第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日銀の金融緩和が継続され、企業収益は引き続き堅調に推移し、雇用環境の改善も見られ、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、国内の個人消費は節約志向の強まりにより足踏みを続け、中国をはじめとするアジア新興国や資源国の景気減速懸念、英国のEU離脱問題および米国の新政権への移行など、世界経済の不確実性が高まるなか、先行き不透明な状況で推移しました。

このような経営環境の下、当フジボウグループは、中期経営計画『邁進14-16』において重点事業と位置づけました研磨材事業、化学工業品事業、繊維事業の3事業を中心に営業力、開発力、生産力の強化を進め、あわせて収益力向上のための構造改革に取り組みました。

この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比2,760百万円(7.2%)増収の40,878百万円、営業利益は3,191百万円(88.1%)増益の6,816百万円、経常利益は3,351百万円(90.0%)増益の7,076百万円となりました。特別損益に固定資産売却益や固定資産処分損、減損損失等を計上し、法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比1,329百万円(44.1%)増益の4,344百万円となりました。

 

セグメント別の業績は以下の通りであります。

 

①研磨材事業

主力の超精密加工用研磨材は、液晶ガラス用途はパネル在庫調整により減少し、ハードディスク用途は前年並みで推移したものの、シリコンウエハー用途および半導体デバイス用途(CMP)は通信用途を中心とした半導体需要の回復を受け拡大しました。一般工業用途もモデルチェンジにあわせたユーザーの需要期となり大きく増加しました。

この結果、売上高は前年同期比4,013百万円増収の14,432百万円、営業利益は2,956百万円増益の5,593百万円となりました。

 

②化学工業品事業

機能化学品および医薬中間体などの受託製造は、柳井本社工場の新工場稼働による生産能力増強に加え、武生工場の設備更新投資を進めたことで、機能性材料・農薬中間体を中心に安定生産を継続することができました。売上高は11期連続で過去最高を更新し、営業利益も過去最高となりました。

この結果、売上高は前年同期比494百万円増収の10,260百万円、営業利益は169百万円増益の864百万円となりました。

 

③繊維事業

繊維事業は、インターネット、TVショッピングなど新規チャネルでの販売は拡大し、「B.V.D.」ブランドのレディス商品、OEM製品・共同開発商品は堅調に推移しましたが、繊維製品全体では、既存チャネルの量販店、百貨店で売上回復に至りませんでした。百貨店向け商品を中心とした大幅な在庫削減による物流費の低減や、国内外自家工場の設備規模適正化による総合的なコストダウンを進めるとともに、採算性の高い製品へのシフトなど、体質改善に向けた構造改革を進めました。

この結果、売上高は前年同期比1,597百万円減収の12,529百万円、営業利益は95百万円減益の169百万円となりました。

 

 

④その他

アジアから中南米への輸出をメインとする貿易部門では、車両輸出は回復傾向となりましたが、カリブ海の一部地域の経済減速に伴い、機械およびタイヤの当該地域への輸出が減少しました。化成品部門は、新規用途として取り組んでいる医療機器用部品が拡大し、デジタルカメラ用部品も回復しました。精製部門は、エネルギー費を中心に溶剤再生コストの削減に取り組みました。

この結果、売上高は前年同期比149百万円減収の3,656百万円、営業利益は162百万円増益の188百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、法人税等の支払などがありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより7,994百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として研磨材事業や化学工業品事業における設備投資により、851百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、借入金の返済や配当金の支払などにより、2,515百万円の支出となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて4,597百万円増加の8,697百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

研磨材事業

14,810

37.2

化学工業品事業

10,261

5.0

繊維事業

6,308

△15.5

その他

1,392

8.8

合計

32,774

11.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

研磨材事業

15,023

42.4

1,112

18.9

化学工業品事業

9,935

△6.2

2,378

△12.1

その他

439

2.8

12

△23.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

研磨材事業

14,432

38.5

化学工業品事業

10,260

5.1

繊維事業

12,529

△11.3

その他

3,656

△3.9

合計

40,878

7.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。なお、長瀬産業㈱、住友商事ケミカル㈱の前連結会計年度は、重要性が乏しいため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

