第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用状況に改善がみられ、景気は緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、英国や米国での経済政策の変化による影響、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行きや政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

このような経営環境のもと、当社グループは昨年度よりスタートいたしました中期経営計画「Challenge to the Growth NEXT stage 2015-2017(通称CG NEXT 15-17)」に基づき、基本戦略に掲げております「新中核事業の発展的拡大」、「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」、「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」に取り組んでおります。

一つ目の「新中核事業の発展的拡大」では、成長の重点事業に位置付けております機能材料分野の「化成品事業」「複合材料事業」において、積極的な設備投資と研究開発を行い事業拡張に向けた活動を進めてまいりました。化成品事業では、食品分野においては提携会社との間で継続的な取り組みを行っており、順調に推移いたしました。また、化学品分野のガラス繊維集束剤は、生産設備の増強により、安定的かつ効率的な製造を行うことで、中国市場の需要拡大に対応してまいりました。複合材料事業では、尾道事業所での航空機用部品の受託生産において、複合材料部品成型加工のみならず、塗装・非破壊検査工程も含めた一貫生産体制へと拡大してまいりました。また、長野事業所での航空機エンジン用金属部品の受託生産でも、部品加工だけでなく非破壊検査工程も含めた一貫生産体制へと進展がありました。また、同所では「アジア№1航空宇宙産業クラスター形成特区」の指定を受けました。

二つ目の「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」では、繊維事業を中心に生産基盤の再編が進展いたしました。紡績分野では、ベトナム協力紡績会社への技術提携による当社独自の差別化糸の製造・販売も順調に進展しております。テキスタイル分野の中東民族衣装生地の輸出では、日本製のブランド力を活かした販売を展開しておりますが、現地経済情勢の停滞により、市況の悪化が顕在化してまいりました。縫製分野では、製造コストの上昇で採算が悪化した中国における現地法人会社での生産を縮小し、ベトナム協力縫製会社への生産移管を進めた結果、収益面での改善効果が現れました。

三つ目の「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」では、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、当社の“稼ぐ力”となる他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組み、基盤事業の市場環境が大きく変化する状況下、“環境変化への素早い対応力”を常に意識した活動を行い、収益向上と業容拡大に努めました。

これらの取り組みを行ってまいりましたが、売上高は、繊維事業での国内衣料市場の不振や取引内容の見直しを進めたことにより前年度を大きく下回ることになりました。ただ、収益面では構造改革効果が発現したことにより増益となりました。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は428億52百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は31億48百万円(同2.3%増)、経常利益は27億39百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億64百万円(同28.4%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

(繊維事業)

原糸販売分野では、国内市場向けは、年度を通じて各産地の原糸需要が低迷し、昨年度は比較的健闘した差別化糸販売も下期において伸びを欠き、関係会社も含め減収となりました。海外市場向けは、ベトナムを起点とした輸出を中心に前年対比増収となりましたが、国内販売の不振をカバーするには至りませんでした。利益面では自家工場の構造改革による操業率の改善や物流費を中心とする経費削減効果などで、利益は昨年並みとなりました。

テキスタイル分野では、中東民族衣装生地の輸出が堅調に推移したものの、下期より市況の悪化が顕在化し、前年比では減収となりました。ユニフォーム市場向けでは、一部備蓄アパレル向けの在庫調整もあり減収となりましたが、白衣向けや企業別注などは順調に推移いたしました。アパレル向けニット素材販売では、選択と集中を進めてきた結果、減収ながら利益面では改善が進みました。また、生活資材市場向けでは、寝装用定番品や量販店向け商品用生地が不振であったものの、リネン・羽毛分野が堅調に推移いたしました。

 

製品分野においては、量販店向け商品の不振が響き大幅減収となりました。一方で、新たな素材開発・用途開発により、ユニフォーム・スクール・シャツ分野等への販売開拓を進め、来期での巻き返しを図っています。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は256億35百万円(前連結会計年度比10.6%減)と大きく減少いたしましたが、営業利益は6億7百万円(同24.9%増)となりました。

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙用ドライヤーカンバスについては、主要顧客である国内製紙会社の生産活動に回復が見られず、国内カンバス需要は低調に推移いたしました。一方で、顧客の設備改造に伴う需要取り込みなど数量確保に尽力し、売上高はほぼ前年並みとなりました。フィルタークロスについては、国内のフィルター顧客に生産状況の改善は見られず、既存顧客におけるフィルタークロス需要は依然低レベルで推移いたしましたが、新規案件獲得や輸出拡大により増収となりました。一方、利益面では各種コストダウン施策の実施を行いましたが、競合による粗利率の低下が見られ、減益となりました。

