当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く世界経済は、米中貿易摩擦、中東情勢、英国のEU離脱問題を背景に、先行き不透明感が増し減速しました。国内においては、世界経済の減速に伴う輸出低迷、消費増税などの影響により、景気は足踏み状態が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、「2018年中期経営計画」において成長分野として位置付けた「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」に注力しています。当第3四半期連結累計期間では、「フィルム&コーティング」において、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は、 生産性を向上し順調に販売を拡大しました。セラミックコンデンサ用離型フィルム“コスモピール”は、新加工設備を稼働し増産体制を整えました。また、フィルム事業基盤をより強固にするため、2019年10月1日付で、帝人株式会社が保有する子会社2社の全株式を取得し、一体運営を開始しました。
2018年9月の火災事故により、エアバッグ用原糸、機能性クッション材“ブレスエアー”の製造設備などが焼失しましたが、“ブレスエアー”は、2019年9月に新工場を立ち上げ、順調に生産・販売を再開しました。エアバッグ用基布は、原糸の代替品調達により販売を継続しています。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比19億円(0.8%)減の2,480億円となり、営業利益は同6億円(4.1%)増の160億円、経常利益は同8億円(6.1%)増の134億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は59億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3億円)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、フィルム事業が好調に推移した結果、前年同期に比べ、減収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、世の中の環境意識の高まりを受け、環境に配慮した製品の販売が好調でした。工業用フィルムは、セラミックコンデンサ用離型フィルム“コスモピール”が電子関連部品の生産調整の影響を受けましたが、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は生産性を向上し、大手偏光板メーカー向けの販売を順調に拡大しました。
機能樹脂事業では、ポリオレフィン用接着性付与剤“ハードレン”が海外向けに販売を伸ばしましたが、エンジニアリングプラスチックは、世界的な自動車減産の影響を受け、かつ、中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸びず苦戦しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比41億円(3.5%)減の1,143億円、営業利益は同18億円(18.1%)増の120億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、火災の影響と需要減により、前年同期に比べ、減収減益となりました。
エアバッグ用基布は、火災の影響および世界的な自動車減産の影響により苦戦しました。スーパー繊維事業では、“イザナス”はロープ用途を中心に販売を伸ばし、“ザイロン”は自転車タイヤ用途などの販売を拡大しました。生活・産業資材事業では、機能性クッション材“ブレスエアー”は新工場を立ち上げ、生産・販売を再開しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比1億円(0.2%)減の497億円、営業利益は同18億円(70.1%)減の8億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、機能膜・環境事業が好調に推移し、前年同期に比べ、増収増益となりました。
バイオ・メディカル事業では、診断薬用酵素は海外への販売が堅調に推移しました。
機能膜・環境事業では、VOC処理装置の販売およびエレメント交換が国内外で堅調に推移しました。海水淡水化用逆浸透膜は、第2四半期までの交換膜の前倒し出荷もあり販売を伸ばしました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比43億円(17.7%)増の286億円、営業利益は同9億円(29.8%)増の40億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年同期に比べ、減収減益となりました。
中東向け特化生地は市況が回復し販売数量が増加し、ユニフォーム用途は企業向け制服の販売が順調に伸びました。一方、アクリル繊維は産業資材用途へのシフトを進めていますが、原料価格変動の影響を受け需要が低迷しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比10億円(2.2%)減の453億円となり、営業損失は1億円となりました(前年同期は営業損失0億円)。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比10億円(8.7%)減の101億円、営業利益は同0億円(2.9%)増の17億円となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前年度末比274億円(5.9%)増の4,884億円となりました。これは主として新たに東洋紡フイルムソリューション株式会社を連結の範囲に含めたことおよび設備投資額の増加により有形固定資産が増加したことによります。
負債は、前年度末比262億円(9.4%)増の3,060億円となりました。これは主として社債が増加したことによります。
純資産は、利益剰余金が増加したことなどから、前年度末比12億円(0.6%)増の1,824億円となりました。
(2)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、2017年5月11日に開催された取締役会において、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)の更新を決定しました。本プランは、2017年6月28日開催の当社定時株主総会において、出席株主の議決権の過半数の賛同を得て可決されています。
1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。
しかしながら、最近の我が国の資本市場における株券等の大量買付行為の中には、現経営陣の賛同を得ず一方的に行為を強行する動きも見受けられ、①対象会社に対し高値買取の要求を狙う買収である場合や、重要な資産・技術情報等を廉価に取得するなどして会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙う買収である場合、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合、③株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく行われる買収である場合、④対
象会社の企業価値向上のために必要な従業員、取引先、お客様等の利害関係者との関係を損なうおそれのある買収である場合等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものも少なくありません。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の財務および基本理念、事業内容、
コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする
者であるべきだと考えます。したがいまして、当社は、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではなく、このような行為を抑止するための枠組みが必要不可欠であると考えています。
2)基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。130年を超える歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、「不断のポートフォリオ改革」を掲げ、事業の維持・拡大を図っています。
当社は、企業価値を「利益、キャッシュフロー、資産効率等の経済的価値」と「ステークホルダーからの信頼・評価を含めた社会的価値」の両方で構成されると考えており、これら両面から企業価値を高めていきます。
3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
①本プランの概要
本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為が行われる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあります。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社普通株式を交付する取得条項等を付すことが予定されています。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。
②本プランの有効期間
本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の定時株主総会の終結の時から2020年3月期に関する定時株主総会の終結の時までとします。
4)本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本プランは、以下の理由により、上記1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。
①買収防衛策に関する指針(経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」)の要件等を完全に充足していること
②企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として更新されていること
③株主意思を重視するものであること
④独立性の高い社外者(独立委員会)の判断の重視
⑤対抗措置発動に係る合理的な客観的要件の設定
⑥独立した地位にある第三者専門家の助言の取得
⑦デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のウェブサイト(https://www.toyobo.co.jp/news/2017/)に掲載されている2017年5月11日付「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)の更新に関するお知らせ」をご参照ください。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は8,652百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。