第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりである。なお、見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応している。

また、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

(1) 法令等の順守に関するもの

当社グループが事業を遂行していく上で、取引先や第三者との間で訴訟等が発生し、当社グループの業績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。

当社、連結子会社である日本エステル株式会社およびその他3社の計5社(以下「被告ら」という。)が製造、加工または販売した高伸度防砂シートに関して、代表者東亜建設工業株式会社およびその他2社の計3社で構成された特定建設工事共同体から損害賠償請求訴訟を提訴され、当該訴訟に係る訴状を2021年8月24日に受領した。その内容は、那覇空港滑走路増設埋立工事の一部工区に、当該高伸度防砂シートを使用したところ、短期間で著しく強度低下したために破れが発生し、これに伴い陥没や空洞が発生したことから補修工事を余儀なくされたことを理由に、被告らに製造物責任ないし瑕疵担保責任に基づく損害賠償(2,142百万円)並びに遅延損害金の支払いを求めたものである。

この訴訟は、現在係争中であり、当社としては、相手側の主張が誤りであることを立証するなど、適切な防御を行っていく所存であるが、今後の事態の進展によっては、当社グループの業績および財政状況等に影響を与える可能性がある。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。この結果、前第3四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、当第3四半期連結累計期間における経営成績に関する説明は、売上高については前第3四半期連結累計期間と比較しての増減額及び前年同四半期比(%)を記載せずに説明している。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりである。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態の状況

総資産は、前連結会計年度末に比べ3,624百万円増加し、194,027百万円となった。これは、主として現金及び預金が減少したが、受取手形、売掛金及び契約資産と棚卸資産、有形固定資産が増加したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ60百万円減少し、149,150百万円となった。これは、主として支払手形及び買掛金が増加したが、長期借入金が減少したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ3,685百万円増加し、44,877百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによる。

 

②経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における国内経済は、緊急事態宣言の解除を受けて、製造業やサービス業において需要が回復した。世界経済では、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」とする。)の感染拡大に一旦は歯止めがかかり、回復の動きが加速した。しかし期末にかけて、主に欧州や米国において新型コロナの変異株への感染が急激に拡大し、需要の回復に急ブレーキがかかる懸念が生じたほか、部品や原料の世界的な不足及び価格上昇、海上物流の混乱及び運送コストの上昇、米中の地政学的な緊張への懸念などもあり、先行き不透明な状況となった。

このような状況の下、当社グループは、中期経営計画「G-STEP30 1st(ジーステップ・サーティ ~ファースト)」に掲げる成長ステージに向けた基盤強化を最優先とした基本方針である、強固な事業ポートフォリオの構築、グローバル化の推進、社内風土・意識改革の実現を進めてきた。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は83,991百万円(前年同四半期は81,653百万円)、営業利益は4,895百万円(前年同四半期比9.8%増)、経常利益は4,525百万円(同53.7%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,136百万円(同32.1%減)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は2,260百万円の減少であった。

セグメント別の経営成績は次のとおりである。

 

[高分子事業セグメント]

高分子事業セグメントは、原燃料価格の上昇によるマイナス影響を受けたが、期間を通じて新型コロナの影響による前年の需要減少から回復し、販売は伸長した。

フィルム事業では、包装分野は、原燃料の高騰の影響は受けたが、巣ごもり需要の継続により食品包装用ナイロンフィルムは販売が伸長し、CO₂排出量削減に貢献する環境配慮型食品包装フィルムも順調に伸長した。工業分野は、電気電子分野が引き続き好調に推移し、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売も伸長した。この結果、事業全体で増収増益となった。

樹脂事業では、引き続き電気電子用途などが好調に推移する反面、自動車用途で需要の回復に遅れが出たが、全体では販売が増加した。ナイロン樹脂、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、ともに電気電子用途などの需要が堅調であった。高耐熱ポリアミド樹脂「ゼコット」は、自動車用途と電気電子用途で新たに採用され、販売が伸長した。その他の機能樹脂の各素材も堅調であった。この結果、事業全体で増収増益となった。

以上の結果、高分子事業セグメントの売上高は37,881百万円(前年同四半期は30,685百万円)、営業利益は5,553百万円(前年同四半期比31.8%増)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は2,448百万円の増加であった。

[機能資材事業セグメント]

機能資材事業セグメントは、建築土木用途で新型コロナによる前年の需要減少から回復し、全般的に販売は伸長したが、原燃料価格の上昇、海上物流の混乱によるコスト上昇の影響を受けて苦戦した。

活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途では巣ごもり需要や健康志向の高まりを受けた家庭用浄水器のニーズの拡大を受けて販売が伸長し、またVOC除去用途および環境関連用途の販売も堅調であった。

ガラス繊維事業では、産業資材分野は、電気電子分野関連資材用途で需要の回復が続き、テント、シート等の建築土木用途でも新型コロナによる前年の需要減少からの回復が進み、販売が伸長した。電子材料分野のICクロスは、情報端末及び周辺機器の半導体用途が堅調に推移し、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品の販売は好調が持続した。

ガラスビーズ事業では、道路用途は、一部で需要回復の遅れの影響を受け、販売は前年並みで推移した。反射材用途は国内外での販売が伸長し、工業用途もブラスト用途などの販売が堅調であった。

不織布事業では、前年に旺盛であった生活資材用途の医療用ガウンや衛生材料用途の除菌シートなどの需要は落ち着いた。一般産業資材、建築用途は、新型コロナの影響による前年の需要減少から緩やかに回復したが、自動車用途は半導体不足等の影響により販売が減少し、スキンケア用途は、人流抑制により低調に推移した。

産業繊維事業では、短繊維は、フィルター用途等が堅調に推移し、ポリエステル高強力糸は、建築土木用途で、新型コロナの影響による前年の需要減少から回復したことで販売が伸長したが、原燃料価格の上昇や海上物流の混乱によるコスト上昇の影響を受け苦戦した。

以上の結果、機能資材事業セグメントの売上高は25,499百万円(前年同四半期は21,798百万円)、営業利益は67百万円(前年同四半期比85.3%減)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は1,751百万円の増加であった。

[繊維事業セグメント]

衣料繊維事業では、新型コロナの感染拡大の影響を引き続き受けている。主力のユニフォーム分野では、業種によって需要回復が一部見られる一方、レディス・スポーツ・寝装などの他の分野は、厳しい状況で推移した。また、前年に旺盛であった医療用ガウンの需要が落ち着いたことにより、販売が減少した。

以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は20,563百万円(前年同四半期は29,147百万円)、営業損失は689百万円(同133百万円の損失)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は6,460百万円の減少であった。

[その他]

その他の事業については、売上高は46百万円(前年同四半期は22百万円)、営業損失は29百万円(同50百万円の損失)となった。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高への影響はなかった。

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,675百万円である。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。