当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後については、記載を一部省略しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(前略)
<既発生もしくは発生の蓋然性の高いリスク>
(1)災害・事故・感染症の発生
当社グループは、国内外の各地で生産活動ほかの企業活動を行っており、事故防止のため、それぞれの工場ほか各事業所で老朽設備の更新や設備管理の充実をはかるとともに、事故を想定した訓練やオペレータ教育を推進するなど、可能な限りその発生を未然に防ぐように努めています。しかしながら、それらの工場ほかで大規模な地震、風水害、雪害などの自然災害や火災等の事故および新型コロナウイルスや新型インフルエンザなどの感染症が発生した場合、あるいは取引先において同様の災害被害等が発生した場合には、当社グループの生産活動ほかに著しい支障が生じるなど、事業等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
2018年9月の敦賀事業所の火災後、外部専門家の診断・指導等を踏まえ、防災対策を進めてまいりましたが、2020年9月27日に当社犬山工場において火災が発生し、大切な従業員の命を失う大事故を起こしてしまいました。「安全」「防災」を当社グループの最優先課題として、原因を徹底的に究明するとともに、保安防災活動の見直しを行い、社会からの信頼を回復できるよう、全社一丸となって安全管理の徹底を図り、再発防止に努めてまいります。また、自然災害に対しては、建物の耐震補強をはじめ事業所および工場のインフラの整備と緊急時の対応訓練などにより減災対応を継続的に実施しています。
(中略)
(3)第三者認証登録内容における不適切行為等
当社は、米国の第三者安全科学機関であるUnderwriters Laboratories(以下「UL」といいます。)によって認証を受けているエンジニアリングプラスチック製品の一部の品番について、認証に関する確認試験時に、顧客に販売している製品と異なる組成のサンプルを提出していたことや、UL認証を取得している製品を製造する許可を受けていない工場で製造を行なっていること等(以下「本件不適切行為」といいます。)を確認しました。本件不適切行為についてULに報告等を行った結果、2020年10月28日付でUL認証を取り消された1製品に加えて、本年2月3日付で3製品(以下「本件不適合製品」といいます。)についてUL認証を取り消されました。これまで本件不適合製品を使用した最終製品に関して事故等の報告は受けていません。安全性や製品の性能について、今後もお客様のご協力を得て調査を継続してまいります。
また、本件に関連し、ISO(国際標準化機構)の登録認証機関であるロイドレジスタークオリティアシュアランスリミテッドによる特別審査を受けた結果、本年1月28日付で、当社が取得しているISO9001認証のうち、本件不適合製品を担当する部門に関わる認証範囲について認証を取り消されるとともに、当該ISO9001認証範囲に含まれる形でマルチサイト認証(統一認証)を取得している部門の認証範囲について認証を一時停止されました。
当社においては、これまでも社外取締役および監査役から構成される、執行機関からの独立性を確保した本件の対応委員会を主体として調査を継続していましたが、引き続き実態把握と原因究明に向けて同委員会を主体とする調査に取り組んでまいります。当社は、度重なる不適切な事案を重く受け止め、今後の調査と、既に実施した第三者による調査等も踏まえて、実効性のある再発防止策を策定し、確実に実施していくとともに、品質保証に係るプロセスを徹底的に見直し、適切な品質保証体制の再構築を早急に推進することで、信頼の回復に全力で努めてまいります。
今後、本件不適切行為に係る信用低下による受注の減少やお客様等への補償費用を始めとする損失の発生等が生じた場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
<中長期的なリスク>
(4)原材料の購入
(中略)
(5)製品の欠陥等
(中略)
(6)人材の確保
(中略)
(7)気候変動
(中略)
(8)環境負荷
(中略)
(9)情報セキュリティ
(中略)
(10)法規制およびコンプライアンス
(中略)
(11)海外での事業活動
(中略)
(12)訴訟
(中略)
<財務リスク>
(13)為替レートの大幅変動
(中略)
(14)金利の大幅上昇
(中略)
(15)株価の大幅下落
(中略)
(16)固定資産の減損
当社グループは、工場用土地、建物、製造設備など事業用固定資産を保有し、生産・販売活動を行っています。これらの製造設備で生産される製品は市場や技術開発等の環境変化の影響を受け、収益状況が大きく低下する可能性があります。また、土地の時価下落等により保有資産の評価額が著しく低下するリスクもあります。収益性が低下した場合や保有資産価値が大幅に低下した場合、当該資産について減損損失の計上が求められるなど、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、アクリル繊維事業の事業用資産78億円の減損損失を計上しました。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、中国では新型コロナウイルス感染症拡大の抑え込みが進み経済活動が復調した一方、米国・欧州では感染症の再拡大により景気減速感が強まりました。国内では景況感は一時的に改善してきたものの、感染症再拡大により鈍化傾向にあります。ワクチンへの期待が高まる一方、感染症再拡大の影響が懸念され、日本および世界経済の先行きは不透明な状況が続いています。
