第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは経営理念として、「私たちは、創造と革新、融合のシナジーによって、グローバル市場でお客様第一に新たな価値を生み出し、人間社会と地球環境に役立つ未来を実現します」を掲げ、この経営理念の実現に向け、当社グループはバリュー・イノベーション(価値革新)を推進する創造革新企業として、資本財から生産財・消費財にわたり、お客様のための価値創造と株主及びその他のステークホルダーとの緊密な信頼関係のもと、常に「自己責任」「自己改革」を念頭に活力ある企業文化の構築に取り組み、ダイワボウグループの連結企業価値の向上を目指しております。

また当社グループは、ITインフラ流通事業での「ITインフラ」、繊維事業を中心とした「生活インフラ」、産業機械事業での「産業インフラ」の3事業における「社会インフラ」の領域で三位一体のグループ経営の推進により、地球環境との共生と持続可能な社会の創造への貢献を目指すことをグループビジョンに掲げ、顧客志向を原点とした新市場・新事業の創出とグループ連携を基盤とするグローバル戦略に基づくグループ経営の推進により、連結収益力の強化とキャッシュ・フローの最大化を実現することを経営の基本方針としております。

(2) 経営戦略等

当社グループは中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の対象期間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と捉え、グループ基本方針として「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を掲げ、次なる時代に向けた成長戦略と事業を通じた社会貢献の実践による企業価値の向上に取り組んでまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性とともに、ROE(自己資本当期純利益率)、ROIC(投下資本利益率)などの指標を参考に、株主資本の効率化に取り組んでおります。

(4) 経営環境

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和から経済活動が徐々に正常化することで緩やかな景気回復が見られた一方で、急速な為替の変動、原材料やエネルギーコストの高騰もあり景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く環境は、IT業界では円安による仕入原価の上昇はありましたが、半導体不足によるIT機器全般での納期遅延は徐々に解消し企業や官公庁を中心に需要は底堅く推移しました。また、繊維業界では全体的に厳しい市場環境が継続し、原燃料高の影響も受けました。産業機械業界でも原材料高騰の懸念は継続しているものの受注環境は中国市場を中心に回復傾向にありました。

新型コロナウイルス感染症等の影響につきましては、ITインフラ流通事業では、企業のテレワークやオンライン会議活用、クラウド移行などのIT需要が継続する一方で、IT関連商品・部品の製造拠点で工場稼働が滞ることによるサプライチェーンへの影響が懸念されました。繊維事業では、外出自粛等による衣料品等の市況悪化、イベント中止等による産業資材の需要減がありました。産業機械事業では、企業の設備投資の停滞がみられ、海外向けの営業活動、出張工事が一部制限されました。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の経済見通しについては、引き続き景気の持ち直しが期待されますが、原材料、エネルギーコスト高騰の長期化や為替の急激な変動等による影響が懸念され、当面は不透明な状況が続くと見込まれます。こうしたなか、当社グループは「将来にわたる発展を見据えた転換期」と位置づける中期経営計画の最終年度を迎えます。次なるステージに向けて、社会構造の変化に機敏に対応し、グループの成長戦略を推し進め、連結企業価値の向上につなげるよう、取り組んでまいります。

事業別の施策といたしましては、ITインフラ流通事業においては、今後のIT市場では、DXの推進や電子帳簿保存法対応、インボイス制度対応などを目的にしたIT支出もあり、中堅中小企業も含めて需要は底堅く推移することが見込まれます。そのような背景もあり、2023年度期初時点で進行中のIT投資案件は前年の同時期と比べ増加している状況です。2023年度もデバイスを中心とした既存ビジネス領域の拡大を図るとともに、2024年度以降に発生するPC入れ替え需要を見据えた提案活動も強化します。また、成長分野であるサブスクリプションビジネスにおいては、「iKAZUCHI(雷)」のサービス拡充や利便性の強化を図り、パートナーのサブスクビジネス支援を継続していきます。また既存システムがハイブリッドクラウドへシフトすることに伴い、クラウドだけでなく、ネットワーク機器や周辺機器の需要の高まりも期待されます。次世代のインフラビジネスに関連した商談を多く発掘するため、提案活動と販売パートナーへの支援体制強化を図ってまいります。

繊維事業においては、ESG経営やSDGsを事業運営の基本におき、事業横断的な研究開発体制を基盤としたビジネスモデルへの変革を進めてまいります。合繊・レーヨン部門では、環境配慮型製品の新規開発と商圏の確保に加え、リサイクルレーヨンの販路拡大にも注力いたします。産業資材部門では、カートリッジフィルターを中心に、高付加価値商品を拡販し収益基盤の安定化を図ります。衣料製品部門では、難燃素材の活用など差別化商品の開発と、サステナブル素材を使用した商品の新規顧客開拓、用途展開を進め、収益性の向上に注力してまいります。

産業機械事業においては、工作機械部門では、戦略的に在庫機を保有し、受注が活況に推移している中国向けにおいて上海ショールームを活用して拡販を図ってまいります。主力の航空機業界では、生産回復に向け準備を進めている客先もあり、増産に向けて最適な仕様提案ができるよう情報収集を行い、販売促進に取り組んでまいります。自動機械部門では、コスト低減、納期短縮、アフターサービスの強化を図るために体制を整備し、販売拡大を図ってまいります。

