第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外の景気回復と年後半の円安進行を受けて、外需主導で緩やかに回復いたしました。企業活動が活発になり雇用環境は改善しておりますが、設備投資と個人消費は一進一退の状況が続いております。

当社グループにおける事業環境は繊維事業では、上期に円高が進んだことや原材料市場及び法人需要増により収益の改善が見られたものの、百貨店を中心とした衣料品の伸び悩みは依然続いており、総じて厳しい状況で推移いたしました。一方、収益の柱であります不動産活用事業は、二つの大型商業施設が集客力を維持しており、さらに平成27年11月に病院施設の賃貸を開始したことから、営業収益は引き続き安定しております。

この結果、当連結会計年度の売上高は、83億円(前期比0.6%増)、経常利益は9億88百万円(前期比12.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益等の特別利益を計上したことにより、8億24百万円(前期比62.7%増)となりました。

なお、事業別セグメントの概況は、次のとおりであります。

① 繊維事業

マテリアル部は、円高の恩恵もあり仕入コストが低下、またレーヨン糸の市場ニーズにより販売量が増加し、輸入原糸販売は好調に推移しました。またポリエステル生地の販売は、輸出向けを中心に需要が増加し増収増益となりました。

アパレル部は、景気回復基調から主力商品である法人ユニフォームの直需と百貨店の受注が堅実に伸び、スポーツ関連商品もプロ野球の盛り上がり等の追い風を受け、引き続き堅調に推移し大幅な増収増益となりました。

カジュアル部の縫製品関係は、「ユミカツラ」「ミュゼ ジョワイユ」「ディレツィオーネ」等の自社企画ブランドのメンズカジュアル商品を販売する百貨店の店舗改装の実施やネット販売を進めましたが、販売員経費等が増加し、また在庫品の評価減があり損失を計上いたしました。

刺繍レースを扱うフロリア㈱は、新たにノベルティ商品の販売が増えたものの、主力販売品の高級婦人服地の売上が低迷し減収となりました。

この結果、繊維事業の売上高は45億59百万円(前期比9.7%増)となり、営業損失は前期に比べ58百万円改善して1億20百万円となりました。

② 不動産活用事業

不動産活用事業においては、「イオンモール川口前川」は近隣の大型商業施設に比べ「回遊型ショッピング」ができるというお客様の利便性と近隣住民の生活環境にあった専門店選びが評価されております。また、「イオンモール川口」は開設から32年経つものの近隣のお客様が固定客として定着しております。二つの大型商業施設を主とする不動産活用事業は引き続き安定した収益基盤を維持しております。賃料収入面においては、病院施設の賃貸による増収があったものの、「イオンモール川口」の契約期間満了後の契約更新による賃料減額等があり、減収減益となりました。

この結果、不動産活用事業の売上高は24億13百万円(前期比2.5%減)となり、営業利益は8億90百万円(前期比16.4%減)となりました。

 

③ ゴルフ練習場事業

埼玉興業㈱の「川口・黒浜・騎西の各グリーンゴルフ」練習場は、お客様に快適に楽しんでいただけるよう、人工芝等の設備の更新工事を進めておりますが、天候の影響や若年層の新規入場者が伸び悩んだことから減収減益となりました。

この結果、ゴルフ練習場事業の売上高は8億76百万円(前期比1.8%減)、営業利益は28百万円(前期比57.6%減)となりました。

④ その他の事業

当社のギフト事業部営業課の葬祭返礼品販売は、主要な取引先との取引を平成28年4月末日で解消したため大幅な減収減益となりました。ディアグリーン課の緑化事業は、観葉植物の新規レンタル契約獲得と慶弔用の花卉ギフト販売に注力し増収となりましたが、営業課の人員を吸収したことから減益となりました。

