第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期におけるわが国経済は、政府による経済対策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、企業収益の改善、雇用・所得環境の改善が進むなど緩やかな回復基調が続いたものの、年明け以降は円高・株安の影響から消費者マインドが弱含むなど、景気の弱さも見られる展開となった。また、欧州債務問題や中国を始めとする新興国経済の減速や資源価格の下落など海外動向に注意を要する状況が続いた。

繊維・アパレル業界においては、旺盛なインバウンド需要や高額商品の売上増加などもあり、消費増税で落ち込んだ前年の反動による回復傾向が見られたが、年明け以降の消費者マインドの低下や天候不順の影響などから一部で伸び悩みも見られる展開となった。

ショッピングセンター業界においては、家電量販店など大型小売店における訪日外国人向けの販売が好調で、消費増税で落ち込んだ前年に比較して回復基調で推移したが、暖冬による冬物衣料の売上不振や消費者マインドの低下の影響から年明け以降は伸び悩む展開となった。

ヘルスケア業界においては、健康ブームの高まりから引き続き底堅い需要はあるものの、寝装品関係では夏場の猛暑や暖冬の影響から、やや低調に推移した。

このような状況の中で、当社グループは、「中期経営計画 Beyond 120th~120周年を超えて未来へ~」に基づき、引き続き商業施設事業とヘルスケア事業については成長戦略への取り組みを強化する一方、繊維・アパレル事業については、中期経営計画を一部見直し構造改革諸施策に取り組んだ。

具体的には、繊維・アパレル事業においては、紳士服販売子会社の解散や素材・デザイン提案型OEM事業からの撤退を始めとする構造改革諸施策を完遂し、当該事業に従事する人員の削減など販売管理費を大幅に減少させる一方、紳士服のさよならセールが当初想定より上振れするなど同事業セグメント損益の赤字脱却に目途をつけた。ただし、期末に一部取引先に対する貸倒引当金などを積み増したことにより損益が下振れした。

商業施設事業においては、テレビ・ラジオなど各種媒体を通じた広告宣伝活動に一段と注力するとともに、地域の子育て世代をメインターゲットとしたファミリー参加型イベントへの取組を強化する一方、テナントの入れ替えや一部リニューアルも実施し、集客確保に努め、総じて堅調に推移した。ただし、大型のボーリング場テナントの一時休業やリニューアル工事期間の減収などによる損益面への影響があった。

ヘルスケア事業においては、同事業への人員シフトを行い、健康素材であるEウールやバイオ麻などの当社独自商品の拡販に努めるとともに、抗菌・消臭効果を付加したEウールや小型の温熱電位治療器などの新商品開発にも取り組んだ。ただし、人員シフトに伴う経費増や原材料費の高止まりなどが損益面に響く結果となった。

この結果、当期の業績については、売上高はヘルスケア事業とユニフォーム部門の増収があったものの、繊維・アパレル事業の構造改革に伴う減収が響き、54億7百万円(前期比8.9%減)となった。一方、人件費などの販売管理費削減効果もあり、営業利益は3億78百万円(前期は営業損失2億32百万円)、保有株式売却益の計上、シンジケートローン実行に伴う当初費用や借入金などの利息負担額を控除した経常利益は74百万円(前期は経常損失5億19百万円)となった。さらに、紳士服販売子会社の一部事業譲渡による特別利益64百万円の計上もあり親会社株主に帰属する当期純利益は1億24百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失6億44百万円)と前期比増益の黒字決算となり、損益面では、第1四半期以降の毎四半期累計期間において各段階で前期比増益の黒字を計上することができた。

 

セグメントの業績は、次のとおりである。

 

(繊維・アパレル事業)

衣料部門については、紳士服販売事業と素材・デザイン提案型OEM事業からの撤退により、売上高は前期を大幅に下回った。ユニフォーム部門については、民需ユニフォームの大口受注などの効果により、売上高は前期を上回った。営業損益については、繊維・アパレル事業の構造改革に伴い販売管理費が前期を大幅に下回りセグメント営業損益の赤字脱却に目途を付けたものの、期末に約50百万円の貸倒引当金などを積み増した。

