第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 経営方針

当社グループは経営理念として、「私たちは、創造と革新、融合のシナジーによって、グローバル市場でお客様第一に新たな価値を生み出し、人間社会と地球環境に役立つ未来を実現します」を掲げ、この経営理念の実現に向け、当社グループはバリュー・イノベーション(価値革新)を推進する創造革新企業として、資本財から生産財・消費財にわたり、お客様のための価値創造と株主及びその他のステークホルダーとの緊密な信頼関係のもと、常に「自己責任」「自己改革」を念頭に活力ある企業文化の構築に取り組み、ダイワボウグループの連結企業価値の向上を目指している。

また当社グループは、ITインフラ流通事業での「ITインフラ」、繊維事業を中心とした「生活インフラ」、産業機械事業での「産業インフラ」の3事業における「社会インフラ」の領域で三位一体のグループ経営の推進により、地球環境との共生と持続可能な社会の創造への貢献を目指すことをグループビジョンに掲げ、顧客志向を原点とした新市場・新事業の創出とグループ連携を基盤とするグローバル戦略に基づくグループ経営の推進により、連結収益力の強化とキャッシュ・フローの最大化を実現することを経営の基本方針としている。

(2) 経営戦略等

当社グループは、2018年4月から経営3カ年計画「イノベーション21」第三次計画をスタートさせた。経営基本方針は、次のとおりである。

①  ITインフラ流通事業の更なる拡大

②  繊維および産業機械事業での収益力強化

③  コーポレート戦略推進による連結企業価値向上

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性とともに、ROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)などの指標を参考に、株主資本の効率化に取り組む。

(4) 経営環境

当期のわが国経済は、期の後半からは海外経済の減速により輸出・生産において一部に弱さがみられたものの、雇用・所得環境の改善や好調な企業収益を背景に個人消費と設備投資が堅調に推移するなど国内需要に牽引され、総じて景気は回復基調を辿った。

当社グループを取り巻く環境は、IT投資が底堅く推移し、産業機械業界でも設備投資が増加する一方、繊維業界では市況が低迷傾向にあったが、全体としては順調な状況で推移した。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは昨年4月からスタートさせた中期経営計画「イノベーション21」第三次計画の第2年度となる今年度は事業方針として、「積極的な事業展開による収益力の向上」「未来志向の新ビジネス創造への挑戦」「成長を支える経営基盤の強化」を掲げ、全てのステークホルダーを念頭においた幅広い社会貢献型経営を目指し、連結企業価値の向上に努める。

事業別の施策としては、ITインフラ流通事業においては、2020年1月のWindows7サポート終了に伴う更新需要が見込まれ、パソコン市場の活性化が予想されているなかで、全国各営業拠点を活用した地域密着営業や販売パートナーとの協業体制などの強みを活かし、国内トップクラスのディストリビューターとしての地位を一層盤石なものとし、パソコンをはじめとする端末販売などの既存事業の強化・拡大を図っていく。また、成長市場であるクラウドを中心とした定額制(サブスクリプション)ビジネスの強化や、高度な技術や提案力が必要とされる高度化商材、モバイルビジネスの拡充などの新たなIT需要の創出に取組み、強固な収益基盤を構築していく。さらに、グループの総合力を結集させ、サービスレベルの向上やローコストオペレーションなどの業務改革を徹底的に推進し、最適なソリューションを提供することで事業拡大に繋げていく。

繊維事業においては、合繊・レーヨン部門では、衛生材料用途やコスメ関連について機能素材の提案強化や高付加価値商品の販売拡大を図るとともに、生分解性機能を活かした差別化レーヨンの国内外市場での新規開拓に取組み、収益の改善に努める。また、産業資材部門では、フィルター関連、土木・建築資材などで新規顧客対応を図ると同時に、東京オリンピック関連の需要を取り込む一方、海外市場では戦略素材の販売拡大を推し進めていく。さらに、衣料製品部門では、機能素材を中心とした独自開発商品の開発提案型営業をベースに差別化商材の販売強化や海外生産拠点の活用により、ファイバー戦略を基軸とした新たなビジネスモデルを構築し、収益の拡大を図っていく。

