第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産が弱含んでおり、個人消費や設備投資も依然力強さが欠ける状況でした。また、米国経済は回復が続いていますが、アジア経済に弱さが見られるなど、世界経済の先行き不透明な状況も続きました。
 このような環境の下、当社グループは、当連結会計年度を通じて、製造力・営業力のさらなる強化など、継続的な事業基盤の強化に取り組んできました。

 この結果、連結売上高は861億99百万円(前年同期比4.5%の減収)、連結営業利益は108億93百万円(前年同期比22.6%の増益)、連結経常利益は109億74百万円(前年同期比26.7%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億98百万円(前年同期比22.0%の増益)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

[繊維事業]

 衣料品消費の低迷が続くなか、コストダウンや新商品の開発などに努めました。

 この結果、当事業は売上高55億68百万円と前年同期比6.8%の減収となり、営業損失は4億83百万円(前年同期は営業損失1億33百万円)となりました。

 

[原繊材事業]

 強化プラスチック用途や電子材料用途の高付加価値品を中心とした堅調な需要に対応しました。

 この結果、当事業は売上高268億6百万円と前年同期比2.7%の増収となり、営業利益は48億3百万円と前年同期比65.3%の増益となりました。

 

[機能材事業]

 スマートフォンや通信インフラなどの需要に対応し、電子材料用途並びに産業資材用途向けのガラスクロス製品の安定供給に努めました。

 この結果、当事業は売上高177億92百万円と前年同期比5.7%の減収となり、営業利益は29億59百万円と前年同期比9.0%の減益となりました。 

 

[設備材事業]

 産業用途・建築土木用途向けのグラスファイバー・グラスウール製品の販売に注力しました。

 この結果、当事業は売上高218億31百万円と前年同期比1.3%の減収となり、営業利益は18億21百万円と前年同期比66.2%の増益となりました。

 

[環境・ヘルス事業]

 メディカル分野及び飲料分野等で販路拡大を進めました。

 この結果、当事業は売上高123億86百万円と前年同期比21.4%の減収となり、営業利益は26億63百万円と前年同期比22.6%の増益となりました。

 

[その他の事業]

 不動産・サービス事業などの収益確保に取り組みました。

 この結果、売上高18億13百万円と前年同期比29.4%の増収となり、営業利益は85百万円と前年同期比66.4%の減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金166億77百万円、投資活動により使用した資金122億94百万円、財務活動により使用した資金22億76百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ19億85百万円増加し、当連結会計年度末には174億66百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金は、前連結会計年度の147億45百万円の増加から、166億77百万円の増加となりました。これは主に「(1) 業績」で記載いたしましたとおりの事業活動の結果、税金等調整前当期純利益が87億37百万円となったほか、減価償却費46億3百万円などにより資金が増加したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金は、前連結会計年度の53億18百万円の減少から122億94百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出62億94百万円、固定資産の取得による支出54億56百万円により資金が減少したことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金は、前連結会計年度の43億88百万円の減少から22億76百万円の減少となりました。これは主に、配当金の支払額9億96百万円により資金が減少したことなどによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

繊維事業

5,269

0.6

原繊材事業

24,127

6.6

機能材事業

12,546

△20.6

設備材事業

18,662

23.1

環境・ヘルス事業

11,238

△1.1

その他の事業

229

合計

72,074

2.7

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込生産を行っており、受注生産はほとんどありません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

繊維事業

5,568

△6.8

原繊材事業

26,806

2.7

機能材事業

17,792

△5.7

設備材事業

21,831

△1.3

環境・ヘルス事業

12,386

△21.4

その他の事業

1,813

29.4

合計

86,199

△4.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 経営の基本方針

 当社グループは、『日東紡グループは「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダーと共に喜びを分かち合い、企業価値を高めていくことを目指しております。

 

(2) 対処すべき課題と中長期的な経営戦略

 当社グループは、平成26年4月から平成29年3月までの3か年を対象とする中期経営計画を策定し、計画の着実な実行に取り組んでおります。今後の事業環境は、経済のグローバル化が進む中、競争はさらに激化し、既存商品のコモディティ化などの流れも一段と加速する厳しい状況で推移することが予想されます。
 このような環境の下、当社グループは顧客・社会から必要とされる商品やサービスを安定的に供給することで、信頼され続けるメーカーとして事業運営を進めてまいります。

 

(3) 会社の支配に関する基本方針

①基本方針の概要

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉及び当社を支えるステークホルダーとの良好な関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。もとより、上場会社である当社の株式は、株主又は投資家の皆様に自由に取引されるものであり、当社経営の支配権の移転を伴うような大量買付がなされる場合であっても、これが当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限りにおいて、当社は、これを一概に否定するものではありません。また、当社は、株式の大量買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきであると考えております。