この結果、当期において、繊維・アパレル事業の売上高は22億37百万円(前期比18.0%減)、営業損失は49百万円(前期比6億61百万円改善)となった。

 

(商業施設事業)

商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、各種広告宣伝活動や夏場および年末商戦でのイベントなど集客確保に努めた結果、食品部門や家電量販部門を中心に総じて堅調に推移し、営業利益率は前期比改善したものの、ボーリング場テナントの一時休業やリニューアル工事期間の減収が響き、売上高、営業損益とも前期を下回った。

この結果、商業施設事業の売上高は23億24百万円(前期比3.1%減)、営業利益は8億83百万円(前期比1.0%減)となった。

(注)第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの名称を従来の「不動産事業」から「商業施設事業」に変更している。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はない。

(ヘルスケア事業)

健康ビジネス部門については、前期に新規投入した高額のEウールキャメルシリーズの販売が低迷したものの、バイオ麻関連の春夏物寝具や家庭用温熱電位治療器が順調に売上を伸ばしたことから、売上高は前期を上回った。

一般寝装品部門については、業務用寝装品の受注が引続き順調であったことから、売上高は前期を上回った。ただし、原材料費の高止まりや人員増強に伴う経費増を吸収できず、営業損益は前期を下回った。

この結果、ヘルスケア事業の売上高は8億45百万円(前期比4.3%増)、営業損失10百万円(前期は営業利益35百万円)となった。

(注) 1  上記のセグメントの業績に記載している営業利益は、セグメント間の内部取引を含んだ金額を記載している。

2  当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、「1  業績等の概要」に記載した金額には、消費税等は含まれていない。

3  記載している見通し等将来についての事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、予想しえない経済環境の変化等様々な要因があるため、その結果について当社グループが保証するものではない。

 

(2) キャッシュ・フロー

当期末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローで2億29百万円のマイナス(前期は92百万円のプラス)、投資活動によるキャッシュ・フローで50百万円のプラス(前期は1億27百万円のマイナス)、財務活動によるキャッシュ・フローで52百万円のマイナス(前期は27百万円のマイナス)となった。

これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は6億87百万円(前期比25.3%減)となり、前期末に比べ2億32百万円減少した。

当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億29百万円のマイナス(前期は92百万円のプラス)となった。主な要因は、返品調整引当金の減少3億61百万円、売上債権の減少5億22百万円、たな卸資産の減少1億82百万円、仕入債務の減少4億98百万円、預り保証金の減少2億93百万円である。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、50百万円のプラス(前期は1億27百万円のマイナス)となった。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出94百万円、投資有価証券の売却による収入49百万円、事業譲渡による収入64百万円、出資金の売却による収入26百万円である。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、52百万円のマイナス(前期は27百万円のマイナス)となった。主な要因は、長期借入れによる収入21億40百万円、長期借入金の返済による支出26億31百万円、社債の発行による収入6億50百万円、社債の償還による支出1億84百万円、リース債務の返済による支出26百万円である。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1  業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示している。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 今後のわが国経済の動向については、雇用・所得環境の改善が進むことで引き続き緩やかな回復基調を維持するものと思われる。ただし、資源安や為替水準が円高傾向となっていることに加え、政府・日銀の経済・金融政策の効果が出るまでにさらなる時間を要する見通しであることなど不透明要素が高まっていることに加え、中国を始めとする新興国経済や欧州経済の動向、米国大統領選の行方にも注意を要する状況であり、景気の下押しリスクに注意が必要な環境が続くと思われる。

当社グループは、平成22年3月期(第190期)において、紳士服販売子会社の不振が損益面に強く影響を与えたことなどにより、連続して営業損失および当期純損失を計上するとともに、「サントムーン柿田川」の第2期開発および第3期開発資金や紳士服販売子会社の赤字運転資金などの負担から、有利子負債額が高水準となっていた。当該状況の改善は進めているものの、その解消には至っておらず、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。