産業機械事業においては、国内外とも活況な航空機業界を中心に差別化戦略を展開していく。国内では主要顧客に対する技術提案の強化とサービスの拡充により満足度を高め、海外では米国は現地ディーラーとの協力体制のもと展示会への出展などにより業容拡大に努め、中国は高付加価値技術によるソリューション型ビジネスに注力していく。また、生産基盤の強化として品質向上やコスト削減を徹底し、最適な生産体制を構築することで安定した利益体質を確立する。さらに、市場ニーズを的確に反映させた商品開発やAI・IoTを活用した商品開発について、グループ連携や産学共同研究などの戦略的アライアンスを展開することで、新たな事業の創造に取組んでいく。

また、当社はコーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つとして認識しており、グループ各社の連携のもと、内部統制機能の一段の充実とより最適なガバナンス体制の確立に努め、株主の皆様をはじめステークホルダーとの良好な信頼関係を保ちながら、尚一層の自己変革に取組み、企業の社会的責任を果たしていく所存である

 

(6) 株式会社の支配に関する基本方針について

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。

Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えている。

当社は、金融商品取引所に株式を上場していることから、市場における当社株式の取引については株主の自由な意思によって行われるべきであり、たとえ当社株式等の大規模買付行為がなされる場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これをすべて否定するものではない。また、経営の支配権の移転を伴う株式の大規模買付提案に応じるかどうかは、最終的には株主の判断に委ねられるべきだと考えている。

しかしながら、資本市場における株式の大規模買付提案の中には、その目的等から見て、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができないことが予測されるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言いがたいもの、あるいは株主が最終的に判断されるために必要な時間や情報が十分に提供されずに、大規模買付行為が行われる可能性も否定できない。

そのような提案に対して、当社取締役会は、株主から負託された者の責務として、株主のために必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉、場合によっては必要かつ相当な対抗措置を取る必要があると考えている。

Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み

当社は、上記方針の実現、つまり企業価値向上及び株主共同の利益のために、次の取組みを実施している。

① 経営体制の改革

当社は、1941年に紡績会社の4社合併により大和紡績株式会社として設立されたが、純粋持株会社への移行、ITインフラ流通事業の再編、ダイワボウホールディングス株式会社への商号変更、繊維事業を統括する中間持株会社の設立、産業機械事業の再編と、継続して事業構造の改革を実行してきた。

これらの施策により、当社グループはITインフラ流通事業、繊維事業、産業機械事業を3つのコア事業に据え、「ITインフラ」「生活インフラ」「産業インフラ」という「社会インフラ」の領域において地球環境との共生と持続可能な社会の創造に貢献することをグループビジョンに掲げ、バリュー・イノベーション(価値革新)を推進する創造革新企業へと変貌を遂げた。

② 中期経営3カ年計画

当社は2018年4月1日から中期経営計画「イノベーション21」第三次計画をスタートさせた。本中期経営計画では「ITインフラ流通事業の更なる拡大」「繊維および産業機械事業での収益力強化」「コーポレート戦略推進による連結企業価値向上」を基本方針に掲げ、新たな成長ステージを目指す事業展開とグループ全体の収益基盤の強化に努めている。

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社株式等の大規模買付行為が行われる場合には、買付者等に対して必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見の開示など適時適切な開示を行い、株主の皆様の検討時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていく。

Ⅳ.具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記Ⅱ及びⅢで述べた取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な方策として策定されたものであり、上記Ⅰの会社の支配に関する基本方針及び株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的としているものではないと判断している。

 

2【事業等のリスク】

当社グループが顧客に提供する価値は、ITインフラ流通事業等では、顧客の要望に応じた最適の商品構成を提案し、注文の翌日納品体制を確立すること、繊維事業等では、顧客に高品質な商品・サービスを提供し、顧客の生産活動に寄与すること、顧客にファッショナブルで快適な生活を提供できること、並びに、産業機械事業等では、顧客の要望に応じた最適の製品とサービスを提供し、顧客の生産活動に寄与することによって、より高い付加価値を提供することで得られている。即ち、顧客が期待する以上の商品・サービスを継続的に提供することによって、顧客自身が当社グループに対する信頼を向上させ、満足していただくことが当社グループの価値の源泉となっている。