長瀬産業㈱

5,890

14.4

住友商事ケミカル㈱

4,249

10.4

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当フジボウグループは、一世紀を超える歴史の中で培った技術と経験を生かし、つねに時代が求める新しい技術・製品を提供することで先端産業を支え、人・社会・地球にとってより豊かな未来の創造に貢献し続けることを基本理念としております。IT関連の超精密加工用研磨材を主とした研磨材事業、医薬および機能化学合成製品等の中間体の受託生産を柱とした化学工業品事業、インナーウェアを中心とする製品に重点を置いた繊維事業などに積極的に経営資源を投入し、安定した収益体質の構築を目指しております。

また、健全な企業経営・会計慣行を維持し、透明性の高いキャッシュ・フロー経営を実践しております。

 

(2)目標とする経営指標

当フジボウグループは、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的として、利益目標(営業利益、当期純利益)およびROEを、また財務体質の強化を図るため自己資本比率を、それぞれ経営指標としております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当フジボウグループは、企業価値の向上に向けた取組みとして、当社グループのありたい姿「有機材料技術で未来を拓く、高付加価値創造企業」を長期ビジョンとして掲げ、これを実現するためのステップとして、平成18年度(2006年度)より、中期経営計画『変身06-10』(事業ポートフォリオの再構築)、『突破11-13』(成長軌道へのテイクオフ)、『邁進14-16』(本格的業容拡大)を策定し、実行してまいりました。前中期経営計画である『邁進14-16』では、研磨材事業、化学工業品事業での収益拡大と、繊維事業、その他の事業のスリム化・筋肉質化で「稼ぐ力」を向上させ、計画期間最終年度(2016年度)の目標として掲げました連結営業利益60億円を達成し、過去最高益を更新することができました。ROEにつきましても、2016年度目標の11%を上回る15.4%、過去5年間平均では12.7%となり、着実に企業価値拡大を進めております。

当フジボウグループは、この『邁進14-16』に引き続き、平成29年度(2017年度)から平成32年度(2020年度)までを計画期間とする中期経営計画『加速17-20』を策定し、平成29年4月よりこれを実行しております。本中期経営計画では、計画期間の前半2年を更なる拡大のための基盤創りを加速する「変革の加速」ステージ、後半2年は企業価値拡大を加速する「成長の加速」ステージと位置づけ、計画最終年度の2020年度の連結ベースの経営指標として、営業利益100億円、ROE15%以上を目標としております。この目標の達成、さらには平成38年度(2026年度)の新長期ビジョン(目標営業利益150億円)の達成に向けて、「利益重視に立脚した重点3事業の成長加速」を基本方針とし、①成長性の高い研磨材・化学工業品事業の積極的な拡大、②繊維事業の構造改革による収益力向上と反転攻勢および③成長加速に向けてのホールディングス機能の強化の3つの基本戦略をスピード感を持って実行してまいります。

主力事業として成長を続ける研磨材事業では、特定の研磨用途での需要変動の影響により、年度ごとの業績の振れ幅が大きいという課題に対処するため、「変革の加速」ステージで、海外を含む設備投資により新しい研磨工程・用途・領域への積極的な展開の基盤創りを行い、「成長の加速」ステージで持続的な事業拡大を進めてまいります。あわせて、売上高100億円規模に成長しました化学工業品事業の更なる拡大と、反転攻勢の体制を整えた繊維事業の収益力向上で、当社グループの企業価値拡大を「加速」させてまいります。

 

 

(株式会社の支配に関する基本方針について)

①当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社は、上場会社である以上、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきであると考えております。また、当社は、当社株式の大規模買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、受け入れる余地もあり得ると考えております。

しかし、株式の大規模買付の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。また、外部者である買収者が大規模買付を行う場合に、株主が最善の選択を行うためには、買収者の情報を把握したうえで、大規模買付が当社の企業価値や株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があり、そのような情報が明らかにされないまま大規模買付が行われると、当社の企業価値・株主共同の利益が害される可能性があります。

当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

②基本方針の実現に資する取組みの内容の概要

ア.企業価値向上のための取組み

当社は、企業価値の向上に向けた取組みとして、平成29年度(2017年度)を初年度とし平成32年度(2020年度)を最終年度とする、4か年の中期経営計画『加速17-20』を策定しております。本計画期間を、これまでの中期経営計画『変身06-10』(事業ポートフォリオの再構築)、『突破11-13』(成長軌道へのテイクオフ)、『邁進14-16』(本格的業容拡大)に引き続く、当社グループのありたい姿である「有機材料技術で未来を拓く、高付加価値創造企業」の実現に向けた、スピード感を持った事業推進により企業価値拡大を文字通り「加速」する期間と位置づけ、より一層の企業価値向上に取り組んでまいります。

