文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、毛織物・手編毛糸・スポーツ向け素材・紳士衣料品・婦人衣料品及び不動産賃貸と取扱品目・顧客は各部門により異なっておりますが、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を共有して事業運営に当たっております。
原料から製品まで高い品質を追求してものづくりを進めるとともに、販売環境の整備やサービス力の向上に注力してお客様の高い評価と信頼を得ることにより、企業価値を増大させることが株主・顧客・取引先・社員等各ステークホルダー(関係各位)の利益につながるものと認識し経営の基本理念としております。
主な経営指標として「株主資本利益率(ROE)」を活用しております。株主資本の投資効率の向上をめざし企業価値の増大をはかるため、10%の達成を目標にしております。
当社グループは、日本・中国そして欧米におけるグローバルなビジネス展開を戦略の基本と位置付け、挑戦を続けております。
当社グループは、部門間の連携を強め、より顧客目線を意識して、経営のさらなる効率化を進めてまいります。
また、グループ各社の役割と責任を明確にして、お客様にご満足いただける品質を提供し続け、環境の変化に対応できる持続可能な企業集団の形成に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループを取り巻く市場環境は依然として不透明な状況にありますが、この様な厳しい経営環境のなかで「お客様第一」「品質本位」の基本理念のもと、製造から販売まで品質を追求できる総合力を活かし将来に向けての事業の見直しと再構築をはかり、「領域」「信用」「効率」をキーワードに利益体質の構築を推進しております。
中長期の視点でさらなる利益を生み出せる企業グループに進化し、その利益が新しいビジネスを発展させ、魅力的な製品・サービスを生み出し、人材・ブランドを育成し、社会に貢献することを目指してまいります。
①中国製造工場
事業環境が変化するなか、将来を見据えて、より付加価値を生み出せる企業に転換するために経営体制の抜本的な改革を進めております。欧米の高級ブランドや高級百貨店向けのOEM(取引先ブランド製品卸)の製造・販売を拡大し、さらには日本・中国および欧米向けのスーツ等のパターンオーダーの需要に応えられるよう縫製工場の対応力を高め、市場が求める製品を提供し続けられる製造体制を構築し、品質競争力・コスト競争力を高めてまいります。
②イタリアPontetorto S.p.A.
イタリアのPontetorto S.p.A.は、ファッション性の高い婦人向け衣料用および高品質・高機能なスポーツ向け衣料用の素材等の多種多様な製品の製造販売を行っており、スポーツ部門では環境に配慮した新たな素材を開発し、今後の成長が見込まれます。当社グループの取扱い品目にこれらの素材を加えることで顧客の拡大をはかるとともに、既存ブランドでも同社の素材を取り入れた商品の開発を進め、同社の顧客資産・事業ノウハウとのシナジーをもとに積極的な展開により収益の拡大をはかってまいります。
③パターンオーダー事業
国内連結子会社の合併にともない、パターンオーダーの受注・販売は一般消費者向けの小売部門とOEM販売等の卸売部門に分け、それぞれの部門で経営資源を共有して運営してまいります。
小売部門は、オーダーブランドの「ミリオンクラブ」「アトラエル」を「ニューヨーカー」ブランドと一体運営することで効率化をはかるとともに、それぞれの特徴を活かした展開を行ない、卸売部門は、既製服のOEM販売とともにユニフォームの受注等で新規顧客の獲得を進め、引き続き着実な成長を目指してまいります。
④「ニューヨーカー」ブランド
当社の主力ブランドである「ニューヨーカー」は、銀座店を活用したイベント開催や販促活動によりブランド価値をさらに高め、確固たる地位の確立と顧客満足度の向上に注力してまいります。
日本においては、拡大するEコマース市場に対応するためにオンラインストアのさらなる拡充をはかり、メンズ・ウィメンズとも市場のニーズに対応し機能性を高めた商品の開発を進め、シーズンごとに改良を加えて店頭展開しております。メンズはビジネスアイテムを中心にプレミアム感の向上をはかり差別化を進め、ウィメンズはオフィス向け需要の高まりなどの多様化する顧客の志向に対応し既存顧客との関係強化とともに新たな顧客の獲得に努めてまいります。
中国を中心としたアジア市場においては、日本でのマーケティングと連動してブランドの認知度を高め、ブランド価値を確立するとともに、成長が期待されるEコマースにも注力し収益性向上を目指してまいります。
⑤不動産賃貸事業
小田原にあります商業施設「ダイナシティ」は、核テナントの一つであった百貨店の閉店にともない、WEST館のリニューアルを実施しております。
また、テナントスタッフの方々が安心して働ける環境の整備と地域の待機児童解消の一助となることを目指して平成29年4月に開園しました「ダイナシティ保育園」は、安定的にご利用いただいております。
引き続き地域密着・地域共生という原点を大切にしながら、地域を牽引するライフスタイル発信拠点を目指して施設全体の魅力を高めてまいります。
⑥国内連結子会社
国内の連結子会社3社は平成30年1月に合併し、新たに株式会社ダイドーフォワードとして事業展開を行っております。新たな経営体制の下で経営資源を共有し、商品企画力の向上、間接部門の経費削減、仕入・物流体制の合理化等をはかり、経営の効率化とともに企業価値を高めることを目指してまいります。
CSR(企業の社会的責任)とコンプライアンス(法令遵守)につきましては、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、「お客様第一」「品質本位」の基本理念を通じて、企業価値の最大化を実現するために、的確かつ迅速に経営されるべきと考えております。その実現のために、株主の皆様やお客様をはじめ、お取引先・社員等の各ステークホルダー(関係各位)との良好な関係を築くとともに、株主総会・取締役会・監査役会・会計監査人など、法律上の機能制度の一層の強化・改善を行い、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を充実させてまいります。
