文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経営方針
120年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦していく。もって、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、日本のより良い未来の創造に貢献する。
(2) 経営環境
当期におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の度重なる猛威により経済環境は大きな影響を受け続けることになった。厳しい雇用・所得環境が続き個人消費も弱含みで推移した。
こうした中で、当社グループは、2021年3月期が最終年度となる「中期経営方針 Get Ahead of the Future ~新しい時代の先へ~」に基づく諸施策の達成に向けて鋭意取り組んだ。
商業施設事業においては、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」で4月~5月に静岡県の休業要請に応じた結果、一部を除くテナントが休業したため賃料減免対応を行ったことや飲食・娯楽などの分野ではコロナ禍の負の影響を長く受け続けることになった。一方で、前期末に新たにオープンした「サントムーン オアシス」の開業や映画「鬼滅の刃」効果に加え、生活必需品関連などコロナ禍に業績が伸びた一部業態もあり全体としては緩やかな回復を続けた。ヘルスケア事業においては、マスクや抗菌素材など新型コロナウイルス感染症対策商品の拡販に努めたものの、大口の職域販売ルートや店頭などにおいて落ち込みがあった影響で一般寝具関連が年間を通じて苦戦した。繊維・アパレル事業においては、マスクを含む官需向け売上が前年を上回るなど順調であったものの、アパレル市況の低迷が想定よりも長引きOEM営業が年間を通じて苦戦した。
(3) 中期経営戦略
当社グループは、2021年4月スタートの「中期経営計画 ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」に基づき、以下の施策を進めている。
まず、基本的な考え方として、コロナ後のニューノーマル下における市場変化への対応を見据え、事業ポートフォリオを見直し、より収益性・将来性の高い業務へのシフトを強める考えである。収益の柱である商業施設事業に経営資源の傾斜配分を継続するとともに、コロナ禍で市況回復に遅れがみられる一部アパレルOEM市場や旧来型の低機能な寝具の製造販売を縮小し、働く女性などをターゲットとしたジェンダーフリーなアパレルOEMや高機能のヘルスケア製品販売へのシフトを一段と推し進めていく。その際、SDGsに準拠したテーマでの事業展開に注力するとともに、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの概念もしっかり意識して取り組んでいく。こうした、事業推進においては、当社事業相互の垣根を取り払いオールダイトウボウとしてベストなソリューションを顧客に提供することや、自社ECサイトなど非対面のチャネル活用などにより、ニューノーマル下での新たなビジネスチャンスをしっかり捉えていく考えである。
また、「中期経営計画 ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」において、2024年3月期の財務目標として、「営業利益率9%以上」「NetDER150%以下」「ROE6.5%以上」を掲げている。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長引いており、厳しい状況が当面続くと見込まれるものの、年後半にワクチン接種が進展することで、徐々に回復軌道に乗ることが見込まれる。ただし、ニューノーマルの新しい時代は不確実性も多く、海外経済の動向や新たな米中摩擦など不透明な状況が続くものと思われる。
こうした環境下、当社グループは「中期経営計画 ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~」に基づく諸施策への取り組みを進めていく考えである。
主な事業戦略の概要は以下の通りである。
A.コロナ後の市場変化への対応
①ニューノーマル下の新規事業展開については次のとおりである。
a.新時代での商業施設運営ノウハウの蓄積・強化
・地域密着の強みを活かした独自性を一段と強化する。
・マスターリース(フロア転貸)業務に取り組む。
b.事業部門の枠を取り払ったダイトウボウクオリティの訴求
・ヘルスケア・繊維のオールダイトウボウの技術を結集して顧客ニーズに応える。
c.ネット関連などデジタル化の波に乗るビジネスへの取組
・自社サイト「Daitobo Healthcare Shop」「寝具の匠」を拡充する。
・SNS連携などを駆使して、B to Cを強化する。
d.お年寄りの心に優しく届くJapanクオリティ「匠の逸品寝具」の製造
・国内グループ工場(新潟)の新しいブランドイメージを構築する。
②ニューノーマル下の縮小業務については次の通りである。
将来性が見込みにくいと判断される市場での業務縮小を検討する。
a.市場の拡大が難しいと判断される低機能の布団製造販売を縮小する。
b.採算性の低い低付加価値のOEM業務を縮小する。
c.信用リスクを常に注視し信用面での適切な事業ポートフォリオの構築に努める。
B.また、経営管理上のテーマとして以下に取り組んでいる。
①財務戦略
a.財務マネジメントの強化
当社は商業施設事業への積極投資により有利子負債が相応に積みあがっている。このため、Net DER指標を目標化するなどで有利子負債の着実な削減とキャッシュフローマネジメントを引き続き強化する。
②人材育成
a.少数精鋭の組織力強化
全社的かつ継続的な人材レベルの底上げはもとより、特に、商業施設事業のプロ人材育成、女性営業職や女性管理職の育成に注力する。
b.ワークライフバランス向上
リモートワーク定着、ワークライフバランス向上などの新時代の観点を踏まえ、組織マネジメントの強化に努めるとともに社内コミュニケーションの一層の向上に取り組む。
③ガバナンスのさらなる強化
