第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用状況に改善がみられ、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながら中国をはじめとする新興国経済の成長減速や原油価格の下落を要因として、2016年の初めから金融市場は急速に円高・株安の方向に進んでおり、景況感や企業業績への懸念が出て来ております。また個人消費では、所得環境の改善が進むものの、可処分所得の実質的な落ち込みにより消費支出は抑制される状況にあり、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような経営環境のもと、当社グループは本年を初年度とする中期経営計画「Challenge to the Growth NEXT stage 2015-2017(通称CG NEXT 15-17)」をスタートさせ、基本戦略に掲げております「新中核事業の発展的拡大」、「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」、「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」に取り組んでおります。

一つ目の「新中核事業の発展的拡大」では、成長の重点事業に位置付けております「化成品事業」「複合材料事業」において、積極的な設備投資と研究開発を行い事業拡張に向けた活動を進めてまいりました。化成品事業では、食品分野においては提携会社との間で継続的な取り組みを行っており、米国向けに輸出を開始するなどの活動成果がありました。また化学品分野のガラス繊維集束剤は、中国市場の需要拡大に対応するべく生産設備の増設に着手しており、2016年度からの増産体制が整う状況にあります。複合材料事業では、航空機用部品の受託生産が徐々に進展する状況にあり、新規受託案件として、三菱国産ジェット旅客機「MRJ」向けの複合材料部品の加工業務を開始いたしました。また航空機関連の新たな受託事業として、2014年に長野出張所を開設し、航空機エンジン用金属部品の生産を開始するなどの進展がありました。

二つ目の「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」では、繊維事業を中心に新たな生産基盤の整備が進む状況にあります。製造コストの上昇で採算が悪化いたしました縫製品の中国事業は、現地法人会社での生産を縮小し、ベトナム協力会社への生産移管を進めた結果、収益面での改善効果が現れてまいりました。販売面では、拡販を期待している中国・東南アジア市場では、景気減速の影響を受けたことにより販売が停滞いたしましたが、中東市場の民族衣装生地販売では日本製のブランド力を活かした販売展開が奏功しており、大きく収益に寄与する状況となりました。

三つ目の「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」では、赤字・不採算となっている繊維事業の構造改革に全力で取り組みました結果、採算改善の成果が出て来ております。また「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、当社の“稼ぐ力”となる他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおり、基盤事業の市場環境が大きく変化する状況下、“環境変化への素早い対応力”を常に意識した活動を行い収益向上と業容拡大に努めております。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は456億76百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は30億77百万円(同25.3%増)、経常利益は25億11百万円(同30.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億96百万円(同21.7%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

(繊維事業)

原糸販売分野は、下期に入り国内産地に動きが出始め、差別化糸などの販売が伸びましたが、春夏物の需要期に伸びがみられず通年では減収となりました。利益においては、国内外工場のコストダウンと生産性向上の取り組み効果により改善が進みました。

テキスタイル分野は、ユニフォーム、シャツの需要先で販売が減少し在庫調整となったことから減収となりましたが、中東向け輸出が好調を維持したことで、織物・加工工場の稼働は高水準で推移しており、燃料コストの低下なども寄与し利益貢献いたしました。

製品分野は、一部客先の苦戦もあり減収となりましたが、コストが高騰した中国事業の再構築やベトナム生産移管が順調に進み利益改善いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は286億62百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりましたが、営業利益は昨年の赤字から大幅に改善し、4億86百万円の営業利益(前連結会計年度は1億73百万円の営業損失)となりました。

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙用ドライヤーカンバスは、洋紙需要の低迷により国内製紙会社の生産活動に改善が見られず、カンバス需要は低調に推移いたしました。フィルタークロスは、需要先である国内製造業各社の生産状況に改善は見受けられず、既存顧客におけるクロス需要は依然低レベルで推移いたしましたが、官需では大口物件の出荷が集中し、輸出物件の販売も拡大したことから増収となりました。

機能材料分野では、化成品事業は化学品の輸出が堅調に推移し、その他の多糖類の受注も伸長したことから増収となりました。複合材料事業は、電力分野向けのFRP部材はほぼ前年度並みとなりましたが、その他の用途が堅調に推移し、全体としては増収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は114億64百万円(前連結会計年度比2.5%増)となり、営業利益は9億27百万円(同10.0%減)となりました。

 

(不動産・サービス事業)