なお、当社ホームページ(http://www.daidoh-limited.com/)において株主及び投資家の皆様への迅速かつ正確な情報の開示につとめるとともに、企業情報の共有化を進め、経営の透明性を高めてまいります。
また、平成17年4月より施行されました個人情報保護法に関して、全役員及び全従業員に継続的な啓発を行ない、必要な措置をとっております。
当社グループが事業を遂行するにあたり、様々なリスクが伴います。
当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止・回避・分散することによりリスクの軽減をはかっておりますが、事業その他に影響を及ぼすと考えられるリスクには以下のようなものがあります。
当社グループでは生産工場を中華人民共和国及びイタリアに保有しており、当該国において戦争・政変等により工場の生産活動が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
不動産賃貸事業におきましては、主力施設が神奈川県小田原市に所在しており、東海地震等当該施設に損害がおよぶ自然災害の発生により商業施設としての機能が果たせない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
その他経済動向の変化、大幅な為替の変動等予想を超える事態が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績向上や雇用情勢の改善の動き等緩やかな回復が見られましが、世界経済の下振れへの懸念や地政学的リスクへの警戒感の高まり等もあり、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
衣料品業界につきましては、気候の影響等から季節商品の販売に回復が見られましたが、全体の消費マインドの改善は見られず、個人消費においては節約志向が強く慎重な購買行動が続いており、依然として厳しい状況下にあります。
このような経営環境が続くなか、当社グル-プは「お客様第一」「品質本位」の基本理念を基に経営の効率化に取り組み、国内においては連結子会社3社の合併を行い、各社の本社機能の一部を統合し経営体制の再編を進めてまいりました。
衣料事業につきましては、中国の製造部門の効率化を図り製造・販売体制の再構築を進めてまいりました。OEM販売等を行なう卸売部門におきましては、パターンオーダーの仕組みを活用した取引拡大とともに、イタリアの製造部門の製品を活用して相乗効果を生み出すための取り組みを進めてまいりました。小売部門におきましては、不採算店舗の撤退により効率化を進め、Eコマース等の販売経路拡充などをはかってまいりました。
不動産賃貸事業につきましては、資産の効率化と財務体質の強化の観点から、第1四半期連結会計期間において保有する賃貸用不動産の一部を売却いたしました。小田原の商業施設「ダイナシティ」は、核テナントの一つである百貨店が平成30年2月に閉店したことにともない、引き続き地域に密着したSCとして皆様にご利用いただけるよう、施設の一部のリニューアルを開始いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は27,272百万円(前期比27.4%増)、営業損失は318百万円(前期は営業損失1,337百万円)、経常損失は384百万円(前期は経常損失1,448百万円)、固定資産売却益等の特別利益1,204百万円及び特別退職金等の特別損失476百万円を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は329百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1,521百万円)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ2,773百万円減少し43,111百万円となり、負債は、前連結会計年度末に比べ2,020百万円減少し24,170百万円となり、純資産は、前連結会計年度末に比べ752百万円減少し18,941百万円となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
「ニューヨーカー」ブランドを中心とする小売販売は、Eコマースでの販売額は増加し、秋冬衣料の販売は堅調に推移いたしましたが、不採算店舗を閉店したことにより店舗数が減少しており、売上高は前年同期比で減少いたしました。
製造部門は、前連結会計年度に子会社化したPontetorto S.p.A.及びその子会社1社が連結対象となったこと等により、売上高は前年同期比で増加いたしました。
以上の結果、売上高は23,503百万円(前期比34.7%増)、セグメント損失(営業損失)は205百万円(前期は営業損失1,083百万円)となりました。
前連結会計年度及び第1四半期連結会計期間に賃貸用不動産の一部を売却したこと等により、売上高は前年同期比で減少となりました。
以上の結果、売上高は3,924百万円(前期比5.6%減)、セグメント利益(営業利益)は476百万円(前期比29.3%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,027百万円減少し3,474百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用したキャッシュ・フローは876百万円となり、前連結会計年度に比べ105百万円支出が増加いたしました。その主な内容は、税金等調整前当期純利益が989百万円増加、法人税等の支払額が1,260百万円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって得られたキャッシュ・フローは758百万円となり、前連結会計年度に比べ2,241百万円収入が増加いたしました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出が2,349百万円減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは930百万円となり、前連結会計年度に比べ3,501百万円支出が増加いたしました。その主な内容は、長期借入れによる収入が3,500百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業 |
