当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策等の効果により、企業業績向上や雇用情勢の改善の動き等緩やかな回復が見られました。しかしながら、中国をはじめとする海外経済の下振れへの警戒感等もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
衣料品業界につきましては、景気回復の期待感はあるものの、全体の消費マインドの改善は見られず、円安により輸入コストが上昇する等厳しい状況となりました。
このような経営環境が続くなか、当社グル-プは「お客様第一」「品質本位」の基本理念を基に経営の効率化に取り組んでまいりました。
衣料事業につきましては、中国工場において事業構造改善を実施し、製造体制の再構築を進めてまいりました。販売部門においては、不採算店舗の撤退を行う一方、主要店舗のリニューアルやEコマース等の販売経路拡充等をはかり、OEM(取引先ブランド製造卸)においては、利益率・資金効率の低い事業の縮小・改善を進めながら新規取引の開拓に注力し、効率化を進めてまいりました。
不動産賃貸事業につきましては、小田原の商業施設「ダイナシティ」においては、地域に密着したSCとして年間を通してイベント開催などを行い、今後の収益力の向上にむけてWEST館のリニューアルを開始いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は23,813百万円(前期比2.8%減)、営業損失は918百万円(前期は営業損失566百万円)、経常損失は549百万円(前期は経常利益136百万円)、投資有価証券売却益や連結子会社の事業構造改善に伴う固定資産売却益等の特別利益1,703百万円及び不採算店舗の撤退に伴う固定資産除売却損や減損損失等の特別損失193百万円を計上し、子会社の繰延税金資産の取崩しをいたしました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は91百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益88百万円)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
OEM(取引先ブランド製造卸)の受注・販売につきましては、新規取引はありましたが、取引形態の見直しとともに利益率・資金効率の低い事業の縮小・改善を進めたことで売上高は前年同期比で減少いたしました。
株式会社ニューヨーカーを中心とする小売販売につきましては、日本国内において婦人服の販売が低調だったことや暖冬による冬物衣料の販売苦戦等により、売上高は前年同期比で減少いたしました。オーダースーツの受注販売は、ウィメンズの取扱い店舗を増やし、売上高は前年同期比で増加いたしました。
以上の結果、売上高は19,615百万円(前期比3.4%減)、セグメント損失(営業損失)は1,373百万円(前期は営業損失1,692百万円)となりました。
不動産賃貸事業につきましては、小田原の商業施設「ダイナシティ」や本社ビルのテナント入居は安定的に推移し、売上高はほぼ前年と同額となりました。
以上の結果、売上高は4,395百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1,194百万円(前期比25.0%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ143百万円減少し4,382百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは16百万円となり、前連結会計年度に比べ1,257百万円収入が減少いたしました。その主な内容は、減価償却費が127百万円減少、法人税等の還付額が342百万円減少及び法人税等の支払額が705百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって得られたキャッシュ・フローは403百万円となり、前連結会計年度に比べ1,102百万円収入が減少いたしました。その主な内容は、投資有価証券の売却による収入が4,275百万円減少及び投資有価証券の取得による支出が3,000百万円減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは584百万円となり、前連結会計年度に比べ1,277百万円支出が減少いたしました。その主な内容は、短期借入金の純増減額が1,440百万円減少、長期借入金の返済による支出が890百万円増加した一方、長期借入れによる収入が3,500百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
衣料事業 | 12,343 | △7.0 |
合計 | 12,343 | △7.0 |
(注) 1.上記の金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
衣料事業 | 19,615 | △3.4 |
不動産賃貸事業 | 4,197 | +0.0 |
合計 | 23,813 | △2.8 |
(注) 1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループを取り巻く市場環境は依然として不透明な状況にありますが、この様な厳しい経営環境のなかで「お客様第一」「品質本位」の基本理念のもと、製造から販売まで品質を追求できる総合力を活かし将来に向けての事業の見直しと再構築をはかり、「領域」「信用」「効率」をキーワードに利益体質の構築を推進しております。
中長期の視点でさらなる利益を生み出せる企業グループに進化し、その利益が新しいビジネスを発展させ、魅力的な製品・サービスを生み出し、人材・ブランドを育成し、社会に貢献することを目指してまいります。
①中国製造工場
