第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業材」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。

 

(長期経営ビジョン)

〈わたしたちが目指す2025年のありたい姿〉

シキボウグループの、独自のものづくり力とサービス力を最大限に織り成して、すべての人々の笑顔を創り出す企業集団となる

 

〈グループ長期戦略〉

 ( センイ × イノベーション ) × ( グローバル・ニッチ )

シキボウグループは、“センイ”に“イノベーション”の風を吹かせて、

“グローバルでニッチな分野”のトップを走る

 

(中期経営計画の概要) 

 当社グループは持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージとして、2018年度を初年度とする中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」をスタートいたしました。

 

〈名称〉

Challenge to the Growth

final stage 2018-2020

~for the next innovative stage~

(通称“CG final 18-20”)

 

〈全体イメージ〉

 


 

 近年、当社グループでは、構造改革による収益拡大、財務体質の改善を優先して取り組み、その成果を株主還元へと向けることに焦点を置いてまいりました。当中期経営計画では、シキボウグループの持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージと位置付け、次の革新的な成長に向け、積極的な設備投資、研究開発投資、人材育成にも取り組んでおります。設備投資と研究開発投資を3年間で、78億円を計画しており、順調に進捗しております。

 また、具体的戦略として、産業材事業の機能材料分野は「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」、産業資材分野は「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」、繊維事業は「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」と「企業間取引(B to B)の強化」に引き続き取り組んでまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

 わが国経済の見通しについては、現下の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界経済のマイナス成長が見込まれ、日本国内においても、個人消費の落ち込み、企業収益の下振れ等、経済は急速に悪化し、厳しい状況が続くものと予想されます。
 このような経営環境の中、当社グループにおいても、各セグメントで、新型コロナウイルスの影響が出てきております。まずは新型コロナウイルスの経済的影響を最小限に食い止めるよう、あらゆる方策を行い全力を尽くします。
 また、現在進行中の中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」は遅れが生じておりますが、引き続き、中期計画の基本方針に沿った施策を着実に実施していくことで、企業価値の維持・向上を目指してまいります。

 「繊維セグメント」は、紡績から織布・編み立て、加工、縫製までの自社製造拠点を国内外に有している強みと、「Made in shikibo」として独自性のある機能素材、加工技術、品質管理を核にした差別化戦略を進め、収益拡大とともにサスティナビリティ(持続可能性)への貢献を進めてまいります。
 原糸販売分野は、海外生産拠点の技術高度化・連携強化により、海外市場での販売活動をより一層強化いたします。
 テキスタイル分野は、海外市場へも衛生関連等の各種機能加工商材の積極的な販売活動に取り組み、収益拡大を図ります。
 製品分野は、当社が強みとする差別化商材の客先提案や、ベトナム協力会社への紡績から縫製までの各製造工程での技術指導による品質面や価格面での優位性をアピールし、国内外での事業拡大に努めます。

 「産業材セグメント」は、機能材料分野における化成品事業、複合材料事業を新中核事業に位置付けており、業容拡張と収益拡大に努めてまいります。
 化成品事業は、食品分野における業務提携会社とのさらなる取り組みの強化、商品面では新たな商品開発、生産面では自動化による生産効率の向上に努めます。
 複合材料事業は、主力となる航空機用途において、新型コロナウイルスの影響を受けておりますが、中長期では拡大が見込まれる市場であり、生産技術・品質保証体制をさらに高めて行くことで、今後の回復から拡大局面に向けて備えてまいります。
 また研究開発では、航空機の省エネに繋がる次世代材料(CMC:セラミック基複合材料)の開発と実用化に向けて取り組みます。
 産業資材分野の製紙用ドライヤーカンバスおよびフィルタークロス事業では、提案型サービス活動と、ニーズを汲み取った新製品の提供により、引き続き国内でのトップシェアを維持してまいります。また、需要増が期待できる段ボール製造関連用途へのコルゲーターベルトや搬送ベルトの拡販に注力いたします。
 海外へのドライヤーカンバス販売については、中国の生産拠点での価格競争力の強化を図り、拡大してまいります。