当社グループは、特定の取引先・製品・技術・法的規制等への依存割合は小さく、経営成績は比較的安定しているが、当社グループが属する業界は消費者の嗜好の変化が激しいことから、同業者による新商品・新サービスの展開により、当社グループの売上高及び利益は変動する可能性がある。当社グループは、この変化に対処すべく、常に技術開発に努め、また供給体制を再構築するとともに、顧客からの要請に対し当社グループ全体で対応する仕組みを構築しており、迅速な顧客対応が可能な体制を整えている。

しかしながら、上記のような仕組みを講じているにもかかわらず、以下のような場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 商品等に関するリスク

①  ITインフラ流通事業

ITインフラ流通事業は、パソコン本体を主要な取扱商品と位置づけている。普及度はかなり高まってきており、今後の市場全体が伸び悩む可能性がある。また、競合が激しく売上利益率が低下傾向にあり、それらの動向に当社グループの業績が左右される恐れがある。

メーカーから仕入れた商品は、原則返品できず、技術革新が速く、陳腐化も速く進むため、万が一売れ残った場合には、在庫リスクがあり、処分のために損失が発生する可能性がある。

ITインフラ流通事業は、メーカーないしメーカー販社から、商品を仕入れて、二次販売代理店に卸す、一次卸の業態である。昨今、メーカーによるダイレクト販売という流通構造を変革する販売方法が増加しており、いわゆる中抜きという現象で、こういった流通経路の変更が、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。

ITインフラ流通事業は、独立系マルチベンダーとして多くの仕入先から商品の供給を受けているため、単一メーカーの問題発生による調達リスクは避けられると考える。ただし、世界的なパーツ不足、また業界を主導するメーカーの供給減少や大きな不具合などが発生した場合は、販売に影響を及ぼす可能性がある。

②  繊維事業

繊維事業は、綿密な計画に従って商品企画、生産計画、在庫計画等の管理を行っているが、消費者の嗜好の変化による商品の陳腐化、商品の欠陥の発生、納期の遅延、季節要因による変動等により、在庫リスクを負う可能性がある。また、今後の地価の状況のほか、価格競争の激化、コストの上昇等のため、当社グループの各事業の収益性の低下により減損損失が発生し、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。

③  産業機械事業

産業機械事業は、自動包装機械等の自動機械部門と立旋盤等の工作機械部門を主な事業としている。いずれも生産のほぼ全量が受注生産によるもので、各製品に共通する基礎的な部品の一部についてのみ見込生産を行っている。産業機械事業が属する業界は、景気変動の影響を受け易い特徴があり、設備投資や個人消費の動向が企業業績に与える影響は小さくない。特に、景気の停滞期には設備投資や個人消費の低迷による需要の冷え込みから業界全体の受注総額が縮小し、産業機械事業の業績を悪化させる要因となる。

(2) 生産活動、研究開発に関するリスク

当社グループの事業活動には、当社グループ及び協力事業者で厳格な品質管理基準に従って製造しているが、設備投資、生産工程、研究活動のうえで予期しない事故の発生等により、事業成績等に影響が発生する可能性がある。

(3) 外部環境に関するリスク

当社グループの事業活動には、原材料・燃料価格、金利動向、各種法律、経済環境、自然災害など、さまざまな外部環境により影響を受けるものがあり、コストの上昇、販売機会の喪失、生産の遅れ、特別損失などが生じる可能性がある。

(4) 海外事業に関するリスク

当社グループは、中国、インドネシア等において各国の状況に合わせた事業展開を行っているが、政治、経済、法律、為替、安全などのリスクにより、事業成績等が影響を受ける可能性がある。

(5) 知的財産権に関するリスク

当社グループの事業活動には、特許権など知的財産権に関わる事項があり、他社や自社における権利侵害等の発生により、採算性や事業性に影響を受ける可能性がある。

(6) システムトラブルに関するリスク

ITインフラ流通事業は、全国に物流センターと支店・営業所の販売網をネットワークでつないでおり、独自の物流機能とそれを動かすシステムがスムーズに稼働することを前提に成り立っている。自然災害や事故等によって、通信ネットワークが障害を受けた場合には、ITインフラ流通事業の営業に重大な影響が及ぼされる。

以上のリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループの事業上のリスクと考えられる主なものを記載しているが、当社グループの事業リスクをすべて網羅するものではない。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

