第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。

 

(長期経営ビジョン)

〈わたしたちが目指す2025年のありたい姿〉

シキボウグループの、独自のものづくり力とサービス力を最大限に織り成して、すべての人々の笑顔を創り出す企業集団となる

 

〈グループ長期戦略〉

 ( センイ × イノベーション ) × ( グローバル・ニッチ )

シキボウグループは、“センイ”に“イノベーション”の風を吹かせて、

“グローバルでニッチな分野”のトップを走る

 

(中期経営計画の概要) 

 当社グループは持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージとして、2018年度を初年度とする中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」をスタートいたしました。

 

〈名称〉

Challenge to the Growth

final stage 2018-2020

~for the next innovative stage~

(通称“CG final 18-20”)

 

〈全体イメージ〉

 


 

 

〈基本方針〉

①次の成長のための積極的な設備投資78億円(対CG next 15-17実績のおおよそ2.5倍)

②既存組織の部分最適ではなく、戦略を共有する25の戦略的事業単位(SBU)での全体最適を図る

③海外拠点をグローバル展開加速のための橋頭堡として、販売・生産・開発の機能を整える

④新中核事業に続く新たな成長の芽を育てる

⑤ものづくり技術・ものづくり文化を支える人材を育てる

⑥成長を促進するためにグループ総合力の結集

 

 近年、当社グループでは、構造改革による収益拡大、財務体質の改善を優先して取り組み、その成果を株主還元へと向けることに焦点を置いてまいりました。当中期経営計画では、シキボウグループの持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージと位置付け、次の革新的な成長に向け、積極的な設備投資、研究開発投資、人材育成にも取り組んでまいります。設備投資と研究開発投資を3年間で、78億円を計画しております。

 具体的戦略として、産業材事業の機能材料分野は「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」、産業資材分野は「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」、繊維事業は「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」と「企業間取引(B to B)の強化」に取り組んでまいります。

 中期経営計画“CG final 18-20”の遂行により、最終年度(2020年度)の業績目標は、連結売上高460億円、営業利益32億円、経常利益29億円、親会社株主に帰属する当期純利益19億円を計画しております。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

わが国経済の見通しについては、個人消費は堅調な雇用環境を受け底固く推移するものの、設備投資の伸びの鈍化、貿易摩擦の強まりによる世界的な貿易の停滞、中国をはじめとしたアジア新興国等の経済の先行き、原油価格、長期金利の変動の影響等により、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。

このような経営環境の中、当社グループでは、中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」の初年度の遅れを取り戻し、計画を軌道に乗せ、企業価値向上を目指してまいります。

「繊維セグメント」は、紡績から織布・編み立て、加工、縫製までの自社製造拠点を国内外に有している強みと、「Made in shikibo」として独自性のある機能素材、加工技術、品質管理を核にした差別化戦略を進め、競争優位性を高めてまいります。

原糸販売事業は、国内工場の紡績技術継承と高付加価値糸の開発を強化するとともに、協力会社を含む海外生産拠点の高度化・連携強化により、海外市場での販売活動を強化いたします。

輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地の輸出においては、現地経済状況の停滞が継続しているものの、引き続きマーメイドブランドの浸透に努めて販売拡大を目指すとともに、既製品服市場にも参入すべく、開発・生産体制の確立を進めてまいります。

ユニフォーム事業は、国内市場での、安心・安全・快適な暮らしの実現に向けた各種機能加工の開発、品質や顧客対応力の向上などに取り組み、事業拡大を図ります。

ニット製品事業は、当社が強みとする差別化商材の顧客への提案や、ベトナム協力会社への紡績から縫製までの各製造工程での技術指導による品質面や価格面での優位性をアピールし、事業拡大に努めます。

メディカル分野は、新発想臭気対策剤「デオマジック®」を、畜産用途や介護・病院用途だけでなく、各種産業用途としてもその効果をアピールし、販売を強化してまいります。

「産業材セグメント」は、機能材料部門における化成品事業、複合材料事業を新中核事業に位置付け、さらなる業容拡張と収益拡大に努めてまいります。

化成品事業は、食品分野における業務提携会社とのさらなる取り組みの強化、商品面では新たな商品開発、生産面では自動化による生産効率の向上に努めます。

複合材料事業は、主力となる航空機の機体用部品及びエンジン部品の製造において、需要の拡大に向け安定供給が可能な生産体制を構築するとともに、これまでに構築している品質管理・品質保証体制を着実に維持することで顧客の信頼に応えてまいります。

