(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、各種政策の効果や極めて緩和的な金融環境のもと、総じて緩やかな回復基調が続いている。雇用・所得環境の改善が続くなかで、所得から支出への循環メカニズムが働き始めており、個人消費も緩やかに持ち直している。ただし、引き続き海外経済の不確実性などに注意を要する状況は続いた。
事業環境については、個人消費の緩やかな持ち直しを背景に改善傾向にあるが、季節性の商品が気候不順の影響を受けるなど厳しさの残る分野もあった。
こうした中で、当社グループは、引き続き「中期経営計画 Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づき、商業施設事業、ヘルスケア事業、繊維・アパレル事業の各事業における諸施策に鋭意取り組みました。特に、商業施設事業においては静岡県所在の「サントムーン柿田川」の追加開発に関する予備検討を加速させるとともに、20周年イベントに注力した。さらに、ヘルスケア事業への経営資源のシフトを進めるとともに提案営業力の強化にも注力した。また、ファーストブラザーズ株式会社、伊藤超短波株式会社および株式会社シードとの資本業務提携を活かし、各事業部門での事業基盤の強化に取り組んだ。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期比減収増益の決算となった。その内訳は、商業施設事業における前年同期の臨時的な収入がなくなったことや季節性の一般寝装品や衣料品の一部で伸び悩んだことを主因に、売上高が32億18百万円(前年同期比5.0%減)と減収になったものの、販管費の減少と粗利率の改善効果により、営業利益は3億48百万円(前年同期比7.1%増)と増益になった。さらに、前年同期に発生した一過性の営業外費用がなくなったことや遊休不動産の譲渡益計上などにより経常利益も2億82百万円(前年同期比43.9%増)と増益になった。これに、前年同期に計上した特別利益・特別損失が共になくなったことや法人税等の負担を考慮した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億22百万円(前年同期比39.5%増)の増益となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
(商業施設事業)
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」における20周年企画やハロウィン及びクリスマスの季節関連イベントなどを積極的に実施した効果もあり堅調に推移し、計画を上回るペースで推移しているものの、前期に計上した臨時的な収入がなくなったことが響き、売上高は前年同期を下回った。これに、20周年企画における一部リニューアル工事費用の臨時支出があり、営業利益も前年同期を下回った。
この結果、商業施設事業の売上高は17億41百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益は7億5百万円(前年同期比6.3%減)となった。
(ヘルスケア事業)
健康ビジネス部門については、当社独自のバイオ麻製品等において一部OEM先の販売が伸び悩んだことを主因に、売上高は前年同期を下回った。一般寝装品部門については、春先の掛け布団に関する提案営業の成果はあったものの、夏場の需要減退など季節性商品の伸び悩みが響き、売上高は前年同期を下回った。さらに、原材料費の高止まりもあり、ヘルスケア事業の営業損益は前年同期を下回った。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は5億76百万円(前年同期比9.8%減)、営業損失は28百万円(前年同期は営業損失22百万円)となった。
(繊維・アパレル事業)
衣料部門については、市況が軟調な布帛関連の一部OEM取引先での販売が伸び悩んだことを主因に、売上高は前年同期を下回った。ユニフォーム部門については、官需ユニフォーム生地の販売が伸びたことから、売上高は前年同期を上回った。これに、粗利率の改善と経費削減効果があり、繊維・アパレル事業の営業損益は前年同期を上回った。
この結果、繊維・アパレル事業の売上高は9億円(前年同期比7.8%減)、営業損失は6百万円(前年同期は営業損失7百万円)となりました。
(注) 1.上記のセグメントの業績に記載している営業利益は、セグメント間の内部取引を含んだ金額を記載している。
2.当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、記載した金額には消費税等は含まれていない。
3.記載している見通し等将来についての事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、予測しえない経済環境の変化等様々な要因があるため、その結果について当社グループが保証するものではない。
(2) 財政状態の分析
① 資産
当第3四半期連結会計期間末における総資産の残高は190億60百万円(前期末は190億93百万円)となり、前期末に比べ33百万円減少(前期末比0.2%減)した。主な要因は、現金預金の増加2億4百万円、有形固定資産の減少2億19百万円である。
② 負債
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は144億75百万円(前期末は147億64百万円)となり、前期末に比べ2億89百万円減少(前期末比2.0%減)した。主な要因は、短期借入金の増加61百万円、長期借入金の減少2億53百万円、長期預り保証金の減少59百万円である。
③ 純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は45億85百万円(前期末は43億29百万円)となり、前期末に比べ2億55百万円増加(前期末比5.9%増)した。主な要因は、利益剰余金の増加2億22百万円、その他有価証券評価差額金の増加30百万円である。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はない。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。
