第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く世界経済は、米中貿易摩擦の激化、英国のEU離脱問題による先行き不透明感を受け、米・中・欧において景気は減速しました。国内においては、内需は堅調に推移したものの、外需は海外経済の影響を受け、景況感は悪化しました。

このような環境のもと、当社グループは、「2018年中期経営計画」において、成長分野として位置付けた「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」に注力しています。当第1四半期連結累計期間では、「フィルム&コーティング」において、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売を拡大しました。また、フィルム事業の拡大に向けて、2019年10月1日付で、帝人フィルムソリューション株式会社およびPT.Indonesia Teijin Film Solutionsの全株式を取得し、両社を完全子会社とする予定です。

一方で、2018年9月の火災事故により、エアバッグ用原糸、機能性クッション材“ブレスエアー”の製造設備などを消失したため、代替品調達を進めました。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比1億円(0.1%)増の808億円となり、営業利益は同1億円(2.2%)減の52億円、経常利益は同5億円(9.5%)減の43億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同14億円(45.6%)減の17億円となりました。

 

セグメント別の概況は次のとおりです。

 

(フィルム・機能樹脂事業)

当事業は、フィルム事業が好調に推移した結果、前年同期に比べ、減収増益となりました。

フィルム事業では、包装用フィルムは、夏物商品の販売が伸び悩みました。一方、工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が大手偏光板メーカー向けの販売を順調に伸ばし、セラミックコンデンサ用離型フィルムは車載用途の販売を拡大しました。

機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車用途の販売は堅調でしたが、中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸び悩みました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比7億円(1.9%)減の381億円、営業利益は同2億円(4.8%)増の38億円となりました。

 

(産業マテリアル事業)

当事業は、火災の影響により、前年同期に比べ、減収減益となりました。

エアバッグ用基布は、火災の影響を受け苦戦しました。スーパー繊維事業では、“イザナス”はロープ用途を中心に販売を伸ばし、“ザイロン”は自転車タイヤ用途などの販売を拡大しました。生活・産業資材事業では、機能性クッション材“ブレスエアー”は、火災の影響を受け販売が減少しました。また、衛材用途のポリエステル短繊維は、中国市場の需要が減少し販売が伸び悩みました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比1億円(0.5%)減の160億円、営業利益は同4億円(43.9%)減の5億円となりました。

 

(ヘルスケア事業)

当事業は、機能膜・環境事業が堅調に推移し、前年同期に比べ、増収増益となりました。

バイオ・メディカル事業では、診断薬用酵素は、海外への販売が拡大しましたが、医薬は案件獲得に苦戦しました。

機能膜・環境事業では、溶剤を回収するVOC処理装置・エレメントが、中国向けを中心に販売を大幅に拡大し、海水淡水化膜は交換膜の販売が伸びました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比17億円(21.7%)増の93億円、営業利益は同2億円(22.5%)増の12億円となりました。

 

 

(繊維・商事事業)

当事業は、前年同期に比べ、減収減益となりました。

スポーツ衣料製品、中東向け特化生地は堅調に推移しましたが、アクリル繊維が伸び悩みました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比3億円(2.2%)減の145億円、営業損失は2億円となりました(前年同期は営業利益2億円)。

 

(不動産事業、その他事業)

当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。

この結果、当事業の売上高は前年同期比5億円(13.5%)減の29億円、営業利益は同2億円(44.5%)増の6億円となりました。

 

資産、負債及び純資産の状況

総資産は、前年度末比77億円(1.7%)増の4,688億円となりました。これは主として工業用フィルム製造設備などの設備投資に伴う建設仮勘定が増加したことによります。

負債は、前年度末比124億円(4.4%)増の2,922億円となりました。これは主として社債を発行したことによります。

純資産は、その他有価証券評価差額金および利益剰余金などの減少により、前年度末比46億円(2.6%)減の1,766億円となりました。

 

(2)事業上および財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

当社は、2017年5月11日に開催された取締役会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の更新を決定しました。本プランは、2017年6月28日開催の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、出席株主の議決権の過半数の賛同を得て可決されています。

 