また、研究開発では、経済産業省・国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称:NEDO)」が進める開発事業に参画しており、航空機の省エネにつながる次世代材料(CMC:セラミック基複合材料)の開発と実用化に向けて取り組みます。

産業資材部門の製紙用ドライヤーカンバス・フィルタークロス事業は、顧客に密着したサービス活動、差別化商品の開発と提案型セールスの深耕、生産面ではコストダウンの徹底に努め、両事業共に国内でのトップシェアを維持いたします。周辺分野や関連商品の取り扱いも積極的に行い、特に世界的に増加している段ボール製造設備への拡販を進めます。

海外での製紙用ドライヤーカンバス販売は、中国の製造販売子会社のコスト競争力を強め、拡大するアジア製紙産業の需要取り込みと欧米・中東地域の市場開拓、定着化を図ります。

空気清浄機分野は、機器販売・保守点検によるメンテナンス需要の取り込みに加え、開発商品の販促に取り組んでまいります。

「不動産・サービスセグメント」は、安定的な収益を維持しつつ、収益拡充も図ります。不動産賃貸事業、リネンサプライ事業においては、積極的な投資による事業拡大を目指し、物流・ゴルフ場分野においては、現状の収益維持に努めます。

なお、2020年3月期の連結業績見通しにつきましては、売上高415億円(前期比1.7%増)、営業利益26億円(同8.0%増)、経常利益22億円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(前期は14億25百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)を見込んでおります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況変動リスク

当社グループは、繊維事業、産業材事業、不動産・サービス事業を行っております。繊維事業、産業材事業の需要は、景気の動向に影響を受けやすく、経済情勢の変化により需要及び市況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動リスク

当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品等が含まれているため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外生産等に潜在するリスク

当社グループは、生産・加工基地を国内以外では中国、インドネシア等に有し、相当の割合で生産を行っております。従って、両国等における経済・財政政策の急激な動きが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、中期経営計画に沿って、更なる有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの低減に努めております。しかしながら、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原油価格の変動リスク

当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石化製品を用いているため、原油価格の急激な変動が当社グループの製造コストの変動を引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、景気は回復基調で推移いたしました。しかし一方では、相次ぐ自然災害、通商問題の動向が世界経済に与える影響など留意すべき状況が続いています。

このような状況の中、当社グループは持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージとして、本年を初年度とする中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」をスタートいたしました。繊維セグメントでは「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」と「企業間取引(B to B)の強化」、産業材セグメントの産業資材部門では「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」、機能材料部門では「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」を事業戦略に掲げ、取り組んでおります。

本年度の中期経営計画の取り組み状況は、セグメント別に次のとおりです。
 繊維セグメントでの「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」、「企業間取引(B to B)の強化」の方針においては、「ベトナム紡績糸の販売拡大」・「機能加工など差別化商品の販売拡大」・「差別化商材を用いたリネンサプライ用資材の販売拡大」・「デオマジック®の販売拡大」等の取り組みを実施しております。原糸販売事業におけるベトナム紡績糸の販売は計画どおり進んでおります。機能加工など差別化商品の販売拡大については、ユニフォーム事業での販売は拡大しておりますが、原燃料価格等のコストアップにより利益面では苦戦いたしました。差別化商材を用いたリネンサプライ用資材の販売、デオマジック®の販売については引き合い等はあるものの、事業展開に遅れが生じております。

産業材セグメントの産業資材部門での「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」においては、鈴鹿工場での生産基盤の再構築を実施しており、また、海外販売については、引き続き海外市場での販売拡大に取り組んでまいります。

機能材料部門での「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」においては、化成品事業は、化学品・食品分野ともに堅調に推移しております。また、複合材料事業は、長野事業所での航空機エンジン部材が量産体制に入っており、順調に拡大しております。