本中期経営計画においては、重点3事業(研磨材事業、化学工業品事業、繊維事業)の成長加速を基本方針とし、①収益性の高い研磨材・化学工業品事業の積極的な拡大、②繊維事業の構造改革による収益力向上と反転攻勢、③成長加速に向けてのホールディングス機能の強化を推進し、ありたい姿の実現に向けて、各事業の成長を加速してまいります。

 

イ.コーポレート・ガバナンスについて

当社は、取締役8名中3名が、当社が独自に定める独立性基準を満たす社外取締役(独立社外取締役)であり、東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。そのため、独立社外取締役が取締役総数の3分の1以上を占め、独立性の高い取締役会により経営監督機能が発揮される体制となっております。また、各取締役の経営責任を明確にするため、当社の取締役の任期は1年間としております。

監査役会は、経営の公正性・健全性・透明性をより高めるため、社外監査役3名を含む4名の監査役で構成されており、社外監査役は、専門的かつ客観的、第三者的立場から監査しております。

 

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。本プランは、対抗措置の実施または不実施等が所定の期間内に最終的に決定されるまで、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け等(以下「大規模買付行為」といいます。)を行うことができないものとするものです。

本プランでは、大規模買付行為を行いまたは行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)に対し、大規模買付行為についての評価・検討等のために必要かつ十分な情報の提供を求めます。独立委員会(当社の定める独立性基準を満たす当社社外取締役または社外監査役の中から取締役会によって選定された委員3名以上により構成)は、大規模買付者および当社取締役会から提供された情報・資料等に基づき、大規模買付者の買付内容等の検討等を行い、当社取締役会に対し、対抗措置の実施または不実施等に関する勧告を行います。当社取締役会は、当該勧告を最大限尊重して、所要の措置を取ります。

本プランにおける対抗措置は、原則として新株予約権の無償割当てであり、対抗措置としての効果を勘案した新株予約権の行使条件および取得条項等を定めることがあります。

本プランの詳細につきましては、当社ホームページ(http://www.fujibo.co.jp/)上の平成29年5月12日付けプレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続のお知らせ」をご参照ください。

 

④上記②の取組みについての当社取締役会の判断

上記②の取組みの実施を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある当社株式の大規模買付は困難になるものと考えられます。

したがって、上記②の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

⑤上記③の取組みについての当社取締役会の判断
ア.買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しております。また、平成20年6月30日に企業価値研究会が発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の趣旨を踏まえた内容になっており、合理性を有するものであります。

 

イ.株主意思を重視するものであること

平成29年6月29日開催の定時株主総会において承認された本プランの有効期間は平成32年6月開催予定の定時株主総会の終結の時までであり、以後、その延長については、3年ごとの定時株主総会での承認を条件としており、当該承認を得られなかった場合には、本プランは速やかに廃止されます。

本プランは、大規模買付者が本プランに定められる手続を遵守する場合に対抗措置を実施するためには、独立委員会が、対抗措置実施の要件に明らかに該当すると認めるときを除き、必ず、対抗措置実施の是非についての株主意思確認総会を開催することとし、これによって、株主の意思を直接確認することとしております。

本プランは取締役会の決議によって廃止することができます。当社取締役の任期は1年間であり、有効期間中でも毎年の取締役選任手続を通じて本プランの継続、廃止または変更の是非の判断に当社株主の意思を反映させることができます。

 

 

ウ.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主のために本プランの運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。

独立委員会によって、当社取締役会が恣意的に本プランの運用を行うことのないよう、厳しく監視するとともに、同委員会の判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運用が行われる仕組みが確保されております。

 

エ.合理的な客観的実施要件の設定

本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ実施されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な実施を防止するための仕組みを確保しております。

 

オ.第三者専門家の意見の取得

独立委員会は、当社の費用で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者の助言を得ることができることとされております。これにより、独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとなっております。

 

カ.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、取締役会の決議により廃止することができ、当社の株券等を大量に買い付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会の決議により、本プランを廃止することが可能な仕組みとなっております。

したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、実施を阻止できない買収防衛策)ではなく、また、当社は期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その実施を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

以上のとおり、上記③の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断しております。

なお、当フジボウグループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 

(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

①海外進出によるリスク

当フジボウグループの主要事業である「B.V.D.」事業は、競争力のある製品作りとコスト削減による収益向上のため、タイ国他での生産を拡大し海外生産比率が8割を超えております。また、「B.V.D.」ブランドのインナーウエアを台湾、香港、中国にて販売しております。

車両輸出の売上はカリブ海諸国向けであり、各々の国において、予期しない政治及び経済体制の変化、テロ等社会的混乱などが生じた場合には、当フジボウグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

 

②為替相場の変動

当フジボウグループの主要事業である繊維事業においては、中国・タイ等で生産を行うなど、アジア地域における海外事業の拡大を図っており、為替リスクは日本サイドが負っております。また、研磨材事業においては、営業収入に占める輸出比率が高いことから、為替変動により価格が変動する可能性があります。

当フジボウグループは、為替リスクに対して為替予約及び外貨建輸出入取引のバランス調整等を行い、可能な限りリスクヘッジを図り、為替相場の短期的変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的変動により、計画された調達・製造・販売が実行できないなど、為替相場の変動は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

 

(2)重要な契約に伴うリスク

当フジボウグループの繊維事業における主力ブランド「B.V.D.」について、FTLジャパン㈱と、商標権の使用権、日本国内及び台湾・中国・香港等アジア地区における製造権及び独占的販売権の契約を締結しております。当社とFTLジャパン㈱は良好な協力関係にありますが、予期しない事態による契約の非更新は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

 

(3)特定製品・顧客への依存度

研磨材事業において重要な割合を占めるハードディスク、液晶ガラス、シリコンウエハー、CMP、一般工業用途の研磨材製品の需要は、主たる販売先となっているIT業界の景気状況の影響を受けるため、日本・北米・アジア・欧州等の主要市場におけるIT業界の景気停滞及びそれに伴う需要の減少が起こる場合は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

化学工業品事業及び化成品事業は、特定の顧客・製品への依存度が高く、受託先の動向、商品のライフサイクルの短さや景気状況の影響などに伴い、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を受ける可能性があります。

 

 

(4)知的財産に関するリスク

開発した新製品については基本的に特許を取得する方針ですが、特許等によりその製造方法が開示され、生産ノウハウが競合他社に漏洩する可能性があるもの等については、出願を控える場合があります。そのため、競合他社が当該特許を出願した場合、特許が受理される可能性があり、そのような事態に備え「先使用権による通常実施権」を主張できるよう努めておりますが、その解決に時間と費用を要することが予想されます。

また、独自の技術、ノウハウの全てを知的財産により完全に保護することは不可能と予測され、知的財産を使用して第三者が類似商品を製造すること等を効果的に防止できない可能性があります。その場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとともに、取引先との関係の悪化を招く可能性があります。

 

(5)法的規制

製品生産に対し規制される法律として、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法等があります。当フジボウグループとして規制値をクリアするため、対応装置等を設置しておりますが、今後これらの規制が強化された場合や他の物質が付加された場合、更なる設備投資が必要となり、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

また、当フジボウグループは個人情報取扱事業者に該当しており、個人情報保護法による規制を受けることとなります。個人情報保護については、法律の遵守だけでなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当フジボウグループは外部からの不正アクセス、ウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、当フジボウグループの信頼の失墜につながり、今後の営業活動に影響を及ぼす可能性があるとともに、事後対応等に関するコストが発生し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

 

(6)製造物責任

当フジボウグループは製造物責任賠償保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。大規模な製造物責任賠償につながるような品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、当フジボウグループの評価に重要な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当フジボウグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

 

(7)自然災害・停電などによる影響

当フジボウグループは、操業の中断による悪影響を最小限に抑えるため、定期的な防災点検及び設備保全を行っております。しかしながら、自然災害・停電などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はなく、操業に影響する事象が発生した場合には、当フジボウグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。

また、災害などによりサプライヤーまたはサブサプライヤーの操業がストップし、原材料または基礎原料の供給が途絶えた場合には、当フジボウグループの生産活動が阻害されることにより、業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術受入契約

 

契約会社名

相手先の名称

国名

契約品名

契約内容

契約期限

富士紡ホール
ディングス㈱
(当社)