この状況に対処すべく、当社グループは、平成23年3月期(第191期)から平成25年3月期(第193期)までの3年間にわたり「中期経営計画2010~KAIKAKU~」に基づく諸施策への取り組みを進め、計画の柱である「事業構造の改革」と「コスト構造の改革」をほぼ計画通りに達成した。また、損益面では2期連続で親会社株主に帰属する当期純利益を確保するとともに、財務面では「有利子負債の圧縮」について計画を上回る水準での圧縮を行うなど、損益面・財務面での改善を行った。

平成26年3月期(第194期)からは、「中期経営計画 Beyond 120th~120周年を超えて未来へ~」をスタートさせ、成長戦略への取り組みを中心に、当社グループの永続的発展の基盤作りに取り組んできた。

かかる中、当期においては、急激な円安の進行と消費増税後の市況低迷の長期化を踏まえ、懸案の紳士服販売事業からの撤退などを柱とする繊維・アパレル事業の構造改革に取り組むこととした。

具体的には、収益力増強のための「成長戦略」として、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」の増強に努めるとともに、当社独自技術を背景とした健康素材を活用したヘルスケア商品の拡販などヘルスケア事業の強化に取り組んできた。

一方、繊維・アパレル事業においては、中期経営計画を一部見直し抜本的な構造改革を行うこととし、以下の諸施策に取り組み、当期中にその全項目を実行し、繊維・アパレル事業の構造改革を成し遂げることが出来た。

①紳士服販売子会社の解散および特別清算の実施

②素材・デザイン提案型OEM事業からの撤退

③繊維・アパレル事業に従事する人員の削減

④繊維・アパレル事業に係る販売管理費の削減

⑤繊維・アパレル事業における仕入構造の改革

⑥繊維・アパレル事業の人材戦略の見直し

この結果、当期においては、第1四半期以降の毎四半期累計期間において黒字を確保することができた。さらに、当期の業績予想を期中に上方へ修正したうえで、当期決算において修正後の業績予想を上回る営業利益を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益においては9期ぶりとなる水準の黒字を確保することができた。また、有利子負債の圧縮についても計画を上回る圧縮ができた。

今後については、新たに平成29年3月期(第197期)から平成30年3月期(第198期)までの2年間の中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」をスタートさせる。

中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」では、経済動向の先行きが不透明なことを勘案し、2年間の短期集中型の計画とし、財務体質の強化に着手するとともに、プロパー事業の強固な基盤作りと利益の底上げを最優先課題に取り組み、株価向上も十分に意識して経営を進める。

具体的な課題は以下の通りである。

対処すべき課題の1点目は、商業施設事業において、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることである。そのため、施設のアトラクティブネスを一段と高めることとし、強みであるファミリー層の誘致を強化することなどに取り組む。

対処すべき課題の2点目は、ヘルスケア事業において、健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進することである。このため、良質な睡眠をキーとしたトータルヘルスケアへの取組み、国内グループ工場活用によるJapanクオリティの訴求などにより、アライアンスを含めた取引先との共通プラットフォームやビジョンの共有に取り組む。

対処すべき課題の3点目は、繊維・アパレル事業において、構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めることである。このため、祖業である毛織物関連の事業分野(官需ユニフォーム・ニット等)を守るべき事業と位置付けて強化するとともに、エンドユーザーを意識した「売れる商品作り営業」への転換を進める。

対処すべき課題の4点目は、財務面において財務体質の強化を進めることである。このため、長期安定資金の調達を進めるとともに、各種財務目標を設定し会社として強い決意で推進する。また、有利子負債について継続して余剰営業キャッシュフローにより圧縮を進める。

対処すべき課題の5点目は、コーポレートガバナンスコードに沿った経営推進である。このため、株主を始めとするステークホルダーの立場を踏まえて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うともに、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための自律的な対応を推進する。

対処すべき課題の6点目は、人材戦略において、HRミッションへの取組みを進め、当社事業ひいては社会に貢献できる人材を育成することである。このため、若手や女性戦力の抜擢や経営人材の育成に取り組む。