これらの取り組みを行ってまいりましたが、当連結会計年度の業績は、繊維セグメントにおける需要低迷と原燃料価格や物流費の上昇による影響が大きく、売上高は408億4百万円(前連結会計年度比1.3%減)、営業利益は24億6百万円(同12.9%減)、経常利益は21億12百万円(同10.2%減)となりました。また、主にゴルフ場関連の固定資産について、減損損失として特別損失28億77百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は14億25百万円(前連結会計年度は14億99百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

(繊維セグメント)

原糸販売事業は、国内市場においてはコスト削減効果により利益面では改善の兆しが見えたものの、中高級衣料品の需要低迷の影響により減収となりました。一方では、海外市場においてはベトナム、インドネシア生産糸の販売拡大が徐々に進んできております。

輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地輸出が現地の市況低迷の継続により減収となり、原燃料価格の上昇も利益を圧迫いたしました。

ユニフォーム事業は、備蓄アパレル向け、企業別注用のテキスタイル販売が好調に推移いたしましたが、利益面では原燃料価格や物流費の上昇により減益となりました。

生活資材事業は、リビング分野が羽毛原料の高騰に伴う販売数量減少により減収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は226億86百万円(前連結会計年度比3.8%減)、営業損失は76百万円(前連結会計年度は55百万円の営業利益)となりました。

 

(産業材セグメント)

産業資材部門では、製紙用ドライヤーカンバス事業は、国内の洋紙生産量の減少により、カンバス需要も低調に推移し減収となりました。フィルター事業は、湿式フィルタークロス分野では海外需要の低迷から減収となりましたが、空気清浄機分野では工場空調用途での大型機器案件の受注により増収となりました。

機能材料部門では、化成品事業は、化学品分野の中国向け輸出が好調に推移しており、食品分野の増粘多糖類も堅調な需要が続き増収となりました。複合材料事業は、電力分野向け複合材料部材が低調でありましたが、航空機用途の需要が増加しており、全体では増収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は126億71百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は11億30百万円(同3.0%減)となりました。

 

(不動産・サービスセグメント)

不動産賃貸事業は、順調に推移いたしましたが、保険料、修繕費の増加が利益を圧迫いたしました。リネンサプライ事業は堅調に推移いたしました。サービス事業は、物流分野が取扱荷物量の減少、ゴルフ場分野が平成30年7月豪雨、台風等の自然災害も多く苦戦いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は60億52百万円(前連結会計年度比0.7%増)、営業利益は19億45百万円(同5.4%減)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、849億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億94百万円の減少となりました。これは主に、減損損失の計上等による有形固定資産の減少によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、524億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億57百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金の減少によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、324億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億36百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金の減少によるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.8ポイント減少し、36.6%となりました。

 

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度末との比較・分析を行っております。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動では30億43百万円の増加、投資活動では18億83百万円の減少、財務活動では9億92百万円の減少となりました。
 結果、資金は1億38百万円の増加(前連結会計年度は5億46百万円の減少)となり、期末残高は46億42百万円(前連結会計年度は45億3百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、減価償却費等内部留保、減損損失の計上等により30億43百万円の増加(前連結会計年度は18億28百万円の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により18億83百万円の減少(前連結会計年度は9億30百万円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、借入金の返済等により9億92百万円の減少(前連結会計年度は14億39百万円の減少)となりました。

 

(キャッシュ・フローの指標)

当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

自己資本比率(%)

36.4

37.4

36.6

時価ベースの自己資本比率(%)

17.9

16.1

12.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

8.0

14.6

8.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

10.5

6.7

12.4

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

キャッシュ・フローは、営業キャッシュフローを利用しております。

有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(ただし建設協力金を除く)を対象としております。

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、キャッシュ・フロー関連指標の推移については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。  

 

(4)生産、受注及び販売

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維

20,520

△6.9

産業材

9,646

0.8

不動産・サービス

合計

30,167

△4.6

 

(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。

2 金額は製造原価により算出しております。

3 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

②受注状況

該当事項はありません。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維

22,681

△3.8

産業材

12,671

2.8

不動産・サービス

5,451

0.2

合計

40,804

△1.3

 

