当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績向上や雇用情勢の改善の動き等緩やかな回復が見られました。しかしながら、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念に加え、英国の国民投票におけるEU離脱の選択や米国の新政権発足の影響による世界経済の下振れへの警戒感等もあり、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
衣料品業界につきましては、全体の消費マインドの改善は見られず、高額品を中心としたインバウンド需要に減速感が見られる等、厳しい状況下にあります。
このような経営環境が続くなか、当社グル-プは「お客様第一」「品質本位」の基本理念を基に経営の効率化に取り組んでまいりました。
衣料事業につきましては、中国工場の一部の操業停止等の事業構造改善を実施し、製造体制の再構築を進めてまいりました。販売部門におきましては、不採算店舗の撤退により効率化を進め、Eコマース等の販売経路拡充等をはかってまいりました。また、イタリアでファッションウェア及びスポーツウェア向け生地の製造販売事業を展開している会社の株式を取得し、今後の成長に向けた体制の構築を進めてまいりました。
不動産賃貸事業につきましては、小田原の商業施設「ダイナシティ」において、百貨店と専門店で構成するWEST館のリニューアルを実施し、地域に密着したSCとして収益力の向上にむけた投資を行いました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は21,408百万円(前期比10.1%減)、営業損失は1,337百万円(前期は営業損失918百万円)、経常損失は1,448百万円(前期は経常損失549百万円)、投資有価証券売却益と固定資産売却益の特別利益1,827百万円及び連結子会社の経営合理化に伴う事業構造改善費用や減損損失などの特別損失1,024百万円を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,521百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益91百万円)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
OEM(取引先ブランド製造卸)の受注・販売は、自社工場の一部の操業を停止した影響もあり、売上高は前年同期比で減少いたしました。
株式会社ニューヨーカーを中心とする小売販売は、効率化のために不採算店舗を閉店したこと等により、売上高は前年同期比で減少いたしました。オーダースーツの受注販売は、ウィメンズ商品の販路拡大を進めたこと等により、売上高は前年同期比で増加いたしました。
以上の結果、売上高は17,445百万円(前期比11.1%減)、セグメント損失(営業損失)は1,083百万円(前期は営業損失1,373百万円)となりました。
小田原の商業施設「ダイナシティ」WEST館のリニューアルを実施したことにより、工事期間中の賃料売上が減少し、売上高は前年同期比で減少となりました。
以上の結果、売上高は4,159百万円(前期比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は673百万円(前期比43.6%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し4,502百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用したキャッシュ・フローは770百万円となり、前連結会計年度に比べ787百万円支出が増加いたしました。その主な内容は、事業構造改善費用の支払額が613百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは1,482百万円となり、前連結会計年度に比べ1,886百万円支出が増加いたしました。その主な内容は、関係会社株式の取得による支出が2,081百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは2,571百万円となり、前連結会計年度に比べ3,156百万円収入が増加いたしました。その主な内容は、短期借入金の純増減額が2,105百万円増加、長期借入金の返済による支出が1,400百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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衣料事業 |
9,932 |
△19.5 |
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合計 |
9,932 |
△19.5 |
(注) 1.上記の金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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衣料事業 |
17,445 |
△11.1 |
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不動産賃貸事業 |
3,963 |
△5.6 |
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合計 |
21,408 |
△10.1 |
(注) 1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、毛織物・手編毛糸・紳士衣料品・婦人衣料品及び不動産賃貸と取扱品目・顧客は各部門により異なっておりますが、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を共有して事業運営に当たっております。
原料から製品まで高い品質を追求してものづくりを進めるとともに、販売環境の整備やサービス力の向上に注力してお客様の高い評価と信頼を得ることにより、企業価値を増大させることが株主・顧客・取引先・社員等各ステークホルダー(関係各位)の利益につながるものと認識し経営の基本理念としております。
