(1) 業績
当期のわが国経済は、中国市場をはじめとする新興国経済の成長鈍化や資源価格の下落など海外景気の下振れ懸念から輸出や生産に一部弱さがみられたが、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するとともに、好調な企業収益に支えられた設備投資が持ち直しの動きをみせるなど、総じて景気は緩やかな回復基調を辿った。
当社グループを取り巻く環境は、企業の好業績を背景にIT投資が堅調に推移するなか、パソコン市場も更新特需の反動が和らぎ徐々に回復の兆しがみられた。また、繊維事業では、衛生材用途でアジアを中心とした海外市場での需要が拡大した。産業機械事業での需要の低迷があったが、全体としては改善基調で推移した。
このような状況のもと、当社グループは中期経営計画「イノベーション21」第二次計画をスタートさせた。その初年度である当期は、「成長が見込める市場、地域での事業拡大」「顧客価値創造型ビジネスへの進化」「国際マーケットにおけるコーポレートブランドの価値向上」を基本方針に掲げ、新たな成長ステージを目指す事業展開とグループ全体の収益基盤の強化に努めた。
これらの結果、当期の連結業績については、売上高は前期に比べ12,311百万円増収の578,506百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は1,665百万円増益の9,912百万円(前年同期比20.2%増)、経常利益は1,711百万円増益の9,679百万円(前年同期比21.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は380百万円増益の5,266百万円(前年同期比7.8%増)となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりである。
ITインフラ流通事業
法人向け市場では、国内IT投資が企業業績の回復を背景に概ね堅調に推移するなか、地域密着の営業活動に注力した結果、首都圏を中心とした民間企業や文教市場向けの受注が伸長するとともに、モバイルデバイスをはじめ周辺機器、ソフトウェアなどの販売が拡大した。また、前年割れが続いていた主力のパソコン販売でも徐々に回復がみられたことにより、前年を上回る実績となった。
一方、個人向け市場では、主力商材のパソコンで、タブレットやスマートフォンの普及もあり買い替えサイクルが長期化しており、新OS登場以降も需要は伸び悩んだ。また、周辺機器や家電製品も消費者の購買意欲に改善がみられず、前年を下回る実績となった。
利益面では、他社との競争激化により厳しい状況で推移したが、増収効果もあり、前年を上回る結果となった。
以上の結果、当事業の売上高は494,939百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は6,127百万円(前年同期比6.2%増)となった。
繊維事業
合繊部門では、原綿はジャパン・クオリティ商品への高い評価を背景に需要拡大が続く衛生材用途で好調を維持し、不織布製品も除菌関連や新規用途開拓が進むコスメ分野での販売が拡大した。
また、レーヨン部門では、主力の不織布用原綿が旺盛な需要に支えられ売上を伸ばし、開発力の強化に努めた衣料用機能性原綿や対米向け防炎素材も収益を拡大した。
樹脂加工部門では、生活資材向けの帆布関連が売上を伸ばし、機能製品部門でも、フィルター商品群の国内向け販売が堅調に推移するなど、ともに前年並みの収益を確保した。
さらに、衣料製品部門では、カジュアル製品が企画提案型販売の推進により受注を拡大し、インナー製品は、Daiwabo Hong Kong Co.,Limited を基点とした欧米向け販売や海外生産拠点を活用したプライベートブランド向け販売が好調に推移した。また、ブランド製品では、専門店への営業強化により子ども向け・スポーツ向けが受注を伸ばした。
一方、海外紡績部門では、混迷が続く現地経済の影響から需要回復には至らず、苦戦を強いられた。
以上の結果、当事業の売上高は66,016百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は2,828百万円(前年同期比110.4%増)となった。
工作・自動機械事業
工作機械部門では、主力の立旋盤について、航空機分野は政府の投資促進策の効果もあり国内需要は堅調に推移し、米国でも新設した販売会社による市場開拓が進んだ。しかしながら、オイル・ガス分野は原油価格の下落に伴い米国を中心に売上が落ち込み、中国市場全般においては景気減速の煽りを受け低迷を余儀なくされた。
一方、自動機械部門では、国内外の展示会に新開発のロボット供給装置を搭載した最新鋭のスマートカートナーを出展するなど積極的な販売展開により、設備拡大が続く医薬品分野や生産性向上投資が旺盛な食品・製菓分野を中心に受注が増加した。
以上の結果、当事業の売上高は12,788百万円(前年同期比9.5%減)、セグメント利益は820百万円(前年同期比25.2%減)となった。
その他
ゴム部門では、主力のスポンジ分野が海外向けを中心に堅調に推移する一方、エンジニアリング部門では、設計から施工までの一貫したサポート体制の構築を推し進め、またホテル部門では、海外からの宿泊者向けのサービス向上に取り組み、それぞれ収益確保に努めた。
以上の結果、当事業の売上高は4,761百万円(前年同期比7.0%減)、セグメント利益は133百万円(前年同期比275.2%増)となった。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。