① 基本方針の内容の概要
当社は、公開会社である当社の株券等については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株券等に対する大量買付行為(下記③イで定義される。以下同じである。)があった場合、これに応じるか否かの判断は、最終的には当社の株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えている。
しかしながら、近時わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為を強行する動きが見受けられる。こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益に資さないものも想定される。
当社としては、このような当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益の向上に資さない大量買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えており、このような者が現れた場合には、必要かつ相当な対抗手段を講じることが必要であると考えている。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社取締役会は、下記の取組みは、下記ア記載の当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で策定されており、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に向上するべく十分に検討されたものであることから、上記の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。
ア.当社の企業価値の源泉について
当社は、日本で最初の毛織会社として、三井家始め東京の財界有力者による出資を得て明治29年(1896年)2月に設立された。爾来、明治から昭和初期にかけて日本経済成長の牽引車となった繊維業界の主要企業の一つとして、経済・社会の発展に永年に渡り貢献してきた。毛織物の一貫生産体制を早くに確立したことから、官需・民需ユニフォーム事業にも強みを発揮し、警察・消防ほか諸官庁向け制服や前回の東京オリンピック関連ユニフォームなど数々の実績を挙げた。また、昭和40年代には、紳士スーツの量産体制を整え、米国有力ブランドとも提携するなど、アパレル業界の発展にも広く関わってきた。さらに、平成に入り、中国の有力企業集団である杉杉集団と合弁で紳士スーツ製造工場を設立するなど中国での繊維事業に進出し、また、平成20年にはニット事業に強みを有した株式会社コスモエイの提案型OEM事業を譲り受け、新たにニット企画営業にも乗り出した。特に、今後の繊維アパレル事業を支えていくことを期待している事業である「ユニフォーム事業」「生産管理型OEM事業」「ニット企画営業」は、こうした歴史の中で育んできた事業群である。なお、その後の国内繊維産業の低迷を背景に、平成14年に当社最大の国内紡績工場であった鈴鹿工場を閉鎖するなど、必要に応じて、リストラ策についても断行してきた。
一方、国内繊維産業の低迷が長引く中、静岡県駿東郡において当社の三島工場跡地を利用した地域密着型の大型商業施設「サントムーン柿田川」の開発に乗り出し、現在では、商業施設事業を当社の利益の源泉たる主力事業となるまでに育成してきている。
また、昭和55年に鈴鹿工場内で寝具製造事業をスタートさせ、平成2年から平成3年にかけて寝装品販売子会社設立、新潟県十日町市に寝装品製造子会社設立など新しい事業展開に取り組み、製版一体事業として長年にわたり取り組んできた。その後、平成26年には、高齢化社会の到来を睨み、寝装事業をさらに発展させ、今後の成長が期待できる「健康素材・健康医療機器・健康食品」の3分野を中心としたヘルスケア事業本部を新設している。
当社は、平成28年4月からスタートした中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づく経営戦略を進めており、約120年の歴史に裏打ちされた実績および将来に向けた新たな視点に基づき、長期持続的かつ安定的な成長を目指していく所存である。
当社は、現在「中期経営計画 Beyond 120th~120周年を超えて未来へ~」に基づく経営戦略を進めるとともに、事業環境の変化に即応して繊維・アパレル事業の構造改革を断行するなど、約120年の歴史に裏打ちされた実績および将来に向けた新たな視点に基づき、長期持続的かつ安定的な成長を目指していく所存である。
新たな中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」では、財務体質の強化に着手するとともに、プロパー事業の強固な基盤作りと利益の底上げを最優先課題に取り組み、株価向上も十分に意識して経営を進めていく。
商業施設事業においては、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることを基本戦略とする。ヘルスケア事業においては、健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進することを基本戦略とする。また、繊維・アパレル事業においては、構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めることを基本戦略とする。
当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を完遂し、企業価値の一層の向上に邁進する所存である。
こうした歴史と実績をもとに、長年にわたり信頼関係を構築したお取引様各位と経験豊かで専門的技量を有する当社グループ社員一同が一丸となって当社の事業を育んでいくことが当社の企業価値の源泉であり、これら企業価値の源泉を理解し運営することにより、会社の利益ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことが可能になると考えている。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
