第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済において、米国では設備投資が好調で企業業況は堅調に推移し、ユーロ圏では景気拡大が継続しました。また、中国では内外需要が景気を下支えしました。一方、国内では、設備投資が増加し景気は緩やかに回復基調を継続しました。しかしながら、米国の保護主義的な通商政策が、各国に影響を及ぼすことが懸念される状況が続いています。

このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しています。当第1四半期連結累計期間において、2018年中期経営計画で掲げた「各事業に適した事業運営の徹底」、「中長期新商品・新事業開発の強化」、「事業基盤の強化」の3つの重点施策に取り組みました。

成長ドライバーである工業用フィルムにおいては、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”およびセラミックコンデンサー用離型フィルムを軸に販売を拡大しました。また、エンジニアリングプラスチック事業においては、インドに2つ目の営業拠点を開設し、海外でのインフラを整備しました。さらに、電子ペーパーディスプレイなどに使われる高耐熱性ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の事業拡大に向けて、生産・販売会社「ゼノマックスジャパン株式会社」を設立しました。また、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”の米国パートナーを確定し、米国への拡販準備を進めました。一方、仕事の仕方、会社の制度および意識を変えていくため、「カエルプロジェクト」を立ち上げて、活動を開始しました。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比23億円(2.9%)増の808億円となり、営業利益は同4億円(7.3%)増の53億円、経常利益は同5億円(10.6%)増の48億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同3億円(9.5%)増の31億円となりました。

 

セグメント別の概況は次のとおりです。

 

(フィルム・機能樹脂事業)

当事業は、機能樹脂事業は苦戦しましたが、フィルム事業においては、包装用フィルム、工業用フィルムともに堅調に推移し、前年同期に比べ増収増益となりました。

フィルム事業では、包装用フィルムは、原料価格高騰の影響を受けましたが、堅調な需要に支えられ、売上を伸ばしました。工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”が大手偏光板メーカー向けの出荷を軸に販売を伸ばし、セラミックコンデンサー用離型フィルムも電子部品関連用途を中心に販売を拡大しました。

機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、国内・海外ともに自動車用途の販売を伸ばしましたが、海外において原料価格高騰の影響を受けました。工業用接着剤“バイロン”は、電子材料を中心とした接着用途の販売が低調に推移しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比19億円(5.1%)増の388億円、営業利益は同5億円(18.1%)増の36億円となりました。

 

(産業マテリアル事業)

当事業は、原料価格高騰の影響を受けましたが、エアバッグ用基布、生活・産業資材が販売を伸ばし、前年同期に比べ増収増益となりました。

エアバッグ用基布は、原料価格高騰の影響を受けましたが、海外顧客への販売を拡大しました。スーパー繊維は、“イザナス”および“ザイロン”は苦戦しましたが、“ツヌーガ”は、手袋用途を中心に販売を伸ばしました。生活・産業資材では、衛材用途のポリエステル短繊維および長繊維不織布スパンボンドが原料価格高騰の影響を受けました。一方、機能性クッション材“ブレスエアー”は寝装用途が堅調に推移し、バグフィルター用PPS繊維“プロコン”は中国の環境規制が強化され回復基調が継続しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比17億円(11.4%)増の161億円、営業利益は同2億円(20.4%)増の10億円となりました。

 

(ヘルスケア事業)

当事業は、バイオ・メディカル事業において、診断薬用酵素の販売が好調に推移し、機能膜・環境事業においては、溶剤を回収するVOC処理装置の販売が堅調に推移し、前年同期に比べ、増収増益となりました。

バイオ・メディカル事業では、医薬品製造受託事業は受託案件の進捗が遅れ、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”は苦戦しましたが、米国における拡販準備が整いつつあります。また、診断薬用酵素は海外への販売を伸ばしました。

機能膜・環境事業では、海水淡水化用逆浸透膜の交換膜受注が遅れ苦戦しましたが、溶剤を回収するVOC処理装置は、中国市場を中心に販売を拡大しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比0億円(0.1%)増の76億円、営業利益は同1億円(10.3%)増の10億円となりました。

 

(繊維・商事事業)

当事業は、前年同期に比べ、減収増益となりました。

スポーツ衣料製品およびユニフォーム用途は、販売が伸び悩みました。また、中東向け特化生地は、市況の悪化が続き苦戦しました。一方、シャツ製品は堅調に推移し、インナー用途は販売が伸びました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比13億円(8.0%)減の148億円、営業利益は同0億円(11.0%)増の2億円となりました。

 

(不動産事業、その他事業)

当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比0億円(0.7%)増の34億円、営業利益は同3億円(38.7%)減の4億円となりました。

 

資産、負債及び純資産の状況

総資産は、前年度末比54億円(1.2%)減の4,401億円となりました。これは主として受取手形及び売掛金が減少したことによります。

負債は、前年度末比63億円(2.4%)減の2,546億円となりました。これは主として長期借入金が減少したことによります。

純資産は、非支配株主持分およびその他有価証券評価差額金などの増加により、前年度末比9億円(0.5%)増の1,855億円となりました。

 

(2)事業上および財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

当社は、2017年5月11日に開催された取締役会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の更新を決定しました。本プランは、2017年6月28日開催の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、出席株主の議決権の過半数の賛同を得て可決されています。

 

1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。

しかしながら、最近の我が国の資本市場における株券等の大量買付行為の中には、現経営陣の賛同を得ず一方的に行為を強行する動きも見受けられ、①対象会社に対し高値買取の要求を狙う買収である場合や、重要な資産・技術情報等を廉価に取得するなどして会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙う買収である場合、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合、③株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく行われる買収である場合、④対

象会社の企業価値向上のために必要な従業員、取引先、お客様等の利害関係者との関係を損なうおそれのある買収である場合等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものも少なくありません。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の財務および基本理念、事業内容、

コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする

者であるべきだと考えます。したがいまして、当社は、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではなく、このような行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えています。

 

2)基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。130年を超える歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、5つのアクションプランを設定し取り組むことで、事業の維持・拡大を図っています。

当社は、企業価値を「利益、キャッシュフロー、資産効率等の経済的価値」と「ステークホルダーからの信頼・評価を含めた社会的価値」の両方で構成されると考えており、これら両面から企業価値を高めていきます。

 

3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

①本プランの概要

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為が行われる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。

本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

 

②本プランの有効期間

本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の定時株主総会の終結の時から2020年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとします。

 

4)本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由

本プランは、以下の理由により、上記1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。

①買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること

②企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として更新されていること

③株主意思を重視するものであること

④独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視

⑤対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定

⑥独立した地位にある第三者専門家の助言の取得

⑦デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のウェブサイト(http://www.toyobo.co.jp/news/2017/)に掲載されている2017年5月11日付「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。

 

(3)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2,733百万円です。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。