 当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、1)長年培われた技術資産や人的資産の流出を防ぎ、そのような技術資産や人的資産を中長期的視野で保護育成すること、2)顧客とのネットワークと当社の有するブランド力を維持・強化していくこと等に重点を置いた経営が必要不可欠であります。

 外部者である買収者からの大量買付の提案を受けた際には、上記に加え、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、多岐にわたる事業分野やグループ企業間の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する事項等、様々な事項を適切に把握した上で、当該大量買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があります。

 当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者を、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えており、不適切な大量買付に対して、必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

②基本方針の実現に資する取組みについて

(ア)当社の企業理念

 当社グループは、『日東紡グループは、「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、“日東紡でよかった”と思われる企業グループを目指して経営・事業活動に取り組んでおります。

 また当社グループは、経営理念をもとにして、会社の価値観を分かりやすい文章で表現した「日東紡宣言」を策定しております。社員一人ひとりが、この「日東紡宣言」を常に意識しながら、自ら考え、行動できるように努めております。

「日東紡宣言」

・日東紡グループは社会の「ベストパートナー」を目指します。

・私たちは、お客様の求めるものを絶えず追究し、お客様に「安心と信頼」を誠実にお届けすることを喜びとします。また、企業活動を通じ株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダー(社会)と共に喜びを分かち合うことを大切にします。

・私たちは自立した一人ひとりの社員の可能性を尊び、自由闊達にアイデアを出し合いながらチームワークにより力を発揮する企業集団を目指します。

・私たち企業グループは社員の成長が会社の成長であることを信じ、社員に成長と自己実現の機会を提供します。
社員はまず第一に良き市民であり、深く考え、広く見渡し、果敢に行動します。そして粘り強くやり遂げます。

(イ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上への取組み

 当社グループは、1923年(大正12年)に繊維メーカーとして創立して以来、永年にわたって技術、知識を蓄積・継承し、時代の変化をチャンスとして、その都度旺盛なパイオニア精神を発揮しながら、グラスファイバー事業、環境・ヘルス事業などに、幅広い事業基盤を築いてまいりました。
 また海外展開においても、新規顧客の獲得や事業拠点の設立など、グローバルな活動を続けております。
 さらに当社は、地球環境を継承し、持続的発展に貢献していくことを基本理念に盛り込んだ「日東紡環境憲章」を制定し、すべての事業活動において環境に配慮した製品・サービスを提供することで、環境保全にも努めております。

(ウ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の基盤となる仕組み(コーポレート・ガバナンスの強化)

 当社グループは、経営の透明性向上と法令遵守の徹底により企業価値を高めることがコーポレート・ガバナンスの基本であると認識し、環境の変化に迅速に対応できる内部統制システムを構築しております。
 当社グループの「経営理念」、社会から信頼される企業であるための共通の価値観である「日東紡宣言」、そして行動指針である「日東紡行動綱領」「行動規準」について、経営トップが、率先垂範とグループ役職員への周知徹底を図っております。
 また、当社グループの事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図ると共に、万が一、不測の事態が発生した場合には、損害の最小化を図る体制の整備も行っております。

 具体的には以下の事項に取り組んでおります。

A) 平成26年6月26日の定時株主総会における承認を受けて指名委員会等設置会社に移行しました。指名委員会等設置会社に移行することで、監督と執行の分離を一段と明確にし、「監督機能強化・透明性の高い経営」と「事業の迅速な執行・経営の機動性の向上」を図っております。顧客、株主、取引先、従業員等のステークホルダーの期待に、より的確に応えうる体制を構築することで、更なる企業価値向上を図ります。また、会社法第332条第6項に従い、取締役の任期は1年であります。

B) 取締役8名のうち4名を社外取締役としており、業務執行機関に対する取締役会の監督機能をより強化する体制を確立しております。

C) 法令に則り、指名・監査・報酬の各委員会を設置し、各委員会のメンバーの過半数は社外取締役であり、また全ての委員会の委員長は社外取締役になっています。透明性の高い公正な経営監視体制を確立しております。

D) 取締役の解任要件を、会社法の原則(会社法第339条第1項、第341条)に従い普通決議にしております。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、当社株式の大量買付が行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために、積極的な情報開示に努めるとともに、その時点において適切な対応をしてまいります。

④当社の取組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

 上記②及び③の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な方策として策定されたものであり、上記①の会社の支配に関する基本方針及び株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のとおりでありますが、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表執行役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) IT関連需要の変動による影響

 当社グループのグラスファイバー事業部門は、市況の変動幅の大きいIT関連向けのプリント配線基板用のヤーン及びクロスを取り扱っております。市況の変動が比較的小さい分野の拡大や高付加価値品の開発など事業構造の転換を進めておりますが、IT需要の動向次第で業績が大きく変動する可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動による影響