不動産賃貸事業は堅調に推移いたしました。リネン事業は外国人を中心とした観光客の増加により順調に推移いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は60億71百万円(前連結会計年度比3.2%増)となり、営業利益は19億56百万円(同5.6%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動では42億84百万円の増加、投資活動では13億29百万円の減少、財務活動では21億83百万円の減少となりました。
 結果、資金は7億33百万円の増加(前連結会計年度は6億44百万円の減少)となり、期末残高は47億61百万円(前連結会計年度は40億27百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、棚卸資産の減少、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等内部留保により42億84百万円の増加(前連結会計年度は22億6百万円の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により13億29百万円の減少(前連結会計年度は13億62百万円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、借入金の返済等により21億83百万円の減少(前連結会計年度は15億91百万円の減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維事業

25,415

△13.6

産業材事業

9,110

6.4

不動産・サービス事業

合計

34,525

△9.1

 

(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。

2 金額は製造原価により算出しております。

3 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維事業

28,662

△6.9

産業材事業

11,464

2.5

不動産・サービス事業

5,549

3.8

合計

45,676

△3.5

 

(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

2 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の国内経済の状況は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府による経済政策効果の期待もあり、緩やかな回復が続くと見込まれますが、海外経済の先行き不安、原油価格の下落の影響、不安定な金融市場の動向など、我が国の景気を下押しする懸念要因が数多くあり、不透明な状況で推移するものと思われます。

このような事業環境の下、当社グループでは、昨年4月より新たにスタートいたしました中期経営計画「CG NEXT 15-17」の取り組みを着実に進めることで、業績と企業価値の向上を目指してまいります。

繊維事業では、原糸販売分野は、国内市況の低迷が続く厳しい環境にあるなかで、当社独自の機能糸の開発に注力しております。昨年は、ギリシャ綿の柔らかさと嵩高性を追求した四層構造糸「オリンピアコットン」、毛玉になりにくい抗ピリング糸「ドラゴンツイスト」などの特殊糸を開発しており、需要家に対して付加価値のある提案を行い販売拡大につなげます。ベトナムでの紡績は、協力工場への技術指導により精紡交撚糸「デュアルアクション®」や新商材の綿アクリル混紡糸「ウインターコットン」など特殊糸の生産も開始したことから、TPP発効により拡大が期待されている対米向け縫製品に対する原糸供給、また米国市場への直接販売で事業拡大に取り組みます。テキスタイル分野は、民族衣装生地の輸出が好調に推移している中東市場では、日本製品に対する高いブランド力を活かして、装飾用の飾り糸、寝装品、インナーなどに商材の範囲を広げて販売拡大に努めます。国内市場では、ユニフォーム、シャツ地を中心に、クールビズに対応した素材や、防汚・抗菌・消臭・速乾性などの機能加工に注力し販売拡大を図ります。ユニフォームはクールビズに対応した差別化生地「アゼック®」が好調でありますが、これまでの織物生地だけではなく、伸縮性が良く動作性に優れるニット素材のユニフォーム商材「エスクード®」などを投入し、新たな需要獲得に努めます。シャツ地販売は定番品の価格競争が激化するなか、当社は綿100%素材で高い形態安定機能を有する新素材「ノンプレス®」を開発するなど特徴のある商品群で差別化を図ります。またレディース分野は女性の社会進出が加速するなかでシャツなどの需要が拡大しており、当社は女性のニーズに対応した商品開発を進めます。これまでも透け防止やUVカットなどの機能加工を開発してまいりましたが、新たに化粧汚れ対策の防汚加工「コスメリリース®」などを開発しており、これらの機能性を前面に打ち出したプロモーションで市場開拓に努めます。本年4月から当社が注力しております機能加工においては、天然の植物由来成分を活用した抗菌消臭・柔軟・撥水などの加工開発を進めており、化学物質を使わない、人や環境に優しい機能加工の開発で消費者の多様なニーズにお応えしてまいります。製品分野は、中国縫製工場の生産コスト上昇と為替の影響を受け収益が悪化しておりましたが、中国生産の縮小とベトナム協力工場への生産移管を進めたことで採算の改善が図れました。しかしながら、国内の衣料品需要は減少傾向が続いており、市場競争も激しい状況にあることから、当社は、独自の差別化商材の提案による顧客訴求力の向上、また低コストの実現に向けて新たな海外縫製先の確立を図ることで販売拡大に努めます。海外事業では生産面において構造改革の成果が現れておりますが、販売面ではタイやインドネシアの生産子会社の現地需要が低迷し伸び悩みとなっていることから、再度、現地ニーズに応じた商品開発や機能加工の導入により市場開拓に取り組んでまいります。