 「不動産・サービスセグメント」は、不動産賃貸事業、リネンサプライ事業、物流事業、ゴルフ場事業、それぞれ、新型コロナウイルスの影響の極小化を図り、現状の収益維持を目指します。
 上述の「繊維セグメント」「産業材セグメント」の中期経営計画の達成に対して、現下の新型コロナウイルス感染症拡大は、重要な課題である生産・販売両面のオペレーションで移動の制約など障害となっております。しかし、当社グループでは、海外拠点、海外の協力先との間で情報ネットワークを構築し、海外における新しい事業ネットワークを構築して克服してまいりたいと考えております。
 また、現下の新型コロナウイルス感染症収束後のいわゆる「新しい日常」では、生活形態も様々な面で変化を余儀なくされると思われますが、その中にあって、シキボウグループは、それらの変化に対して新しい価値を提供していくという、発展の機会であるともとらえております。収束後のビジネス面で変化・対応していくことが重要であると考えております。
 なお、2021年3月期の連結業績見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染収束時期が見通せない状況にあります。そのため、業績に与える不確定要素が大きく、影響額を合理的に算出することが困難であるため、開示しておりません。今後、動向を見極めながら、業績予想が可能になった段階で、速やかに公表いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市況変動リスク

当社グループは、繊維事業、産業材事業、不動産・サービス事業を行っております。繊維事業、産業材事業の需要は、景気の動向に影響を受けやすく、経済情勢の変化により需要及び市況が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動リスク

当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品等が含まれているため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外生産等に潜在するリスク

当社グループは、生産・加工基地を国内以外では中国、インドネシア等に有し、相当の割合で生産を行っております。従って、両国等における経済・財政政策の急激な動きが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動リスク

当社グループは、更なる有利子負債の圧縮に努め、また、金融機関からの借入については、金利スワップ取引により、金利変動リスクの低減に努めております。しかしながら、金利水準の急激な上昇など、将来の金利情勢は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原油価格の変動リスク

当社グループは、製品の主・副原料として合成繊維及び燃料として重油等の石化製品を用いているため、原油価格の急激な変動が当社グループの製造コストの変動を引き起こし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害におけるリスク

当社グループは、地震等の自然災害、伝染病、その他の災害等の発生時にも、重要な事業活動継続のための事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定しております。しかしながら、想定外の自然災害、事故等の発生により、当社グループの事業所及び従業員の多くが被害を被った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。今後も動向を注視してまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載したものがすべてのリスクではありません。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が引き続き改善傾向にありましたが、米中貿易摩擦の長期化、英国のEU離脱問題などに加え、新型コロナウイルス感染が拡大する中、経済活動の停滞により、世界経済は不透明感が一層強まる状況で推移しております。

このような状況の中、当社グループは持続的成長に向けたチャレンジの最終ステージとして、昨年度スタートした中期経営計画「Challenge to the Growth final stage 2018-2020」の2年目を終えました。繊維セグメントでは「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」と「企業間取引(B to B)の強化」、産業材セグメントの産業資材部門では「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」、機能材料部門では「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」を事業戦略に掲げ、取り組みを推進しております。
 本年度の中期経営計画の取り組み状況は、セグメント別に次のとおりです。

繊維セグメントでの「自らの得意とする市場に対し独自技術で独自の素材の供給」、「企業間取引(B to B)の強化」の方針においては、「ベトナム紡績糸の販売拡大」・「機能加工など差別化商品の販売拡大」・「差別化商材を用いたリネンサプライ用資材の販売拡大」・「デオマジック®の販売拡大」等の取り組みを実施しております。原糸販売事業におけるベトナム紡績糸の販売は堅調で売上が拡大しております。また、ベトナムには、アジア地域においての事業展開の拠点として、ホーチミン市に駐在員事務所を開設いたしました。一方、機能加工など差別化商品の販売拡大、差別化商材を用いたリネンサプライ用資材の販売拡大、デオマジック®の販売拡大は、事業展開に遅れが生じております。

