第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載された事業等のリスクに変更はありません。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

 当社グループは、2019年3月期から5期連続して営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当第3四半期連結累計期間においても営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する四半期純損失となっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 これまでの金融事業における投資先の株価動向等の市場環境に大きく左右される収益構造は改善すべき長年の課題であると認識しており、かかる状況に対処するため、2022年3月期に経営体制を刷新するとともに2021年11月に新経営方針を、さらに2022年6月に2023年3月期から2025年3月期の3か年を対象とした「第1次中期経営計画」を公表いたしました。この中期経営計画では、新経営方針で掲げた3つの事業領域(「狩猟型ビジネス」「農耕型ビジネス」「開発型ビジネス」)において、金融事業に留まらない将来に向け当社グループの成長に資する新たな事業の確立を通じ、強固な経営基盤の構築と新たな価値の創造を実現すべく、各種戦略を推進しております。

 その戦略の一環として、2022年5月にデジタルマーケティング事業を展開する株式会社ユニヴァ・ジャイロンを子会社化し、さらに2022年9月に株式交付により、株式会社ユニヴァ・フュージョンを子会社化いたしました。また、スターリング証券株式会社や株式会社ノースエナジー等の既存子会社も収益力の強化に取り組んでまいりました。

 しかしながら、前連結会計年度では、金融事業において、新規の投資案件をほとんど獲得することができず、アドバイザリー部門も特筆すべき成果を上げることができませんでした。また、クリーンエネルギー事業においても、太陽光発電設備の設置可能な用地確保に時間を要したことや、新規販売が低調だったことなどにより大幅な減収減益となり、中期経営計画の初年度の目標である連結営業利益黒字化は達成することができませんでした。

 このような状況の中、金融事業を担うスターリング証券株式会社においては、新規投資案件の獲得のための改善策として経営改革をさらに加速させる必要があると認識しており、具体的には既に金融商品の専門家である人材を採用するなど経営体制刷新も完了し、投資リスクを抑えながらも経営成績の改善に大きく寄与可能な新規投資案件の獲得に取り組んでおりますが黒字化の達成には至りませんでした。

 クリーンエネルギー事業を行う株式会社ノースエナジーにおいては、用地確保を迅速に行う社内体制の構築を行い、販売基数の増加、販売単価の値上げ、経費削減を推し進めたことにより、セグメント損失が前年同期比で1億60百万円減少しております。しかし、当該管理体制の下でも顧客からの従来にも増した土地造成に関する要求への十分な対応に時間を要し、黒字化の達成には至りませんでした。そのため、一層の管理体制の強化および自家消費型の太陽光パネルの新規顧客の獲得活動を積極的に行うことにより来期の黒字化へ向け改善してまいります。

 さらに、ビューティー&ヘルスケア事業を営む株式会社ユニヴァ・フュージョンにおいては、事業特性上、新規顧客獲得のための販促費が先行するビジネスモデルであり、当期に販促活動を積極的に行ったことから黒字化の達成には至りませんでしたが、翌期以降は新規顧客からの収益貢献が見込まれるため黒字化に寄与するものと考えております。また、機能性食品の開発にも取り組んでおりますが、販売開始までには時間を要し、当期の収益獲得には至っておりません。

 その結果、中期経営計画における2年目の目標である当連結会計年度における連結当期純利益の黒字化は困難な状況であると判断しております。そのため、資金面を検討した結果、当第3四半期連結会計期間末において当社グループでは11億20百万円の現預金を、当社単体では6億27百万円の現預金を確保しており、また、今後の事業継続に必要な資金については、借入及び保有債権の一部の流動化による調達手段を確保したことにより、保守的に作成した今後1年間の資金繰り計画においても、当社グループ全体で資金不足が生じることはないと認識し、当第3四半期連結会計期間末において継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断いたしました。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績及び財政状態の状況

