文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しについては、企業収益や雇用・所得環境改善、堅調な設備投資、輸出の増加基調が続くなど、景気の緩やかな回復は継続するものと考えられます。
しかしながら、貿易摩擦の強まりによる世界的な貿易の停滞、中国をはじめとしたアジア新興国等の経済の先行き、原油価格、長期金利の変動の影響等により、景気の先行きは不透明な状況が続くことが予想されます。
このような経営環境の中、当社グループでは前中期経営計画「Challenge to the Growth next stage 2015-2017」を終え、本年度を起点とします新中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」を策定いたしました。新中期経営計画においては、持続的成長に向けた取り組みをさらに推し進めるとともに、次の革新的な成長に向けた取り組みを進めてまいります。
(経営理念)
「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」
-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-
(長期経営ビジョン)
〈わたしたちが目指す2025年のありたい姿〉
シキボウグループの、独自のものづくり力とサービス力を最大限に織り成して、すべての人々の笑顔を創り出す企業集団となる
〈グループ長期戦略〉
( センイ × イノベーション ) × ( グローバル・ニッチ )
シキボウグループは、“センイ”に“イノベーション”の風を吹かせて、
“グローバルでニッチな分野”のトップを走る
本新中期経営計画はシキボウグループの持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージと位置付け、次の革新的な成長に向けた取り組みを行います。
(新中期経営計画の概要)
〈名称〉
Challenge to the Growth
final stage 2018-2020
~for the next innovative stage~
(通称“CG final 18-20”)
〈全体イメージ〉

〈基本方針〉
①次の成長のための積極的な設備投資78億円(対CG next 15-17実績のおおよそ2.5倍)
②既存組織の部分最適ではなく、戦略を共有する25の戦略的事業単位(SBU)での全体最適を図る
③海外拠点をグローバル展開加速のための橋頭堡として、販売・生産・開発の機能を整える
④新中核事業に続く新たな成長の芽を育てる
⑤ものづくり技術・ものづくり文化を支える人材を育てる
⑥成長を促進するためにグループ総合力の結集
近年、当社グループでは、構造改革による収益拡大、財務体質の改善を優先して取り組み、その成果を株主還元へと向けることに重点を置いてまいりました。新中期経営計画では、シキボウグループの持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージと位置付け、次の革新的な成長に向け、積極的な設備投資、研究開発投資、人材育成にも取り組んでまいります。設備投資と研究開発投資を3年間で、78億円を計画しております。
具体的戦略として、産業材事業の機能材料分野は「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」、産業資材分野は「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」、繊維事業は「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」と「企業間取引(B to B)の強化」に取り組んでまいります。
新中期経営計画“CG final 18-20”の遂行により、最終年度(2020年度)の業績目標は、連結売上高460億円、営業利益32億円、経常利益29億円、親会社株主に帰属する当期純利益19億円を計画しております。
当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、繊維事業、産業材事業、不動産・サービス事業を行っております。繊維事業、産業材事業の需要は、景気の動向に影響を受けやすく、経済情勢の変化により需要及び市況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品等が含まれているため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産・加工基地を国内以外では中国、インドネシア等に有し、相当の割合で生産を行っております。従って、両国等における経済・財政政策の急激な動きが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中期経営計画に沿って、更なる有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの低減に努めております。しかしながら、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石化製品を用いているため、原油価格の急激な変動が当社グループの製造コストの変動を引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。
当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかに回復しております。
このような状況の中、当社グループは「新中核事業の発展的拡大」、「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」、「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」を事業活動の柱に据えて、中期経営計画「Challenge to the Growth next stage 2015-2017」に取り組んでまいりました。