 グラスファイバー事業部門の海外向け売上比率が高いため、為替動向を考慮しながら為替予約等によるリスクの軽減を図っておりますが、為替レートの変動による影響を受けることとなります。

 また、当社グループの事業全般において取り扱っている商品は、品質・機能・サービス等で差別化を図っておりますが、海外品と競合するものもあり、為替の動向次第では国内市場において輸入品拡大による影響を受ける可能性があります。

 

(3) 原燃料価格の変動による影響

 当社グループは、主力品であるグラスファイバー・グラスウールなどの製造において多量の燃料を消費するために、特に原油価格の変動によるリスクを負っております。安価なエネルギーへの転換や省エネルギー対策などリスクの軽減を図っておりますが、原油価格の変動に伴う燃料価格の動向が業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害の発生による影響

 当社グループは、災害・事故等に備えたリスク管理を実施しております。しかし、大地震等の自然災害や突発的な事故により、生産設備等に多大な損害を受けた場合や電力、燃料、水の供給に問題が発生した場合には、生産活動等に支障が生じるなど業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原材料の調達に関する影響

 当社グループは、主要な原材料はリスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っております。しかし、取引先の状況や経済環境の変化により入手困難になる可能性があります。そのような場合には、当社グループの生産に影響が出るなどして業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティ、コンプライアンスに関する影響

 当社グループは、情報セキュリティの確保については、サイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、個人情報や機密情報の保護のため全社管理体制の下で徹底を図り、定期的に監査を行っております。さらに、コンプライアンスに関しても社内教育の推進を図るなど、当社の社会的信用や評判に与える影響を防いでおります。しかしながら、企業の社会的責任に対する社会の期待は年々増大していることもあり、情報漏洩等の問題が発生し、その対応の内容や迅速性が不十分な場合には当社の社会的信用や評判に波及し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)  独占販売契約

(提出会社)

相手先

国名

内容

契約締結年月

有効期限

Rockwool B.V.

オランダ

農業・園芸用ロックウール培地に関する日本国内での独占販売契約

平成21年6月

平成21年7月から2年間、その後1年毎自動更新

 

 

(2) 業務提携

(提出会社)

相手先

国名

内容

契約締結年月

有効期限

野原産業株式会社

日本

事業協力の推進、資本参加

平成21年10月

期限なし

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループの事業活動は、繊維、原繊材、機能材、設備材、環境・ヘルスなど広範な分野にわたっております。各事業部門における用途開発、品質改良及び技術改善は、それぞれの技術部及び製造ラインスタッフが日常業務と並行して取り組んでおります。さらに、部門横断的な新商品の開発や次世代の技術開発などを行っており、絶えず新技術を創造することで、付加価値の限りない向上を図っております。

 今後も環境の変化に合わせ機動的に対応し、先進的で独自性のある技術創造、新商品・新技術の開発スピード向上に向け、経営資源を積極的に投入してまいります。

 平成28年3月31日現在の保有特許件数は、国内外を含めて659件、当連結会計年度において出願した特許件数は国内外を含めて22件であります。

 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は12億55百万円であります。

 セグメント別の当連結会計年度における研究開発の概要は次のとおりであります。

(1) 繊維事業

 当社の固有技術を生かす製品開発に取り組み、顧客ニーズ開拓・技術革新・商品開発のスピードアップに努めてまいりました。

 原糸素材では引き続き特殊紡績技術を生かした多層構造糸を提案、特に各種合繊繊維との組み合わせにより機能性を重視した製品提案を進めております。

 衣料資材では独自の接着加工技術を更に深掘りし、『SDDC』技術を活かせる7d~15dの極薄軽量基材、製品染め対応基材、消臭機能付基材の上市を実現し、お客様の新しいニーズへ対応しております。

 今後も人々の生活を快適にし、安全で信頼のおける製品の開発に取り組んでまいります。

 当事業に係る研究開発費は2億14百万円であります。

 

(2) 原繊材事業

 ヤーン、ロービング、チョップドストランド等のグラスファイバー原繊製品の研究・新商品開発に取り組んでまいりました。

 『Tガラス』、『NEガラス』等の先端的なガラス組成開発に加え、異形断面ファイバーなど独自の繊維化技術、顧客ニーズを先取りする新規バインダー開発などにより、新市場の創造や顧客の潜在的ニーズを刺激する高付加価値商品の拡充を積極的に推進しております。また、「人と地球環境に貢献する企業」として、環境への負荷低減(CO2削減)や省エネルギー化を推進するため、ガラス溶融技術の革新に取り組んでおります。

 当事業に係る研究開発費は2億31百万円であります。

 