(2) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、9,477百万円の収入超過(前期比3,787百万円の収入超過減少)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、2,645百万円の支出超過(前期比1,998百万円の支出超過増加)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、4,920百万円の支出超過(前期比2,539百万円の支出超過減少)となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前年度末に比べて1,737百万円増加し、16,161百万円となり、また、当連結会計年度末の借入金残高は前年度末に比べて4,139百万円減少し、43,378百万円となった。
以下の記載に当たっては、ITインフラ流通事業セグメントは、システム製作の占める割合が低いため、生産実績を記載していない。また、同セグメントにおける情報機器卸売等販売部門、サポート・サービス部門については、受注売上の割合が低いため、受注状況については、システムインテグレーション部門のディーアイエスソリューション株式会社についてのみ記載している。繊維事業セグメントにおける生産実績についてはダイワボウノイ株式会社、ダイワボウレーヨン株式会社、ダイワボウポリテック株式会社、ダイワボウプログレス株式会社、カンボウプラス株式会社、朝日加工株式会社及びケービー産業株式会社が、受注状況についてはカンボウプラス株式会社及び朝日加工株式会社が、その他における生産実績及び受注状況についてはダイワボウプログレス株式会社及びディーエヌプロダクツ株式会社がその大半を占めているため、それぞれの会社の実績により記載している。なお、販売実績にはセグメント間の内部売上高を含めて記載している。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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繊維事業(百万円) |
39,262 |
△1.65 |
|
工作・自動機械事業(百万円) |
9,308 |
△5.72 |
|
報告セグメント計(百万円) |
48,571 |
△2.46 |
|
その他(百万円) |
1,312 |
△23.11 |
|
合計(百万円) |
49,883 |
△3.14 |
(注)1.金額は、製造原価による。
2.ITインフラ流通事業には、商品の仕入実績が460,661百万円ある。
3.繊維事業には、上記の生産実績のほかに商品の仕入実績が5,308百万円ある。
4.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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ITインフラ流通事業 |
7,443 |
△5.41 |
258 |
△18.90 |
|
繊維事業 |
3,948 |
3.28 |
318 |
17.75 |
|
工作・自動機械事業 |
12,046 |
△4.93 |
5,170 |
△8.43 |
|
報告セグメント計 |
23,438 |
△3.80 |
5,747 |
△7.82 |
|
その他 |
1,617 |
△19.20 |
139 |
1.26 |
|
合計 |
25,055 |
△4.97 |
5,887 |
△7.63 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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ITインフラ流通事業(百万円) |
495,110 |
2.05 |
|
繊維事業(百万円) |
66,033 |
6.47 |
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工作・自動機械事業(百万円) |
12,788 |
△9.53 |
|
報告セグメント計(百万円) |
573,932 |
2.25 |
|
その他(百万円) |
5,619 |
△7.22 |
|
合計(百万円) |
579,552 |
2.15 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
今後の経済見通しについては、景気は回復基調を保っているものの、為替相場や株式市場が不安定な情勢の影響を受け、設備投資の抑制や個人消費の低迷など、景気を下支えしていた国内需要の推進力低下に加え、新興国での経済減速の進行による海外経済の一段の下振れが懸念され、極めて不透明な状況にある。
こうしたなか、当社グループは昨年4月からスタートさせた中期経営計画「イノベーション21」第二次計画のもと、計画第2年度の事業方針として、「戦略的なパートナーとの協業とサプライチェーンの構築によるグローバルな成長市場・地域での事業領域の拡大」「市場創造型マーケティングやグループの優位性のある独自機能を強化した顧客価値創造型企業への進化」「変革突破力、価値創造力、コミュニケーション力を備え、成長戦略を切り拓き、新たなステージに挑戦できるグローバル人材の育成」を掲げ、さらなる連結企業価値の向上に努める。