(1) 経営成績等の状況の概要

①  財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、期の後半からは海外経済の減速により輸出・生産において一部に弱さがみられたものの、雇用・所得環境の改善や好調な企業収益を背景に個人消費と設備投資が堅調に推移するなど国内需要に牽引され、総じて景気は回復基調を辿った。

当社グループを取り巻く環境は、IT投資が底堅く推移し、産業機械業界でも設備投資が増加する一方、繊維業界では市況が低迷傾向にあったが、全体としては順調な状況で推移した。

このような状況のもと、当社グループは昨年4月からスタートさせた中期経営3カ年計画「イノベーション21」第三次計画において、「ITインフラを主軸に、生活関連・産業分野での幅広い社会貢献型の経営を目指す」を基本コンセプトに、事業収益力の拡大と新たな事業領域の創造に取組み、連結企業価値の向上に努めてきた。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っている。

a.財政状態

当連結会計年度の資産合計は、受取手形及び売掛金の増加等により前期末に比べて49,859百万円増加し、335,888百万円となった。

当連結会計年度の負債合計は、支払手形及び買掛金の増加等により前期末に比べて35,815百万円増加し、248,696百万円となった。

当連結会計年度の純資産合計は、利益剰余金の増加等により前期末に比べて14,043百万円増加し、87,191百万円となった。

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績については、前期に比べ売上高は115,958百万円増収785,554百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は8,403百万円増益22,709百万円(前年同期比58.7%増)、経常利益は8,549百万円増益22,840百万円(前年同期比59.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,244百万円増益16,775百万円(前年同期比59.3%増)となった。

セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

なお、当連結会計年度より、従来「工作・自動機械事業」としていた報告セグメントの名称を「産業機械事業」に変更している。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はない。

ITインフラ流通事業

法人向け市場では、堅調な企業業績を背景に国内企業のIT投資が底堅く推移するなか、全国各地に配置した営業拠点における地域密着営業を推し進め、なかでも企業向けでは製造業・情報通信業・サービス業を中心に販売が堅調に推移した。また、主力商材となるパソコンの販売においては、Windows7サポート終了を控えた更新需要に加えて、働き方改革や生産性向上・コスト削減へのニーズを踏まえた需要の増加を的確に捉え、販売台数は前期を上回る実績となった。あわせて、パソコンやモバイルデバイスなど端末を中心とした商談を軸に、複合提案を強化したことで、周辺機器やソフトウェアの販売も拡大した。また、官公庁向けや文教分野向けにおいても、マルチベンダーとしての強みを活かし、販売パートナーとの協業を推進することで、エンドユーザーのICT環境整備に適した提案を実施することにより、全国的に販売が拡大した。

一方、個人向け市場では、消費マインドが持ち直し傾向にあるなか、各メーカーとの連携により、量販店やWeb販売事業者などの販売先に合わせた市場開拓を強化し、パソコンや液晶モニタの販売が好調に推移した。

以上の結果、当事業の売上高は、693,957百万円(前年同期比19.1%増)、セグメント利益は18,128百万円(前年同期比82.6%増)となった。

繊維事業

合繊・レーヨン部門では、コスメ関連や除菌関連の不織布製品の販売は堅調に推移したが、原燃料価格の高騰の煽りを受け、利益面は圧迫された。

一方、産業資材部門では、帆布やテントなどの重布関連商品の受注が好調に推移し、衣料製品部門でも、カジュアル製品は機能性素材をベースに海外生産拠点を活用した企画提案により販売が増加し、ブランド製品は専門店への販路拡大が順調に進んだ。

以上の結果、当事業の売上高は75,088百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は3,230百万円(前年同期比2.4%)となった。

産業機械事業

工作機械部門では、主力の立旋盤について、国内外ともに航空機分野が活況を呈し、加えて国内では鉄道・金属素材分野、米国では宇宙関連分野が堅調に推移し、受注が増加した。

また、自動機械部門では、医薬品・食品・製菓などの幅広い業界から、省人化・効率化による設備投資のニーズもあり受注が増加した。

以上の結果、当事業の売上高は13,900百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は1,231百万円(前年同期比32.2%増)となった。