機能材料分野では、化成品事業は化学品の輸出が堅調であり、食品用途の増粘多糖類も底堅く推移したことで、増収となりました。複合材料事業は、電力分野向けのFRP部材が減少しましたが、航空機用途の需要が拡大し、全体では増収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は118億7百万円(前連結会計年度比3.0%増)、営業利益は9億52百万円(同2.8%増)となりました。

 

(不動産・サービス事業)

不動産賃貸事業は堅調に推移いたしました。リネン事業では取引先ホテル稼働率の低下により、物流事業では取扱荷物量の減少により若干苦戦いたしました。ただ、燃料費やその他のコスト削減により、利益は確保いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は59億32百万円(前連結会計年度比2.3%減)、営業利益は20億22百万円(同3.4%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動では34億12百万円の増加、投資活動では7億51百万円の減少、財務活動では23億5百万円の減少となりました。
 結果、資金は2億88百万円の増加(前連結会計年度は7億33百万円の増加)となり、期末残高は50億50百万円(前連結会計年度は47億61百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等内部留保により34億12百万円の増加(前連結会計年度は42億84百万円の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により7億51百万円の減少(前連結会計年度は13億29百万円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、借入金の返済等により23億5百万円の減少(前連結会計年度は21億83百万円の減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維事業

22,085

△13.1

産業材事業

9,130

0.2

不動産・サービス事業

合計

31,216

△9.6

 

(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。

2 金額は製造原価により算出しております。

3 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維事業

25,635

△10.6

産業材事業

11,807

3.0

不動産・サービス事業

5,409

△2.5

合計

42,852

△6.2

 

(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

2 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針
 「シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新たな価値を創造し、健康で安心・安全・快適な暮らし
と環境にやさしい社会の実現に貢献する」という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。

 

(2) 目標とする経営指標
 当社グループは、繊維、産業材、不動産・サービスのそれぞれの事業領域で「豊かなライフスタイルの実現」、「産業の発展を支える」存在感のある企業集団を目指し、2020年度 連結売上高600億円、連結営業利益50億円を長期目標として掲げております。
 

(3) 中長期的な会社の経営戦略
 当社グループでは、中期経営計画「Challenge to the Growth NEXT stage 2015-2017(通称 CG NEXT 15-17)」に取り組んでおります。「CG NEXT 15-17」は、2020年を見据えた新たな経営ビジョンに向けてさらなる持続的な成長を加速・実行するためのステージと位置づけており、「稼ぐ力」、「ものづくり力」、「事業環境対応力」を高めることにより、さらなる成長を実現することを基本方針としております。3つの基本方針の中でも「事業環境対応力」の強化を特に重要と考え、我々を取り巻く社会環境・市場環境が刻々と変わっていく中、次の変化を的確に予測し、先手を打って迅速に対応することを強く推進してまいります。
 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

 今後の国内経済の状況は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府の各種経済政策の効果もあって、緩やかな回復が続くと見込まれますが、海外経済の不確実性、不安定な金融市場の動向など、わが国の景気を下押しする懸念要因も数多くあり、不透明な状況で推移するものと思われます。このような事業環境のもと、当社グループでは、中期経営計画「CG NEXT 15-17」の取り組みを着実に進めることで、業績と企業価値の向上を目指してまいります。

 「繊維事業」は、紡績から織布・編み立て、加工、縫製までの自社製造拠点を国内外に有している強みと、「Made in shikibo」の独自性のある機能素材、加工技術、品質管理を核にした差別化戦略を進め、競争優位性を高めてまいります。原糸販売分野は、国内工場の紡績技術継承と付加価値糸の開発を強化すると共に、海外生産拠点の高度化により海外市場での販売活動を強化いたします。テキスタイル分野は、中東民族衣装生地の輸出においては、現地経済状況の停滞があるものの、引き続き当社ブランドの浸透に努めて販売拡大を目指し、国内市場では、健康や快適な暮らしのニーズに応じた機能加工開発、品質や顧客対応力の向上、周辺商品の拡充などに取り組み事業拡大を図ります。製品分野は、当社が強みとする差別化商材による客先提案や、ベトナム協力会社への紡績から縫製までの各製造工程での技術指導により、品質面や価格面での優位性をアピールしながら販売拡大に努めます。