(1)当面の対処すべき課題の内容等
事業別の施策としては、ITインフラ流通事業においては、主力のパソコン市場では旧OS搭載パソコンの更新需要の反動による低成長が続くものの、マルチベンダー・ワンストップサービスなどの従来からの強みを活かしたタブレット・スマートフォンを含めた端末の拡販に拘り、ディストリビューターとしての地位を確固たるものとすべく、既存事業の強化を進める。また、全国の営業拠点を駆使した地域密着の販売活動とビジネスパートナーとの協業体制をさらに深化させ、モバイル・クラウド・教育ICT化・SIMフリーなどの成長市場の変化を的確に捉え、スピーディーな構造改革とシステム投資の実践により、新たなマーケットの創造と販売シェアの拡大に努める。
繊維事業においては、合繊部門では旺盛な衛生材分野の需要に対応するため、外部企業とのアライアンスを進めながら国内生産基盤の増強を図るとともに、マーケティングと連動した開発を加速させ、インドネシアにある生産拠点を中心にアジア市場における事業拡大に取り組む。また、レーヨン部門ではグループ協業体制の構築による機能性レーヨンの開発強化と顧客との取組みによる川下戦略の展開により、国内外において事業領域の拡大を図る。さらに機能資材部門では、インフラ投資が進み資材需要が高まるアセアン地域に対して、国内外の生産・販売拠点の連携による地産地消ビジネスの展開を推進するとともに、生活・環境などの成長分野への販売を強化する。一方、衣料製品部門では、産学連携による独自素材の開発やグループ各社が保有する機能性素材の活用により新市場・新商品の創出を進めるとともに、海外生産拠点の再編や Daiwabo Hong Kong Co.,Limited を基点とした海外販売の強化により安定した収益基盤の確立に取り組む。
産業機械事業においては、工作機械部門では、主力の長岡工場の生産体制の見直しと技術・技能伝承のための人材育成により現場力向上を推し進め、品質安定・コスト削減・納期短縮を図り、収益拡大に努める。また、グローバル展開の加速に対応すべく、成長が見込める北米地域においては、昨年設立した販売会社を軸に合弁パートナーとの戦略的連携を強化し、重点市場である航空機分野への販売拡大に取り組む。さらに、自動機械部門では、積極的な国内外の展示会等への新開発機の出展を通じて、ジャパン・クオリティの追求により自社ブランドを浸透させ、医薬品・食品・製菓分野を中心に販売を拡大させる。
また、当社は、コーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つとして認識しており、グループ各社の連携のもと、内部統制機能の一段の充実とより最適なガバナンス体制の確立に努め、株主をはじめ各ステークホルダーとの良好な信頼関係を保ちながら、尚一層の自己変革に取り組み、企業の社会的責任を果たしていく所存である。
(2)当社株式の大量買付行為に関する対応プラン(買収防衛策)について
当社は、平成27年6月26日開催の当社定時株主総会において、株主の承認により、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」という。)を継続することを決定した。
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えている。
当社は、金融商品取引所に株式を上場していることから、市場における当社株式の取引については株主の自由な意思によって行われるべきであり、たとえ当社株式等の大規模買付行為がなされる場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これをすべて否定するものではない。また、経営の支配権の移転を伴う株式の大規模買付提案に応じるかどうかは、最終的には株主の判断に委ねられるべきだと考えている。
しかしながら、資本市場における株式の大規模買付提案の中には、その目的等から見て、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができないことが予測されるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言いがたいもの、あるいは株主が最終的に判断されるために必要な時間や情報が十分に提供されずに、大規模買付行為が行われる可能性も否定できない。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉、場合によっては必要かつ相当な対抗措置を取る必要があると考えている。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社は、上記方針の実現、つまり企業価値向上及び株主共同の利益のために、次の取組みを実施している。
① 経営体制の改革
当社は、昭和16年に紡績会社の4社合併により大和紡績株式会社として設立されたが、純粋持株会社への移行、ITインフラ流通事業の再編、ダイワボウホールディングス株式会社への商号変更、繊維事業を統括する中間持株会社の設立、産業機械事業の再編と、継続して事業構造の改革を実行してきた。
これらの施策により、当社グループはITインフラ流通事業、繊維事業、産業機械事業を3つのコア事業に据え、「ITインフラ」「生活インフラ」「産業インフラ」という「社会インフラ」の領域において地球環境との共生と持続可能な社会の創造に貢献することをグループビジョンに掲げ、バリュー・イノベーション(価値革新)を推進する創造革新企業へと変貌を遂げた。
② 中期経営3ヵ年計画