一つ目の「新中核事業の発展的拡大」では、成長の重点事業に位置付けております機能材料分野の「化成品事業」「複合材料事業」において、積極的な設備投資と技術開発を行い、事業拡張に向けた活動を進めてまいりました。化成品事業は、食品添加物分野では業務提携会社との研究開発及び新規事業展開に関する取り組みを進め、化学品分野のガラス繊維収束剤では、中国市場の需要拡大に対応し、堅調に推移いたしました。複合材料事業は、長野事業所での航空機エンジン用部材の生産を開始いたしました。
二つ目の「海外オペレーションの拡張と販売の伸長」では、繊維事業において、紡績分野では、タイ国での労務費コストの上昇や今後の雇用環境の困難さを勘案し、持分法適用会社の事業撤退を決定し、インドネシアやベトナム等へ生産移管することといたしました。また、ベトナム協力紡績会社への技術提携による当社独自の差別化糸の製造・販売は順調に進展しております。一方でテキスタイル分野では中東民族衣装用生地の輸出が、不安定な中東情勢での市況低迷の影響を受け大きく減速いたしました。
三つ目の「基盤事業の選択と集中による収益向上・業容拡大」では、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、当社の“稼ぐ力”となる他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組み、基盤事業の市場環境が大きく変化する状況のもと、“環境変化への素早い対応力”を常に意識した活動を行い、収益向上と業容拡大に努めてまいりました。中でもリネンサプライ事業はインバウンド需要の拡大に対応するため、設備の増強を行い、一定の成果を得ております。
これらの取り組みを行ってまいりましたが、売上高は繊維事業の原糸販売分野における国内の糸需要不振や、テキスタイル分野における中東民族衣装用生地輸出の低迷によって、前年度を下回ることになりました。また、収益面では採算の改善や生産効率化・経費削減に努めましたが、売上高の減少に伴い前年度を大きく下回ることになりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は413億57百万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は27億63百万円(同12.2%減)、経常利益は23億52百万円(同14.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億99百万円(同9.9%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
原糸販売分野では、国内中高級衣料品の需要低迷の影響により、アパレルメーカーや国内産地向け販売の苦戦が続いており、国内紡績工場の操業の安定に苦戦いたしました。また、海外生産糸の現地販売及び第三国販売も低調に推移した結果、大幅減収減益となりました。
テキスタイル分野では、ユニフォーム市場向けは、備蓄アパレル向け販売、企業別注ユニフォームに加え、ニット素材製品の販売も好調に推移し増収となりました。一方、売上の牽引を続けていた中東民族衣装用生地輸出は、販売先の在庫過多や現地の政治・経済状況の変化での市況低迷の影響を受け、大幅減収減益となりました。
製品分野では、近年苦戦を強いられていたニット製品販売については、アセアン縫製拠点への移管の進展とともに、組織統合による販売効率の向上によって利益改善が進み、順調に推移いたしました。また、抗ウイルス、抗菌、消臭関連商材を中心とするメディカル市場向けについては、臭気対策技術「デオマジック®」が畜産関連をはじめとした各方面に用途が拡大し、新しい分野の商品として認知されてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は235億91百万円(前連結会計年度比8.0%減)、営業利益は55百万円(同90.9%減)となりました。
産業資材分野では、製紙用ドライヤーカンバスについては、主要顧客である国内製紙会社の生産活動に回復が見られず、国内カンバス需要は低調に推移いたしましたが、顧客の設備改造に伴う需要増により、売上高は前年並みとなりました。フィルタークロスについては、官需分野では苦戦いたしましたが、民需分野が非鉄金属分野を中心に総じて堅調に推移し、増収となりました。
機能材料分野では、化成品事業については、中国向け化学品が前年並み、食品用途の増粘多糖類が堅調に推移したことで増収となりました。複合材料事業については、電力用途が減少するものの、航空機用途の需要が拡大し、全体では増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は123億29百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は11億65百万円(同22.3%増)となりました。