(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

2 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高、営業利益)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5億52百万円減少の408億4百万円、また、営業利益は前連結会計年度に比べ3億57百万円減少の24億6百万円となりました。

なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績」に記載のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

2019年3月期業績予想

2019年3月期実績

増減

2019年3月期業績予想

2019年3月期実績

増減

繊維

24,100

22,686

△1,413

350

△76

△426

産業材

12,700

12,671

△28

1,000

1,130

+130

不動産・サービス

6,000

6,052

+52

2,000

1,945

△54

調整

△600

△605

△5

△550

△592

△42

連結合計

42,200

40,804

△1,395

2,800

2,406

△393

 

 

当社グループは、2019年3月期の業績予想を売上高422億円、営業利益28億円と予想して活動してまいりましたが、繊維セグメントにおいて、生活資材事業のリビング分野が羽毛原料の高騰に伴い販売数量が減少したこと、原糸販売事業の国内中高級衣料品需要が引き続き低調であったこと及び原燃料価格や物流費の上昇によるコストアップの影響があったことにより、当初業績予想から大幅に未達となりました。また、不動産・サービスセグメントにおいては、不動産賃貸事業で大規模修繕を当初の計画から前倒しで実行し、費用の計上が先行いたしました。

 中期経営計画の2年目となる2020年3月期の業績予想は、売上高415億円、営業利益26億円を見込んでおり、最終年度(2021年3月期)におきまして、売上高460億円、営業利益32億円を計画しております。売上高、営業利益の進捗状況につきましては、産業材セグメント、不動産・サービスセグメントは、ほぼ計画水準で推移しておりますが、繊維セグメントは計画から大きく乖離しております。
 繊維セグメントでは、紡績から縫製までの自社製造拠点を国内外に有している強みと、独自性のある機能素材、加工技術、品質管理を核とした差別化戦略を進め、競争優位性を高めてまいります。特に海外におきましては、国内マザー工場と連携し、さらに高品質化を図るべく、海外生産拠点とも連携を強化してまいります。また、繊維加工薬剤の新しい用途を模索しているメディカル分野は、新発想臭気対策剤「デオマジック®」を各種の産業用途向けに販路を拡げてまいります。

これらの対策により、中期計画の初年度の遅れを取り戻し、当初目標の達成に向けて取り組んでまいります。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益を1億78百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ1億88百万円増加の3億2百万円となりました。また、営業外費用は、アレンジメントフィーを1億54百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ71百万円増加の5億96百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ2億39百万円減少の21億12百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の特別利益は、受取保険金を2億13百万円計上したこと等により前連結会計年度を大幅に上回る3億30百万円となりました。一方、特別損失は、主にゴルフ場関連の固定資産について、減損損失を28億77百万円計上した他、災害損失を2億65百万円、関係会社整理損失引当金繰入額を1億64百万円計上したこと等により34億25百万円となりました。

また、法人税等合計は、前連結会計年度に比べ3億38百万円減少の4億15百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16百万円増加の27百万円となりました。

以上のとおり、多額の特別損失を計上したことが影響し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は14億25百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は14億99百万円)となりました。

 

財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(2)財政状態」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、財務の健全性や資本効率の向上を追求しながら、株主への適性な利益還元を実施するとともに、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金での調達によるものであり、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金及び私募債での調達によるものであります。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務の有利子負債の残高は263億64百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は46億42百万円となっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。

 

(繊維事業)

1.消臭加工「デオマジック®」の進捗

消臭加工「デオマジック®」は、好評をいただいている畜産用途・生ゴミ用途・ベビー用途・ペット用途に加え、産業臭対策用途の需要が高まっております。今までの消臭剤では不可能であった産業臭対策にデオマジックの検討が加速し、産業廃棄物処理場や製紙工場など各種工場の排水処理施設での採用が拡大しております。販促強化を行い、環境展やケアテックスなどの展示会にも出展し、臭気でお困りの方々にデオマジックのサンプルを使用していただき、展示会をきっかけに受注も増加しております。

また2019年2月にはアース製薬㈱からデオマジックを使用したコラボ商品も介護用途向けに発売開始されました。

 

(1)すでに実用化した用途

 ①ベビー用途:おむつポーチ、おむつゴミ箱用スプレー(3社から販売)