以上により、当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を完遂し、企業価値の一層の向上に邁進する所存である。

 

(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

① 基本方針の内容の概要

当社は、公開会社である当社の株券等については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株券等に対する大量買付行為(下記③ロで定義される。以下同じである。)があった場合、これに応じるか否かの判断は、最終的には当社の株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えている。

しかしながら、近時わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為を強行する動きが見受けられる。こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益に資さないものも想定される。

当社としては、このような当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の向上に資さない大量買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えており、このような者が現れた場合には、必要かつ相当な対抗手段を講じることが必要であると考えている。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社取締役会は、下記の取組みは、下記イ記載の当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に向上するべく十分に検討されたものであることから、上記の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。

イ.当社の企業価値の源泉について

当社は、日本で最初の毛織会社として、三井家始め東京の財界有力者による出資を得て明治29年(1896年)2月に設立された。爾来、明治から昭和初期にかけて日本経済成長の牽引車となった繊維業界の主要企業の一つとして、経済・社会の発展に永年に渡り貢献してきた。毛織物の一貫生産体制を早くに確立したことから、官需・民需ユニフォーム事業にも強みを発揮し、警察・消防ほか諸官庁向け制服や前回の東京オリンピック関連ユニフォームなど数々の実績を挙げた。また、昭和40年代には、紳士スーツの量産体制を整え、米国有力ブランドとも提携するなど、アパレル業界の発展にも広く関わってきた。さらに、平成に入り、中国の有力企業集団である杉杉集団と合弁で紳士スーツ製造工場を設立するなど中国での繊維事業に進出し、また、平成20年にはニット事業に強みを有した株式会社コスモエイの提案型OEM事業を譲り受け、新たにニット企画営業にも乗り出した。特に、今後の繊維アパレル事業を支えていくことを期待している事業である「ユニフォーム事業」「生産管理型OEM事業」「ニット企画営業」は、こうした歴史の中で育んできた事業群である。なお、その後の国内繊維産業の低迷を背景に、平成14年に当社最大の国内紡績工場であった鈴鹿工場を閉鎖するなど、必要に応じて、リストラ策についても断行してきた。

一方、国内繊維産業の低迷が長引く中、静岡県駿東郡において当社の三島工場跡地を利用した地域密着型の大型商業施設「サントムーン柿田川」の開発に乗り出し、現在では、商業施設事業を当社の収益の源泉たる主力事業となるまでに育成してきている。

また、昭和55年に鈴鹿工場内で寝具製造事業をスタートさせ、平成2年から平成3年にかけて寝装品販売子会社設立、新潟県十日町市に寝装品製造子会社設立など新しい事業展開に取り組み、製版一体事業として長年にわたり取り組んできた。その後、平成26年には、高齢化社会の到来を睨み、寝装事業をさらに発展させ、今後の成長が期待できる「健康素材・健康医療機器・健康食品」の3分野を中心としたヘルスケア事業本部を新設している。

当社は、平成28年4月からスタートさせる中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づく経営戦略を進めることとしており、約120年の歴史に裏打ちされた実績および将来に向けた新たな視点に基づき、長期持続的かつ安定的な成長を目指していく所存である。

新たな中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」では、財務体質の強化に着手するとともに、プロパー事業の強固な基盤作りと利益の底上げを最優先課題に取り組み、株価向上も十分に意識して経営を進めていく。

商業施設事業においては、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることを基本戦略とする。ヘルスケア事業においては、健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進することを基本戦略とする。また、繊維・アパレル事業においては、構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めることを基本戦略とする。

当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を完遂し、企業価値の一層の向上に邁進する所存である。

こうした歴史と実績をもとに、長年にわたり信頼関係を構築したお取引様各位と経験豊かで専門的技量を有する当社グループ社員一同が一丸となって当社の事業を育んでいくことが当社の企業価値の源泉であり、これら企業価値の源泉を理解し運営することにより、会社の利益ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことが可能になると考えている。