また、当社はコーポレートガバナンスを経営上の最重要課題の一つとして認識しております。グループ各社の連携のもと、内部統制機能の一段の充実と、より最適なガバナンス体制の確立に努め、株主の皆様をはじめステークホルダーとの良好な信頼関係を保ちながら、サステナビリティ活動の充実など、なお一層の自己変革に取り組み、企業の社会的責任を果たしてまいる所存であります。

◎次期中期経営計画策定に向けた取組み

2024年5月発表予定の次期中期経営計画策定に先立ち、当社は「全社パーパスの確立と成長戦略の策定」「グループ全体での価値最大化に向けた最適な事業ポートフォリオの確立」「成長投資と株主還元の最適化の実現」の3つのテーマを重点検討事項として、現在検討を進めております。

「全社パーパスの確立と成長戦略の策定」では、当社グループのアイデンティティを見定め、社会的な時流と会社組織のDNAを踏まえたパーパスを定義し、今後発信してまいります。そのうえで、分野ごとに成長性や付加価値を検証しながら、当社の社会的意義を実現していく観点で成長戦略の策定に向けた検討を進めております。

「グループ全体での価値最大化に向けた最適な事業ポートフォリオの確立」については、経済産業省策定の事業再編実務指針等を参考にしながら、既存事業についてベストオーナー原則と事業環境評価、資本収益性を検証しております。まずは、当社が対象事業にとって事業の価値を最大化できる主体(ベストオーナー)であるかについて、「事業シナジー」「資金調達上の優位性」「戦略策定」「本社機能・資源」「オペレーションへの積極的な関与」の5つの項目をとおして事業価値最大化をサポートできているかを評価しております。次に、対象事業が、持続的な価値創出が可能かについて、「資本コストを上回る資本収益性を将来にわたって創出できているか」という観点で評価をしております。これらをもとに、企業価値に最も寄与する戦略的選択肢も含めて検討中であり、最適なタイミングにて実行する予定であります。

なお、繊維事業については、企業価値最大化に向けた戦略的選択肢としてグループからの独立化を検討中であり、大和紡績を交えた具体的な協議を開始し、株主・従業員・取引先等にとって適切な方法で繊維事業の価値向上に寄与する選択肢を検討しております。

「成長投資と株主還元の最適化の実現」については、資本コストを踏まえた最適な成長投資と株主還元を実現し、企業価値の向上を目指すキャピタルアロケーションの方針を策定し、「ヒト・モノ・カネ」のリソース配分の最適化と、株主の皆様へのリターンを最大化できる資本政策の確立を目指してまいります。

各事業会社で生み出された収益の配分方針について、それぞれの事業ごとの業績拡大に向けた成長投資のみを優先するのではなく、グループ全体としての収益性の最大化を目指すためのキャピタルアロケーションを検討中であり、次期中期経営計画に向けて議論を深めております。

これらの重点検討項目に関する検討体制として、社外取締役が過半数を占める取締役会において中長期的な経営課題について検討すべき事項を決定し、社内取締役と外部アドバイザーが参画するワーキンググループにて分析・検証した内容を、取締役会で集中的に議論する体制を整備しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)に関わる事項を審議するため、取締役会の諮問機関として、2020年4月に代表取締役を委員長とするESG推進委員会を設置いたしました。ESG推進委員会の下部組織として、実務レベルで協議・推進するためのESG推進会議を設置しております。ESG推進委員会での審議事項につきましては取締役会に答申・報告しております。取締役会は、ESG推進委員会からの答申・報告事項に対して決議のうえ、指示・監督しております。気候変動に関する事項につきましても、当社グループのマテリアリティ(重要課題)である環境課題の一つとして、この体制において協議及び審議・決議を行い、その推進を図っております。また、必要に応じて気候変動の影響を全社リスクとしてリスク管理委員会に報告・提言をしております。

 

気候変動リスク管理体制

 

0102010_001.png

 

(2)戦略

(気候変動)

 当社グループは、気候変動は中長期にわたる課題と認識しております。そのため、様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、1.5~2℃シナリオ、4℃シナリオの複数の将来のシナリオに基づいた分析をしております。+1.5~2℃の世界では、温室効果ガス削減のための規制が強化され、低・脱炭素化が進み、移行リスクが高まると考えられます。一方+4℃の世界では、規制などの移行リスクの影響は小さいものの異常気象などの物理リスクが高まると考えられます。シナリオは2030年度を想定し、IPCCの「RCP-2.6」と「RCP-8.5」、World Energy Outlookの「NZE2050、SDS」と「STEPS」を参考にしております。

0102010_002.png

 

気候変動リスク・機会

 

特に影響が強い

 

主なリスク・機会

DIS

DWB

OM

想定される主な取り組み

移行

リスク

(1.5~2℃シナリオで最も顕在化すると想定)

政策・

法規制

リスク

炭素価格など規制対応コストの増加

 

 

低炭素エネルギーへの移行

 

 