事業環境が変化するなか、将来を見据えて、より付加価値を生み出せる企業に転換するために経営体制の抜本的な改革を進めております。当連結会計年度は事業構造改善の一環として進めてまいりました固定資産の譲渡手続きが完了し、適正規模への縮小を進めております。市場が求める製品を提供できるよう製造体制の再構築を進め、欧米の高級ブランドや高級百貨店向けOEM製品の受注増加に向けた活動も強化することで稼働率の向上に努め、品質競争力・コスト競争力を高めてまいります。当社グループは、日本・中国そして欧米におけるグローバルなビジネス展開を戦略の基本と位置付け、挑戦を続けております。
②パターンメイド事業
オーダースーツの受注・販売を行う「ミリオンクラブ」は、百貨店婦人服フロアへの出店を進め、働く女性のための「ミリオンクラブクラス」として、ウィメンズアイテムの取り扱いを充実させてまいりました。「ニューヨーカー」ブランドのパターンメイドや日本・中国および欧米向けのオーダーの受注を含め、販売経路の拡充による着実な成長を目指しております。
③「ニューヨーカー」ブランド
当社の主力ブランドである「ニューヨーカー」は、銀座フラッグシップショップを活用したイベント開催や販促活動によりブランド価値をさらに高め、確固たる地位の確立と顧客満足度の向上に注力してまいります。日本においてはオンラインストアのさらなる拡充をはかり、メンズはビジネスアイテムを中心にプレミアム感の向上をはかり差別化を進め、ウィメンズは多様化する顧客の志向に対応し既存顧客との関係強化とともに新たな顧客の獲得に努めてまいります。
中国を中心としたアジア市場においては、日本でのマーケティングと連動してブランドの認知度を高め、ブランド価値を確立するとともに、商品と店舗の見直しを行いながら収益性向上を目指してまいります。
④「ニューヨーカーブルー」ブランド
カジュアルスタイルを展開する「ニューヨーカーブルー」は、知名度の向上へ向けて、原宿の旗艦店や各種媒体を発信源としてトラッド・スタイルを提案し、独創的で他と同質化しないブランドを目指してまいります。既存店舗の強化と新規店舗のオープンにより地域顧客の獲得に注力し、新たなブランドとして収益構造の確立を目指してまいります。
⑤不動産賃貸事業
小田原にあります商業施設「ダイナシティ」は、西武小田原店と専門店で構成されるWEST館のリニューアルを開始いたしました。フロア構成の見直しを行い、引き続き地域密着・地域共生という原点を大切にしながら、エンターテイメント性の向上やファミリー層向けの対応を強化し、地域を牽引するライフスタイル発信拠点を目指して施設全体の魅力を高めてまいります。
CSR(企業の社会的責任)とコンプライアンス(法令遵守)につきましては、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を通じて、企業価値の最大化を実現するために、的確かつ迅速に経営されるべきと考えております。その実現のために、株主の皆様やお客様をはじめ、お取引先・社員等の各ステークホルダー(関係各位)との良好な関係を築くとともに、株主総会・取締役会・監査役会・会計監査人など、法律上の機能制度の一層の強化・改善を行い、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を充実させてまいります。
なお、当社ホームページ(http://www.daidoh-limited.com/)において株主及び投資家の皆様への迅速かつ正確な情報の開示につとめるとともに、企業情報の共有化を進め、経営の透明性を高めてまいります。
また、平成17年4月より施行されました個人情報保護法に関して、全役員及び全従業員に継続的な啓発を行ない、必要な措置をとっております。
当社グループが事業を遂行するにあたり、様々なリスクが伴います。
当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止・回避・分散することによりリスクの軽減をはかっておりますが、事業その他に影響を及ぼすと考えられるリスクには以下のようなものがあります。
当社グループでは生産工場を中華人民共和国に保有しており、当該国において戦争・政変等により工場の生産活動が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
不動産賃貸事業におきましては、主力施設が神奈川県小田原市に所在しており、東海地震等当該施設に損害がおよぶ自然災害の発生により商業施設としての機能が果たせない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
その他経済動向の変化、大幅な為替の変動等予想を超える事態が生じた場合などには、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
記載すべき重要な研究開発活動はありません。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループは、毛織物・手編毛糸・紳士衣料品・婦人衣料品及び不動産賃貸と取扱品目・顧客は各部門により異なっておりますが、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を共有して事業運営に当たっております。
原料から製品まで高い品質を追求してものづくりを進めるとともに、販売環境の整備やサービス力の向上に注力してお客様の高い評価と信頼を得ることにより、企業価値を増大させることが株主・顧客・取引先・社員等各ステークホルダー(関係各位)の利益につながるものと認識し経営の基本理念としております。
当社グループは、日本・中国そして欧米におけるグローバルなビジネス展開を戦略の基本と位置付け、挑戦を続けております。
グループ各社の役割と責任を明確にして、お客様にご満足いただける品質を提供し続け、環境の変化に対応できる持続可能な企業集団の形成に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。