ロ.コーポレート・ガバナンスの状況について

コーポレート・ガバナンスに関する取組みについては、下記「第4 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載している。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要

イ.企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現

当社は、大量買付行為が行われた場合、当該大量買付行為が当社の企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資するものであるか否か、株主の皆様に適切にご判断いただき、当社株券等の大量買付行為に関する提案に応じるか否かを決定していただくためには、大量買付者(下記ロで定義される。以下同じ。)および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えている。また、当社取締役会は、当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上の観点から大量買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大量買付行為の条件・方法について、大量買付者と交渉するとともに、株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要もあると考えているので、そのために必要な時間も十分に確保されるべきである。

当社は、このような考え方にたち、平成27年5月19日開催の取締役会において、当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」という。)の導入を決定し、平成27年6月25日開催の当社第195回定時株主総会にて、本プランの導入は株主の皆様により承認、可決された。本プランは、大量買付者に対し、本プランの遵守を求めるとともに、大量買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めている。

ロ.本プランの対象となる行為

本プランの対象となる行為は、概ね、当社の株券等の20%以上の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為(以下「大量買付行為」という。)であり、本プランは大量買付行為が行われる場合に、大量買付行為を行い又は行おうとする者(以下「大量買付者」という。)に対し、事前に株主の皆様及び当社取締役会による当該大量買付行為の内容の検討に必要な情報の提供を求め、かつ、株主の皆様及び当社取締役会による大量買付行為についての情報の収集及び検討のために必要な一定の期間を確保したうえで、必要に応じて、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件・方法について交渉し、また、当社取締役会として、株主の皆様に代替案を提示するなどの対応を行うための手続きを定めている。

ハ.対抗措置の概要

本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うに当たり、所定の手続きに従うことを要請するとともに、かかる手続きに従わない場合や、かかる手続きに従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものである。

本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」という。)には、①大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、②当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されている。

本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性がある。

ニ.独立委員会の設置

本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、並びに、本プランに定めるルールが遵守された場合に当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を確保しまたは向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行うが、その判断の合理性および公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。独立委員会の委員は、3名以上5名以下とし、社外取締役、社外監査役、弁護士、税理士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者および他社の取締役または執行役として経験のある社外者等の中から当社取締役会が選任するものとする。

ホ.情報開示

当社は、本プランに基づく手続きを進めるに当たって、大量買付行為があった事実、大量買付者から大量買付行為の内容の検討に必要な情報が提供された事実、独立委員会の判断の概要、対抗措置の発動・不発動の決定の概要、対抗措置の発動に関する事項その他の事項について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行う。

 

④ 本プランの合理性(本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由)

当社取締役会は、以下の理由により、本プランが、上記①の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。

イ.買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること

ロ.企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されていること

ハ.株主意思を重視するものであること

ニ.独立性の高い社外者の判断を重視していること

ホ.合理的な客観的要件を設定していること

ヘ.独立した地位にある第三者専門家の助言を取得できること

ト.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

なお、買収防衛策の詳細については、当社のホームページ(http://www.daitobo.co.jp/)を参照。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 特定収益事業の特定地域集中について

当社グループの主力収益事業である商業施設事業のショッピングセンター等の商業施設が静岡県駿東郡清水町(三島地区)に集中している。

現在、予想されている東海地震が発生した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。

 

(2) 固定資産の賃貸契約について

当社グループの主力収益事業である商業施設事業においては、ショッピングセンター等の商業施設に関して賃貸借契約を締結している。今後、諸般の事情により契約が解除された場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。

 

(3) 有利子負債について

当社グループにおいては、商業施設「サントムーン柿田川」第2期および第3期開発の実施等により当期末の有利子負債残高は91億35百万円である。今後、市場の金利が上昇した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。

 

(4) 重要事象等について

 

回次

第193期

第194期

第195期

第196期

決算年月

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

平成28年3月

売上高

(千円)

8,179,708

7,548,836

5,937,473

5,407,011

営業損益(△は損失)

(千円)

373,444

377,283

△232,610

378,801

親会社株主に帰属する当期純損益(△は損失)

