいまして、当社は、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではなく、このような行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えております。
2)基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。130年を超える歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、5つのアクションプランを設定し取り組むことで、事業の維持・拡大を図っています。
当社は、企業価値を「利益、キャッシュフロー、資産効率等の経済的価値」と「ステークホルダーからの信頼・評価を含めた社会的価値」の両方で構成されると考えており、これら両面から企業価値を高めていきます。
3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
①本プランの概要
本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為が行われる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。
②本プランの有効期間
本プランの有効期間は、本定時株主総会の終結の時から平成32年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとします。
4)本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本プランは、以下の理由により、上記1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
①買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること
②企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として更新されていること
③株主意思を重視するものであること
④独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視
⑤対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定
⑥独立した地位にある第三者専門家の助言の取得
⑦デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のウェブサイト(http://www.toyobo.co.jp/news/2017/)に掲載されている平成29年5月11日付「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2,599百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。