神根サイボー㈱のインテリア施工事業は、当社が賃貸する大型商業施設の店舗入替えに伴う内装工事等を受注し、増収増益となりました。

この結果、その他の事業の売上高は4億51百万円(前期比37.6%減)、営業利益は46百万円(前期比81.0%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ5億50百万円増加して30億37百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は前連結会計年度に比べ5億62百万円減少して7億77百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が4億52百万円増加したものの、投資有価証券売却損益(益はマイナス表示)が4億16百万円、長期預り保証金が7億53百万円減少したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、得られた資金は前連結会計年度に比べ25億96百万円増加して2億31百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が18億17百万円、投資有価証券の取得による支出が4億5百万円それぞれ減少したことや、投資有価証券の売却による収入が6億76百万円増加したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は前連結会計年度に比べ47百万円増加して4億58百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入が6億円増加したものの、短期借入による収入が3億円減少し、短期借入金の返済による支出が2億50百万円増加したこと等によるものであります。 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度の「生産、受注及び販売の状況」をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

「生産実績」の金額は、当期製造費用、「商品仕入実績」の金額は、仕入価格で記載しており、それ以外のものは、販売価格によっております。また、セグメント間の取引については、相殺消去しております。なお、金額には消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

繊維事業

417,646

△0.3

その他の事業

合計

417,646

△0.3

 

 

(2) 商品仕入実績

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

繊維事業

3,447,523

6.9

その他の事業

42,622

△78.1

合計

3,490,146

2.0

 

 

(3) 受注実績

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

繊維事業

4,454,942

3.4

156,121

△40.0

その他の事業

434,786

△41.4

11,201

△59.9

合計

4,889,729

△3.2

167,322

△42.0

 

 

(4) 販売実績

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

繊維事業

4,559,161

9.7

不動産活用事業

2,413,922

△2.5

ゴルフ練習場事業

876,026

△1.8

その他の事業

451,486

△37.6

合計

8,300,597

0.6

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオンモール㈱

2,372,466

28.8

2,263,541

27.3

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営基本方針は、「顧客重視」「株主重視」「社員・地域重視」を掲げて、豊かな生活に役立つ商品・サービスを提供して地域経済の発展に寄与するとともに、資本効率ならびに収益性を高めて、株主の皆様に報いる企業価値の向上を目指すことが大変重要であると考えております。

(2) 目標とする経営指標

1株当たり当期純利益金額    60円

総資産経常利益率        7%

売上高経常利益率        20%

1株当たり当期純利益金額は当連結会計年度に60円を超えておりますが、これは特別利益に投資有価証券売却益を計上したことによるものであり、恒常的に60円超を目指します。

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社は、平成29年4月に「3ヵ年中期経営計画」の1年目がスタートいたしました。その目標は、「繊維事業の黒字化」と安定した収益を生みだす「不動産活用事業のさらなる拡充」と、当社グループにおける「その他の事業の収益貢献度の向上」であります。

繊維事業の中核であります原糸販売とユニフォームやスポーツ関連商品の販売は、引き続き営業利益を確保いたしましたが、百貨店での自社ブランドのメンズカジュアル商品販売は、個人消費の伸び悩みを背景に低調な動きが続き、繊維事業は営業損失を計上いたしました。

その反省を踏まえ、メンズカジュアル商品の百貨店販売の利益を改善するため、デザイン力や有力百貨店への新規営業力の向上に熟知した人材を採用、投入してまいりました。「ユミカツラ」のブランドリニューアルを実施し「ユミカツラオム」として一新させ、上質感を出せる商品とトータルコーディネートできる商品を揃えて客単価を上げ、オン・オフでも着用できるブランドを展開してまいります。常設百貨店に首都圏の都市型百貨店を開拓して、引き続き不採算店舗は撤退を進めてまいります。平成29年5月からは新たにユミカツラオム公式通販サイトを開設し、積極的に新しい販売チャネルの確立を目指し、売上高の増加と利益改善に取り組み、「繊維事業の黒字化」をはかります。