産業材事業は、産業資材分野のドライヤーカンバス事業では、国内市場の縮小が続くなかでトップメーカーのシェア維持が大きな課題です。顧客に密着したサービス活動と商品開発をより一層進めることで信頼関係のさらなる充実に努めます。海外では中国市場の成長が頭打ちとなるなかで新たな地域での拡販を進めております。従来より活動しております東南アジア市場の販売強化に加えて、新たに活動を開始しました欧州や中東市場では協力関係にある同業者の海外拠点や代理店網を活用し販売拡大に努めます。フィルター事業は、湿式クロスで国内トップメーカーであり、国内企業の製造活動低下の影響を受けています。しかしながら未開拓のユーザーも数多くあり、今後の拡販が見込めることから新たに織機を導入し増産体制に向けた準備を進めております。新規ユーザーの開拓による拡販効果と新織機導入による生産効率向上を含めたコスト削減の活動により、収益の拡大を図ってまいります。成長の重点事業に位置づけます機能材料分野の複合材料事業は、受託案件の拡大が遅れておりました航空機用部材において、三菱国産ジェット旅客機「MRJ」用機体部品の受託加工を始め、新たなアイテムの生産を開始しており、安定生産に向けた品質保証体制の確立、航空宇宙産業の特殊工程を含む部品生産に要求される国際認証制度「Nadcap」の取得に向けた活動を行います。長野出張所における航空機エンジン部品生産事業は現事業の金属部品製造に加えて、複合材部品の成形を含む新たなエンジン部品の生産を予定しており、2017年の量産開始に向けて製造設備の導入に着手いたしました。もう一つの成長の重点事業である化成品事業は、食品分野の提携会社との継続的な取り組みにより、昨年は米国市場において同社が当社商品「タマリンドシードガム」の販売許認可を得たことで輸出が始まるなど新たな進展がありました。同社とはこれまで以上に連携関係を深めた活動を推進することで事業の成長を図ってまいります。

 

不動産・サービス事業は安定的な収益を見込む分野です。不動産賃貸、物流、リネンサプライ、ゴルフ場事業等、それぞれの事業分野において、収益基盤の維持に努めることが活動の主体となりますが、新たな市場や顧客の獲得を見込める分野では、積極的な投資を行い事業の拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況変動リスク

当社グループは、繊維事業、産業材事業、不動産・サービス事業を行っております。繊維事業、産業材事業の需要は、景気の動向に影響を受けやすく、経済情勢の変化により需要及び市況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動リスク

当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品等が含まれているため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外生産等に潜在するリスク

当社グループは、生産・加工基地を国内以外では中国、インドネシア等に有し、相当の割合で生産を行っております。従って、両国等における経済・財政政策の急激な動きが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、中期経営計画に沿って、更なる有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの低減に努めております。しかしながら、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原油価格の変動リスク

当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石化製品を用いているため、原油価格の急激な変動が当社グループの製造コストの変動を引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。

 

(繊維事業)

1.消臭加工「デオマジック®」の進捗

平成23年8月にプレス発表した新しい発想の消臭加工「デオマジック®」が、繊維業界のみならず様々な業種からの問い合わせがあり、市場への製品販売に向けて異業種と取り組みを進めております。特に、介護用途・ベビー用途・ペット用途・畜産用途への拡販を進めております。

現在進めている用途は以下のとおりであります。

(1)すでに実用化した用途

①ベビー用途    おむつポーチ、おむつゴミ箱用スプレー(2社からの販売)

②ペット用途    ネコ砂、トイレシート、消臭スプレー、お散歩エチケット袋

③介護用途     人工肛門パウチカバー、おしりふき、消臭スプレー

④畜産用途     消臭スプレー

(2)実用化に向けて検討中の用途

①介護用途     おねしょマット、紙おむつ等

②下水道用途    汚泥臭対策

③仮設トイレ・   糞便臭対策

 くみ取り車用途

④ゴミ収集車用途  生ゴミ臭対策

⑤水産用途     魚臭対策

⑥一般用途     体臭対策

⑦その他用途    園芸用肥料臭気対策

 

 