こうした事業環境において、「フィルム・機能マテリアル」では、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が、強い需要に牽引され販売を伸ばしました。「モビリティ」では、エンジニアリングプラスチック、エアバッグ用基布が、世界的な自動車生産の復調に伴い、販売は回復してきたものの、第2四半期までの自動車減産の影響を補えませんでした。「生活・環境」では、スーパー繊維、衣料繊維は、需要減退により低調に推移しました。「ライフサイエンス」では、医薬品製造受託事業は苦戦しましたが、PCR関連の検査用原料や試薬は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い販売を大きく伸ばしました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、アクリル繊維の事業用資産に対して減損損失78億円を計上しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比41億円(1.7%)減の2,439億円となり、営業利益は同23億円(14.6%)増の183億円、経常利益は同10億円(7.3%)減の125億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同59億円(99.6%)減の0億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
(フィルム・機能マテリアル)
当事業は、フィルム事業が好調に推移した結果、前年同期に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、新型コロナウイルス感染症の影響により業務用製品の販売等が減少した一方、巣ごもり需要は高まりました。また、火災事故により一部の製品販売は減少しましたが、世の中の環境意識の高まりを背景に環境対応製品は販売を伸ばしました。工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が強い需要に牽引され、セラミックコンデンサ用離型フィルム“コスモピール”は車載用途の回復により、販売を伸ばしました。
機能マテリアル事業では、工業用接着剤“バイロン”、ポリオレフィン用接着性付与剤“ハードレン”は、電子材料用途を中心に回復傾向がみられたものの、第2四半期までの新型コロナウイルス感染症拡大の影響を補えませんでした。一方、水現像型感光性印刷版を扱う光機能材料事業は、中国向けの販売が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比226億円(25.0%)増の1,130億円、営業利益は同37億円(34.9%)増の143億円となりました。
(モビリティ)
当事業は、世界的な自動車生産の復調に伴い、販売は回復してきたものの、第2四半期までの新型コロナウイルス感染症拡大による自動車減産の影響を補えず、前年同期に比べ、減収減益となりました。
エンジニアリングプラスチックは、国内、中国を中心に販売が回復してきたものの、第2四半期までの減少を補うまでには至りませんでした。エアバッグ用基布は、北米を中心に販売が回復してきたものの、生産調整等により苦戦が続きました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比75億円(22.8%)減の255億円、営業損失は17億円となりました(前年同期は営業損失6億円)。
(生活・環境)
当事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が減退し、スーパー繊維、衣料繊維が低調で、前年同期に比べ、減収減益となりました。
環境ソリューション事業では、溶剤を回収するVOC処理装置・エレメントは、海外向けのエレメントが回復基調にあり、販売が堅調に推移しました。一方、海水淡水化用逆浸透膜は、交換膜の受注時期が当連結会計年度後半にシフトするも、第2四半期までの販売減少を補うまでには至りませんでした。
不織布事業では、長繊維不織布スパンボンドは、建築・土木用途の販売が伸び悩みました。機能フィルターは、空気清浄機やマスク向けの販売は堅調も、事務機器向けが苦戦しました。
繊維機能材事業では、ポリエステル短繊維は衛生材料用途、機能性クッション材“ブレスエアー”は寝装用途の販売が堅調でした。一方、スーパー繊維は、“ツヌーガ”が世界各地での工場稼働が低下したことにより耐切創手袋の需要が縮小し、“イザナス”は国内のロープ用途の需要減退の影響を受けました。
衣料繊維事業では、スポーツ、インナー、スーツ用途の店頭販売などが不振で、受注が大幅に減少しました。
アクリル繊維は、中国や欧州の市況悪化が続き、苦戦しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比183億円(19.1%)減の773億円、営業利益は同9億円(22.4%)減の30億円となりました。
(ライフサイエンス)
当事業は、医薬事業は苦戦しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大によるPCR検査用試薬の需要が拡大し、前年同期に比べ、増収増益となりました。
バイオ事業では、バイオケミカルは生化学診断薬用原料、診断システムは一般検査の需要が減少しましたが、バイオテクサポートは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、PCR関連の検査用原料や研究用試薬の需要が高まり、販売が大きく伸びました。
医薬事業は、操業が一部停止し苦戦しました。
メディカル事業では、医用膜において、血液透析膜、血液透析濾過膜の販売が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比3億円(1.6%)増の192億円となり、営業利益は同4億円(16.6%)増の32億円となりました。
(不動産、その他)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年同期比12億円(12.1%)減の88億円、営業利益は同1億円(4.5%)減の16億円となりました。
資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前年度末比74億円(1.5%)減の4,815億円となりました。これは主として新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮して、手元流動性を高めるために金融機関からの借入による資金調達を行い、現金及び預金が増加した一方で、受取手形及び売掛金の減少や、減損損失による影響で有形固定資産が減少したことによります。
