当期におけるわが国経済は、きわめて緩和的な金融環境と政府による大型経済対策の効果を背景に、雇用・所得環境が着実に改善するなかで個人消費が底堅く推移するなど、緩やかな成長が続いた。
事業環境については、緩やかな改善基調となった分野もあったものの、訪日外国人消費の失速や天候不順の影響から、高額品や季節性の衣料・寝具関係などで厳しい分野もあった。
こうした中で、当社グループは、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づき、「財務体質の強化」「プロパー事業の強固な基盤作り」「利益の底上げ」を最優先課題として取り組んだ。
「財務体質の強化」では、平成28年度第1四半期において既存借入金の全額をシンジケートローンで借り換えたことにより長期安定資金を確保するとともに支払利息負担も軽減できたことなどにより、中期経営計画最終年度の目標としている財務諸目標を着実に達成しつつある。
「プロパー事業の強固な基盤作り」では、商業施設事業において、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において適宜必要なリニューアル投資に取り組むとともに、キッズ向けを中心とした各種販促イベントを強化し集客力増強に取り組んだ。ヘルスケア事業においては、Eコマース事業の取扱開始や、当社独自技術を活用したEウール、家庭用温熱電位治療器などのヘルスケア商品の営業力強化に取り組んだ。繊維・アパレル事業においては、繊維・アパレル事業の構造改革実施後の事業再構築を進め、経費削減や採算性向上に引き続き努めた。さらに、平成29年2月には、アライアンス強化の観点から、商業施設事業とヘルスケア事業のそれぞれにおいて当社の重要取引先との間で資本業務提携を実施し、各事業における強固な基盤作りを進めた。
「利益の底上げ」では、前期に実施した「繊維・アパレル事業の構造改革」により売上高は前期比減少となったものの、損益面では経費削減や採算性向上の効果により着実に利益の底上げを進めることができた。
この結果、当期の業績については、前期に実施した「繊維・アパレル事業の構造改革」による売上高の減少が響き、売上高は47億1百万円 (前期比13.0%減)となったものの、粗利率の改善効果や販売管理費の削減効果などにより営業利益は4億17百万円(前期比10.1%増)、経常利益はシンジケートローン実行に伴う当初費用の負担増があったものの、金利負担の削減もあり2億67百万円(前期比257.8%増)となった。これに、特別損益として、シンジケートローン実行に係る借入金の中途解約損失や中国の縫製事業からの完全撤退に伴う特別損失、中国における商業施設事業の持分譲渡に伴う特別利益などを計上し、さらに繰延税金資産の計上などを加味して法人税等の負担を考慮した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億56百万円(前期比25.0%増)となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、ヒット作に恵まれた映画館に加え、テレビ・ラジオなど各種媒体を通じた広告宣伝活動やキッズ向けイベントなどに注力し集客確保に努めた。また、中核テナントの一つである生鮮館のリニューアルに取り組むなど適宜必要な設備投資も実施し競争力の維持向上に取り組んだ結果、売上高は前期を上回った。
この結果、商業施設事業の売上高は23億36百万円(前期比0.5%増)、減価償却費減少などによる粗利率改善効果もあり営業利益は9億48百万円(前期比7.4%増)となった。
健康ビジネス部門については、Eウール毛布シリーズが順調に売上を伸ばしたものの、その他の健康寝具関係での対前年の反動減が響き、売上高は前期を下回った。一般寝装品部門については、訪日需要に伴う業務用寝装品の受注獲得などにより、売上高は前期を上回った。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は8億28百万円(前期比2.0%減)、原材料費の高止まりによる粗利率の減少や労務費の増加もあり、営業損失は37百万円(前期は営業損失10百万円)となった。
衣料部門については、前期に実施した「繊維・アパレル事業の構造改革」に伴う売上高の減少や、暖冬の影響から秋冬物の売上が伸び悩んだことから、売上高は前期を下回った。
ユニフォーム部門については、前期大口受注のあった民需ユニフォームの反動減に加え、秋冬の官公庁関係の受注落ち込みがあり、売上高は前期を下回った。
この結果、繊維・アパレル事業の売上高は15億37百万円(前期比31.3%減)と減収になったものの、構造改革による粗利率の改善と販売管理費の削減効果が大きく、営業利益11百万円(前期は営業損失49百万円)と通期では10期ぶりの黒字転換となった。
(注) 1 上記のセグメントの業績に記載している営業利益は、セグメント間の内部取引を含んだ金額を記載している。
2 当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、「1 業績等の概要」に記載した金額には、消費税等は含まれていない。
3 記載している見通し等将来についての事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、予想しえない経済環境の変化等様々な要因があるため、その結果について当社グループが保証するものではない。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5億28百万円のプラス(前期は2億29百万円のマイナス)となった。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上1億48百万円、減価償却費4億5百万円、預り保証金の減少1億73百万円である。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億43百万円のプラス(前期比583.9%増)となった。主な要因は、定期預金の払戻による収入80百万円、出資金の売却による収入2億62百万円である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億9百万円のプラス(前期は52百万円のマイナス)となった。主な要因は、短期借入金の純減少額5億40百万円、長期借入れによる収入94億円、長期借入金の返済による支出73億77百万円、社債の償還による支出8億65百万円、建設協力金の返済による支出4億円である。
これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は16億68百万円(前期比142.8%増)となり、前期末に比べ9億81百万円増加した。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示している。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「進取の精神」すなわち自ら進んで新しいことを取り込み変化に柔軟に対応する精神と「自利利他の心」すなわち世の為人のために尽くす社会貢献の心を経営理念として掲げて全役職員が共有し、企業価値の向上に邁進することとしている。
当社は、毛織物を祖業として大切に守りつつ、新しい事業環境にも積極的に適応して変化することで、120年以上の歴史を切り拓いてきた。今後とも、当社のビジョンである「お客様に喜ばれる製品・サービスを創造する」「強みを活かして独自性を発揮する」ことに傾注していく。
また、コーポレートガバナンスコードに沿って、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行い当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組むことで、株主はじめステークホルダーの皆様および社会に対して貢献できる企業として成長していく。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、利益率の高い企業への転換を推し進めているので、経常利益率やROE、さらに財務面を強化する観点から、流動比率や自己資本比率を目標とする経営指標と定めている。
平成28年4月からスタートした中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」においては、平成30年3月期の財務目標として、「経常利益率5%以上」「ROE5%以上」「流動比率120%以上」「自己資本比率25%以上」を掲げている。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、平成28年4月から中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」をスタートさせ、3つの主要事業ごとに構築した事業戦略を完遂するとともに、財務戦略、人事戦略、コーポレートガバナンスコードに沿った運営など経営管理面の課題をクリアしていく所存である。
(4) 会社の対処すべき課題
今後のわが国経済の動向については、きわめて緩和的な金融環境と政府の経済対策および2020年東京オリンピックに向けた堅調な設備投資動向に加え、雇用・所得環境の改善が進む見込みであることなどから引き続き緩やかな回復基調を維持するものと思われる。ただし、中国や欧州経済の動向、朝鮮半島動向、為替動向など不確実な海外要因については引き続き十分な注意が必要と考えられる。
こうした環境下、当社は中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づき、「財務体質の強化」「プロパー事業の強固な基盤作り」と「利益の底上げ」を最優先課題として取り組み着実に成果を挙げつつある。さらに、昨今の業績の回復状況や今後の見通しを踏まえ、当社株式の魅力を高め、より多くの皆様に中長期的に保有していただけることを目的として株主優待制度を導入した。
かかる中、次期においては、順調な商業施設事業に支えられ引き続き安定的な黒字基調で推移する見通しであることから前期比増収増益の計画となるものの、昨今の事業環境を踏まえ、想定に比べて伸び悩んでいる繊維・アパレル事業とヘルスケア事業の売上高を保守的に見積もることが妥当と判断し中期経営計画を下方修正することとした。
現中期経営計画の修正について
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
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現中期経営計画(当初) |
(百万円) |
5,210 |
480 |
360 |
290 |
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見直し後修正計画 |
(百万円) |
4,800 |
420 |
290 |
240 |
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現中期経営計画比 |
(百万円) |
△410 |
△60 |
△70 |
△50 |
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前期比 |
(百万円) |
99 |
3 |
23 |
84 |
なお、中期経営計画の財務目標(①経常利益率5%以上、②ROE5%以上、③流動比率120%以上、④自己資本比率25%以上)は、引き続き達成出来る見通しに変わりなく修正はない。
以上を踏まえ、当社グループの対処すべき課題は以下のとおりである。
・財務体質の強化
シンジケートローンにより長期安定資金を調達したことや最終黒字が定着してきていることなどを主因に、財務体質は概ね計画に沿って改善してきている。今後とも財務戦略に則り、各種財務目標の達成に向けて取り組んでいく。
・商業施設事業
静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることが課題である。そのため、平成29年2月にスタートさせた株式会社シードとの資本業務提携を軸に、次期中期経営計画を睨みつつ、「サントムーン柿田川」の追加開発の検討など新たなステージで商業施設事業を一段と成長させていきたいと考えている。
・ヘルスケア事業
当社の事業戦略である「健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進する」との方針に則り、平成29年2月に100年以上の業歴を有する医療機器メーカーである伊藤超短波株式会社と資本業務提携をスタートさせた。今後は、資本業務提携を軸に据えて、ペット関連のヘルスケアや医療機器分野への本格的参画など、次期中期経営計画を睨んだ新しいヘルスケア事業分野の開拓も推進していきたいと考えている。また、当社の強みである国内グループ工場活用によるJapanクオリティの訴求や当社技術を基にしたEウールなどの機能性素材を一層活用して取り組んでいく考えである。
・繊維・アパレル事業
構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めており、構造改革に伴う経費削減効果により10期ぶりのセグメント営業損益の黒字化を達成した。今後は、祖業の毛織物に由来するニット事業やユニフォーム事業での売上高伸長に向け営業力強化を進めるとともに、引き続き経費を抑制し利益率を維持向上させるべく取り組む考えである。