2030年度CO2排出目標達成に向けた効率化の徹底と低炭素エネルギーへの移行

技術

リスク

環境配慮技術に対する投資・研究開発コスト増加

 

 

研究機関との連携,開発ツールの活用、外部研究機関との連携

 

 

省エネ、油圧レス、自動化等での開発と早期製品化

市場

リスク

再生可能エネルギー需要がひっ迫して商品価格が高騰

 

 

大型倉庫保有による在庫確保及びマルチベンダー機能を活用した代替え商品の提案

環境負荷の小さい製品の原材料費が高騰

 

製品への価格転嫁を含む販売戦略の適宜見直し

評判

リスク

対応の遅れによる企業ブランド低下

WEBサイト等による適時情報開示

物理

リスク

(4℃シナリオ等で最も顕在化すると想定)

急性

リスク

災害による事業拠点の操業停滞

 

 

多拠点網による別拠点の対応及びテレワークにて事業を継続、BCP対策強化

 

風水害等に対する生産拠点のBCP対策強化

被災によるサプライチェーンの操業停滞

 

 

マルチベンダーの強みを活かして複数の仕入ルートの確保、及び大型倉庫保有による在庫確保

 

生産、物流拠点間のBCP対策強化(国内外含む)

疾病の蔓延

テレワークの適時活用

慢性

リスク

気温上昇による労働環境の悪化

 

 

物流センターにおける快適な作業環境の整備

物流センター、工場における熱中症対策の実施

サプライチェーン上流の供給量が不安定化

 

 

マルチベンダーの強みを活かして複数の仕入ルートの確保、及び大型倉庫保有による在庫確保

気温上昇による空調コストの増加

 

 

物流センターの自動化投資および悪条件でのロボット活用の検討

機会

資源の

効率性

生産や輸送の高効率化によるエネルギーコスト削減

 

 

現状の延長、最寄り出荷、まとめ出荷、チャーター出荷の活用による輸配送の更なる効率化

 

 

更なる省エネ推進や再生可能エネルギーへのシフト

 

 

省エネ機器導入によるオペレーションコスト低減

製品・

サービス

気候変動の緩和や適応に資する商品・サービスの提供による収益の拡大

 

 

将来需要を見込んだ仕入計画策定

 

 

生分解性素材など環境にやさしい商品、防災・減災商品の販売機会の拡大

 

 

省エネ、油圧レス、自動化等の商品展開

環境配慮設備(再エネ、バッテリー、燃料電池など)に必要な材料や部品、ソリューション需要増加

 

 

環境負荷の少ない商品への需要拡大の可能性に応えた商品展開

 

 

風力発電、ガスタービン、原子力等の環境対応設備を生産する業界への販売機会の拡大

市場

気候関連情報の開示促進による企業イメージ向上

TCFD提言に基づく適時情報開示

DIS:ダイワボウ情報システム株式会社(連結)

DWB:大和紡績株式会社(連結:国内)

OM:株式会社オーエム製作所(連結:国内)

 

(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針と社内環境整備に関する方針)

 当社グループでは、人材が企業成長の源泉であり最大の財産であるという認識のもと、持続的なグループの成長には、様々な個性、能力、知識、経験を持った人材の確保と育成が不可欠であると考えております。中期経営計画においては「未来を創る人材価値の最大化」を掲げ、人材育成と成長を支える組織風土改革に取り組んでおります。

 人材の確保においては、少子化が進む中、人員を継続的に確保する必要性と、多様な人材を適時に確保することが会社にとって有益との考えから、従来の固定観念にとらわれない、幅広く柔軟な採用の在り方を追求しております。人材の育成においては、従業員教育や資格取得支援、自己啓発教育支援などの取り組みを推進することで、従業員のスキルや知識、モチベーションの向上を図っております。

 また、個性や多様性を尊重した働き方を実現し、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境・労働環境の整備にも取り組んでおります。当社グループは、社内外に関わらず、多様性を尊重し受け入れ、社会と協働することで真に価値ある未来を生み出す組織を目指してまいります。

 

(3)リスク管理

(気候変動)

 気候変動に関する事項を推進するESG推進会議は、気候変動の影響について、当社とグループ会社の連携のもとリスクと機会を評価し、状況の把握を行っております。リスク評価については少なくとも年1回、また必要に応じて実施し、ESG推進会議からESG推進委員会に報告・提言しております。ESG推進委員会は少なくとも年1回、リスク評価及びそれらへの対策案、並びに関連する指標や目標について審議を行い、取締役会に答申・報告を行っております。取締役会は、ESG推進委員会からの答申・報告事項に対して決議のうえ、指示・監督しております。

 なお、財務的影響等については今後開示を拡充すべく検討を進めてまいります。

 

(4)指標及び目標

(気候変動)

 当社グループは、2013年度Scope1・Scope2のCO2排出量を基準に、2030年度に30%削減を目標として設定し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。

Scope1・Scope2の合計量                                   (千tCO2

 

2013年度

2030年度目標

 

2013年度比削減

ITインフラ流通事業

2.4

1.6

△34%

繊維事業

132.9

92.7

△30%

産業機械事業

6.3

4.4

△30%

ダイワボウホールディングス単体

0.05

0.03

△40%

グループ計

141.7

98.7

△30%

範囲 ITインフラ流通事業:ダイワボウ情報システム株式会社(連結)

