第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

(20)災害等の発生

当社グループは、国内外の各地で生産活動ほかの企業活動を行っており、災害などについて、それぞれの工場ほか各事業所での設備管理を徹底するなど、可能なかぎりその発生を未然に防ぐように努めています。しかしながら、それらの工場ほかで大規模な地震、風水害、雪害などの自然災害や火災および新型インフルエンザなどの感染症が発生した場合、あるいは取引先において同様の災害被害が発生した場合には、当社グループの生産活動ほかに著しい支障が生じるなど、経営成績および財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、2018年9月6日に当社の敦賀事業所第二において火災が発生し、製造設備等が被災しました。当社は早期の復旧に努めています。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済において、米国では雇用環境が良好で個人消費も堅調に推移し、景気は緩やかな拡大を続けましたが、中国では設備過剰感が強まり景気は減速しました。ユーロ圏では輸出と設備投資が減少し、景気は減速傾向が強まりました。一方、国内では、輸出は減少したものの、インバウンド需要は自然災害後に持ち直し、設備投資も堅調に推移し、景況感は小幅改善しました。しかしながら、米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題などによる世界経済のさらなる減速も懸念され、事業環境は先行き不透明感が強まっています。

このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しています。当第3四半期連結累計期間においては、2018年中期経営計画で掲げた「フィルム&コーティング」「モビリティ」「ヘルスケア&ウェルネス」の3つの成長分野と、それらにつながる「環境」の分野で、社会に貢献する価値創りに取り組んできました。

「フィルム&コーティング」では、工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャイン SRF”およびセラミックコンデンサ用離型フィルムを軸に、順調に販売を拡大しました。包装用フィルムは、堅調な国内需要を背景に、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの生産設備新設を決めました。「モビリティ」では、エアバッグ用基布は、国内および海外顧客への販売を維持しましたが、工場火災の影響と原料価格の変動で苦戦しました。エンジニアリングプラスチックは、自動車用途を中心に国内外ともに販売を拡大しましたが、原料価格変動の影響を受けました。「ヘルスケア&ウェルネス」では、診断薬用酵素を海外向けに拡販しました。「環境」では、VOC処理装置関連が好調に推移しました。

なお、当第3四半期連結累計期間において、火災によるエアバッグ用原糸代替品調達に関連する費用等120億円を特別損失に計上しました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比82億円(3.4%)増の2,499億円となり、営業利益は同7億円(4.4%)減の153億円、経常利益は同11億円(8.2%)減の127億円、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益158億円)となりました

 

セグメント別の概況は次のとおりです。

 

(フィルム・機能樹脂事業)

当事業は、機能樹脂事業は苦戦しましたが、フィルム事業は工業用フィルムが売上を大きく伸ばし、前年同期に比べ増収増益となりました。

フィルム事業では、包装用フィルムは、堅調な需要に支えられ売上を伸ばしましたが、原料価格変動の影響を受け苦戦しました。工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”が海外の液晶テレビ用途に販売を拡大し、また、セラミックコンデンサ用離型フィルムは車載用で販売を伸ばしました。

機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、国内外ともに自動車用途の販売を伸ばしましたが、原料価格変動の影響を受けました。工業用接着剤“バイロン”は、電子材料を中心とした接着用途の販売が低調で苦戦しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比75億円(6.8%)増の1,184億円、営業利益は同3億円(2.8%)増の101億円となりました。

 

(産業マテリアル事業)

当事業は、生活・産業資材事業は売上を伸ばしましたが、火災と原料価格変動の影響を受け、前年同期に比べ増収減益となりました。

エアバッグ用基布は、国内外の顧客への販売は維持しましたが、火災の影響と原料価格変動で苦戦しました。スーパー繊維事業では、“ツヌーガ”および“イザナス”の需要は堅調でしたが、“ザイロン”の販売が低調でした。生活・産業資材事業では、衛材用途のポリエステル短繊維は、海外向けに販売を拡大しましたが、原料価格変動の影響を受けました。機能性クッション材“ブレスエアー”は火災の影響を受け販売が減少しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比35億円(7.6%)増の498億円、営業利益は同5億円(16.5%)減の26億円となりました。

 

(ヘルスケア事業)

当事業は、機能膜・環境事業は、溶剤を回収するVOC処理装置関連の販売が堅調に推移しましたが、バイオ・メディカル事業は、医薬品製造受託事業が苦戦し、前年同期に比べ、減収減益となりました。

バイオ・メディカル事業では、診断薬用酵素は、海外への販売を大幅に伸ばしましたが、医薬品製造受託事業は、案件獲得に苦戦し、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応にかかる費用がかさみました。

機能膜・環境事業では、VOC処理装置関連は好調に推移しましたが、自動車キャビンフィルターなどの販売が減少しました。また、海水淡水化用逆浸透膜は、交換膜受注が遅れました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比9億円(3.6%)減の243億円、営業利益は同2億円(4.9%)減の31億円となりました。

 

(繊維・商事事業)

当事業は、前年同期に比べ、減収増益となりました。

ユニフォーム用途は販売が伸び悩み、中東向け特化生地は市況の悪化により数量が減少しました。一方、インナー用途は数量を増やし、スポーツ衣料製品は回復しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比20億円(4.1%)減の464億円、営業損失は同3億円減の0億円となりました。

 

(不動産事業、その他事業)

当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比1億円(1.3%)増の110億円、営業利益は同4億円(17.4%)減の17億円となりました。

 

資産、負債及び純資産の状況

総資産は、前年度末比82億円(1.8%)増の4,537億円となりました。これは主として設備投資の増加により有形固定資産が増加したことによります。

負債は、前年度末比117億円(4.5%)増の2,727億円となりました。これは主として社債が増加したことによります。

純資産は、利益剰余金が減少したことなどから、前年度末比35億円(1.9%)減の1,810億円となりました。

 

(2)事業上および財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

当社は、2017年5月11日に開催された取締役会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の更新を決定しました。本プランは、2017年6月28日開催の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、出席株主の議決権の過半数の賛同を得て可決されています。

 

1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。

しかしながら、最近の我が国の資本市場における株券等の大量買付行為の中には、現経営陣の賛同を得ず一方的に行為を強行する動きも見受けられ、①対象会社に対し高値買取の要求を狙う買収である場合や、重要な資産・技術情報等を廉価に取得するなどして会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙う買収である場合、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合、③株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく行われる買収である場合、④対

象会社の企業価値向上のために必要な従業員、取引先、お客様等の利害関係者との関係を損なうおそれのある買収である場合等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものも少なくありません。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の財務および基本理念、事業内容、

コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする

者であるべきだと考えます。したがいまして、当社は、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではなく、このような行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えています。

 

2)基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。130年を超える歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、5つのアクションプランを設定し取り組むことで、事業の維持・拡大を図っています。

当社は、企業価値を「利益、キャッシュフロー、資産効率等の経済的価値」と「ステークホルダーからの信頼・評価を含めた社会的価値」の両方で構成されると考えており、これら両面から企業価値を高めていきます。

 

3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

①本プランの概要

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為が行われる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。

本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

 

②本プランの有効期間

本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の定時株主総会の終結の時から2020年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとします。

 

4)本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由

本プランは、以下の理由により、上記1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。

①買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること

②企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として更新されていること

③株主意思を重視するものであること

④独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視

⑤対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定

⑥独立した地位にある第三者専門家の助言の取得

⑦デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のウェブサイト(http://www.toyobo.co.jp/news/2017/)に掲載されている2017年5月11日付「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は8,294百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。