第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりである。なお、見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目に対応している。

また、文中の将来に関する事項は、この四半期報告書提出日現在において判断したものである。

(7)訴訟等にかかるもの

当社が、愛知県豊橋市(以下「豊橋市」)から1951年に譲り受けた工場用地を第三者に売却したことは、用地を譲り受けた際の契約に違反するとして、豊橋市住民が豊橋市長に対し、当社に対して損害賠償金の支払等を請求するよう求めていた訴訟(当社は補助参加人として参加)で、2018年2月8日、名古屋地方裁判所は、豊橋市長が当社に対し63億円の損害賠償金の支払及び遅延損害金の支払を請求するよう命ずる判決を言い渡した。豊橋市長はこの判決を不服として、同年2月20日付けで名古屋高等裁判所に控訴(当社は補助参加人として参加)したが、2019年7月16日、名古屋高等裁判所より、豊橋市長に対し、約20億94百万円の損害賠償金及び遅延損害金の支払いを請求するよう命じる判決が言い渡され、豊橋市長は当該控訴審判決について、同年7月29日付けで最高裁判所に上告及び上告受理申立を行った。当社は、第2審判決に基づき合理的に算出した金額を見積もり、訴訟損失引当金25億40百万円を計上しているが、今後の事態の進展によっては、当社グループの業績及び財政状況等に影響を与える可能性がある。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、台風等の自然災害、消費増税後の一時的な内需の落ち込み、外需の減速などの影響を受けたが、国内の設備投資や個人消費が堅調に推移し、良好な雇用環境や所得情勢の下支えもあり、緩やかな成長を維持した。世界経済は、引き続き底堅さを見せた米国に対し、中国などでは引き続き停滞感が見られ、また米中貿易摩擦の再激化や中東情勢などの地政学リスクも懸念されるなど、足下では先行き不透明な状況が続いている。

このような状況の下、当社グループは、中期経営計画「“G”round 20 ~to The Next Stage(ジーラウンド・トゥエンティ ~トゥ ザ ネクスト ステージ)」に掲げる3つの“G”(Growth、Global、Governance)の実現に努めてきた。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は88,764百万円(前年同四半期比7.2%減)、営業利益は3,850百万円(同39.8%減)、経常利益は2,917百万円(同47.0%減)となった。また、訴訟損失引当金繰入額2,540百万円を特別損失として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,121百万円(前年同四半期は4,574百万円の利益)となった。

セグメント別の経営成績は次のとおりである。

 

[高分子事業]

高分子事業は、昨年1月に発生した宇治事業所の火災によって、フィルム事業及び樹脂事業におけるナイロン製品については、生産、販売に影響があった。

フィルム事業では、包装分野は、火災影響のほか、梅雨明けの遅れや暖冬などの天候不順による季節商品用途の需要鈍化などがあったが、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品は、国内外で好調を維持した。工業分野は、国内外ともに半導体市況悪化により販売が減少し、また、高付加価値品の耐熱性ポリアミドフィルム「ユニアミド」は、上期は販売が好調に推移したが、下期に入り減少した。シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」は順調に販売が拡大した。

樹脂事業では、ナイロン樹脂は、火災の影響による販売の減少やコストアップなどにより収益が悪化した。また、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、海外向け自動車用途での需要減少に加え、情報端末機器用途での在庫調整もあり苦戦した。その他の機能樹脂についても、中国景気の停滞や、自動車生産の減少等による需要減少の影響を受け、低調に推移した。

不織布事業では、ポリエステルスパンボンドは、土木などの建築資材では、概ね堅調に推移したが、農業など、その他分野では全般的に伸び悩んだ。タイ子会社のTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.(タスコ)は、新機台製品のスペックインは進みつつあるが、自動車関連用途での需要減少もあり、全体としては低調であった。また、コットンスパンレースは、国内の販売は取引先の在庫調整の影響もあり一時的に減少したが、海外向けの衛材用途は販売が順調に拡大した。

以上の結果、高分子事業の売上高は42,738百万円(前年同四半期比9.4%減)、営業利益は3,939百万円(同33.2%減)となった。

[機能材事業]

ガラス繊維事業では、産業資材分野は、防煙垂れ壁等の建築用途及び環境関連用途の販売が堅調であった。電子材料分野のICクロスは、半導体市況が復調していない影響はあったものの、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品の販売は順調に拡大した。

ガラスビーズ事業では、工業用途は自動車分野や電子部品分野では、引き続き需要減少の影響を受けたが、反射材用途や道路用途は堅調を維持した。

活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途は水栓一体型を中心に引き続き堅調に推移し、また、工業用フィルター用途はやや回復基調に転じたが、VOC除去用途等は一部で取引先の在庫調整の影響を受けた。

以上の結果、機能材事業の売上高は9,836百万円(同3.3%増)、営業利益は769百万円(同13.6%減)となった。

[繊維事業]

産業繊維事業では、短繊維は、生活資材用途及び産業資材用途は堅調であったが、輸出は低調に推移し、ポリエステル高強力糸は、資材用途は堅調を維持したが、土木建築用途の販売は減少した。また、水産用途等も総じて低調であった。

衣料繊維事業では、スポーツ分野、レディス分野、寝装分野等では引き続き苦戦し、これまでワーキング用途を中心に堅調に推移していたユニフォーム分野では販売が減少した。また、海外向けデニム生地の販売は前年並みで推移した。

以上の結果、繊維事業の売上高は36,055百万円(同4.7%減)、営業損失は671百万円(前年同四半期は121百万円の損失)となった。

[その他]

その他の事業については、売上高は133百万円(前年同四半期比88.6%減)、営業損失は181百万円(前年同四半期は237百万円の損失)となった。

②財政状態の状況

総資産は、前連結会計年度末に比べ3,183百万円減少し、195,909百万円となった。これは、主として受取手形及び売掛金が減少したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ1,700百万円減少し、156,040百万円となった。これは、訴訟損失引当金を計上したものの主として支払手形及び買掛金が減少したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,483百万円減少し、39,869百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによる。

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。

(3)事業上および財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はない。

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,731百万円である。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。