不動産賃貸分野は堅調に推移いたしましたが、物流分野は取扱荷物量の減少、ゴルフ場分野は天候不順の影響により苦戦いたしました。また、リネンサプライ分野では取引先ホテルの稼働率上昇により売上は順調に推移いたしましたが、重油単価の上昇による燃料費増が利益を圧迫いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は60億10百万円(前連結会計年度比1.3%増)、営業利益は20億56百万円(同1.7%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、881億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5百万円の減少となりました。これは主に、売上債権、棚卸資産が増加したものの、現金及び預金、減価償却による有形固定資産の減少によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、541億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億82百万円の減少となりました。これは主に、未払法人税等、有利子負債、預り保証金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、339億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億76百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加し、37.1%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動では18億28百万円の増加、投資活動では9億30百万円の減少、財務活動では14億39百万円の減少となりました。
結果、資金は5億46百万円の減少(前連結会計年度は2億88百万円の増加)となり、期末残高は45億3百万円(前連結会計年度は50億50百万円)となりました。
当連結会計年度において営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等内部留保により18億28百万円の増加(前連結会計年度は34億12百万円の増加)となりました。
当連結会計年度において投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により9億30百万円の減少(前連結会計年度は7億51百万円の減少)となりました。
当連結会計年度において財務活動による資金は、借入金の返済等により14億39百万円の減少(前連結会計年度は23億5百万円の減少)となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。
|
|
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
35.1 |
36.1 |
37.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
14.4 |
17.7 |
15.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
6.6 |
8.0 |
14.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
11.1 |
10.5 |
6.7 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
キャッシュ・フローは、営業キャッシュフローを利用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(ただし建設協力金を除く)を対象としております。
(4)生産、受注及び販売
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前連結会計年度比 |
|
繊維事業 |
22,043 |
△0.2 |
|
産業材事業 |
9,572 |
4.8 |
|
不動産・サービス事業 |
- |
- |
|
合計 |
31,615 |
1.3 |
(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。
2 金額は製造原価により算出しております。
3 上記金額に消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前連結会計年度比 |
|
繊維事業 |
23,586 |
△8.0 |
|
産業材事業 |
12,329 |
4.4 |
|
不動産・サービス事業 |
5,440 |
0.6 |
|
合計 |
41,357 |
△3.5 |
(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
2 上記金額に消費税等は含まれておりません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ14億95百万円減少の413億57百万円、また、営業利益は前連結会計年度に比べ3億85百万円減少の27億63百万円となりました。減収減益の主な要因は、繊維事業における原糸販売分野での苦戦及び中東民族衣装用生地輸出の低迷であります。
なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績」に記載のとおりであります。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ40百万円減少の1億13百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ38百万円減少の5億24百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ3億86百万円減少の23億52百万円となり、営業利益での減益とほぼ同額の減益となりました。
(親会社株式に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、連結子会社で債務免除益を計上したこと等により19百万円となりました。また、特別損失は、固定資産除却損、海外連結子会社における事業構造改善費用、土地整備費用等を計上したことにより1億7百万円となりました。