その他

当事業の売上高は2,608百万円(前年同期比33.2%)、セグメント利益は116百万円(前年同期比14.3%)となった。

②  キャッシュ・フロー

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加等により、10,129百万円の収入超過(前期比82百万円の収入超過増加)となった。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、1,218百万円の支出超過(前期は713百万円の収入超過)となった。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、5,433百万円の支出超過(前期比1,420百万円の支出超過増加)となった。

以上の結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は前期末に比べて3,403百万円増加し、24,180百万円となり、また、当期末の借入金残高は前期末に比べて2,813百万円減少し、34,384百万円となった。

③  生産、受注及び販売の実績

以下の記載に当たっては、ITインフラ流通事業セグメントは、システム製作の占める割合が低いため、生産実績を記載していない。また、同セグメントにおける情報機器卸売等販売部門、サポート・サービス部門については、受注売上の割合が低いため、受注状況については、システムインテグレーション部門のディーアイエスソリューション株式会社についてのみ記載している。繊維事業セグメントにおける生産実績についてはダイワボウノイ株式会社、ダイワボウレーヨン株式会社、ダイワボウポリテック株式会社、ダイワボウプログレス株式会社、カンボウプラス株式会社、朝日加工株式会社及びケービー産業株式会社が、受注状況についてはカンボウプラス株式会社及び朝日加工株式会社の実績により記載している。なお、販売実績にはセグメント間の内部売上高を含めて記載している。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

前年同期比(%)

繊維事業(百万円)

45,338

3.52

産業機械事業(百万円)

9,818

7.29

報告セグメント計(百万円)

55,157

4.17

その他(百万円)

合計(百万円)

55,157

4.17

(注)1.金額は、製造原価による。

2.ITインフラ流通事業には、商品の仕入実績が650,186百万円ある。

3.繊維事業には、上記の生産実績のほかに商品の仕入実績が9,225百万円ある。

4.上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ITインフラ流通事業

9,310

18.51

416

103.82

繊維事業

5,924

5.46

494

6.31

産業機械事業

15,738

11.82

10,080

27.00

報告セグメント計

30,973

12.43

10,991

27.70

その他

合計

30,973

12.43

10,991

27.70

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

前年同期比(%)

ITインフラ流通事業(百万円)

694,172

19.08

繊維事業(百万円)

75,092

5.73

産業機械事業(百万円)

13,900

16.10

報告セグメント計(百万円)

783,165

17.60

その他(百万円)

3,430

△29.92

合計(百万円)

786,595

17.26

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

以下の内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断を記載したものである。

①  重要な会計方針及び見積り

当社は、以下に記載されている重要な会計方針に基づいて行われる当社グループの判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えている。

a.売上の認識

当社グループの売上高は、主として、製品が出荷された時点に売上割戻等控除後の正味実現可能価額で計上している。

b.貸倒引当金

当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上している。なお、主要な繊維事業会社は過年度において貸倒実績率が大きく変動したことを考慮して、与信ランク毎にリスクを勘案した率を用いて貸倒引当金を計上している。

c.たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の陳腐化損失に備え、採算割れ懸念在庫及び長期在庫について陳腐化見積額を評価損として計上している。ただし、実際の販売価額が当社グループの見積りを下回った場合には追加損失が発生する可能性がある。

d.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産については、当社取締役会での決定等に基づき、スケジューリング可能な将来減算一時差異について、当社グループの将来計画利益額に基づき、連結納税ベースでの将来の獲得課税所得を慎重に見積もって計上している。

 

e.投資の減損

当社グループは、下記の基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行うこととしている。

上場株式  :時価が帳簿価額を50%以上下落した銘柄については、評価額が帳簿価額を下回る額。時価の下落率が30%から50%の銘柄については、回復可能性を考慮して必要と認めた銘柄について、評価額が帳簿価額を下回る額。

非上場株式:1株当たり純資産が帳簿単価より50%以下に下落した株式すべてについて、評価額が帳簿価額を下回る額。

なお、単体財務諸表に計上されている関係会社株式・出資金のうち、債務超過の関係会社について減損処理を行うとともに、債務超過額のうちの当社負担見込額を関係会社事業損失引当金として計上することとしている。また、関係会社への投資に対する損失に備えるため、必要と認めた場合に財務健全性の観点から投資損失引当金を計上することとしている。