   繊維事業:大和紡績株式会社(連結:国内)

   産業機械事業:株式会社オーエム製作所(連結:国内)

   ダイワボウホールディングス株式会社(単体)

 

(人的資本の拡充及び多様性の確保に向けた取組)

 当社は2024年3月期までの中期経営計画において、当社の持続的な成長を支える人材を育成する方針として、積極的な人材登用や教育・研修などに戦略的に投資するとともに、グループ連携での人材活用、従業員がいきいきと働けるよう労働環境の整備に取り組んでいくことを掲げております。

 上記方針に則り、女性が活躍できる労働環境の整備として、男女差別のない育成と公平な評価により積極的な登用に取組むとともに、母性保護や育児休職制度等の充実を図っております。

 中途採用については、必要に応じて都度実施しておりますが、専門的分野における中核人材の登用の観点から積極的な中途採用の活用を実施検討してまいります。

 これらの人材の多様性確保に向けた取組みについて、数値目標を策定するには至っておりませんが、2023年度中に公開予定の統合報告書において、当社グループとしての人的資本戦略とあわせて、マテリアリティ項目毎の取り組みを推進するための目標値を策定してまいります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループが顧客に提供する価値は、ITインフラ流通事業等では、顧客の要望に応じた最適の商品構成を提案し、注文の翌日納品体制を確立すること、繊維事業等では、顧客に高品質な商品・サービスを提供し、顧客の生産活動に寄与すること、顧客にファッショナブルで快適な生活を提供できること、並びに、産業機械事業等では、顧客の要望に応じた最適の製品とサービスを提供し、顧客の生産活動に寄与することによって、より高い付加価値を提供することで得られております。即ち、顧客が期待する以上の商品・サービスを継続的に提供することによって、顧客自身が当社グループに対する信頼を向上させ、満足していただくことが当社グループの価値の源泉となっております。

当社グループは、特定の取引先・製品・技術・法的規制等への依存割合は小さく、経営成績は比較的安定しておりますが、当社グループが属する業界は消費者の嗜好の変化が激しいことから、同業者による新商品・新サービスの展開により、当社グループの売上高及び利益は変動する可能性があります。当社グループは、この変化に対処すべく、常に技術開発に努め、また供給体制を再構築するとともに、顧客からの要請に対し当社グループ全体で対応する仕組みを構築しており、迅速な顧客対応が可能な体制を整えております。また、当社グループで定めているリスク管理規則、危機管理規則等の諸規則により、リスクの特定・評価・管理を行い、特に大きいリスクが現実に発生した場合若しくは発生する予兆がある場合は、対策本部を設置、危機管理体制へ移行、事前対応策又は危機対応策を実行し、事態の推移を監視する体制を整えております。

しかしながら、上記のような仕組みを講じているにもかかわらず、以下のような場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(1) 商品等に関するリスク

①  ITインフラ流通事業

ITインフラ流通事業は、パソコン本体を主要な取扱商品と位置づけております。普及度はかなり高まってきており、今後の市場全体が伸び悩む可能性があります。また、競合が激しく売上利益率が低下傾向にあり、それらの動向に当社グループの業績が左右される恐れがあります。

メーカーから仕入れた商品は、原則返品できず、技術革新が速く、陳腐化も速く進むため、万が一売れ残った場合には、在庫リスクがあり、処分のために損失が発生する可能性があります。

ITインフラ流通事業は、メーカーないしメーカー販社から、商品を仕入れて、二次販売代理店に卸す、一次卸の業態であります。一方でメーカーによるダイレクト販売という販売方法も行われており、いわゆる中抜きという現象で、こういった流通経路の変更が増加すると、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ITインフラ流通事業は、独立系マルチベンダーとして多くの仕入先から商品の供給を受けているため、単一メーカーの問題発生による調達リスクは避けられると考えます。ただし、世界的なパーツ不足、また業界を主導するメーカーの供給減少や大きな不具合などが発生した場合は、販売に影響を及ぼす可能性があります。

②  繊維事業

繊維事業は、綿密な計画に従って商品企画、生産計画、在庫計画等の管理を行っておりますが、消費者の嗜好の変化による商品の陳腐化、商品の欠陥の発生、納期の遅延、季節要因による変動等により、在庫リスクを負う可能性があります。また、今後の地価の状況のほか、価格競争の激化、コストの上昇等のため、当社グループの各事業の収益性の低下により減損損失が発生し、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③  産業機械事業

産業機械事業は、自動包装機械等の自動機械部門と立旋盤等の工作機械部門を主な事業としております。いずれも生産のほぼ全量が受注生産によるもので、各製品に共通する基礎的な部品の一部についてのみ見込生産を行っております。産業機械事業が属する業界は、景気変動の影響を受け易い特徴があり、設備投資や個人消費の動向が企業業績に与える影響は小さくありません。特に、景気の停滞期には設備投資や個人消費の低迷による需要の冷え込みから業界全体の受注総額が縮小し、産業機械事業の業績を悪化させる要因となります。