 ②ペット用途:ネコ砂、トイレシート、消臭スプレー、おさんぽエチケット袋

 ③介護用途:人工肛門パウチカバー、消臭スプレー、熱蒸散タイプ消臭剤

 ④畜産用途:消臭剤

 ⑤バキュームカー臭気対策:真空ポンプ潤滑油

 ⑥ゴミ収集車臭気対策:消臭剤

 ⑦産業用臭気対策:消臭剤

 ⑧下水・汚泥臭対策:消臭剤

 ⑨害獣埋葬時臭気対策:徐放性カプセル

 ⑩死臭対策:消臭スプレー、徐放性カプセル

 ⑪水産加工臭気対策:消臭剤

 ⑫生ゴミ臭対策:消臭スプレー

 ⑬飲食店排気臭対策:消臭スプレー、徐放性カプセル、徐放性ゲル

(2)実用化に向けて検討中の用途

 ①介護用途:おねしょマット、紙おむつ等、ポータブルトイレ用消臭剤、石鹸

 ②一般用途:トイレ用消臭剤

 ③その他用途:生ごみ処理機(コンポスト)用消臭剤
  

2.「エリシルク」プロジェクトの推進

カンボジアのコンポンチャムにあるコンポンチャム農業大学でエリサン養蚕を継続し、キャッサバ農家に卵を提供して養蚕指導を行い、養蚕コミュニティーを拡大してまいりましたが、新たにカンボジアのサムロート高校でも学生に養蚕を教育し、近隣農家での養蚕拡大をはかっております。また、ラオスにおいて、アジア・アフリカで地域保健の向上支援を行っているISAPH(アイサップ)を通じエリサンの養蚕を進めるとともに、蛹を食生活改善のための蛋白源として使用することを進めております。
 「エリナチュレ®」は天然の繭の機能を活かした肌にやさしい機能繊維製品であることと、カンボジアの農家を支援して繭を生産するCSR活動が評価され、2016年グッドデザイン賞を受賞いたしました。現在では、さらに東南アジア地域への拡大を進めており、「持続可能な開発目標」として取り組みを広げ、「エリシルク」プロジェクトに賛同いただける企業との取り組みを拡大しております。

 

繊維事業の当連結会計年度の研究開発費は、154百万円であります。

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙業界及び製造業各業種等における顧客課題に対応した新製品・新技術の開発に努めております。国内製紙業界における紙・板紙需要は紙では前年割れ、板紙は前年比微増となりましたが、トータルでは前年比マイナスとなりました。そのような環境下、顧客からの様々な要求に対し、タイムリーに対応出来る製品の開発に取組んでおります。抄紙用カンバスでは、広幅高速マシンでも採用可能な低通気度スパイラルカンバス、より過酷な条件下でも使用可能期間を維持する耐熱シリーズ、各種の汚れ対策商品などをリリースいたしました。段ボール製造用コルゲーターベルトでは、海外のコルゲーターマシンを目標とした新たなニードルベルトを開発し、実機テストもスタートさせました。フィルタークロスでは、顧客から使用目的別に様々な要求がある中で近年、「微細粒子捕捉」「長寿命」への要求が高まっております。これらの顧客ニーズを満たすべく商品開発を顧客毎にきめ細かく行っております。また、工場排水の処理や浄水場・下水処理場における汚泥処理などで、水環境の保持にも貢献しております。

 

機能材料分野では、中央研究所において、航空宇宙分野を中心に用途が拡大している複合材料(繊維強化プラスチック)の研究開発を行っております。高まる市場要求に応え得る繊維基材の開発や、新たな成形・加工方法による一貫生産体制の確立を目指した新しい技術開発に取り組んでおり、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、各用途に最適な材料の開発を進めております。また、新たな耐熱複合材料の開発活動として、経済産業省所管のNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)による開発事業に参画するなど、他企業・大学との共同研究開発も行っております。

 

産業材事業の当連結会計年度の研究開発費は167百万円であります。

 

なお、当社グループの研究開発活動は、主として、繊維事業は㈱シキボウ江南内にある当社開発部門、産業材事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点として行っております。 

当連結会計年度の研究開発費は321百万円であります。