a.東証再編に関連して、上場市場では、今後、より高いガバナンス水準が求められることになっており、特にプライム市場は「見直し後のコーポレートガバナンス・コード全原則の適用」が掲げられている。当社はコーポレートガバナンス・コードの遵守に努めているところであるが、かかる環境下、こうした変化にもしっかり対応し、これまで以上に実効性あるガバナンス強化に取り組む。
以上により、当社グループは、ニューノーマルの新たな時代を、125年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、役職員一同全力で、発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦していく。もって、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、SDGsの実現と日本のより良い未来の創造に貢献していく所存である。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの主力収益事業である商業施設事業のショッピングセンター等の商業施設が静岡県駿東郡清水町(三島地区)に集中している。
現在、予想されている東海地震が発生した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当社グループの主力収益事業である商業施設事業においては、ショッピングセンター等の商業施設に関して賃貸借契約を締結している。今後、諸般の事情により契約が解除された場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当社グループは、有形固定資産および事業譲受により生じたのれんなどの固定資産を保有している。このため、当該資産または資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化などにより固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当社グループにおいては、商業施設「サントムーン柿田川」の開発工事実施等により当期末の有利子負債残高は115億75百万円である。今後、市場の金利が上昇した場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
新型コロナウイルス感染症の影響により経済情勢が悪化しており、厳しい状況が当面続くと見込まれる。新型コロナウイルス感染症の影響により内外経済の停滞が長引いた場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性がある。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
(経営成績の状況)
当期の業績は、売上高46億17百万円(前期比4.2%減)、商業施設事業で前期末に完成した第4期開発関連の減価償却費増と一時休業に伴う賃料減免負担にヘルスケア事業と繊維・アパレル事業のセグメント営業利益が前期の黒字から一転赤字となったことにより営業利益2億53百万円(前期比37.7%減)となり、営業外費用として支払利息と3月末のシンジケートローン借換えに伴う手数料等の負担があり経常利益21百万円(前期比90.4%減)となった。これに、法人税等および税効果会計による繰延税金資産の計上を加味した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は97百万円(前期比28.6%増)の連結最終増益となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、静岡県の要請により一時休業し一部テナントの賃料減免対応を行ったことやコロナ禍の影響が長引いている飲食・娯楽分野が伸び悩んだ。一方、前期末に新たにオープンした「サントムーン オアシス」の開業効果および映画「鬼滅の刃」効果に加え一部生活必需品関係のテナントなどコロナ禍がプラスに影響した業態もあったことから、売上高は前期を上回った。損益面では、新たに開業した施設の減価償却費負担1億65百万円に加え、静岡県の休業要請による賃料減免負担およびコロナ禍の影響が色濃く残る一部テナントの伸び悩みが響き前期比減益となった。
この結果、商業施設事業の売上高は23億74百万円(前期比2.9%増)、営業利益は7億85百万円(前期比11.6%減)となった。
健康ビジネス部門については、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスク販売や抗菌素材などの医療関連商品の営業に注力したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により対面営業が低調となり営業基盤の睡眠関連商品が伸び悩み、売上高は前期を下回った。一般寝装品部門についても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により営業自粛した取引先からの受注減が響き、売上高は前期を下回った。損益面では、売上高の減収に伴う粗利益の減少が響き、前期を下回った。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は12億52百万円(前期比10.5%減)、営業損失26百万円(前期は営業利益12百万円)となった。
衣料部門については、コロナ禍の影響による市況の低迷が長引き、売上高は前期を下回った。ユニフォーム部門については、官需ユニフォームの受注などの効果により、売上高は前期を上回った。損益面では売上高の減収に伴う粗利益の減少が響き、前期を下回った。
この結果、繊維・アパレル事業の売上高は9億90百万円(前期比11.0%減)、営業損失4百万円(前期は営業利益4百万円)となった。
(財政状態の状況)
当期末における総資産の残高は219億9百万円(前期末は223億73百万円)となり、前期末に比べ4億63百万円減少した。主な要因は、減価償却などによる建物及び構築物の減少4億92百万円、税効果会計による繰延税金資産の増加80百万円である。
負債の残高は172億93百万円(前期末は179億53百万円)となり、前期末に比べ6億59百万円減少した。主な要因は、シンジケートローンの借り換えなどによる短期借入金の減少77億93百万円、長期借入金の増加71億84百万円である。