① 経営成績の状況の分析

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)における我が国経済は、経済活動の正常化が進み、景気は穏やかに回復しているものの、ウクライナ戦争及び中東危機をめぐる国際社会の対立、エネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、為替相場の急激な変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような事業環境の中、当社グループは、2022年6月に公表いたしました2023年3月期から2025年3月期の3か年を対象とした「第1次中期経営計画」に基づき、3つの事業領域(「狩猟型ビジネス」「農耕型ビジネス」「開発型ビジネス」)において、金融事業を中心とした将来に向けた当社グループの成長に資する新たな事業の確立を図るとともに強固な経営基盤の構築と価値共創を実現すべく事業戦略を推進し、当社グループの経営目標値である連結売上高250億円、連結純利益20億円、時価総額600億円を達成するための取り組みに注力してまいりました。

 セグメントごとの経営成績等の状況は以下のとおりであります。

 

金融事業

 金融事業では、スターリング証券株式会社がコーポレート・ファイナンス、M&A仲介、IR、成長戦略の提案などの投資銀行業務及び上場企業の経営課題を解決する支援に取り組んでまいりました。

 また、当第3四半期連結累計期間において、既存投資先の投資回収を行い、金融事業の売上高は3億39百万円(前年同期比15.9%増)と増収となりましたが、売上総利益率の低下を販管費の削減努力でカバーすることができず、営業損失は53百万円(前年同期は79百万円の利益)となりました。

 

ビューティー&ヘルスケア事業

 ビューティー&ヘルスケア事業では、株式会社ユニヴァ・フュージョンが、コンブチャクレンズを始めとした顧客満足度が高い美容・健康商品を主に一般消費者向けに販売しております。美容・健康分野において、お客様のニーズに応える商品を開発し、既成概念にとらわれない業界のパイオニアとなる美容・健康商品を提供してまいります。

 当第3四半期連結累計期間においては、2022年9月に連結子会社化したため、前期は、取り込み実績はなく、当期は2023年1月から9月までの期間損益を取り込んでおります。なお、新規契約件数獲得のため、販売促進費を先行して投入したため、ビューティー&ヘルスケア事業の売上高は21億18百万円、営業損失は6億82百万円となりました。

 

クリーンエネルギー事業

 クリーンエネルギー事業では、株式会社ノースエナジーが、法人向けPPA自社消費型太陽光発電システム設備の販売・施工などのクリーンエネルギー事業を通じ、脱炭素社会の実現に向け事業展開してまいりました。

 当第3四半期連結累計期間においては、期初より経営体制を刷新するとともに業務改善を推進したことにより、着工から売上計上までの期間短縮及び営業キャッシュ・フローの改善を同時並行で進めてまいりました。

 その結果、クリーンエネルギー事業の売上高は12億41百万円(前年同期比193.0%増)と大幅な増収となり、営業損失は61百万円(前年同期は2億21百万円の損失)と赤字幅を縮小することができました。

 

デジタルマーケティング事業

 株式会社ユニヴァ・ジャイロンがデジタルマーケティング支援を目的としたツールベンダー事業を展開しており、当第3四半期連結累計期間においては、SEOコンサルティングサービスをリリースするなど、SEO戦略を推進してまいりました。

 その結果、デジタルマーケティング事業の売上高は1億90百万円(前年同期比61.0%増)、営業損失は9百万円(前年同期は10百万円の損失)となりました。売上高が増加した主な要因は、2022年6月に連結子会社化したため、前期は2022年7月から12月まで、当期は2023年4月から12月までの期間損益を取り込んだためであります。

 

その他事業

 その他事業では、コミュニティFM放送局「FM軽井沢」、グループ内の管理部門を受託するシェアードサービス事業などを展開してまいりました。

 以上の結果、その他事業の売上高は1億17百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は8百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は39億34百万円(前年同期比270.7%増)、営業損失は11億19百万円(前年同期は営業損失5億61百万円)となりました。経常損失は為替差益1億76百万円を計上したことにより9億89百万円(前年同期は経常損失3億67百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失2億27百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況の分析

 当第3四半期連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、2億51百万円減少し73億9百万円となりました。減少した主な要因は、現預金及び営業投資有価証券の減少によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末と比べ、7億78百万円増加し38億34百万円となりました。増加した主な要因は、有利子負債の増加によるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、10億29百万円減少し34億75百万円となりました。減少した主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上によるものです。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。