(3) 機能材事業

 電子材料用途並びに産業資材用途のガラスクロス製品等の研究開発に取り組んでまいりました。

 電子材料用途では半導体パッケージの薄型化に対応するため、極細ファイバーの製織技術と独自の表面処理・開繊技術による高性能な超極薄クロスの開発と改良を推進しております。また、高強度、低熱膨張、高周波対応、樹脂含浸性向上など多様で高度化する顧客ニーズを先取りした『Tガラス』クロス、『NEガラス』クロス、『NHR処理』クロスなど、材料特性を活かした先端的な機能材料を創出し提案してまいります。

 当事業に係る研究開発費は1億97百万円であります。

 

(4) 設備材事業

 産業資材用途・建築土木用途のグラスファイバー製品とグラスウール製品の研究開発に取り組んでまいりました。

 グラスファイバー製品では間仕切り用不燃透明シート『ダンクリア』や照明カバー用光拡散シート『ダングレア』などに代表されるガラス繊維基材をベースとした高機能シートの製品開発や、遮熱性能を向上させたロールブラインド『遮熱ベールスクリーン』やオリンピックスタジアム等の膜構造建造物用途の不燃膜材の開発と改良を推進しております。

 グラスウール製品では省エネルギーに貢献するため断熱性能の向上を目指した製品の拡充と開発を推進しております。軽くて高性能な住宅用グラスウール断熱材『ハウスロンZERO』は好評を頂いております。

 当事業に係る研究開発費は1億91百万円であります。

 

(5) 環境・ヘルス事業

 メディカル事業では、免疫血清学系の体外診断薬製品の改良開発に加え、新たな高付加価値製品の上市を目指して国内外のアカデミア、企業との共同研究開発を積極的に展開しております。また、体外診断用医薬品の原料用途に、遺伝子組換えカイコを用いてタンパク質を安価で安定して生産できる方法を開発し、ヒト用の骨粗鬆症体外診断用医薬品及びペット用炎症診断キットを商品化したことが、先進的かつ独創的な遺伝子組換えカイコ技術を産学連携により事業化につなげた世界初の取組みとして功績を認められ、「平成27年度民間部門農林水産研究開発功績者表彰」農林水産大臣賞を受賞しました。

 スペシャリティケミカルス事業では、メディカル分野や自動車関連向けの製品などの品種の拡充と、温度応答性ポリマーやそれに続く新商品の開発に取り組んでまいりました。より高収益な事業体質の確立を目指し新たな重合技術の開発を推進しております。

 飲料事業では、地方の特産品を使用した麦茶、玄米茶など付加価値の高い商品開発を行い上市してまいりました。今後も更なる開発に努めてまいります。

 当事業に係る研究開発費は4億14百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は1,427億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億40百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少などであります。

 負債は672億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億67百万円減少しました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少などであります。

 純資産は754億55百万円となり、自己資本比率は52.3%と前連結会計年度末に比べ2.7ポイント上昇しました。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は861億99百万円となり、前連結会計年度に比べ40億24百万円の減収となりました。これは主として、環境・ヘルス事業や機能材事業が減収となったことなどによるものであります。なお、各セグメントの状況の詳細については、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しております。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は570億49百万円となり、前連結会計年度に比べ55億83百万円の減少となりました。

 この結果、売上総利益は291億49百万円となり、前連結会計年度に比べ15億58百万円の増益となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は182億55百万円となり、前連結会計年度に比べ4億49百万円の減少となりました。

 この結果、営業利益は108億93百万円となり、前連結会計年度に比べ20億8百万円の増益となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は8億44百万円となり、前連結会計年度に比べ5億35百万円の減少となりました。また、当連結会計年度における営業外費用は7億64百万円となり、前連結会計年度に比べ8億43百万円の減少となりました。

 この結果、経常利益は109億74百万円となり、前連結会計年度に比べ23億15百万円の増益となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度は、関係会社株式売却益1億82百万円など計2億31百万円の特別利益を計上し、一方、減損損失20億59百万円など計24億68百万円の特別損失を計上しております。

 この結果、税金等調整前当期純利益は87億37百万円となり、前連結会計年度に比べ4億46百万円の増益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税並びに税効果会計適用に伴う法人税等調整額を合わせた税金費用は31億12百万円となり、前連結会計年度に比べ5億41百万円の負担減となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は55億98百万円となり、前連結会計年度に比べ10億9百万円の増益となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は174億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億85百万円の増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。

 

 

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

49.6

52.3

時価ベースの自己資本比率(%)

63.7

50.7

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(倍)

2.3

2.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

32.1

40.1

 

   ※自己資本比率:自己資本/総資産
     時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
     キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
     インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
     1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
     2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しております。

3. 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。