・コーポレートガバナンスコードに沿った経営推進
株主を始めとするステークホルダーの立場を踏まえて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うとともに、当社の持続的な成長と中期的な企業価値向上のための自律的な対応を推進する。当社は平成28年6月に監査等委員会設置会社に移行しており、そのチェック機能を十分に活かした経営推進を行う考えである。
・人材戦略
HRミッション(社会的人材の育成に対する企業の使命)への取り組みを進め、当社事業ひいては社会に貢献できる人材を育成する考えであり、特に若手や女性戦力の活用や経営人材の育成に関する取り組みを強化する。
以上のとおり、当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を推進し、企業価値の一層の向上に邁進する所存である。
(5) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
① 基本方針の内容の概要
当社は、公開会社である当社の株券等については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株券等に対する大量買付行為(下記③イで定義される。以下同じである。)があった場合、これに応じるか否かの判断は、最終的には当社の株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えている。
しかしながら、近時わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為を強行する動きが見受けられる。こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益に資さないものも想定される。
当社としては、このような当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の向上に資さない大量買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えており、このような者が現れた場合には、必要かつ相当な対抗手段を講じることが必要であると考えている。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社取締役会は、下記の取組みは、下記ア記載の当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に向上するべく十分に検討されたものであることから、上記の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。
ア.当社の企業価値の源泉について
当社は、日本で最初の毛織会社として、三井家始め東京の財界有力者による出資を得て明治29年(1896年)2月に設立された。爾来、明治から昭和初期にかけて日本経済成長の牽引車となった繊維業界の主要企業の一つとして、経済・社会の発展に永年に渡り貢献してきた。毛織物の一貫生産体制を早くに確立したことから、官需・民需ユニフォーム事業にも強みを発揮し、警察・消防ほか諸官庁向け制服や前回の東京オリンピック関連ユニフォームなど数々の実績を挙げた。また、昭和40年代には、紳士スーツの量産体制を整え、米国有力ブランドとも提携するなど、アパレル業界の発展にも広く関わってきた。さらに、平成に入り、中国の有力企業集団である杉杉集団と合弁で紳士スーツ製造工場を設立するなど中国での繊維事業に進出し、また、平成20年にはニット事業に強みを有した株式会社コスモエイの提案型OEM事業を譲り受け、新たにニット企画営業にも乗り出した。特に、今後の繊維アパレル事業を支えていくことを期待している事業である「ユニフォーム事業」「生産管理型OEM事業」「ニット企画営業」は、こうした歴史の中で育んできた事業群である。なお、その後の国内繊維産業の低迷を背景に、平成14年に当社最大の国内紡績工場であった鈴鹿工場を閉鎖するなど、必要に応じて、リストラ策についても断行してきた。
一方、国内繊維産業の低迷が長引く中、静岡県駿東郡において当社の三島工場跡地を利用した地域密着型の大型商業施設「サントムーン柿田川」の開発に乗り出し、現在では、商業施設事業を当社の収益の源泉たる主力事業となるまでに育成してきている。
また、昭和55年に鈴鹿工場内で寝具製造事業をスタートさせ、平成2年から平成3年にかけて寝装品販売子会社設立、新潟県十日町市に寝装品製造子会社設立など新しい事業展開に取り組み、製版一体事業として長年にわたり取り組んできた。その後、平成26年には、高齢化社会の到来を睨み、寝装事業をさらに発展させ、今後の成長が期待できる「健康素材・健康医療機器・健康食品」の3分野を中心としたヘルスケア事業本部を新設している。
当社は、平成28年4月からスタートさせる中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づく経営戦略を進めることとしており、約120年の歴史に裏打ちされた実績および将来に向けた新たな視点に基づき、長期持続的かつ安定的な成長を目指していく所存である。
新たな中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」では、財務体質の強化に着手するとともに、プロパー事業の強固な基盤作りと利益の底上げを最優先課題に取り組み、株価向上も十分に意識して経営を進めていく。
商業施設事業においては、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることを基本戦略とする。ヘルスケア事業においては、健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進することを基本戦略とする。また、繊維・アパレル事業においては、構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めることを基本戦略とする。
当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を完遂し、企業価値の一層の向上に邁進する所存である。
こうした歴史と実績をもとに、長年にわたり信頼関係を構築したお取引様各位と経験豊かで専門的技量を有する当社グループ社員一同が一丸となって当社の事業を育んでいくことが当社の企業価値の源泉であり、これら企業価値の源泉を理解し運営することにより、会社の利益ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことが可能になると考えている。
イ.コーポレート・ガバナンスの状況について