不動産活用事業は、大型商業施設の一つである「イオンモール川口」の契約期間更新に伴う再開発の準備を進めて、施設の建て替え等に向けて収益基盤を再構築することが大きな課題であります。二つの大型商業施設について競合他社に比べて常に優位性を維持することで、約4,500人の雇用を確保しており、また平成27年11月には高度医療充実策として地域に貢献すべく「かわぐち心臓呼吸器病院」を「イオンモール川口前川」に隣接した本社敷地内に建設、賃貸を開始し、不動産活用事業を拡充いたしました。このような、当社グループの地域密着型の事業展開が、地域社会への大きな貢献活動であると考えております。引き続き未活用不動産の活用方法を鋭意決定して、不動産活用事業を充実してまいります。

ゴルフ練習場事業は、隣接した「イオンモール川口」の集客力を活かし、お客様に向けた新たなサービスを模索、提供して集客力の向上に努めてまいります。

その他の事業では、ギフト事業部ディアグリーン課の緑化事業の営業強化を進めてまいります。当社独自の環境にやさしい自動給水システムによる観葉植物のレンタル事業を中心に、外部造園を含むオフィスの環境改善に役立つ事業を展開してまいります。インテリア施工事業は、一般施工件数を増加させ事業の安定化を推進します。

以上のような各事業の計画を実現させるため、経営理念の「お客様によろこばれる商品の提供」を事業の基本として、「株主の皆様に報いる企業価値の向上」への取り組みをさらに推進します。また、新卒採用によるフレッシュな人材確保と、社員の能力開発に資する「社員教育制度」により、人材の育成に注力し、男女差の無い「働きがいのある職場づくり」の推進のために人事制度を見直して、会社組織のさらなる活性化を目指してまいります。

当社グループは、業容の拡充による企業価値の向上を第一義として、社会的責任を全うする観点から内部統制システムを充実させ、企業組織の活性化と社員一人ひとりの法令遵守に意を用いて、内外の信頼と評価をさらに高めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループは市況製品を展開しており、他社との競合に伴う市場価格の変動や為替相場の変動により業績に大きな影響を受ける可能性があります。特に繊維品は中国を中心に委託生産を展開しており、競合他社が現地でより安い労働力で生産した場合、価格競争が熾烈化し売上に大きな影響を受ける可能性があります。また、繊維品は中国、台湾等からの輸入比率が高く、為替レートの円高は当社グループに好影響をもたらし、円安は悪影響を及ぼします。

(2) 製品の欠陥等

当社グループは国内及びアジア諸国において、技術指導、検品指導を強化し品質管理を徹底しておりますが、欠陥製品が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。このため製品の欠陥により当社グループの業績と財務状況、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外活動にかかわるもの

当社グループの繊維品は、中国、台湾等アジア諸国で委託生産を展開しており、次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績と財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

・  予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

・  不利な政治的要因の発生

・  テロ、戦争等による社会的混乱

(4) 特定の取引先の高い依存度について

当社グループは、イオンモール㈱に対する、2店舗の大型商業施設の賃貸及びビルメンテナンス請負等の取引があり、当連結会計年度の同社との取引高は、売上高に対して27.3%(前年同期28.8%)と高い比率であります。

大型商業施設のうち、イオンモール川口に関しては、平成30年10月までの賃貸借契約を結んでおります。

(5) キャッシュ・フローに関するリスク

大型商業施設の建設費は、イオンモール㈱からの無利息の預り保証金により、主として賄っております。当該保証金のうち、70%は建設協力金として、建物の竣工から10年経過後、10年間で均等返済する契約を結んでおります。また、災害等によるやむを得ない事由の解約による保証金の返済が発生した場合、自社の保有する資金では不足する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 賃貸借契約

 

契約会社

契約先名

契約期間

賃貸物件名

サイボー㈱

イオンモール㈱

自 平成19年11月21日
至 平成39年11月20日

イオンモール川口前川

 