 「産業材事業」は、機能材料分野を将来に向けた成長事業と位置づけており、複合材料事業、化成品事業の発展と拡大に努めてまいります。複合材料事業は、期待している航空機部材において当社が企図していた受託が遅れておりますが、今後の市場拡大に備えて安定生産に向けた品質保証体制の確立、生産技術力の向上に向けた活動を進めてまいります。また、航空機エンジン関連部材におきましても、先行して製造しているアルミ部品加工だけでなく、新たな複合材料部品の量産を開始いたしますが、早期の安定生産に向けて活動を進めてまいります。研究開発では、経済産業省・国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称:NEDO)」が進める開発事業に参画しており、航空機の省エネにつながる次世代材料(CMC:セラミック基複合材料)の開発と実用化に向けて取り組みます。化成品事業は、食品分野における業務提携会社とのさらなる取り組みの強化、商品面での新たな用途開発を行います。産業資材分野の製紙用ドライヤーカンバス事業及びフィルタークロス事業は、顧客に密着したサービス活動、差別化商品の開発と提案型セールスの深耕、周辺分野や関連商品の取り扱いを拡大すると共に、生産面ではコストダウンの徹底に努め、国内でのトップシェアを維持いたします。海外では、中国の製造販売子会社の強化を図り、成長を見込むアジア市場やこれまで未活動であった欧州や中東市場などの新規顧客開拓に努めます。また、空気清浄装置事業は、保守点検によるメンテナンス需要の取り込みに取り組んでまいります。

 

 「不動産・サービス事業」は、安定的な収益を見込んでいる分野です。不動産賃貸、物流、リネンサプライ、ゴルフ場事業等、それぞれの事業分野において、収益基盤の維持・拡充に向けて引き続き努力してまいります。

 なお、当年3月、当社連結子会社であるシキボウ物流センター株式会社及び同社代表取締役が、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されております。これは、昨年10月26日の同社事業所倉庫内で発生した荷役作業に起因する労働災害に対するものであります。株主の皆さまをはじめとする関係者の皆さまには、ご心配とご迷惑をおかけしておりますことについて、深くお詫び申し上げます。今回の労働災害を受け、原因究明及び再発防止策等を行い、同社について重点的に安全に関する対策を実施しております。また、当社及びグループ各社についても、従来以上に安全管理体制の総合的な見直し・整備を行い再発防止策を講じております。今後も徹底した安全対策を進める所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況変動リスク

当社グループは、繊維事業、産業材事業、不動産・サービス事業を行っております。繊維事業、産業材事業の需要は、景気の動向に影響を受けやすく、経済情勢の変化により需要及び市況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動リスク

当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品等が含まれているため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外生産等に潜在するリスク

当社グループは、生産・加工基地を国内以外では中国、インドネシア等に有し、相当の割合で生産を行っております。従って、両国等における経済・財政政策の急激な動きが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、中期経営計画に沿って、更なる有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの低減に努めております。しかしながら、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原油価格の変動リスク

当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石化製品を用いているため、原油価格の急激な変動が当社グループの製造コストの変動を引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。

 

(繊維事業)

1.消臭加工「デオマジック®」の進捗

平成23年8月にプレス発表した新しい発想の消臭加工「デオマジック®」は、繊維業界のみならず様々な業種からの問い合わせがあり、市場への製品販売に向けて異業種と取り組みを進めております。特に、介護用途・ベビー用途・ペット用途・畜産用途への拡販を進めております。

(1)すでに実用化した用途

 ①ベビー用途    おむつポーチ、おむつゴミ箱用スプレー(2社から販売)

 ②ペット用途    ネコ砂、トイレシート、消臭スプレー、お散歩エチケット袋

 ③介護用途     人工肛門パウチカバー、おしりふき、消臭スプレー

 ④畜産用途     消臭スプレー

 ⑤くみ取り車用途  真空ポンプ潤滑油

 ⑥ゴミ収集車用途  消臭スプレー

(2)実用化に向けて検討中の用途

 ①介護用途     おねしょマット、紙おむつ等

 ②下水道用途    汚泥臭対策

 ③水産用途     魚臭対策

 ④一般用途     体臭対策

 ⑤その他用途    園芸用肥料臭気対策

 