1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。

しかしながら、最近の我が国の資本市場における株券等の大量買付行為の中には、現経営陣の賛同を得ず一方的に行為を強行する動きも見受けられ、①対象会社に対し高値買取の要求を狙う買収である場合や、重要な資産・技術情報等を廉価に取得するなどして会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙う買収である場合、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合、③株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく行われる買収である場合、④対

象会社の企業価値向上のために必要な従業員、取引先、お客様等の利害関係者との関係を損なうおそれのある買収である場合等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものも少なくありません。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の財務および基本理念、事業内容、

コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする

者であるべきだと考えます。したがいまして、当社は、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではなく、このような行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えています。

 

2)基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。130年を超える歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、「不断のポートフォリオ改革」を掲げ、事業の維持・拡大を図っています。

当社は、企業価値を「利益、キャッシュフロー、資産効率等の経済的価値」と「ステークホルダーからの信頼・評価を含めた社会的価値」の両方で構成されると考えており、これら両面から企業価値を高めていきます。

 

3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

①本プランの概要

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為が行われる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。

本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。

 

②本プランの有効期間

本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の定時株主総会の終結の時から2020年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとします。

 

4)本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由

本プランは、以下の理由により、上記1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。

①買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること

②企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として更新されていること

③株主意思を重視するものであること

④独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視

⑤対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定

⑥独立した地位にある第三者専門家の助言の取得

⑦デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のウェブサイト(https://www.toyobo.co.jp/news/2017/)に掲載されている2017年5月11日付「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。

 

(3)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2,908百万円です。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

(株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結)

当社は、2019年5月22日開催の取締役会において、帝人フィルムソリューション株式会社(以下「TFS社」)およびPT.Indonesia Teijin Film Solutions(本社:インドネシア共和国、以下「ITFS社」)のそれぞれの株式を取得し、子会社化することについて決議するとともに、同日付で帝人株式会社との間で株式譲渡契約を締結しました。

 

(1)被取得企業の名称およびその事業の内容

①被取得企業の名称 帝人フィルムソリューション株式会社

PT.Indonesia Teijin Film Solutions

②事業内容     帝人フィルムソリューション株式会社  フィルムの製造、販売

PT.Indonesia Teijin Film Solutions  フィルムの製造、販売

資本金の額    帝人フィルムソリューション株式会社  10,010百万円

PT.Indonesia Teijin Film Solutions  77.4百万USD

 

(2)株式取得の理由

当社は、「フィルム&コーティング」を成長分野の一つに位置付けており、工業用途から包装用途まで幅広いフィルム製品を製造、販売しています。工業用途では、耐水性・耐久性に優れた、液晶ディスプレーの偏光子保護用ポリエステルフィルム“コスモシャインSRF”や、高い平滑性が特長のセラミックコンデンサ用離型フィルムの採用が拡大しています。包装用途では、酸素や湿度に対する高いバリア性能により食品の消費期限を延ばせる製品や包材の薄肉化が可能で廃棄物の減量に貢献する製品など、環境にやさしい高機能なフィルム製品を数多く展開しています。

TFS社は、ITFS社とともにポリエステルフィルム事業を展開してきました。工業用途では、近年、車両の電装化の進展により需要が拡大するセラミックコンデンサ用離型フィルムなどの各種離型フィルム、包装用途では食缶用ラミネーションフィルムと、高品位のフィルム製品を供給しています。またPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムでは、主に自動車向けの絶縁フィルム、フレキシブルプリント基板(FPC)用途といった、高機能で特徴のある製品を提供しています。

本株式取得の実施により、TFS社の持つ高い開発・生産技術と幅広い製品ラインアップを加えることで、当社の高機能フィルム製品の開発・生産能力を強化し、フィルム事業基盤を更に強固なものにしていきます。また、ITFS社を傘下に置くことで海外生産体制を強化し、当社フィルム事業のさらなるグローバル化を図ります。

 

(3)株式譲渡実行日

2019年10月1日(予定)

 

(4)取得する株式の数、取得価額および取得後の持分比率

取得する株式の数 帝人フィルムソリューション株式会社    1,000株

PT.Indonesia Teijin Film Solutions  378,000株

②取得価額     約100億円を予定していますが、譲渡日時点における所定の調整を加え決定され

ます。

③取得後の持分比率 帝人フィルムソリューション株式会社  100

 PT.Indonesia Teijin Film Solutions  100