②  当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下の通りである。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で分析を行っている。

a.経営成績の分析

ⅰ 財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度に比べ49,859百万円増加335,888百万円(前連結会計年度末は286,029百万円)となった。

流動資産は280,347百万円(前連結会計年度末は230,057百万円)となった。これは、受取手形及び売掛金商品及び製品増加したことによるものである。

固定資産は55,541百万円(前連結会計年度末は55,972百万円)となった。これは、機械装置及び運搬具の取得等による増加があったものの、土地の売却等により減少したものである。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度に比べ35,815百万円増加248,696百万円(前連結会計年度末は212,881百万円)となった。

流動負債は217,720百万円(前連結会計年度末183,872百万円)となった。これは、短期借入金等が減少したものの、支払手形及び買掛金が増加したことによるものである。

固定負債は30,976百万円(前連結会計年度末は29,009百万円)となった。これは、主として長期借入金等の増加によるものである。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度に比べ14,043百万円増加87,191百万円(前連結会計年度末は73,148百万円)となった。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加によるものである。

ⅱ 経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前年度比115,958百万円増収の785,554百万円となった。

セグメント別の売上高の状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりである。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前年度比8,403百万円増益の22,709百万円となった

セグメント別の営業利益の状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりである。

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の減少2百万円、受取配当金の増加13百万円、販売支援金の減少12百万円及び持分法による投資利益の減少62百万円等により、前連結会計年度に比べて54百万円減少し951百万円となった。一方、営業外費用は、支払利息の減少33百万円等により、前連結会計年度に比べて200百万円減少し821百万円となった。以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前年度比8,549百万円増益の22,840百万円となった。

(特別損益)

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益1,566百万円を計上したこと等により1,571百万円となった。一方、特別損失は、固定資産除売却損70百万円及び特別退職金118百万円を計上したこと等により297百万円となった。

 

(非支配株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は、40百万円となった。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比6,244百万円増益の16,775百万円となった。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りである。

なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通りである。

b.資本の財源及び資金の流動性

ⅰ 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料・部品の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、設備投資、出資等によるものである。なお、重要な資本的支出の予定については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載の通りである。

ⅱ キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加38,487百万円等があった反面、税金等調整前当期純利益24,114百万円の計上及び仕入債務の増加32,401百万円等があったため、10,129百万円収入超過となった。また、投資活動によるキャッシュ・フロ-については、有形固定資産の売却による収入2,674百万円及び関係会社株式売却による収入302百万等があった反面、有形固定資産の取得による支出3,504百万円及び無形固定資産の取得による支出706百万円等があったため、1,218百万円の支出超過となった。一方、財務活動によるキャッシュ・フロ-については、長期借入れによる収入6,888百万円があった反面、長期借入金の返済による支出10,026百万円及び配当金の支払額2,491百万円等があったため、5,433百万円の支出超過となった。その結果、当連結会計年度末における借入金残高は、前年度比2,813百万円減少34,384百万円となった。

ⅲ 財務政策

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。

短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としている。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は35,267百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は24,180百万円となっている。

当社グループは、グループ各社の余剰資金を当社に集約して管理する「キャッシュ・プーリング・システム」を採用している。また、当社及び一部の連結子会社は取引銀行12行とコミットメントラインを締結している。コミットメントラインの総額は13,000百万円であるが、当連結会計年度末の借入実行残高はない。

c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の目標達成状況については以下の通りである。

当連結会計年度は、連結営業利益は4期連続での増益、連結当期純利益は6期連続での増益となっており、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも過去最高を更新している。

5事業年度前の中期経営計画「イノベーション21」第一次計画の最終年度であった2015年3月期と比較すると、売上高については219,359百万円増収(38.7%増)、営業利益については14,463百万円増益(175.4%増)、親会社に帰属する当期純利益は11,888百万円増益(248.3%増)となっており、指標については、ROAが4.1ポイント増、ROEが11.6ポイント増、D/Eレシオが0.48減と全体としては順調な状況で推移している。

指標

2015年3月期

実績

2016年3月期

実績

2017年3月期

実績

2018年3月期

実績

2019年3月期

実績

2015年3月期

との対比

売上高(百万円)