(2) 生産活動、研究開発に関するリスク

当社グループの事業活動には、当社グループ及び協力事業者で厳格な品質管理基準に従って製造しておりますが、設備投資、生産工程、研究活動のうえで予期しない事故の発生等により、事業成績等に影響が発生する可能性があります。

対策としましては、当社グループで定める危機管理規則や製品安全活動規則に則り、製造物の欠陥から消費者の生命、身体、財産に生ずる被害を未然に防止し、予期しない事故の発生等により重要な影響が及んだ場合には、対策本部を設置し、危機管理体制へ移行する体制を整えております。

(3) 外部環境に関するリスク

当社グループの事業活動には、原材料・燃料価格、金利動向、各種法律、経済環境、自然災害など、さまざまな外部環境により影響を受けるものがあり、コストの上昇、販売機会の喪失、生産の遅れ、特別損失などが生じる可能性があります。

対策としましては、当社グループで定めるリスク管理規則及び危機管理規則に則り、リスクの特定・評価・管理を行い、異常災害や巨大損失などの大きなリスクが現実に発生した場合若しくは発生する予兆のある場合の緊急事態対応のリスク管理は危機管理として取り扱う体制を整えております。

 

(4) 海外事業に関するリスク

当社グループは、中国、インドネシア等において各国の状況に合わせた事業展開を行っておりますが、政治、経済、法律、為替、安全などのリスクにより、事業成績等が影響を受ける可能性があります。

政治、経済、法律、安全についての対策としましては、当社グループの危機管理規則で定めている対策本部を設置し、危機管理体制への移行や、事前対応策を実行し事態の推移を監視する体制を整えております。また、為替リスクにつきましては為替予約等のヘッジ取引を実施し、リスクの低減に努めております。

 

(5) 知的財産権に関するリスク

当社グループの事業活動には、特許権など知的財産権に関わる事項があり、他社や自社における権利侵害等の発生により、採算性や事業性に影響を受ける可能性があります。

対策としましては、当社グループでは知的財産部門において、知的財産権に関する訴訟リスクや賠償リスク等の事項等について管理を行っております。

(6) システムトラブル・情報セキュリティに関するリスク

ITインフラ流通事業は、全国に物流センターと支店・営業所の販売網をネットワークでつないでおり、独自の物流機能とそれを動かすシステムがスムーズに稼働することを前提に成り立っております。自然災害・事故、外部からの予期せぬ不正アクセス・コンピュータウイルスの侵入等によって、通信ネットワークの障害および機密情報、個人情報の漏洩等が発生し、業務の遂行に支障をきたす事態が発生した場合には、ITインフラ流通事業の営業活動に重大な影響が及ぼされます。被害の規模によっては、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

対策としましては、当社グループの危機管理規則で定めている対策本部を設置し、危機管理体制への移行や、事前対応策を実行し事態の推移を監視する体制を整えております。また、従業員への定期的な教育の実施等に加え、サイバー攻撃や不正アクセス等への対応として情報システムのセキュリティ強化等の対策を講じ、リスクの最小化に努めております。

(7) 直送取引に関するリスク

ITインフラ流通事業では、顧客への商品の配送時に環境負荷の低減、納期短縮、コスト削減などのため、仕入先から直送することがあります。直送取引においては、物の動きが見えづらく、商流に介在する自社の役割が不明瞭な取引が発生する可能性があります。

対策としましては、商流における自社及び取引先の役割を確認しており、個別に取引の経済合理性を確かめることで適正な取引を行うための判断を行っております。またそのための統制を適切に整備し運用しております。

(8) 新型コロナウイルス感染症等の影響に関するリスク

当社グループの事業活動には、国内外複数の事業拠点、製造拠点、物流拠点を介して事業活動を行っておりますが、今般の新型コロナウイルス感染症のような感染症の大規模拡大などによる異常事態が発生することにより、生産活動、物流機能などの機能への支障をきたすことで事業運営に大きな影響が及ぼされる可能性があります。

当社グループでは、事業活動の継続や従業員の安全確保のために、有事の際には在宅勤務・時差出勤・時短勤務による感染リスクの軽減や危機管理対策に努めております。また、収益確保と持続的成長を維持していくために、不時の投資や資金需要に備え、内部留保資金の確保を図りながら継続的かつ安定的な利益還元を行ってまいります。

以上のリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループの事業上のリスクと考えられる主なものを記載しておりますが、当社グループの事業リスクをすべて網羅するものではありません。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和から経済活動が徐々に正常化することで緩やかな景気回復が見られた一方で、急速な為替の変動、原材料やエネルギーコストの高騰もあり景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く環境は、IT業界では円安による仕入原価の上昇はありましたが、半導体不足によるIT機器全般での納期遅延は徐々に解消し企業や官公庁を中心に需要は底堅く推移しました。また、繊維業界では全体的に厳しい市場環境が継続し、原燃料高の影響も受けました。産業機械業界でも原材料高騰の懸念は継続しているものの受注環境は中国市場を中心に回復傾向にありました。