ア.企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現
当社は、大量買付行為が行われた場合、当該大量買付行為が当社の企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資するものであるか否か、株主の皆様に適切にご判断いただき、当社株券等の大量買付行為に関する提案に応じるか否かを決定していただくためには、大量買付者(下記イで定義される。以下同じ。)および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えている。また、当社取締役会は、当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上の観点から大量買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大量買付行為の条件・方法について、大量買付者と交渉するとともに、株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要もあると考えているので、そのために必要な時間も十分に確保されるべきである。
当社は、このような考え方にたち、平成27年5月19日開催の取締役会において、当社株券等の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」という。)の導入を決定し、平成27年6月25日開催の当社第195回定時株主総会にて、本プランの導入は株主の皆様により承認、可決された。本プランは、大量買付者に対し、本プランの遵守を求めるとともに、大量買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めている。
イ.本プランの対象となる行為
本プランの対象となる行為は、概ね、当社の株券等の20%以上の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為(以下「大量買付行為」という。)であり、本プランは大量買付行為が行われる場合に、大量買付行為を行い又は行おうとする者(以下「大量買付者」という。)に対し、事前に株主の皆様及び当社取締役会による当該大量買付行為の内容の検討に必要な情報の提供を求め、かつ、株主の皆様及び当社取締役会による大量買付行為についての情報の収集及び検討のために必要な一定の期間を確保したうえで、必要に応じて、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件・方法について交渉し、また、当社取締役会として、株主の皆様に代替案を提示するなどの対応を行うための手続きを定めている。
ウ.対抗措置の概要
本プランは、大量買付者が大量買付行為を行うに当たり、所定の手続きに従うことを要請するとともに、かかる手続きに従わない場合や、かかる手続きに従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものである。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」という。)には、①大量買付者及びその関係者による行使を禁止する行使条件や、②当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されている。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性がある。
エ.独立委員会の設置
本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、並びに、本プランに定めるルールが遵守された場合に当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を確保しまたは向上させるために必要かつ相当と考えられる一定の対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行うが、その判断の合理性および公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置している。独立委員会の委員は、3名以上5名以下とし、社外取締役、社外監査役、弁護士、税理士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者および他社の取締役または執行役として経験のある社外者等の中から当社取締役会が選任するものとする。
オ.情報開示
当社は、本プランに基づく手続きを進めるに当たって、大量買付行為があった事実、大量買付者から大量買付行為の内容の検討に必要な情報が提供された事実、独立委員会の判断の概要、対抗措置の発動・不発動の決定の概要、対抗措置の発動に関する事項その他の事項について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行う。
④ 本プランの合理性(本プランが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由)
当社取締役会は、以下の理由により、本プランが、上記①の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えている。
ア.買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること
イ.企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されていること
ウ.株主意思を重視するものであること
エ.独立性の高い社外者の判断を重視していること
オ.合理的な客観的要件を設定していること
カ.独立した地位にある第三者専門家の助言を取得できること
キ.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
なお、買収防衛策の詳細については、当社のホームページ(http://www.daitobo.co.jp/)を参照。
(4) 研究開発活動
該当事項なし。