当社は平成27年4月1日から中期経営計画「イノベーション21」第二次計画をスタートさせた。本中期経営計画では「成長が見込める市場、地域での事業拡大」「顧客価値創造型ビジネスへの進化」「国際マーケットにおけるコーポレートブランドの価値向上」を基本方針に掲げ、新たな成長ステージを目指す事業展開とグループ全体の収益基盤の強化に努めている。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成27年6月26日開催の定時株主総会において株主の承認を得て、本プランを継続することを決定した。
当社取締役会は、当社株式等の大規模買付行為が行われようとする場合には、当該買付けが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであるか否かを株主が適切に判断するために、買付者等及び当社の双方から十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えている。
本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主及び投資家が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保することを目的としたものである。
本プランの内容は、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものである。
なお、本プランの詳細については、当社ホームページ(http://www.daiwabo-holdings.com/)に掲載されている平成27年5月8日付プレスリリース「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」に記載のとおりである。
Ⅳ.前記取組みが、基本方針に従い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容を踏まえている。
さらに、本プランは以下の理由により、基本方針に従うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また役員の地位の維持を目的としているものではない。
① 企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則
本プランは、上記Ⅲに記載のとおり、当社株式等に対する大規模買付け等がなされた際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としている。
② 事前開示・株主意思の原則
本プランは、平成27年6月26日開催の定時株主総会において株主の承認を得たうえで継続されたものである。また、その後の当社株主総会において本プランの変更又は廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更又は廃止されることになる。従って、本プランの継続及び廃止には、株主の意思が十分反映される仕組みとなっている。
③ 必要性・相当性確保の原則
ア.独立委員会による判断の重視と情報開示
本プランは、大規模買付け等への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として独立委員会を設置している。
独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社社外取締役、当社社外監査役又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者又はこれらに準じる者)から選任される委員3名以上により構成される。
また、当社は、その判断の概要については株主及び投資家に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保している。
イ.合理的かつ客観的な発動要件の設定
本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保している。
ウ.デッドハンド型もしくはスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができる。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではない。
また、当社は、取締役の任期を1年としており、取締役選任議案に関する議決権行使を通じ、本プランの継続、本方針に基づき取締役会決議により発動された対抗措置に対し、株主の意思が反映できることになるため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもない。
当社グループが顧客に提供する価値は、ITインフラ流通事業等では、顧客の要望に応じた最適の商品構成を提案し、注文の翌日納品体制を確立すること、繊維事業等では、顧客に高品質な商品・サービスを提供し、顧客の生産活動に寄与すること、顧客にファッショナブルで快適な生活を提供できること、並びに、工作・自動機械事業等では、顧客の要望に応じた最適の製品とサービスを提供し、顧客の生産活動に寄与することによって、より高い付加価値を提供することで得られている。即ち、顧客が期待する以上の商品・サービスを継続的に提供することによって、顧客自身が当社グループに対する信頼を向上させ、満足していただくことが当社グループの価値の源泉となっている。