(千円)

15,410

27,966

△644,117

124,831

総資産額

(千円)

22,054,350

20,778,686

20,405,300

18,996,244

有利子負債額

(千円)

9,723,042

9,324,225

9,250,506

9,135,017

 

 

当社グループは、平成22年3月期(第190期)において、紳士服販売子会社の不振が損益面に強く影響を与えたことなどにより、連続して営業損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上するとともに、「サントムーン柿田川」第2期および第3期開発資金および紳士服販売子会社の赤字運転資金などの負担から、有利子負債額が高水準となっていた。当該状況の改善を進めているものの、その解消には至っておらず、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。

ただし、「3  対処すべき課題」および「7  財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5) 」に記載のとおり、当該状況を解消し改善するための施策を講じていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。

 

5 【経営上の重要な契約等】

固定資産の賃貸借契約

平成9年4月に完成・オープンしている三島市郊外のショッピングセンター「サントムーン柿田川」に関して、㈱エンチョーとの間に「土地建物賃貸借契約書」を締結している。

 

6 【研究開発活動】

該当事項なし。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想しえない経済環境の変化等様々な要因があるため、その結果について当社グループが保証するものではない。

(1) 重要な会計方針及び会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の会計上の見積りを必要とする。

当社は、会計上の見積りについて、過去の実績、現在の状況等を勘案し合理的かつ慎重に判断している。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら会計上の見積りと異なる場合がある。また、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているが、特に以下の事項は経営者による会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えている。

①  貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合には、追加引当が必要となる可能性がある。

②  投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持等のために特定の顧客及び金融機関に対する株式を所有しており、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資の減損を計上している。将来の市況悪化や投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合には、評価損の計上が必要となる可能性がある。

 

(2) 財政状態の分析

①  資産

当期末における総資産の残高は189億96百万円(前期末は204億5百万円)となり、前期末に比べ14億9百万円減少した。主な要因は、現金及び預金の減少2億32百万円、受取手形及び売掛金の減少5億11百万円、たな卸資産の減少1億82百万円、有形固定資産の減少3億23百万円である。

②  負債

当期末における負債の残高は146億95百万円(前期末は162億54百万円)となり、前期末に比べ15億58百万円減少した。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少4億88百万円、返品調整引当金の減少3億61百万円、長期借入金の減少5億88百万円である。

③  純資産

当期末における純資産の残高は43億円(前期末は41億50百万円)となり、前期末に比べ1億49百万円増加した。主な要因は、利益剰余金の増加1億24百万円、その他有価証券評価差額金の減少64百万円、土地再評価差額金の増加1億21百万円、為替換算調整勘定の減少32百万円である。

 

(3) 経営成績の分析

①  売上高

当期における売上高は、54億7百万円となり、5億30百万円(前期比8.9%減)減少した。主な要因は、民需ユニフォームの大口受注があったユニフォーム部門やバイオ麻関連の春夏物寝具、家庭用温熱電位治療器および業務用寝装品が順調なヘルスケア事業が好調だったものの、繊維・アパレル事業の構造改革に伴い紳士服販売事業と素材・デザイン提案型OEM事業から撤退したことによるものである。

 

②  売上原価、販売費及び一般管理費

当期における売上原価は、41億円となり、5億60百万円(前期比12.0%減)減少したものの、売上高に対する比率は、前期78.5%から当期75.8%と2.7ポイント改善した。販売費及び一般管理費は、9億27百万円となり、5億81百万円(前期比38.5%減)減少した。主な要因は、売上原価は前期に実施した紳士服販売事業とODM布帛事業撤退に伴う引当金などの積み増しが当期はなかったことによるものである。また、販売費及び一般管理費は繊維・アパレル事業の構造改革を実施したことによるものである。

③  営業損益

当期における営業損益は、3億78百万円の営業利益となり、6億11百万円(前期は営業損失2億32百万円)増加した。これは、繊維・アパレル事業の構造改革に伴い売上原価率が改善したこと及び販売管理費が減少したことによるものである。