2.「エリシルク」プロジェクトの推進

東京農業大学の長島孝行教授との共同研究により開発した天然機能性繊維「エリナチュレ®」(エリシルク)は、発表以来「エリナチュレ®」ブランドを世に広めるため、プロジェクトを企画推進してまいりました。昨年度から信州大学と産学連携にてエリサン養蚕(量産)に向けて共同研究を始めましたが、当年度はカンボジアで養蚕方法の指導を受け、現地農業学校におけるエリサン養蚕も開始いたしました。信州大学や現地農業学校の協力を得て、エリサン養蚕のマニュアル化と現地農家との養蚕コミュニティーを確立し、カンボジアでのエリシルク中量産を目指してまいります。「エリナチュレ®」製品は、ベビー用品販売会社、オーガニックコットン製品製造アパレルなどで展開アイテムが拡大しつつありますが、より一層幅広く繊維関連企業へ活動への参加を促してまいります。

 

繊維事業の当連結会計年度の研究開発費は、1億79百万円であります。

 

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙業界及び製造業各業種等における顧客課題に対応した新製品・新技術の開発に努めております。国内製紙業界における紙・板紙需要は紙では前年割れしましたが板紙はほぼ横ばいとなり、全体としては微減に留まりました。しかし、顧客である製紙会社の環境は今後も厳しい状況が続くものと予想されます。そのような環境下、「省エネ」をテーマとした製品の開発に取組んでおります。紙を効率よく乾燥させるため、接触面積を増やし乾燥を促進するカンバスや、通気度を最大限まで高めたオープンメッシュカンバス等を新たに開発し市場にリリースいたしました。また、昨年より手掛けた小型コイルを組み合わせた「スパイラルカンバス」については、既に実マシンで使用されており、今後は通気度バリエーションの拡充に努めてまいります。フィルタークロスでは浄水場向けにペットボトル再生糸品種の新品種を開発し、市場投入を行いました。また。下水処理場向けには消費電力の大幅削減が可能なベルト型ろ過濃縮機用クロスとして、安価・軽量なベルトを開発し、「省エネ・省コスト」に寄与しております。

 

機能材料分野では、中央研究所において、航空宇宙分野を中心に用途が拡大している複合材料(繊維強化プラスチック)の研究開発を行っております。高まる市場要求に応え得る繊維基材の開発や、新たな成形・加工方法による一貫生産体制の確立を目指した新しい技術開発に取り組んでおり、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、最適化材料の開発を進めております。また、新たな耐熱複合材料の開発活動として、他企業・大学との共同研究開発も行っております。

 

産業材事業の当連結会計年度の研究開発費は2億40百万円であります。

 

なお、当社グループの研究開発活動は、主として、繊維事業は㈱シキボウ江南内にある当社開発部門、産業材事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点として行っております。 

当連結会計年度の研究開発費は4億20百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、890億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億8百万円の減少となりました。これは主に、棚卸資産、減価償却による有形固定資産の減少によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、564億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億14百万円の減少となりました。これは主に、仕入債務、有利子負債の減少によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、325億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億5百万円の増加となりました。これは主に、自己株式の取得による減少があったものの、利益剰余金、土地再評価差額金の増加によるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント増加し、35.1%となりました。

 

(キャッシュ・フローの指標)

当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。

なお、キャッシュ・フローの分析は、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況の項目に記載のとおりであります。

 

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

31.5

33.5

35.1

時価ベースの自己資本比率(%)

15.0

15.6

14.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

13.3

13.4

6.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

4.7

4.9

11.1

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(ただし建設協力金を除く)を対象としております。

 

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は456億76百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は30億77百万円(同25.3%増)、経常利益は25億11百万円(同30.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億96百万円(同21.7%増)となりました。

当連結会計年度のわが国経済は、企業収益や雇用状況に改善がみられ、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながら中国をはじめとする新興国経済の成長減速や原油価格の下落を要因として、2016年の初めから金融市場は急速に円高・株安の方向に進んでおり、景況感や企業業績への懸念が出て来ております。また個人消費では、所得環境の改善が進むものの、可処分所得の実質的な落ち込みにより消費支出は抑制される状況にあり、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような経営環境のもと、当社グループは本年を初年度とする中期経営計画「Challenge to the Growth NEXT stage 2015-2017(通称CG NEXT 15-17)」をスタートさせ、基本戦略に掲げております「新中核事業の発展的拡大」、「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」、「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」に取り組んでおります。

なお、セグメントごとの分析は、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績の項目に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの売上高の推移

(単位:百万円)

 

繊維事業

産業材事業

不動産・サービス事業

合計

平成27年3月期

30,793

11,181

5,345

47,320

平成28年3月期

28,662

11,464

5,549

45,676

 

(注) 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。