当社グループは、特定の取引先・製品・技術・法的規制等への依存割合は小さく、経営成績は比較的安定しているが、当社グループが属する業界は消費者の嗜好の変化が激しいことから、同業者による新商品・新サービスの展開により、当社グループの売上高及び利益は変動する可能性がある。当社グループは、この変化に対処すべく、常に技術開発に努め、また供給体制を再構築するとともに、顧客からの要請に対し当社グループ全体で対応する仕組みを構築しており、迅速な顧客対応が可能な体制を整えている。
しかしながら、上記のような仕組みを講じているにもかかわらず、以下のような場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 商品等に関するリスク
① ITインフラ流通事業
ITインフラ流通事業は、パソコン本体を主要な取扱商品と位置づけている。普及度はかなり高まってきており、今後の市場全体が伸び悩む可能性がある。また、競合が激しく売上利益率が低下傾向にあり、それらの動向に当社グループの業績が左右される恐れがある。
メーカーから仕入れた商品は、原則返品できず、技術革新が速く、陳腐化も速く進むため、万が一売れ残った場合には、在庫リスクがあり、処分のために損失が発生する可能性がある。
ITインフラ流通事業は、メーカーないしメーカー販社から、商品を仕入れて、二次販売代理店に卸す、一次卸の業態である。昨今、メーカーによるダイレクト販売という流通構造を変革する販売方法が増加しており、いわゆる中抜きという現象で、こういった流通経路の変更が、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
ITインフラ流通事業は、独立系マルチベンダーとして多くの仕入先から商品の供給を受けているため、単一メーカーの問題発生による調達リスクは避けられると考える。ただし、世界的なパーツ不足、また業界を主導するメーカーの供給減少や大きな不具合などが発生した場合は、販売に影響を及ぼす可能性がある。
② 繊維事業
繊維事業は、綿密な計画に従って商品企画、生産計画、在庫計画等の管理を行っているが、消費者の嗜好の変化による商品の陳腐化、商品の欠陥の発生、納期の遅延、季節要因による変動等により、在庫リスクを負う可能性がある。また、今後の地価の状況のほか、価格競争の激化、コストの上昇等のため、当社グループの各事業の収益性の低下により減損損失が発生し、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
③ 工作・自動機械事業
工作・自動機械事業は、自動包装機械等の自動機械部門と立旋盤等の工作機械部門を主な事業としている。いずれも生産のほぼ全量が受注生産によるもので、各製品に共通する基礎的な部品の一部についてのみ見込生産を行っている。工作・自動機械事業が属する業界は、景気変動の影響を受け易い特徴があり、設備投資や個人消費の動向が企業業績に与える影響は小さくない。特に、景気の停滞期には設備投資や個人消費の低迷による需要の冷え込みから業界全体の受注総額が縮小し、工作・自動機械事業の業績を悪化させる要因となる。
(2) 生産活動、研究開発に関するリスク
当社グループの事業活動には、当社グループ及び協力事業者で厳格な品質管理基準に従って製造しているが、設備投資、生産工程、研究活動のうえで予期しない事故の発生等により、事業成績等に影響が発生する可能性がある。
(3) 外部環境に関するリスク
当社グループの事業活動には、原材料・燃料価格、金利動向、各種法律、経済環境、自然災害など、さまざまな外部環境により影響を受けるものがあり、コストの上昇、販売機会の喪失、生産の遅れ、特別損失などが生じる可能性がある。
(4) 海外事業に関するリスク
当社グループは、中国、インドネシア、ブラジル等において各国の状況に合わせた事業展開を行っているが、政治、経済、法律、為替、安全などのリスクにより、事業成績等が影響を受ける可能性がある。
(5) 知的財産権に関するリスク
当社グループの事業活動には、特許権など知的財産権に関わる事項があり、他社や自社における権利侵害等の発生により、採算性や事業性に影響を受ける可能性がある。
(6) システムトラブルに関するリスク
ITインフラ流通事業は、全国に物流センターと支店・営業所の販売網をネットワークでつないでおり、独自の物流機能とそれを動かすシステムがスムーズに稼働することを前提に成り立っている。自然災害や事故等によって、通信ネットワークが障害を受けた場合には、ITインフラ流通事業の営業に重大な影響が及ぼされる。
以上のリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループの事業上のリスクと考えられる主なものを記載しているが、当社グループの事業リスクをすべて網羅するものではない。
(1) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本電気株式会社と販売特約契約を締結している。
契約日:昭和58年6月1日
期間:1年間(自動更新)
契約内容:「日本電気株式会社販売特約店」の表示及び「NEC」標章の使用による特約商品の販売活動
(2) ダイワボウ情報システム株式会社は、NECパーソナルコンピュータ株式会社と売買基本契約を締結している。
契約日:平成6年9月30日
期間:1年間(自動更新)
契約内容:NECパーソナルコンピュータ株式会社の販売店としてNEC商品の販売活動