新型コロナウイルス感染症等の影響につきましては、ITインフラ流通事業では、企業のテレワークやオンライン会議活用、クラウド移行などのIT需要が継続する一方で、IT関連商品・部品の製造拠点で工場稼働が滞ることによるサプライチェーンへの影響が懸念されました。繊維事業では、外出自粛等による衣料品等の市況悪化、イベント中止等による産業資材の需要減がありました。産業機械事業では、企業の設備投資の停滞がみられ、海外向けの営業活動、出張工事が一部制限されました。

このような環境において、当社グループは中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の対象期間を「将来にわたる発展を見据えた転換期」と捉え、グループ基本方針として「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」を掲げ、次なる時代に向けた成長戦略と事業を通じた社会貢献の実践による企業価値の向上に取り組んでまいりました。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなっております。

a.財政状態

資産は、売掛金の増加等により前期末に比べて50,485百万円増加し、406,688百万円となり、負債は、支払手形及び買掛金の増加等により前期末に比べて42,696百万円増加し、262,726百万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加等により前期末に比べて7,788百万円増加し、143,961百万円となりました。

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は140,079百万円増収の903,918百万円(前年同期比18.3%増)、営業利益は3,885百万円増益の27,944百万円(前年同期比16.1%増)、経常利益は4,054百万円増益の28,608百万円(前年同期比16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,071百万円増益の19,059百万円(前年同期比12.2%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりとなっております。

ITインフラ流通事業

コーポレート向け市場では、全国の営業拠点において地域密着営業を推進することで、パートナーとのコミュニケーションが活発化し、企業・官公庁・文教において中型から大型案件までを安定的に受注を獲得することにより、主にPCやネットワーク機器の販売において前年を上回りました。また、iKAZUCHI(雷)を通じたサブスクリプション製品の契約が増加し、ソフトウェアを中心としたクラウドサービスの売上高が拡大しました。文教向けにおいても、高校の生徒用端末や小中学校の教職員用端末の導入案件も好調に推移しました。

コンシューマ向け市場では、EC向け販売はPCが増加したものの周辺機器などが低迷しましたが、量販店向け販売はPCや新規商材の提案により全体としては前年を超える実績となりました。

以上の結果、当事業の売上高は828,997百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は25,394百万円(前年同期比17.3%増)となりました。

繊維事業

合繊・レーヨン部門では、機能性レーヨンの販売は堅調に推移しましたが、原燃料価格の高騰により利益面では苦戦を強いられました。産業資材部門では、カートリッジフィルターの増産体制整備や旺盛な建築需要の影響で建築シートの販売が拡大したことにより増収となりました。衣料製品部門では、国内衣料販売で一部回復が見られましたがコスト上昇により厳しい市場環境が継続しました。

以上の結果、当事業の売上高は、61,980百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は1,499百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

 

産業機械事業

工作機械部門では、風力発電や高効率ガスタービンで需要のあるエネルギー業界、世界的な半導体不足で増産対応を図った半導体業界に加え、建設機械、医療機器等幅広い業界向けで売上高が増加し、受注環境としては、中国市場における風力発電業界を中心に活況が継続し受注が拡大しました。自動機械部門では、前年同期比で本体の出荷台数が減少したことに伴い売上、利益ともに前年同期比で減少しました。

以上の結果、当事業の売上高は12,170百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は886百万円(前年同期比35.2%増)となりました。

その他

当事業の売上高は770百万円(前年同期比71.0%減)、セグメント利益は115百万円(前年同期比11.8%減)となりました。

②  キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益28,191百万円に対し、売上債権の増加や棚卸資産の増加などの減少要因がありましたが、仕入債務の増加などの増加要因があり、16,958百万円の収入(前期比11,207百万円の支出増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などの減少要因により、1,628百万円の支出(前期比1,298百万円の収入増加)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出や自己株式の取得による支出などの減少要因により、10,335百万円の支出(前期比389百万円の収入増加)となりました。

以上の結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は前期末に比べて5,195百万円増加し、51,923百万円となり、また、当期末の借入金残高は前期末に比べて1,385百万円減少し、26,099百万円となりました。

③  生産、受注及び販売の実績

以下の記載に当たっては、ITインフラ流通事業は、システム製作の占める割合が低いため、生産実績を記載しておりません。また、受注実績につきましては、システムインテグレーション部門についてのみ記載しております。繊維事業における生産実績については大和紡績株式会社、ダイワボウレーヨン株式会社、カンボウプラス株式会社、朝日加工株式会社及びケービー産業株式会社が、受注実績についてはカンボウプラス株式会社及び朝日加工株式会社の実績を記載しております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

  至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

繊維事業(百万円)

41,347

16.77

産業機械事業(百万円)

9,309

12.68

報告セグメント計(百万円)

50,657

16.00

その他(百万円)

合計(百万円)

50,657

16.00

(注)1.金額は、製造原価によります。

2.ITインフラ流通事業には、商品の仕入実績が774,867百万円あります。

3.繊維事業には、上記の生産実績のほかに商品の仕入実績が4,523百万円あります。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ITインフラ流通事業

11,782

4.90

412

△2.45

繊維事業

4,731

5.28

428

8.42

産業機械事業

14,404

18.24

9,559

35.43

報告セグメント計

30,918

10.78

10,399

32.04

その他

合計

30,918

10.78

10,399

32.04

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

  至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

ITインフラ流通事業(百万円)