また、法人税等合計は、前連結会計年度に比べ1億13百万円減少の7億54百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ63百万円減少の10百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億65百万円減少の14億99百万円となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(2)財政状態」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、財務の健全性や資本効率の向上を追求しながら、株主への適性な利益還元を実施するとともに、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金での調達によるものであり、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金及び私募債での調達によるものであります。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務の有利子負債の残高は267億29百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は45億3百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループでは既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。
1.消臭加工「デオマジック®」の進捗
平成29年9月に「デオマジック®」がテレビ番組で紹介され400件以上の問い合わせが殺到しました。畜産用途向けデオマジックはJAグループの科学飼料研究所から販売され、全国の畜産農家で臭気対策に使用され好評であります。また、一昨年発表し東邦車輌㈱から販売されているバキュームカー用デオマジックVC1オイルや昨年発表したゴミ収集車用デオマジックは問い合わせも多く好評であります。さらに産業臭対策や介護用途など、新たな用途へのデオマジックの応用開発が加速しております。
(1)すでに実用化した用途
① ベビー用途 おむつポーチ、おむつゴミ箱用スプレー(3社から販売)
② ペット用途 ネコ砂、トイレシート、消臭スプレー、お散歩エチケット袋
③ 介護用途 人工肛門パウチカバー、おしりふき、消臭スプレー
④ 畜産用途 消臭スプレー
⑤ バキュームカー臭気対策 真空ポンプ潤滑油
⑥ ゴミ収集車臭気対策 消臭スプレー
⑦ 産業用臭気対策(下水・汚泥、水産加工、工場臭気など) 消臭スプレー
⑧ 害獣埋葬時臭気対策 徐放性カプセル
(2)実用化に向けて検討中の用途
① 介護用途 おねしょマット、紙おむつ等、徐放性消臭剤、石鹸
② 一般用途 体臭対策
③ 公衆用途 トイレの臭気対策、業務用消臭剤・消臭スプレー
④ その他用途 園芸用肥料臭気対策
2.「エリシルク」プロジェクトの推進
カンボジアのコンポンチャムにあるコンポンチャム農業大学でエリサン養蚕を行い、信州大学の梶浦教授の指導により卵の継体を進めております。コンポンチャム農業大学はキャッサバ農家に卵を提供し、養蚕指導を行ない、養蚕コミュニティーを拡大しております。また、コンポンチャム農業大学にて養蚕を行っていた学生が、本年4月からNPO法人の支援を受けて日本で1年間の農業研修を受けており、帰国後はカンボジアでのエリシルクプロジェクトのリーダーとなってもらえることを期待しております。
「エリナチュレ®」製品は、ベビー用品販売会社などで新規アイテムが拡大しております。「エリナチュレ®」は天然の繭の機能を活かした肌にやさしい機能繊維製品であることとカンボジアの農家を支援して繭を生産するCSR活動が評価され2016年グッドデザイン賞を受賞しております。今後、エリサン養蚕のコミュニティーを拡大するとともに、日本のみならず海外も含めた「エリシルク」プロジェクトに賛同する企業を拡大してまいります。
繊維事業の当連結会計年度の研究開発費は、1億59百万円であります。
産業資材分野では、製紙業界及び製造業各業種等における顧客課題に対応した新製品・新技術の開発に努めております。国内製紙業界における紙・板紙需要は紙では前年割れ、板紙は前年並みの傾向が数年続いており、マーケットとしては微減が続いている状況です。そのような環境下、顧客からの様々な要求に対し、タイムリーに対応できる製品の開発に取り組んでおります。省エネについては、重量軽減を意図した製品や紙の乾燥性向上のため通気度を高めた製品、また耐摩耗性を重視した小型コイルを組み合わせた「スパイラルカンバス」、シートとの接触面積を減じた汚れ対応カンバス等、新製品をリリースしました。フィルタークロスでは、顧客からの要求性能は使用目的により顧客単位で様々であり、「微細粒子捕捉」「長寿命」の要求が増しています。これら顧客ニーズを満たすべく商品開発を顧客毎にきめ細かく行っております。また、工場排水の処理や浄水場・下水処理場など水環境の保持にも貢献しております。
機能材料分野では、中央研究所において、航空宇宙分野を中心に用途が拡大している複合材料(繊維強化プラスチック)の研究開発を行っております。高まる市場要求に応え得る繊維基材の開発や、新たな成形・加工方法による一貫生産体制の確立を目指した新しい技術開発に取り組んでおり、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、各用途に最適な材料の開発を進めております。また、新たな耐熱複合材料の開発活動として、経済産業省所管のNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)による開発事業に参画するなど、他企業・大学との共同研究開発も行っております。
産業材事業の当連結会計年度の研究開発費は1億82百万円であります。
なお、当社グループの研究開発活動は、主として、繊維事業は㈱シキボウ江南内にある当社開発部門、産業材事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点として行っております。
当連結会計年度の研究開発費は3億41百万円であります。