コーポレート・ガバナンスに関する取組みについては、下記「第4 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載している。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
ア.企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現
当社は、大量買付行為が行われた場合、当該大量買付行為が当社の企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資するものであるか否か、株主の皆様に適切にご判断いただき、当社株券等の大量買付行為に関する提案に応じるか否かを決定していただくためには、大量買付者(下記イで定義される。以下同じ。)および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えている。また、当社取締役会は、当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上の観点から大量買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大量買付行為の条件・方法について、大量買付者と交渉するとともに、株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要もあると考えているので、そのために必要な時間も十分に確保されるべきである。
当社は、このような考え方にたち、平成27年5月19日開催の取締役会において、当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」という。)の導入を決定し、平成27年6月25日開催の当社第195回定時株主総会にて、本プランの導入は株主の皆様により承認、可決された。本プランは、大量買付者に対し、本プランの遵守を求めるとともに、大量買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めている。
イ.本プランの対象となる行為
本プランの対象となる行為は、概ね、当社の株券等の20%以上の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為(以下「大量買付行為」という。)であり、本プランは大量買付行為が行われる場合に、大量買付行為を行い又は行おうとする者(以下「大量買付者」という。)に対し、事前に株主の皆様及び当社取締役会による当該大量買付行為の内容の検討に必要な情報の提供を求め、かつ、株主の皆様及び当社取締役会による大量買付行為についての情報の収集及び検討のために必要な一定の期間を確保したうえで、必要に応じて、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件・方法について交渉し、また、当社取締役会として、株主の皆様に代替案を提示するなどの対応を行うための手続きを定めている。
ウ.対抗措置の概要
本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うに当たり、所定の手続きに従うことを要請するとともに、かかる手続きに従わない場合や、かかる手続きに従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものである。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」という。)には、①大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、②当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されている。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性がある。
エ.独立委員会の設置
本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、並びに、本プランに定めるルールが遵守された場合に当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を確保しまたは向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行うが、その判断の合理性および公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。独立委員会の委員は、3名以上5名以下とし、以下の条件を満たした者の中から選任し、選任された委員は、就任に当たり原則として当社に対する善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結するものとする。
①現在または過去において当社、当社の子会社または関連会社(以下併せて「当社等」という。)の取締役(社外取締役は除く。以下同じ。)または監査役(社外監査役は除く。以下同じ。)等となったことがない者
②現在または過去における当社等の取締役または監査役等の一定範囲の親族でない者
③当社等と現に取引のある金融機関において、過去3年間取締役または監査役等となったことがない者
④当社等との間で一定程度以上の取引がある取引先において、過去3年間取締役または監査役等でない者
⑤当社等との取引先ではなく、当社等との間に特別の利害関係のない者
⑥企業経営に関する一定以上の経験者、専門家、有識者等(実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者)
オ.情報開示
当社は、本プランに基づく手続きを進めるに当たって、大量買付行為があった事実、大量買付者から大量買付行為の内容の検討に必要な情報が提供された事実、独立委員会の判断の概要、対抗措置の発動・不発動の決定の概要、対抗措置の発動に関する事項その他の事項について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行う。
④ 本プランの合理性(本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由)
当社取締役会は、以下の理由により、本プランが、上記①の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。
ア.買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること
イ.企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されていること
ウ.株主意思を重視するものであること
エ.独立性の高い社外者の判断を重視していること
オ.合理的な客観的要件を設定していること
カ.独立した地位にある第三者専門家の助言を取得できること
キ.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの主力収益事業である商業施設事業のショッピングセンター等の商業施設が静岡県駿東郡清水町(三島地区)に集中している。
現在、予想されている東海地震が発生した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当社グループの主力収益事業である商業施設事業においては、ショッピングセンター等の商業施設に関して賃貸借契約を締結している。今後、諸般の事情により契約が解除された場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当社グループにおいては、商業施設「サントムーン柿田川」第2期および第3期開発の実施等により当期末の有利子負債残高は93億24百万円である。今後、市場の金利が上昇した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
平成9年4月に完成・オープンしている三島市郊外のショッピングセンター「サントムーン柿田川」に関して、㈱エンチョーとの間に「土地建物賃貸借契約書」を締結している。
該当事項なし。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想しえない経済環境の変化等様々な要因があるため、その結果について当社グループが保証するものではない。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の会計上の見積りを必要とする。
当社は、会計上の見積りについて、過去の実績、現在の状況等を勘案し合理的かつ慎重に判断している。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら会計上の見積りと異なる場合がある。また、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。
当期末における総資産の残高は190億93百万円(前期末は189億96百万円)となり、前期末に比べ97百万円増加した。主な要因は、現金及び預金の増加9億1百万円、繰延税金資産の増加60百万円、有形固定資産の減少3億59百万円、関係会社出資金の減少5億67百万円である。
当期末における負債の残高は147億64百万円(前期末は146億95百万円)となり、前期末に比べ68百万円増加した。主な要因は、短期借入金の減少28億30百万円、1年内償還予定の社債の減少1億69百万円、社債の減少6億96百万円、長期預り保証金の減少4億70百万円、長期借入金の増加43億12百万円である。
当期末における純資産の残高は43億29百万円(前期末は43億円)となり、前期末に比べ29百万円増加した。主な要因は、利益剰余金の増加1億54百万円、為替換算調整勘定の減少1億43百万円である。
当期における売上高は、47億1百万円となり、7億5百万円(前期比13.0%減)減少した。主な要因は、前期に実施した「繊維・アパレル事業の構造改革」に伴い売上高が減少したことや前期大口受注のあった民需ユニフォームの反動減に加え、秋冬の官公庁関係の受注落ち込みがあったことによるものである。
当期における売上原価は、34億32百万円となり、6億68百万円(前期比16.3%減)減少したものの、売上高に対する比率は、前期75.8%から当期73.0%と2.8ポイント改善した。販売費及び一般管理費は、8億52百万円となり、75百万円(前期比8.1%減)減少した。主な要因は、売上原価は減価償却費減少や「繊維・アパレル事業の構造改革」により売上原価率が改善したことによるものである。また、販売費及び一般管理費は「繊維・アパレル事業の構造改革」により経費が削減したことによるものである。
当期における営業損益は、4億17百万円の営業利益となり、38百万円(前期比10.1%増)増加した。これは、「繊維・アパレル事業の構造改革」に伴い売上原価率が改善したこと及び販売管理費が減少したことによるものである。
当期における営業外収益は、73百万円となり、11百万円(前期比13.4%減)減少した。営業外費用は、2億22百万円となり、1億65百万円(前期比42.7%減)減少した。この結果、営業外損益の純額は1億49百万円のマイナスとなり、前期に比べ1億54百万円改善した。主な要因は、既存借入金の全額をシンジケートローンで借り換えたことにより支払利息が減少したことによるものである。
当期における税金等調整前当期純損益は、税金等調整前当期純利益1億48百万円となり、8百万円(前期比6.1%増)増加した。これは、営業損益が38百万円、営業外損益が1億54百万円それぞれ改善した一方、関係会社出資金売却損などの特別損失を計上したことで特別損益が1億84百万円悪化したことによるものである。
当期における親会社株主に帰属する当期純損益は、親会社株主に帰属する当期純利益1億56百万円となり、31百万円(前期比25.0%増)増加した。これは、上記のとおり税金等調整前当期純損益が8百万円増加したことに加え、繰延税金資産の計上により税金費用が22百万円改善したことによるものである。
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、5億28百万円のプラス(前期は2億29百万円のマイナス)となった。主な内容は、税金等調整前当期純利益の計上1億48百万円、減価償却費4億5百万円、預り保証金の減少1億73百万円によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億43百万円のプラス(前期比583.9%増)となった。主な内容は、定期預金の払戻による収入80百万円、出資金の売却による収入2億62百万円によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億9百万円のプラス(前期は52百万円のマイナス)となった。主な内容は、短期借入金の純減少額5億40百万円、長期借入れによる収入94億円、長期借入金の返済による支出73億77百万円、社債の償還による支出8億65百万円、建設協力金の返済による支出4億円によるものである。
これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は16億68百万円(前期比142.8%増)となり、前期末に比べ9億81百万円増加した。