828,997

19.92

繊維事業(百万円)

61,980

6.33

産業機械事業(百万円)

12,170

4.82

報告セグメント計(百万円)

903,148

18.65

その他(百万円)

770

△71.01

合計(百万円)

903,918

18.34

(注)セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

以下の内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断を記載したものであります。

①  財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ50,485百万円増加の406,688百万円(前連結会計年度末は356,203百万円)となりました。

流動資産は354,188百万円(前連結会計年度末は304,134百万円)となりました。これは、主として売掛金が増加したことによるものであります。

固定資産は52,500百万円(前連結会計年度末は52,068百万円)となりました。これは、主として投資その他の資産の繰延税金資産等の増加によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ42,696百万円増加の262,726百万円(前連結会計年度末は220,030百万円)となりました。

流動負債は231,884百万円(前連結会計年度末は191,564百万円)となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。

固定負債は30,842百万円(前連結会計年度末は28,465百万円)となりました。これは、主として退職給付に係る負債の増加によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,788百万円増加の143,961百万円(前連結会計年度末は136,173百万円)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加によるものであります。

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前年同期比140,079百万円増収の903,918百万円となりました。

セグメント別の売上高の状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前年同期比3,885百万円増益の27,944百万円となりました。

セグメント別の営業利益の状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の増加4百万円、受取配当金の増加26百万円、販売支援金の減少99百万円、助成金収入の増加206百万円、持分法による投資利益の増加73百万円及びその他の増加58百万円により、前連結会計年度に比べて271百万円増加し1,462百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息の減少6百万円、固定資産圧縮損の増加211百万円、金融手数料の減少62百万円、為替差損の減少80百万円及びその他の増加39百万円により、前連結会計年度に比べて102百万円増加し798百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前年同期比4,054百万円増益の28,608百万円となっております。

 

 

(特別損益)

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益26百万円、投資有価証券売却益25百万円、関係会社株式売却益6百万円を計上したことにより58百万円となりました。一方、特別損失は、固定資産除売却損194百万円、減損損失191百万円、製品保証費用89百万円を計上したことにより475百万円となりました。

(非支配株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は、42百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比2,071百万円増益の19,059百万円となりました。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の目標達成状況につきましては以下のとおりであります。

当連結会計年度は、売上高については2021年3月期、2020年3月期に次ぐ過去3番目の実績となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても2021年3月期、2020年3月期に次ぐ過去3番目の利益水準となりました。

中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)では、ROE(自己資本当期純利益率)を14%以上、ROIC(投下資本利益率)は11~12%水準維持をグループ経営指標として掲げております。2023年3月期のROEは13.7%、ROICは11.6%となっております。引き続き持続的な企業価値向上に取り組んでまいります。

指標

2019年3月期

実績

2020年3月期

実績

2021年3月期

実績

2022年3月期

実績

2023年3月期

実績

売上高(百万円)

785,554

944,053

1,043,534

763,838

903,918

営業利益(百万円)

22,709

32,841

35,028

24,059

27,944

経常利益(百万円)

22,840

33,195

35,781

24,554

28,608

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

16,775

21,178

25,715

16,988

19,059

ROE(%)

21.1

22.3

22.2

12.9

13.7

ROIC(%)

10.4

11.6

 

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、製品製造のための材料・部品の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、出資等によるものであります。なお、重要な設備投資の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

b.キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益28,191百万円に対し、仕入債務の増加などの増加要因がありましたが、売上債権の増加や棚卸資産の増加などの減少要因により16,958百万円の収入(前期比11,207百万円の支出増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などの減少要因により、1,628百万円の支出(前期比1,298百万円の収入増加)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出や自己株式の取得による支出などの減少要因により、10,335百万円の支出(前期比389百万円の収入増加)となりました。

その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前期末に比べて5,195百万円増加し、51,923百万円となり、また、借入金残高は、前期末に比べて1,385百万円減少し、26,099百万円となりました。

 

c.財務政策

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は27,224百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は51,923百万円となっております。

当社グループは、グループ各社の余剰資金を当社に集約して管理する「キャッシュ・プーリング・システム」を採用しております。また、当社及び一部の連結子会社は取引銀行12行とコミットメントラインを締結しております。コミットメントラインの総額は13,200百万円ですが、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社は、以下に記載されている重要な会計方針に基づいて行われる当社グループの判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

a.売上の認識

当社グループの売上高は、主として、製品が出荷された時点に売上割戻等控除後の正味実現可能価額で計上しております。

b.貸倒引当金

当社グループは、一般債権につきましては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につきましては個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。なお、主要な繊維事業会社は過年度において貸倒実績率が大きく変動したことを考慮して、与信ランク毎にリスクを勘案した率を用いて貸倒引当金を計上しております。

c.棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の陳腐化損失に備え、採算割れ懸念在庫及び長期在庫につきましては陳腐化見積額を評価損として計上しております。ただし、実際の販売価額が当社グループの見積りを下回った場合には追加損失が発生する可能性があります。

d.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産につきましては、当社取締役会での決定等に基づき、スケジューリング可能な将来減算一時差異につきましては、当社グループの将来計画利益額に基づき、将来の獲得課税所得を慎重に見積もって計上しております。