(3) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本アイ・ビー・エム株式会社と特約店基本契約を締結している。
契約日:平成7年11月29日
期間:1年間(自動更新)
契約内容:「IBMビジネスパートナー特約店」の呼称の使用及び「IBM製品」の販売活動
当社グループ(当社及び連結子会社)は、中期経営計画「イノベーション21」第二次計画のもと、情報機能を高めた構想力により、ヒト・モノ・カネの経営資源を駆使して、時代に適合した商品開発や事業モデルを創出し、事業領域の拡大と連結収益力の強化に努めている。また、当社グループの素材から製品までの一貫生産を強みとした独自の技術領域を深化・拡大させ、事業戦略、知的財産戦略との連携にて研究開発活動に取り組んでいる。なお、事業部門毎の取り組みは以下のとおりである。
繊維事業における研究開発費は744百万円であり、各部門の取り組みは以下のとおりである。
化合繊部門では、「健康、長寿」「エネルギー、省エネ」「インフラ整備」分野を中心として、「素材からの差別化」をキーワードに特長ある素材開発に注力している。市場ニーズの高いテーマについてはグループ協業のもと研究開発を行っている。また、大学との共同研究も進めながら事業領域の拡大を図っている。
「健康、長寿」分野においては、衛生材料用の素材開発を中心に行っており、今後需要が伸びることが予想される大人用、介護用オムツ、吸収材料については、子供用のオムツで培った素材を水平展開していく。風合いだけではなく、吸収性能等の機能を高め、介護する側、される側のニーズに合わせた素材の開発に注力している。また、コスメティックマスク、制汗シートや除菌シートなど、対人用ワイパーの素材開発にも注力し、国内外において多くの支持を得ている。「エネルギー、省エネ」分野については、ポリプロピレン繊維の特長を活かした軽量で断熱性のある素材を、衣料分野をはじめ、産業資材などの幅広い分野に展開している。「インフラ整備」分野については、繊維補強コンクリート(FRC)で培った技術を応用し、コンクリートの爆裂防止、ひび割れ自己治癒繊維「マーキュリーC」など、新たな機能を持った土木用繊維材料を開発し、コンクリート構造物の老朽化や災害に対応した素材提案を進めている。
レーヨン部門では、ユーザーとの取り組みの中で、各種機能剤を練りこんだ付加価値素材の開発及び販売に注力している。その販売活動を、衣料分野のみならず不織布製品分野へ展開中である。また、その流れとして、付加価値素材を用いた製品化や国際展開をさらに推進していく。
産業資材部門では、成長が見込める新規分野への販売拡大の為に使用用途に適した付加価値のあるカートリッジフィルターの開発・販売に取り組んでいる。また、土木資材では、拡大する土木需要を取り込む為に土木資材の新規商品開発を進めている。
衣料製品部門では、グループ協業によりコア技術であるポリプロピレン、紙糸、機能レーヨン及びフタロシアニンを中心に開発を進め、独自性のある差別化素材の市場での展開をめざし開発を進めている。ポリプロピレンを活用した素材の展開については、統一ブランド「DURON/デューロン」として展開しており、機能性を重視したスポーツ系衣料品の開発を進めると共に、中綿向けでは産学連携による機能評価を行い、素材の優位性を確認した。紙糸素材では協業先との取り組みを強化し、商品開発を進め、特殊用途衣料品での展開を始めた。機能レーヨンでは当社の独自加工技術との組合せを検討し、多機能素材としての量産化の確立を行う一方、特許権利化による技術保護を行った。フタロシアニンでは高い消臭効果を新規用途に活用すべく商品開発を行い、寝装分野での拡大に寄与した。医療介護分野においては、医療介護従事者の作業負担軽減から医療介護費を抑えるための材料、製品開発に積極的に取り組んでいる。
工作・自動機械事業における研究開発費は239百万円であり、事業の取り組みは以下のとおりである。
工作・自動機械事業において、ユーザーニーズに直結したジャストフィットの製品とサービスの提供を基本理念として、急激な技術革新と市場環境の変化に伴うユーザーニーズに即応した研究開発を実施している。工作機械部門では、立旋盤について、航空機業界の要求に応じた小型立旋盤の開発、超高圧クーラント仕様による付加価値向上を行った。また、新型立旋盤の開発に取り組み、日本国際工作機械見本市での展示を予定している。周辺機器では、グループ協業としてカメラ画像を用いての「切粉検知システム」の開発を引き続き進めている。一方、自動機械部門では、既存のカートナーの高機能、低価格化、また、自動供給装置の改善を進めており、見本市での展示を予定している。さらに、製品へのIoT関連の実現に向けて調査を始めている。
その他の事業における研究開発費は32百万円であり、事業毎の取り組みは以下のとおりである。
ゴム部門のスポンジでは、自動車用途の新規開発商品が採用され、販売を拡大している。タイヤでは、ロードタイヤやハンドルグリップの新規商品を開発し、販売している。
なお、上記に係る当連結会計年度の研究開発費総額は1,016百万円である。
以下の内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの判断を記載したものである。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社は、以下に記載されている重要な会計方針に基づいて行われる当社グループの判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えている。
① 売上の認識
