当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、甚大な打撃を受けました。そうした中、中国では内需を中心に一部に回復の兆しがあるものの、日本および世界経済の先行きは、感染拡大の収束に目途が立たないことから、不透明な状況が続いています。
こうした事業環境において、「フィルム・機能マテリアル」では、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が、厳しい外部環境にもかかわらず、販売を着実に伸ばしました。一方、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、「モビリティ」では、世界的な自動車減産の影響を受け、エンジニアリングプラスチック、エアバッグ用基布が苦戦し、「生活・環境」では、消費が冷え込み、衣料繊維、スーパー繊維などが低調でした。「ライフサイエンス」では、PCR検査による新型コロナウイルス検出キットは公的医療保険の適用対象となり、全自動遺伝子解析装置“GENECUBE”専用の新型コロナウイルス遺伝子検査試薬は製造販売承認を取得しました。
なお、当社グループは、企業理念体系に基づきマテリアリティ(経営の重要課題)を設定し、その一つの「ソリューション提供力(事業を通じた社会貢献)」を高めるため、当第1四半期連結会計期間より、「フィルム・機能マテリアル」「モビリティ」「生活・環境」「ライフサイエンス」のソリューション型組織体制に変更しています。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比54億円(6.7%)減の755億円となり、営業利益は同9億円(16.7%)減の44億円、経常利益は同16億円(36.3%)減の28億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同1億円(5.6%)増の18億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を見直しています。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
(フィルム・機能マテリアル)
当事業は、フィルム事業が好調に推移した結果、前年同期に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり特需、および世の中の環境意識の高まりを背景に、販売を伸ばしました。一方、工業用フィルムは、セラミックコンデンサ用離型フィルム“コスモピール”が車載用途で生産調整の影響を受けましたが、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”は厳しい外部環境にもかかわらず順調に販売を拡大しました。
機能マテリアル事業では、工業用接着剤“バイロン”、ポリオレフィン用接着性付与剤“ハードレン”は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、国内・海外ともに自動車用途が不調でした。
この結果、当事業の売上高は前年同期比68億円(23.0%)増の363億円、営業利益は同6億円(17.7%)増の39億円となりました。
(モビリティ)
当事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な自動車減産の影響などにより、前年同期に比べ、減収減益となりました。
エアバッグ用基布は、米国、タイの販売が大幅に落ち込み、エンジニアリングプラスチックは自動車減産の影響を受け苦戦しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比50億円(42.2%)減の68億円、営業損失は7億円となりました(前年同期は営業利益3億円)。
(生活・環境)
当事業は、環境ソリューション事業、不織布事業、繊維機能材事業、および衣料繊維事業のいずれも新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、前年同期に比べ、減収減益となりました。
環境ソリューション事業では、溶剤を回収するVOC処理装置・エレメントは企業活動の停滞により出荷が遅れ、海水淡水化用逆浸透膜は、交換膜の受注時期が当連結会計年度後半にシフトしたことにより販売が減少しました。
不織布事業では、長繊維不織布スパンボンドは、自動車用途を中心に苦戦し、機能フィルターは、空気洗浄機やマスク向けの販売が堅調も、自動車用途や事務機器向けの販売が低調でした。
繊維機能材事業では、ポリエステル短繊維は、衛生材料用途で大幅に販売を伸ばし、機能性クッション材“ブレスエアー”は寝装用途を中心に好調でした。しかしながら、スーパー繊維は、“ツヌーガ”が世界各地での工場稼働が鈍化したため耐切創手袋の需要が減少しました。
衣料繊維事業では、スポーツ、インナー、スーツ用途の店頭販売などが不振で、受注が大幅に減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比78億円(25.3%)減の229億円、営業利益は同5億円(61.4%)減の3億円となりました。
(ライフサイエンス)
当事業は、バイオ事業は新型コロナウイルス感染症拡大によるPCR検査用試薬の需要が急拡大し、メディカル事業は販売が堅調に推移し、前年同期に比べ、増収増益となりました。
バイオ事業では、バイオケミカルは生化学診断薬用原料、診断システムは一般検査の需要が減少しましたが、バイオテクサポートは、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、遺伝子検査薬原料や研究用試薬の販売が大きく伸びました。
医薬事業は、治験薬の受託製造案件の減少や、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応にかかる費用がかさみ低調でした。
メディカル事業では、医療機器は、神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”の販売が伸び悩みましたが、医用膜は、血液透析膜、血液透析濾過膜の販売が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比4億円(6.2%)増の63億円となり、営業利益は同1億円(14.4%)増の10億円となりました。
(不動産、その他)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比2億円(6.2%)増の31億円、営業利益は同1億円(24.0%)減の5億円となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前年度末比40億円(0.8%)増の4,929億円となりました。これは主として現金及び預金が増加したことによります。
負債は、前年度末比46億円(1.5%)増の3,109億円となりました。これは主として長期借入金(1年内返済予定含む)が増加したことによります。
純資産は、利益剰余金が減少したことなどから、前年度末比6億円(0.3%)減の1,820億円となりました。
(2)事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)会社の支配に関する基本方針
当社は、2020年4月24日開催の取締役会において、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の有効期間が満了する同年6月24日開催の第162回定時株主総会の終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止することを決議しました。本プラン廃止後の基本方針は、次のとおりです。
1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。
しかしながら、大量買付行為の中には、会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙うものや、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあるものも存すると考えられます。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は適切ではなく、当社の財務および基本理念、事業内容、コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする者が適切であると考えています。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
①中期経営計画の推進等による企業価値の向上への取組み
当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。その長い歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、中期経営計画を着実に実行し、事業の維持・拡大を図っています。
②コーポレート・ガバナンスの強化等による企業価値の向上への取組み
当社は、企業理念「順理則裕」のもと、自社のステージに応じた適切なコーポレート・ガバナンス体制を構築し、中期経営計画をはじめとするさまざまな施策への取組みを通じて、社会的な課題の解決に貢献するとともに、経済的価値の向上を図り、企業価値を高めていきます。
3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大量買付行為が行われる場合、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための十分な情報および検討のための時間を確保するよう努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において適切な措置を講じていきます。
4)上記2)、3)の具体的な取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
上記2)の具体的な取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に向上させるための中長期的な経営戦略に基づくものであり、上記1)の基本方針に沿うものです。
また、上記3)の具体的な取組みは、当社株式の大量買付が行われる場合に、その是非を株主の皆様が適切に判断するための措置を講じることによって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持・向上させるためのものであり、上記1)の基本方針に沿うものです。
したがって、これらの取組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は3,037百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。