なお、当社グループでは当連結会計年度末における将来の課税所得又は税務上の欠損金の見積もりにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を反映しており、詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」で記載のとおりであります。

e.減損

当社グループは、下記の基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行うこととしております。

上場株式  :時価が帳簿価額を50%以上下落した銘柄につきましては、評価額が帳簿価額を下回る額。時価の下落率が30%から50%の銘柄につきましては、回復可能性を考慮して必要と認めた銘柄について、評価額が帳簿価額を下回る額。

非上場株式:1株当たり純資産が帳簿単価より50%以下に下落した株式すべてにつきましては、評価額が帳簿価額を下回る額。

なお、単体財務諸表に計上されている関係会社株式・出資金のうち、債務超過の関係会社について減損処理を行うとともに、債務超過額のうちの当社負担見込額を関係会社事業損失引当金として計上することとしております。また、関係会社への投資に対する損失に備えるため、必要と認めた場合に財務健全性の観点から投資損失引当金を計上することとしております。

また、当社グループでは当連結会計年度末における減損の兆候の判定及び回収可能価額の算定にあたって、将来キャッシュ・フローの見積りに新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を反映しており、詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」で記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本電気株式会社と販売特約契約を締結しております。

契約日:1983年6月1日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:「日本電気株式会社販売特約店」の表示及び「NEC」標章の使用による特約商品の販売活動

(2) ダイワボウ情報システム株式会社は、NECパーソナルコンピュータ株式会社と売買基本契約を締結しております。

契約日:1994年9月30日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:NECパーソナルコンピュータ株式会社の販売店としてNEC商品の販売活動

(3) ダイワボウ情報システム株式会社は、日本アイ・ビー・エム株式会社と特約店基本契約を締結しております。

契約日:1995年11月29日

期間:1年間(自動更新)

契約内容:「IBMビジネスパートナー特約店」の呼称の使用及び「IBM製品」の販売活動

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)はグループ基本方針である「次世代成長ドライバーの創出」「リーディングカンパニーとして新たな社会作りへの貢献」「経営基盤変革」のもと、社会構造の変化に果敢に挑戦し、グループの成長戦略を推進し、連結企業価値の向上に努めております。当社グループの素材から製品までの一貫生産を強みとした独自の技術領域を深化・拡大させ、事業戦略、知的財産戦略との連携にて研究開発活動に取り組んでおります。事業部門毎の取組みは以下のとおりであります。

繊維事業における研究開発費は717百万円であり、各部門の取組みは以下のとおりであります。

合繊部門におきましては、衛生材料、コスメ分野では、コットンなど天然素材をはじめとする、植物由来の素材、新たに開発した生分解性を有する複合繊維「ミラクルⓇファイバーKK-PL」、バイオマス樹脂やリサイクル樹脂を用いた合成繊維を活用し、環境に配慮した繊維、不織布など素材開発、提案を行いました。工業資材分野では、高機能性複合繊維やエンジニアリングプラスチックを用いた繊維など素材開発を行いました。

レーヨン部門におきましては、機能化・差別化を追求した新規レーヨン素材の提案を行いました。また、当社グループ内の連携も強化し、不織布や紡績糸・生地用のサステナブル素材として機能性レーヨンを提案しました。

産業資材部門におきましては、SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、空気や水の浄化、省エネなど間接的に環境保全に貢献する素材の開発、提案を継続して行っております。カートリッジフィルターでは継続して国内外市場、顧客ニーズに適した新規フィルター開発に取り組んでおります。

製品テキスタイル部門におきましては、当社グループ素材を活用した商品開発を推進しております。環境に配慮した素材開発を進め、衣料用ポリプロピレン繊維を用いた機能性素材「デューロンⓇ」シリーズ拡充、セルロース100%の機能性紡績糸「セルハーモⓇ」、リサイクルポリエステルをアメリカコットンで包んだ二層構造糸「ツインレットⓇ」、生分解性ポリエステル繊維を使用した生地「パルテラⓇ」、新規難燃性素材「ノンブレイズⓇ」、フッ素フリー撥水加工生地「レインペットⓇNW」を提案しました。

産業機械事業における研究開発費は210百万円であり、各部門の取組みは以下のとおりであります

産業機械事業部門におきましては、ユーザーニーズに直結した製品とサービスの提供を基本理念として、設備機械のIoT化やユーザーニーズに結び付けた研究開発を実施しております。

工作機械部門におきましては、顧客ニーズの対応として、難削材の切削能力向上を目的に超高圧及び大容量クーラントに対応するためHSKクランプ方式による工具交換の製品化に取り組みました。また、中国で活況となっている風力発電業界向けに、立旋盤VTLex3000Mの新製品開発に取り組みました。

自動機械部門におきましては、省人化の需要に合わせ包材を自動的に補充するカートン補給装置の開発に取り組み、展示会に出展しました。

なお、上記に係る当連結会計年度の研究開発費総額は928百万円であります。