主な経営指標として「株主資本利益率(ROE)」を活用しております。株主資本の投資効率の向上をめざし企業価値の増大をはかるため、10%の達成を目標にしております。
当社グループは、日本・中国そして欧米におけるグローバルなビジネス展開を戦略の基本と位置付け、挑戦を続けております。
当社グループは、部門間の連携を強め、より顧客目線を意識して、経営のさらなる効率化を進めてまいります。
また、グループ各社の役割と責任を明確にして、お客様にご満足いただける品質を提供し続け、環境の変化に対応できる持続可能な企業集団の形成に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループを取り巻く市場環境は依然として不透明な状況にありますが、この様な厳しい経営環境のなかで「お客様第一」「品質本位」の基本理念のもと、製造から販売まで品質を追求できる総合力を活かし将来に向けての事業の見直しと再構築をはかり、「領域」「信用」「効率」をキーワードに利益体質の構築を推進しております。
中長期の視点でさらなる利益を生み出せる企業グループに進化し、その利益が新しいビジネスを発展させ、魅力的な製品・サービスを生み出し、人材・ブランドを育成し、社会に貢献することを目指してまいります。
①中国製造工場
事業環境が変化するなか、将来を見据えて、より付加価値を生み出せる企業に転換するために経営体制の抜本的な改革を進めております。平成29年3月期は事業構造改善の一環として、上海市松江区に保有しておりました工場の操業を停止し、製造体制の再構築を進めてまいりました。市場が求める製品を提供できる製造体制を構築し、欧米の高級ブランドや高級百貨店向けOEM製品の受注増加に向けた活動も強化することで稼働率の向上につとめ、品質競争力・コスト競争力を高めてまいります。当社グループは、日本・中国そして欧米におけるグローバルなビジネス展開を戦略の基本と位置付け、挑戦を続けております。
②パターンオーダー事業
女性向けパターンオーダーの受注・販売を行なう「ミリオンクラブクラス」は、名称を「アトラエル」に変更し百貨店婦人服フロアへの出店を進め、OEM(取引先ブランド製造卸)の展開も広げ、働く女性にご利用いただけるよう販路を拡大させてまいりました。
男性向けパターンオーダーの「ミリオンクラブ」および「ニューヨーカー」ブランドのパターンオーダーや、日本・中国および欧米向けのオーダーの受注を含め、販売経路の拡充による着実な成長を目指しております。
③「ニューヨーカー」ブランド
当社の主力ブランドである「ニューヨーカー」は、銀座店を活用したイベント開催や販促活動によりブランド価値をさらに高め、確固たる地位の確立と顧客満足度の向上に注力してまいります。
日本においては、拡大するEコマース市場に対応するためにオンラインストアのさらなる拡充をはかり、メンズはビジネスアイテムを中心にプレミアム感の向上をはかり差別化を進め、ウィメンズは多様化する顧客の志向に対応し既存顧客との関係強化とともに新たな顧客の獲得につとめてまいります。
中国を中心としたアジア市場においては、日本でのマーケティングと連動してブランドの認知度を高め、ブランド価値を確立するとともに、成長が期待されるEコマースにも注力し収益性向上を目指してまいります。
④イタリアPontetorto S.p.A.
平成29年3月期に株式取得し新たに連結子会社となったイタリアのPontetorto S.p.A.は、ファッション性の高い婦人向け衣料用および高品質・高機能なフリースやアウトドア・スポーツ向け衣料用の素材などの多種多様な製品の製造販売を行なっております。当社グループの取扱い品目にこれらの素材を加えることで顧客の拡大をはかり、同社の顧客資産・事業ノウハウとのシナジーをもとに積極的な海外展開により収益の拡大をはかってまいります。
⑤不動産賃貸事業
小田原にあります商業施設「ダイナシティ」は、西武小田原店と専門店で構成されるWEST館のリニューアルを実施し、平成28年11月25日にグランドオープンいたしました。また、平成29年4月1日に、施設内に「ダイナシティ保育園」を開園し、テナントスタッフの方々が安心して働ける環境の整備と地域の待機児童解消の一助となることを目指し運営を開始しております。
引き続き地域密着・地域共生という原点を大切にしながら、地域を牽引するライフスタイル発信拠点を目指して施設全体の魅力を高めてまいります。
CSR(企業の社会的責任)とコンプライアンス(法令遵守)につきましては、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を通じて、企業価値の最大化を実現するために、的確かつ迅速に経営されるべきと考えております。その実現のために、株主の皆様やお客様をはじめ、お取引先・社員等の各ステークホルダー(関係各位)との良好な関係を築くとともに、株主総会・取締役会・監査役会・会計監査人など、法律上の機能制度の一層の強化・改善を行い、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を充実させてまいります。
なお、当社ホームページ(http://www.daidoh-limited.com/)において株主及び投資家の皆様への迅速かつ正確な情報の開示につとめるとともに、企業情報の共有化を進め、経営の透明性を高めてまいります。
また、平成17年4月より施行されました個人情報保護法に関して、全役員及び全従業員に継続的な啓発を行ない、必要な措置をとっております。
当社グループが事業を遂行するにあたり、様々なリスクが伴います。
当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止・回避・分散することによりリスクの軽減をはかっておりますが、事業その他に影響を及ぼすと考えられるリスクには以下のようなものがあります。
当社グループでは生産工場を中華人民共和国及びイタリアに保有しており、当該国において戦争・政変等により工場の生産活動が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
不動産賃貸事業におきましては、主力施設が神奈川県小田原市に所在しており、東海地震等当該施設に損害がおよぶ自然災害の発生により商業施設としての機能が果たせない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