2.「エリシルク」プロジェクトの推進

東京農業大学の長島孝行教授との共同研究により開発した天然機能性繊維「エリナチュレ®」(エリシルク)は、発表以来「エリナチュレ®」ブランドを世に広めるため、プロジェクトを企画推進してまいりました。一昨年度から信州大学と産学連携にてエリサン養蚕(量産)に向けて共同研究を始め、カンボジアで養蚕方法の指導を受け、エリサン養蚕を開始いたしました。今年度は現地農業学校が主体となり、卵の継体を進め、現地農家との養蚕コミュニティーを拡大しつつあります。引き続きエリサン養蚕をマニュアル化し、カンボジアでのエリサン中量産を目指してまいります。「エリナチュレ®」製品は、ベビー用品販売会社、オーガニックコットン製品製造アパレルなどで展開アイテムが拡大しつつありますが、より一層幅広く繊維関連企業へ活動への参加を促してまいります。

「エリナチュレ®」は、天然の繭の機能を活かした肌にやさしい機能繊維製品であることとカンボジアの農家を支援して繭を生産するCSR活動が評価され2016年グッドデザイン賞を受賞いたしました。

 

繊維事業の当連結会計年度の研究開発費は、1億74百万円であります。

 

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙業界及び製造業各業種等における顧客課題に対応した新製品・新技術の開発に努めております。国内製紙業界における紙・板紙需要は紙では前年割れ、板紙は前年並みの傾向が数年続いており、ドライヤーカンバスが使用される割合は紙の方が多くマーケットは微減が続いております。そのような環境下、顧客からの要求に対応できるよう「省エネ」をテーマにした製品の開発に取組んでおります。重量軽減を意図した製品や紙の乾燥性向上のため通気度を高めた製品をリリースしました。また、小型コイルを組み合わせた「スパイラルカンバス」については、納入先で順調に使用されており、今後は最新鋭の抄紙マシンへの展開を図ります。フィルタークロスでは、市場ニーズ対応・ろ過機能向上のため、微粒子捕集用クロスを開発し市場投入を実施いたしました。また、下水処理場の汚泥濃縮工程において、大幅な消費電力削減可能な軽量で安価である樹脂製クロスを開発し、省エネ・省コストに貢献しております。

 

機能材料分野では、中央研究所において、航空宇宙分野を中心に用途が拡大している複合材料(繊維強化プラスチック)の研究開発を行っております。高まる市場要求に応え得る繊維基材の開発や、新たな成形・加工方法による一貫生産体制の確立を目指した新しい技術開発に取り組んでおり、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、最適化材料の開発を進めております。また、新たな耐熱複合材料の開発活動として、他企業・大学との共同研究開発も行っております。

 

産業材事業の当連結会計年度の研究開発費は2億16百万円であります。

 

なお、当社グループの研究開発活動は、主として、繊維事業は㈱シキボウ江南内にある当社開発部門、産業材事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点として行っております。 

当連結会計年度の研究開発費は3億90百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、883億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億22百万円の減少となりました。これは主に、棚卸資産、減価償却による有形固定資産の減少によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、550億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億71百万円の減少となりました。これは主に、有利子負債の減少によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、332億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億49百万円の増加となりました。これは主に、自己株式の取得による減少があったものの、利益剰余金の増加によるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加し、36.1%となりました。

 

(キャッシュ・フローの指標)

当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。

なお、キャッシュ・フローの分析は、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況の項目に記載のとおりであります。

 

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

33.5

35.1

36.1

時価ベースの自己資本比率(%)

15.6

14.4

17.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

13.4

6.6

8.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

4.9

11.1

10.5

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(ただし建設協力金を除く)を対象としております。

 

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は428億52百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は31億48百万円(同2.3%増)、経常利益は27億39百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億64百万円(同28.4%増)となりました。

当連結会計年度のわが国経済は、企業収益や雇用状況に改善がみられ、景気は緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、英国や米国での経済政策の変化による影響、中国を始めアジア新興国等の経済の先行きや政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

このような経営環境のもと、当社グループは昨年度よりスタートいたしました中期経営計画「Challenge to the Growth NEXT stage 2015-2017(通称CG NEXT 15-17)」に基づき、基本戦略に掲げております「新中核事業の発展的拡大」、「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」、「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」に取り組んでおります。

なお、セグメントごとの分析は、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績の項目に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの売上高の推移

  (単位:百万円)

 

繊維事業

産業材事業

不動産・サービス事業

合計

平成28年3月期

28,662

11,464

5,549

45,676

平成29年3月期

25,635

11,807

5,409

42,852

 

(注) 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。