産業材セグメントの産業資材部門での「国内基盤の維持・強化と海外販売の促進・拡大」においては、鈴鹿工場での生産基盤の再構築を実施しており、同工場の設備投資は着実に進展しております。また、海外販売については、引き続き海外市場での販売拡大に取り組んでまいります。

機能材料部門での「新中核事業に位置付ける化成品事業、複合材料事業のさらなる業容拡張と収益拡大」においては、化成品事業は、化学品・食品分野ともに堅調に推移しております。しかしながら、複合材料事業は長野事業所での航空機エンジン部材については、計画に対して遅れが生じております。

このような取り組みを実施してまいりましたが、当連結会計年度の業績は、繊維セグメントにおける需要低迷と2月以降、新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費マインドの低下等の影響により、売上高は前年度を大きく下回ることとなりました。また、収益面では、生産効率の改善、経費削減に努めましたが、売上高の減少に伴い前年度を下回ることとなりました。

その結果、売上高は380億37百万円(前連結会計年度比6.8%減)、営業利益は19億58百万円(同18.6%減)、経常利益は15億73百万円(同25.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億61百万円(前連結会計年度は14億25百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

(繊維セグメント)

原糸販売事業は、国内市場においては、各種産地向けが中高級衣料品の需要低迷の継続により苦戦いたしましたが、海外市場においては、ベトナム、インドネシア生産糸販売が堅調に推移いたしました。

輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地輸出が現地の市況回復により、順調に推移いたしました。

ユニフォーム事業は、備蓄アパレル向けユニフォーム生地販売が一部取引先の在庫過多の影響で、ニット製品販売も取引先の販売不振により苦戦いたしました。また、利益面でも価格改定効果は出てきているものの、出荷数量の減少により苦戦いたしました。

また、2月以降は新型コロナウイルスの影響により、海外生産品の納期遅延、消費マインドの低下等により、各事業分野において、売上高、利益とも減少いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は203億32百万円(前連結会計年度比10.4%減)、営業損失は2億72百万円(前連結会計年度は76百万円の営業損失)となりました。

 

(産業材セグメント)

産業資材部門では、製紙用ドライヤーカンバス事業は、国内の洋紙生産量の減少および生産設備の停止により、カンバス需要が低調に推移し減収となりました。フィルター事業は、低調な海外需要を浄水場用途などの国内公共需要がカバーし微増収となりましたが、運送費等の経費増加に加え製造原価の高止まりにより微減益となりました。また、空気清浄機分野では、前年に工場空調用途での大型機器案件が集中した反動により減収となりました。

機能材料部門では、化成品事業は化学品分野の中国向け輸出が年度後半から回復し、昨年並みとなりました。また、食品分野の増粘多糖類等が堅調に推移した結果、全体で増収となりました。複合材料事業は、電力分野向け複合材料部材は前年並みとなりましたが、航空機用途の受託量が減少し減収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は122億95百万円(前連結会計年度比3.0%減)、営業利益は8億90百万円(同21.3%減)となりました。

 

(不動産・サービスセグメント)

不動産賃貸事業は、順調に推移いたしました。サービス事業の物流分野は新規取引先の獲得により順調に推移いたしましたが、リネンサプライ事業は1月以降、新型コロナウイルスの影響により、取引先ホテルの稼働が低下し苦戦いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は60億49百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益は19億4百万円(同2.1%減)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、851億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億79百万円の増加となりました。これは主に、売上債権が減少したものの、現金及び預金、有形固定資産の増加によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、525億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ91百万円の増加となりました。これは主に、仕入債務が減少したものの、有利子負債の増加によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、325億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ88百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増加し、36.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動では28億18百万円の増加、投資活動では21億83百万円の減少、財務活動では11億85百万円の増加となりました。

結果、資金は18億4百万円の増加(前連結会計年度は1億38百万円の増加)となり、期末残高は64億47百万円(前連結会計年度は46億42百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等内部留保により28億18百万円の増加(前連結会計年度は30億43百万円の増加)となりました。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出等により21億83百万円の減少(前連結会計年度は18億83百万円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、借入金の増加等により11億85百万円の増加(前連結会計年度は9億92百万円の減少)となりました。

 

(キャッシュ・フローの指標)