その他経済動向の変化、大幅な為替の変動等予想を超える事態が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成28年11月18日開催の取締役会において、Pontetorto S.p.A.及びその子会社1社の株式を取得し連結子会社化する株式譲渡契約の締結を決議いたしました。また、当該契約に基づき、平成28年11月21日に同社の株式の65%を取得し、連結子会社化いたしました。
なお、詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係) 」に記載しております。
記載すべき重要な研究開発活動はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(売上高)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門は効率化のために不採算店舗を閉店したこと等により、OEM(取引先ブランド製造卸)は自社工場の一部の操業を停止した影響等により売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、小田原の商業施設「ダイナシティ」WEST館のリニューアルを実施したことにより、工事期間中の賃料売上が減少し、売上高は前連結会計年度で減少いたしました。
当連結会計年度における売上高は21,408百万円(前連結会計年度比10.1%減)となりました。
(売上総利益)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門やOEM(取引先ブランド製造卸)の売上減少に伴い、売上原価は減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、手数料の増加等により、売上原価は増加いたしました。
当連結会計年度における売上原価は10,587百万円(前連結会計年度比11.5%減)となり、売上総利益は10,821百万円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。
(営業利益)
衣料事業につきましては、衣料品販売部門の売上高減少に伴う歩合家賃や広告宣伝費の減少等により販売費及び一般管理費は減少いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、社員給与や手数料の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は12,159百万円(前連結会計年度比4.8%減)となり、営業損失は1,337百万円(前連結会計年度は営業損失918百万円)となりました。
(経常利益)
持分法による投資損失や為替差損の増加等により、営業外収支は収益減少となりました。
当連結会計年度における経常損失は1,448百万円(前連結会計年度は経常損失549百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
固定資産売却益の増加等がありましたが、事業構造改善費用の増加等により、特別損益は損失増加となりました。
当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は645百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益959百万円)となり、法人税等の増加等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は1,521百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益91百万円)となりました。
当連結会計年度における総資産は44,832百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は41.8%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産額は556円69銭となりました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産は13,328百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。その主な内容は、受取手形及び売掛金の増加688百万円や仕掛品の増加720百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産は31,503百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。その主な内容は、のれんの増加1,857百万円や土地の減少1,116百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は11,857百万円(前連結会計年度比34.9%増)となりました。その主な内容は、支払手形及び買掛金の増加1,243百万円、未払法人税等の増加596百万円及び短期借入金の増加825百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債は13,780百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。その主な内容は、長期借入金の増加2,382百万円や長期預り保証金の減少753百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は19,193百万円(前連結会計年度比11.6%減)となりました。その主な内容は、利益剰余金の減少1,875百万円やその他有価証券評価差額金の減少625百万円等であります。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し4,502百万円となりました。これは、財務活動によるキャッシュ・フロー(2,571百万円の収入)を、営業活動によるキャッシュ・フロー(770百万円の支出)及び投資活動によるキャッシュ・フロー(1,482百万円の支出)に充当したことによるものであります。