負債は、前年度末比48億円(1.6%)減の3,015億円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が減少したことによります。
純資産は、主として減損損失により非支配株主持分が減少したことなどから、前年度末比26億円(1.4%)減の1,800億円となりました。
(2)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題について重要な変更があった事項は、次のとおりです。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後については、記載を一部省略しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目番号に対応したものです。
(前略)
(2)中長期的な経営戦略と課題、および、目標とする経営指標
①2018年中期経営計画(2018~2021年度)
(中略)
・事業基盤の強化
「安全」「防災」「品質」は事業活動を支える重要な基盤です。しかしながら、工場の火災事故、品質に関する第三者認証登録内容における不適切行為が発生しています。かかる事態を重く受け止め、実効性のある再発防止策を策定し、全社一丸となって取組みます。
(後略)
(3)会社の支配に関する基本方針
当社は、2020年4月24日開催の取締役会において、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の有効期間が満了する同年6月24日開催の第162回定時株主総会の終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止することを決議しました。本プラン廃止後の基本方針は、次のとおりです。
1)当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、上場会社として、株主の皆様による当社株券等の自由な売買を認める以上、当社の支配権の移転を伴う大量買付行為に応じるべきか否かのご判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきだと考えています。
しかしながら、大量買付行為の中には、会社の犠牲の下に大量買付者の利益実現を狙うものや、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあるものも存すると考えられます。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、上記のような当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は適切ではなく、当社の財務および基本理念、事業内容、コアテクノロジーを十分理解し長期的視野に立って企業価値ひいては株主共同の利益を高めることを目的とする者が適切であると考えています。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
①中期経営計画の推進等による企業価値の向上への取組み
当社は、綿紡績を祖業としつつ、その後は化学繊維、合成繊維へと事業を拡大、その後には、フィルム、機能樹脂、スーパー繊維、機能膜、診断薬用酵素等の市場へも参入、以来、これらの製品に代表されるスペシャルティ事業の拡大を進めてきました。その長い歴史を通じて、当社は、「重合・変性」「加工」「バイオ」のコア技術を育むとともに、販売、開発、生産が一体となって、顧客の要請にきめ細かく応えていくビジネスモデルをつくり上げてきました。このビジネスモデルをもとに、さらに成長軌道に乗せるため、中期経営計画を着実に実行し、事業の維持・拡大を図っています。
②コーポレート・ガバナンスの強化等による企業価値の向上への取組み
当社は、企業理念「順理則裕」のもと、自社のステージに応じた適切なコーポレート・ガバナンス体制を構築し、中期経営計画をはじめとするさまざまな施策への取組みを通じて、社会的な課題の解決に貢献するとともに、経済的価値の向上を図り、企業価値を高めていきます。
3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大量買付行為が行われる場合、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための十分な情報および検討のための時間を確保するよう努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において適切な措置を講じていきます。
4)上記2)、3)の具体的な取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
上記2)の具体的な取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に向上させるための中長期的な経営戦略に基づくものであり、上記1)の基本方針に沿うものです。
また、上記3)の具体的な取組みは、当社株式の大量買付が行われる場合に、その是非を株主の皆様が適切に判断するための措置を講じることによって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持・向上させるためのものであり、上記1)の基本方針に沿うものです。
したがって、これらの取組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えています。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は9,339百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2020年12月25日開催の取締役会において、2021年4月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である東洋紡フイルムソリューション株式会社を吸収合併することを決定し、同日付で合併契約を締結しました。なお、詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。