当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率(%)

37.4

36.6

36.8

時価ベースの自己資本比率(%)

16.1

12.9

12.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

14.6

8.7

10.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

6.7

12.4

11.4

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

キャッシュ・フローは、営業キャッシュフローを利用しております。

有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債(ただし建設協力金を除く)を対象としております。

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を前連結会計年度の期首から適用しており、キャッシュ・フロー関連指標の推移については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。  

 

(4)生産、受注及び販売

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維

18,431

△10.2

産業材

9,584

△0.7

不動産・サービス

合計

28,015

△7.1

 

(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。

2 金額は製造原価により算出しております。

3 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

②受注状況

該当事項はありません。

 

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維

20,321

△10.4

産業材

12,295

△3.0

不動産・サービス

5,421

△0.6

合計

38,037

△6.8

 

(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

2 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(固定資産の減損損失)

当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性の評価)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高、営業利益)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ27億66百万円減少の380億37百万円、また、営業利益は前連結会計年度に比べ4億48百万円減少の19億58百万円となりました。

なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績」に記載のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

2020年3月期業績予想

2020年3月期実績

増減

2020年3月期業績予想

2020年3月期実績

増減

繊維

23,000

20,332

△2,667

100

△272

△372

産業材

13,000

12,295

△704

1,200

890

△309

不動産・サービス

6,100

6,049

△50

1,900

1,904

+4

調整

△600

△639

△39

△600

△563

+36

連結合計

41,500

38,037

△3,462

2,600

1,958

△641

 

 

当社グループは、2020年3月期の業績予想を売上高415億円、営業利益26億円と予想して活動してまいりましたが、繊維セグメントにおいて、子会社である新内外綿㈱も含めた原糸販売事業が、各産地における需要低迷の影響を受け低調に推移したことなどから厳しい状況が継続しております。ユニフォーム事業は、備蓄アパレル向けユニフォーム生地販売が一部取引先の在庫過多の影響で、ニット製品販売も取引先の販売不振により苦戦いたしました。また、利益面でも価格改定効果は出てきているものの、出荷数量の減少により苦戦いたしました。2月以降は新型コロナウイルスの影響により、海外生産品の納期遅延、消費マインドの低下等により、各事業分野において、売上高、利益とも減少した結果、当初業績予想から大幅に未達となりました。産業材セグメントにおいては、産業資材部門が主要顧客である国内製紙会社の生産量減少により苦戦いたしました。また、機能材料部門の複合材料事業では、電力向け複合材料部材が低調に推移したこと、航空機用途も受託量が当初計画に至らず苦戦いたしました。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益が1億78百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ1億84百万円減少の1億17百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ94百万円減少の5億1百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ5億38百万円減少の15億73百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、受取保険金を38百万円計上したこと等により53百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損を61百万円、災害損失を39百万円、減損損失を32百万円計上したこと等により1億62百万円となりました。

また、法人税等合計は、前連結会計年度に比べ1億78百万円増加の5億94百万円、非支配株主に帰属する当期純損失は△91百万円(前連結会計年度は27百万円の非支配株主に帰属する当期純利益)となりました。

以上のとおり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は9億61百万円(前連結会計年度は14億25百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(2)財政状態」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、財務の健全性や資本効率の向上を追求しながら、株主への適性な利益還元を実施するとともに、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金での調達によるものであり、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金及び私募債での調達によるものであります。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務の有利子負債の残高は282億19百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は64億47百万円となっております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは既存事業の発展と新規事業の育成を推進すべく、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。

 

(繊維事業)

1.消臭加工「デオマジック®」の進捗

「デオマジック®」は消臭剤として畜産現場や産業廃棄物処理場、大手製紙工場などで採用され好評です。生ゴミ用途・ベビー用途・ペット用途のほか、産業臭対策用途や介護用途に力を入れ環境展などの展示会に出展し拡販を進めています。アース製薬㈱とはコラボレーション商品として介護用途に消臭スプレーおよび熱蒸散タイプ消臭剤を発売し、今年新たにポータブルトイレ用消臭剤が発売開始となりました。中国でも産業臭対策用途・畜産用途向けに販促を進めています。また、新潟大学病院では頭頸部癌患部の臭気対策としてデオマジックの効果が確認され、頭頸部癌学会で報告されています。