当社グループの売上高は、主として、製品が出荷された時点に売上割戻等控除後の正味実現可能価額で計上している。
② 貸倒引当金
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上している。なお、主要な繊維事業会社は過年度において貸倒実績率が大きく変動したことを考慮して、与信ランク毎にリスクを勘案した率を用いて貸倒引当金を計上している。
③ たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の陳腐化損失に備え、採算割れ懸念在庫及び長期在庫について陳腐化見積額を評価損として計上している。ただし、実際の販売価額が当社グループの見積りを下回った場合には追加損失が発生する可能性がある。
④ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、当社取締役会での決定等に基づき、スケジューリング可能な将来減算一時差異について、当社グループの将来計画利益額に基づき、連結納税ベースでの将来の獲得課税所得を慎重に見積もって計上している。
⑤ 投資の減損
当社グループは、下記の基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行うこととしている。
上場株式 :時価が帳簿価額を50%以上下落した銘柄については、評価額が帳簿価額を下回る額。時価の下落率が30%から50%の銘柄については、回復可能性を考慮して必要と認めた銘柄について、評価額が帳簿価額を下回る額。
非上場株式:1株当たり純資産が帳簿単価より50%以下に下落した株式すべてについて、評価額が帳簿価額を下回る額。
なお、単体財務諸表に計上されている関係会社株式・出資金のうち、債務超過の関係会社について減損処理を行うとともに、債務超過額のうちの当社負担見込額を関係会社事業損失引当金として計上することとしている。また、関係会社への投資に対する損失に備えるため、必要と認めた場合に財務健全性の観点から投資損失引当金を計上することとしている。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における売上高は、前年度比12,311百万円増収の578,506百万円となった。
セグメント別の売上高の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりである。
② 営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年度比1,665百万円増益の9,912百万円となった。
セグメント別の営業利益の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりである。
③ 営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の減少3百万円、受取配当金の減少4百万円及び販売支援金収入の増加111百万円等により、前連結会計年度に比べて38百万円増加し919百万円となった。一方、営業外費用は、支払利息の減少128百万円及び環境対策費の計上138百万円等により、前連結会計年度に比べて8百万円減少し1,152百万円となった。以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前年度比1,711百万円増益の9,679百万円となった。
④ 特別損益
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券の売却益168百万円を計上したこと等により169百万円となった。一方、特別損失は、固定資産の除売却損149百万円、退職給付制度終了損243百万円及び減損損失222百万円を計上したこと等により767百万円となった。
⑤ 非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は、34百万円となった。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比380百万円増益の5,266百万円となった。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加15,983百万円等があった反面、税金等調整前当期純利益9,081百万円の計上及び仕入債務の増加10,215百万円等があったため、9,477百万円の収入超過となった。一方、投資活動によるキャッシュ・フロ-については、有形固定資産の売却による収入230百万円及び投資有価証券の売却による収入273百万円があった反面、有形固定資産の取得による支出2,888百万円等があったため、2,645百万円の支出超過となった。また、財務活動によるキャッシュ・フロ-については、長期借入れによる収入5,372百万円があった反面、長期借入金の返済による支出9,371百万円及び配当金の支払額1,150百万円等があったため、4,920百万円の支出超過となった。その結果、当連結会計年度末における借入金残高は、前年度比4,139百万円減少の43,378百万円となった。
なお、当社グループは、グループ各社の余剰資金を当社に集約して管理する「キャッシュ・プーリング・システム」を採用している。また、当社及び一部の連結子会社は取引銀行12行とコミットメントラインを締結している。コミットメントラインの総額は11,150百万円であるが、当連結会計年度末の借入実行残高はない。