FTLジャパン㈱

日本

ニット及び布帛製品
(B.V.D.商標)

1 商標権の使用権

2 日本国内・タイ・
台湾・中国・香港
・シンガポールにおける製造権及び独占的販売権

平成28年1月1日より
平成32年12月31日まで

 

(注) 上記契約については、売上高に基づきロイヤルティを支払っております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、研磨材事業等の分野で、製造・販売・研究一体体制の下、新規製品開発のための研究開発活動、製品品質の改良等を長期的視野にたって推進しております。

当連結会計年度は、研究開発費として814百万円投入しました。セグメント別に研究開発活動を示すと、次の通りであります。

 

(研磨材事業)

超精密加工用研磨材関連では、液晶ガラス、ハードディスク、シリコンウエハー、半導体デバイス等研磨材の開発を推進しております。

研究開発費の金額は、806百万円であります。

 

(その他)

化成品事業で、高機能射出成型技術の開発および高機能プラスチック部品の開発を推進しております。

研究開発費の金額は、8百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下の通りであります。

なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所存等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1)財政状態の分析

(資産)

流動資産は前連結会計年度末に比べて4,220百万円増加の23,355百万円となりました。これは、商品及び製品などたな卸資産が減少しましたが、現金及び預金などが増加したことによります。固定資産は前連結会計年度末に比べて33百万円減少の26,688百万円となりました。これは、主として投資有価証券の時価評価により投資その他の資産は増加しましたが、減価償却の実施などにより有形固定資産が減少したことによります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて4,186百万円増加の50,044百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は前連結会計年度末に比べて792百万円増加の12,392百万円となりました。これは、短期借入金などが減少しましたが、未払法人税等や設備投資に伴う負債などが増加したことによります。固定負債は前連結会計年度末に比べて309百万円減少の7,502百万円となりました。これは、主として長期借入金の返済によるものです。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて482百万円増加の19,895百万円となりました。

 

(純資産)

純資産合計は前連結会計年度末に比べて3,703百万円増加し、30,149百万円となりました。これは、剰余金の配当による減少が800百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が4,344百万円あったことなどによります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前年同期比2,760百万円(7.2%)増収の40,878百万円となり、営業利益は前年同期比3,191百万円(88.1%)増益の6,816百万円となりました。

売上高については、研磨材事業はシリコンウエハー用途および半導体デバイス用途(CMP)の需要が回復したことなどにより前年同期比4,013百万円(38.5%)増収、化学工業品事業は新工場稼働によって生産能力が増強されたことなどにより前年同期比494百万円(5.1%)増収、繊維事業は量販店・百貨店向けが低迷したことなどにより前年同期比1,597百万円(11.3%)減収、その他の事業は貿易部門で機械およびタイヤの輸出が減少したことなどにより前年同期比149百万円(3.9%)減収となりました。

また、営業利益については、研磨材事業および化学工業品事業は好調な需要を受け増益となりましたが、繊維事業においては百貨店向け商品を中心とした大幅な在庫削減による物流費の低減など総合的なコストダウンを進めましたが減益となりました。

営業外損益は、借入金の圧縮により支払利息が減少したことなどにより159百万円改善しました。

この結果、経常利益は前年同期比3,351百万円(90.0%)増益の7,076百万円となりました。これに、特別利益として固定資産売却益など合計5百万円、特別損失として固定資産処分損・減損損失など合計719百万円を計上し、法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1,329百万円(44.1%)増益の4,344百万円となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当フジボウグループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで前年同期比3,487百万円増加の7,994百万円のキャッシュを得ております。また、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期比373百万円増加し、851百万円のキャッシュを使用しております。財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期比159百万円減少し、2,515百万円のキャッシュを使用しております。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払1,528百万円等の支出があった一方、税金等調整前当期純利益6,362百万円、減価償却費2,015百万円等の収入があったことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得838百万円による支出があったことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として借入金の返済1,601百万円や配当金の支払798百万円の支出があったことによります。

この結果、期末の現金及び現金同等物は、前年同期比4,597百万円増加の8,697百万円となりました。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率

49.3%

51.0%

57.7%

60.2%

時価ベースの自己資本比率

70.8%

71.7%

55.9%

70.3%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

1.9

1.0

0.9

0.3

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

30.4

61.6

81.8

393.3

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。