④  営業外損益

当期における営業外収益は、84百万円となり、64百万円(前期比325.3%増)増加した。営業外費用は、3億88百万円となり、81百万円(前期比26.6%増)増加した。この結果、営業外損益の純額は3億4百万円のマイナスとなり、前期に比べ16百万円悪化した。主な要因は、投資有価証券売却益や出資金売却益により営業外収益が増加したものの、シンジケートローン手数料により営業外費用も増加したことによるものである。

⑤  税金等調整前当期純損益

当期における税金等調整前当期純損益は、税金等調整前当期純利益1億39百万円となり、7億54百万円(前期は税金等調整前当期純損失6億15百万円)増加した。これは、営業外損益が16百万円悪化したものの、営業損益が6億11百万円増加したこと、紳士服販売子会社の一部事業譲渡による特別利益64百万円を計上したこと及び前期に計上があった特別損失が当期はゼロとなったことによるものである。

⑥  親会社株主に帰属する当期純損益

当期における親会社株主に帰属する当期純損益は、親会社株主に帰属する当期純利益1億24百万円となり、7億68百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失6億44百万円)増加した。これは、上記のとおり税金等調整前当期純損益が7億54百万円増加したことによるものである。

 

(4) 資金に係る情報

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、2億29百万円のマイナス(前期は92百万円のプラス)となった。主な内容は、返品調整引当金の減少3億61百万円、売上債権の減少5億22百万円、たな卸資産の減少1億82百万円、仕入債務の減少4億98百万円、預り保証金の減少2億93百万円によるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、50百万円のプラス(前期は1億27百万円のマイナス)となった。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出94百万円、投資有価証券の売却による収入49百万円、事業譲渡による収入64百万円、出資金の売却による収入26百万円によるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、52百万円のマイナス(前期は27百万円のマイナス)となった。主な内容は、長期借入れによる収入21億40百万円、長期借入金の返済による支出26億31百万円、社債の発行による収入6億50百万円、社債の償還による支出1億84百万円、リース債務の返済による支出26百万円によるものである。

これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は6億87百万円(前期比25.3%減)となり、前期末に比べ2億32百万円減少した。

 

(5) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び解消、改善するための対応策

当社グループは、「4 事業等のリスク (4) 重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。

この状況に対処すべく、当社グループは、平成23年3月期(第191期)から平成25年3月期(第193期)までの3年間にわたり「中期経営計画2010~KAIKAKU~」に基づく諸施策への取り組みを進め、計画の柱である「事業構造の改革」と「コスト構造の改革」をほぼ計画通りに達成した。また、損益面では2期連続で親会社株主に帰属する当期純利益を確保するとともに、財務面では「有利子負債の圧縮」について計画を上回る水準での圧縮を行うなど、損益面・財務面での改善を行った。

平成26年3月期(第194期)からは、「中期経営計画 Beyond 120th~120周年を超えて未来へ~」をスタートさせ、成長戦略への取り組みを中心に、当社グループの永続的発展の基盤作りに取り組んできた。

かかる中、当期においては、急激な円安の進行と消費増税後の市況低迷の長期化を踏まえ、懸案の紳士服販売事業からの撤退などを柱とする繊維・アパレル事業の構造改革に取り組むこととした。

具体的には、収益力増強のための「成長戦略」として、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」の増強に努めるとともに、当社独自技術を背景とした健康素材を活用したヘルスケア商品の拡販などヘルスケア事業の強化に取り組んできた。

一方、繊維・アパレル事業においては、中期経営計画を一部見直し抜本的な構造改革を行うこととし、以下の諸施策に取り組み、当期中にその全項目を実行し、繊維・アパレル事業の構造改革を成し遂げることが出来た。

当社グループとしては、引き続き「中期経営計画 Beyond 120th~120周年を超えて未来へ~」を推進することで、平成28年3月期(第196期)においても損益面・財務面の改善を進め、計画通り連結当期純利益を確保するとともに、引き続き余剰営業資金により「有利子負債の圧縮」を図る計画であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。