今後のわが国の経済は、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や不安定な為替相場などにより景気は先行き不透明な状況にあり、生活防衛意識は依然根強く、先行き不安から個人消費の低迷は続くことが予想されます。
このような経営環境のなか当社グループは、部門間の連携を強め、より顧客目線を意識して、経営のさらなる効率化を進めてまいります。
(売上高)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門は日本国内における婦人服販売の低迷や暖冬による冬物衣料の販売苦戦等により、OEM(取引先ブランド製造卸)は利益率・資金効率の低い事業の縮小等により売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、小田原の商業施設「ダイナシティ」や本社ビルのテナント入居の安定的な推移等により、売上高は前連結会計年度とほぼ同額となりました。
当連結会計年度における売上高は23,813百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
(売上総利益)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門やOEM(取引先ブランド製造卸)の売上減少に伴い、売上原価は減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、業績連動型の賞与の増加等はありましたが減価償却費の減少等により、売上原価は減少いたしました。
当連結会計年度における売上原価は11,959百万円(前連結会計年度比1.9%減)となり、売上総利益は11,853百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。
(営業利益)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門の売上高減少に伴う歩合家賃や広告宣伝費の減少等により販売費及び一般管理費は減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、社員給与や手数料の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は12,772百万円(前連結会計年度比0.7%減)となり、営業損失は918百万円(前連結会計年度は営業損失566百万円)となりました。
(経常利益)
補助金収入の増加等がありましたが、為替差損の増加等により、営業外収支は費用増加となりました。
当連結会計年度における経常損失は549百万円(前連結会計年度は経常利益136百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
投資有価証券売却益の減少等がありましたが、固定資産売却益の増加や事業構造改善費用の減少等により、特別損益は利益増加となりました。
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は959百万円(前連結会計年度比6.0%増)となり、法人税等の増加等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は91百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。
当連結会計年度における総資産は42,360百万円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は50.8%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産額は640円18銭となりました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産は11,756百万円(前連結会計年度比5.7%減)となりました。その主な内容は、受取手形及び売掛金の減少412百万円や原材料及び貯蔵品の減少284百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産は30,603百万円(前連結会計年度比9.8%減)となりました。その主な内容は、建物及び構築物の減少1,233百万円、借地権の減少152百万円及び投資有価証券の減少1,598百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は8,789百万円(前連結会計年度比28.7%減)となりました。その主な内容は、未払法人税等の減少463百万円、短期借入金の減少1,280百万円、前受金の減少799百万円及び1年内返済予定の長期借入金の減少1,200百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債は11,855百万円(前連結会計年度比15.2%増)となりました。その主な内容は、長期借入金の増加2,650百万円、長期預り保証金の減少552百万円及び長期繰延税金負債の減少393百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は21,715百万円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。その主な内容は、利益剰余金の減少438百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,369百万円及び為替換算調整勘定の減少267百万円等であります。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ143百万円減少し4,382百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フロー(16百万円の収入)及び投資活動によるキャッシュ・フロー(403百万円の収入)を、財務活動によるキャッシュ・フロー(584百万円の支出)に充当したことによるものであります。