 

(1)すでに実用化した用途

①ベビー用途:おむつポーチ、おむつゴミ箱用スプレー(3社から販売)

②ペット用途:ネコ砂、トイレシート、消臭スプレー、お散歩エチケット袋

③介護用途:人工肛門パウチカバー、消臭スプレー、熱蒸散タイプ消臭剤、ポータブルトイレ用消臭剤
 ④畜産用途:消臭剤

⑤バキュームカー臭気対策:真空ポンプ潤滑油

⑥ゴミ収集車臭気対策:消臭剤

⑦産業用臭気対策:消臭剤

⑧下水・汚泥臭対策:消臭剤

⑨害獣埋葬時臭気対策:徐放性カプセル

⑩死臭対策:消臭スプレー、徐放性カプセル

⑪水産加工臭気対策:消臭剤

⑫生ゴミ臭対策:消臭スプレー

⑬飲食店排気臭対策:消臭スプレー、徐放性カプセル、徐放性ゲル

(2)実用化に向けて検討中の用途

①介護用途:おねしょマット、紙おむつ等、石鹸、患部自壊創臭対策消臭剤

②一般用途:トイレ用消臭剤

 

2. 環境配慮型ポリエステル「オフコナノ」を開発

当社は、東京理科大学発のベンチャー企業、アクティブ㈱が開発した技術「グリーンナノ」を活用し、燃焼時にCO2の排出を大幅に削減できるポリエステル繊維を開発しました。繊維製品の一部はリサイクルされていますが、その多くは廃棄後、焼却処分されているため、燃焼時にCO2の排出を軽減できる繊維は、環境負荷低減に貢献することができます。

「オフコナノ」は、炭化促進剤とCO2化学吸着剤が入ったナノサイズのカプセルをポリエステル繊維に練り込んだもので、燃焼すると通常のポリエステル繊維に比べ約60%の二酸化炭素の発生を抑制することができます。当社は、主力の綿素材をサスティナブル(持続可能)な繊維素材として打ち出しており、新たに環境配慮型ポリエステル繊維として「オフコナノ」が加わることで、綿と合繊の両素材でサスティナビリティー(持続可能性)を追求する体制が整いました。ユニフォーム、シャツ、スポーツウエアなど衣料全般に向けて新タイプの環境配慮型素材として提案を進めていきます。

 

繊維事業の当連結会計年度の研究開発費は、159百万円であります。

 

 

(産業材事業)

産業資材分野では、製紙業界及び製造業各業種等における顧客課題に対応した新製品・新技術の開発に努めています。抄紙用ドライヤーカンバスでは、差別化製品として、耐熱性・防汚性により優れた製品をリリースしました。段ボール製造用コルゲーターベルトでは、作業性に優れた金属フックタイプのニードルベルトを開発し販売を開始しました。フィルタークロスでは、顧客から使用目的別に様々な要求がある中で近年、「微細粒子捕捉」「長寿命」への要求が高まっています。これらの顧客ニーズを満たすべく商品開発を顧客毎にきめ細かく行っています。また、安全に使用いただける商品供給を目的に、2020年6月1日に施行された食品衛生法等の一部改正に対応する商品開発に取り組んでいます。

 

機能材料分野では、中央研究所において、航空宇宙分野を中心に用途が拡大している複合材料(繊維強化プラスチック)の研究開発を行っております。高まる市場要求に応え得る繊維基材の開発や、新たな成形・加工方法による一貫生産体制の擁立を目指した新しい技術開発に取り組んでおり、海外のユーザー企業、大学や研究機関との連携も強めながら、各用途に最適な材料の開発を進めております。

 

産業材事業の当連結会計年度の研究開発費は151百万円であります。

 

なお、当社グループの研究開発活動は、主として、繊維事業は㈱シキボウ江南内にある当社開発部門、産業材事業は東近江市にある当社中央研究所を拠点として行っております。

当連結会計年度の研究開発費は310百万円であります。