純資産の残高は46億15百万円(前期末は44億19百万円)となり、前期末に比べ1億96百万円増加した。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加97百万円、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加36百万円、金利スワップの時価変動による繰延ヘッジ損益の増加54百万円である。
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億99百万円のプラス(前期比217.2%増)となった。主な要因は、減価償却費5億91百万円、第4期開発により発生した消費税等の還付などによるその他資産の減少2億66百万円である。
投資活動によるキャッシュ・フローは、64百万円のマイナス(前期は20億76百万円のマイナス)となった。主な要因は、第4期開発に係る一部未払金の支払に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出78百万円である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億68百万円のマイナス(前期は13億87百万円のプラス)となった。主な要因は、期限が到来したシンジケートローンの借り換えなどに伴う長期借入れによる収入77億92百万円および長期借入金の返済による支出84億円、約定に伴うリース債務の返済による支出21百万円である。
これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は14億85百万円(前期比12.6%増)となり、前期末に比べ1億66百万円増加しました。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示している。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(財政状態の分析)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
(経営成績の分析)
当期における売上高は、46億17百万円となり、2億1百万円(前期比4.2%減)減少した。主な要因は、「サントムーン オアシス」の開業効果など増加要素はあったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により受注が減少したことによるものである。
当期における売上原価は、34億54百万円となり、32百万円(前期比0.9%減)減少し、売上高に対する比率は、前期72.3%から当期74.8%と2.5ポイント悪化した。販売費及び一般管理費は、9億9百万円となり、16百万円(前期比1.7%減)減少した。主な要因は、売上原価は「サントムーン オアシス」の開業により減価償却費が増えたものの、売上高の減少に伴い売上原価も同様に減少したことによるものである。また、販売費及び一般管理費は、ほぼ前期と変わらなかった。
当期における営業損益は、2億53百万円の営業利益となり、1億53百万円(前期比37.7%減)減少した。これは減価償却費の増加により売上総利益が減少したことによるものである。
当期における営業外収益は、14百万円となり、18百万円(前期比55.5%減)減少した。営業外費用は、2億46百万円となり、34百万円(前期比16.2%増)増加した。この結果、営業外損益の純額は2億31百万円のマイナスとなり、前期に比べ52百万円悪化した。主な要因は、前期に発生した受取手数料がなくなったことおよびシンジケートローンの借り換えに伴う手数料が増加したことによるものである。
当期における特別損益は、発生がなく前期に比べ36百万円改善した。要因は、前期にPCB(ポリ塩化ビフェニル)処理費用について環境対策引当金繰入額を計上したことによるものである。
当期における税金等調整前当期純損益は、税金等調整前当期純利益21百万円となり、1億70百万円(前期比88.6%減)減少した。これは、営業利益が1億53百万円および営業外損益が52百万円それぞれ悪化し、特別損益が36百万円改善したことによるものである。
当期における親会社株主に帰属する当期純損益は、親会社株主に帰属する当期純利益97百万円となり、21百万円(前期比28.6%増)増加した。これは、税金等調整前当期純損益が1億70百万円悪化したことおよび税金費用が1億91百万円改善したことによるものである。
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載している。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ヘルスケア事業及び繊維・アパレル事業におけるたな卸資産の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、商業施設事業における設備投資等によるものである。当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、財務の健全性を確保することを基本としている。運転資金及び設備資金については、自己資金及び銀行借入により調達している。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は115億75百万円となっている。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の会計上の見積りを必要とする。
当社は、会計上の見積りについて、過去の実績、現在の状況等を勘案し合理的かつ慎重に判断している。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら会計上の見積りと異なる場合がある。
また、新型コロナウイルス感染症が経済、企業活動に広範な影響を与えており、今後の広がり方や収束時期を予想することは困難である。そのため、当社としては外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、今後も当該影響が継続すると仮定し、固定資産の減損の兆候判定、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っている。
1997年4月に完成・オープンしている三島市郊外のショッピングセンター「サントムーン柿田川」に関して、㈱エンチョーとの間に「土地建物賃貸借契約書」を締結している。
該当事項なし。