 

敷地面積

71,819㎡

建物延面積

133,681㎡

建設協力金(契約時元本額)

4,900,000千円

保証金(契約時元本額)

2,940,000千円

 

(注) 平成19年11月21日に増床建物が竣工したことにより、既存建物を含めた賃貸借契約が変更されました。

 

(2) 当社は、平成27年11月10日にイオンモール㈱と当社が進める「イオンモール川口」周辺の開発事業における土地活用について、共同で検討を進めていくことを目的に合意書を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5億57百万円増加して280億67百万円となりました。これは主に有形固定資産が減価償却費により減少したものの、現金及び預金が増加したこと等によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ5億42百万円減少して115億28百万円となりました。これは主に短期借入金や長期預り保証金を返済したこと等によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ10億99百万円増加して165億39百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上や、その他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。

(2) 経営成績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ0.6%増加して83億円となりました。繊維事業は、原糸販売が輸出向けのポリエステル生地の販売量増加により、アパレル販売ではユニフォームの更新やスポーツ関連商品が堅調に推移し、またカジュアル販売は、人材登用による販売方法の見直しを行った成果が表れ、それぞれ増収となりました。一方、刺繍レースを使用する婦人服地向けが伸びずに減収となりました。この結果、繊維事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.7%増加しました。不動産活用事業は、平成27年11月から病院施設の賃貸を開始したものの、大型商業施設1店舗の契約期間満了後の更新に伴い、賃料を減額したことから前連結会計年度に比べ2.5%減少しました。ゴルフ練習場事業は、人工芝等の設備を更新し集客に努めたものの、来場者が伸びずに前連結会計年度に比べ1.8%減少しました。その他の事業は、慶弔ギフト品販売が家族葬の増加により事業としての採算性が悪化したことから、主要な取引先との取引を解消し大幅な減収となり、緑化事業は造園工事等の関連する業務を手掛け増収となりました。また、インテリア施工事業は当社グループの物件に係る工事が増加したものの、大口・一般物件の受注が減少したことから、前連結会計年度に比べ37.6%減少しました。

前連結会計年度に比べ売上原価は3.5%増加して59億7百万円、販売費及び一般管理費は0.1%減少して15億70百万円となりました。売上原価は主に繊維事業の売上の増加に伴い増加し、販売費及び一般管理費は人件費等が増加したものの、その他経費を節減したことによるものです。 

営業利益は前連結会計年度に比べ14.8%減少して8億22百万円となりました。繊維事業は円高による恩恵があったものの、カジュアル販売の業績改善の遅れ等から営業損失を計上するに至りましたが、繊維全体では前連結会計年度に比べ改善の傾向を見せております。不動産活用事業は、前述した大型商業施設1店舗の賃料の減額等により減益となりました。ゴルフ練習場事業は入場者が減少し減収となりました。その他の事業は、主に慶弔ギフト品販売の受注減があったものの、インテリア施工事業が、当社グループの不動産活用事業が賃貸する物件や、ゴルフ練習場事業が営む施設の工事等が増加したことから増益となりました。

 

経常利益は前連結会計年度に比べ12.0%減少して9億88百万円となりました。これは主に、持分法による投資利益が減少したものの、有価証券運用損が運用益に転じた影響等によるものであります。総資産経常利益率は0.4ポイント減少して3.6%、売上高経常利益率は1.7ポイント減少して11.9%となりました。

特別利益は、保有する非上場株式1銘柄を売却したことにより投資有価証券売却益4億18百万円を計上しました。特別損失は、当社が進めている川口神根地区の再開発に伴い川口市に土地等を無償譲渡したことによる損失を固定資産譲渡損として計上しました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ62.7%増加して8億24百万円となりました。これは主に特別利益の増加等によるものであります。1株当たり当期純利益金額は24円09銭増加して62円05銭となりました。

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。