566,194

578,506

617,811

669,596

785,554

219,359

(38.7%増)

営業利益(百万円)

8,246

9,912

12,626

14,305

22,709

14,463

(175.4%増)

親会社に帰属する当期純利益(百万円)

4,886

5,266

7,469

10,531

16,775

11,888

(243.3%増)

ROA(%)

3.2

4.0

5.0

5.2

7.3

4.1ポイント増

ROE(%)

9.5

9.5

12.5

15.5

21.1

11.6ポイント増

D/Eレシオ(倍)

0.88

0.77

0.62

0.51

0.40

0.48減

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本電気株式会社と販売特約契約を締結している。

契約日:1983年6月1日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:「日本電気株式会社販売特約店」の表示及び「NEC」標章の使用による特約商品の販売活動

(2) ダイワボウ情報システム株式会社は、NECパーソナルコンピュータ株式会社と売買基本契約を締結している。

契約日:1994年9月30日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:NECパーソナルコンピュータ株式会社の販売店としてNEC商品の販売活動

(3) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本アイ・ビー・エム株式会社と特約店基本契約を締結している。

契約日:1995年11月29日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:「IBMビジネスパートナー特約店」の呼称の使用及び「IBM製品」の販売活動

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、昨年4月からスタートさせた中期経営3カ年計画「イノベーション21」第三次計画において、「ITインフラを主軸に、生活関連・産業分野での幅広い社会貢献型の経営を目指す」を基本コンセプトに、事業収益力の拡大と新たな事業領域の創造に取組み、連結企業価値の向上に努めている。また、当社グループの素材から製品までの一貫生産を強みとした独自の技術領域を深化・拡大させ、事業戦略、知的財産戦略との連携にて研究開発活動に取り組んでいる。なお、事業部門毎の取り組みは以下のとおりである。

繊維事業における研究開発費は871百万円であり、各部門の取り組みは以下のとおりである。

化合繊部門においては、全社的に掲げているファイバー戦略、ESG経営を推進し、得意とする衛生材料、コスメ分野の素材開発において、繊維、不織布の柔軟性を追究し、吸液性の向上等により、肌にやさしい素材開発に注力した。また、再生原料だけではなく、コットンをはじめとした天然素材を用いた素材開発などを積極的に検討し、循環型の素材提案も進めた。

産業資材部門においては、SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、特長ある素材について幅広い用途開発を行っている。具体的には、ポリプロピレンの特長を活かした軽量・保温断熱素材をはじめ、省エネに寄与する素材、空気や水の浄化など環境を意識した素材開発、提案を推し進めている。また、カートリッジフィルターでは、国内外市場に適した商品開発に取り組んでいる。

レーヨン部門では、機能性素材及び機能性不織布の開発・販売に注力するとともに、国内外のユーザーへの提案を推進している

衣料製品部門では、「ファイバー戦略」素材の一つである親水化ポリプロピレンを使用した素材がスポーツ系カジュアルウエアに本格的に採用され、次シーズン以降のアイテム拡大に向けた開発を進めている。糸は大学との共同研究により機能性、快適性をロジカルな分析に基づき進めている。コア技術であるフタロシアニンではその機能を活かした用途、商品開発を進めており、コスメ商材への展開も拡大しつつある。機能性マスターバッチ製造技術では各種資材用途の開発が進み、量産化も始まっている。

産業機械事業における研究開発費は162百万円であり、各部門の取り組みは以下のとおりである

産業機械事業において、ユーザーニーズに直結したジャストフィットの製品とサービスの提供を基本理念として、グループの協業や大学との共同研究による設備機械のIoT化をユーザーニーズに結び付けた研究開発を実施している。工作機械部門では、IoT関連としてAIに適応する動画判定の応用で、刃具欠損検知による予防保全の取り組みや切粉除去に向けた切粉検知機能の精度向上の取り組みを行った。また、鋳物の生産効率の改善や、AI画像判定を用いた不純物除去にも取り組んだ。自動機械部門では、働き方改革を背景とした省人化対策のニーズに対応した、ロボットのハンドリング性を有効活用した自動供給装置や既存システムの改善へ取り組んだ。

なお、上記に係る当連結会計年度の研究開発費総額は1,033百万円である