12,238 |
+23.2 |
|
合計 |
12,238 |
+23.2 |
(注) 1.上記の金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業 |
23,503 |
+34.7 |
|
不動産賃貸事業 |
3,768 |
△4.9 |
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合計 |
27,272 |
+27.4 |
(注) 1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果については、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度における総資産は43,111百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は42.4%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産額は539円44銭となりました。また、株主資本利益率(ROE)は、1.8%(前期比9.3ポイント増)と向上いたしました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産は12,828百万円(前連結会計年度比3.8%減)となりました。その主な内容は、現金及び預金の減少1,027百万円や未収金の増加655百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産は30,283百万円(前連結会計年度比7.0%減)となりました。その主な内容は、建物及び構築物の減少1,169百万円や投資有価証券の減少916百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は14,822百万円(前連結会計年度比25.0%増)となりました。その主な内容は、短期借入金の増加1,542百万円、1年以内返済予定の長期借入金の増加1,600百万円、未払法人税等の減少1,078百万円及び預り金の増加1,482百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債は9,347百万円(前連結会計年度比34.8%減)となりました。その主な内容は、長期借入金の減少2,893百万円や長期預り保証金の減少1,584百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は18,941百万円(前連結会計年度比3.8%減)となりました。その主な内容は、その他有価証券評価差額金の減少472百万円や非支配株主持分の減少311百万円等であります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は27,272百万円(前連結会計年度比27.4%増)となりました。
セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
衣料事業につきましては、製造部門において前連結会計年度に子会社化したPontetorto S.p.A.及びその子会社1社が連結対象となったこと等により、売上原価は増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、手数料や広告宣伝費の減少等により、売上原価は減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上原価は14,447百万円(前連結会計年度比36.5%増)となり、売上総利益は12,825百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ3.5ポイント減少し、47.0%となりました。
(営業利益)
衣料事業につきましては、前連結会計年度に子会社化したPontetorto S.p.A.及びその子会社1社が連結対象となったこと等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、広告宣伝費等の減少はありましたが、手数料等の増加により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は13,143百万円(前連結会計年度比8.1%増)となり、営業損失は318百万円(前連結会計年度は営業損失1,337百万円)となりました。
(経常利益)
営業外収支は、雑収入の増加等により、収益増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常損失は384百万円(前連結会計年度は経常損失1,448百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、建設協力金精算益や事業構造改善費用の減少等がありましたが、固定資産売却益の減少等により、収益減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は344百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失645百万円)となり、法人税等の減少等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は329百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,521百万円)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要は、主に衣料事業における原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、主に保有する不動産への設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は14,612百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,474百万円となっております。
なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
記載すべき重要な研究開発活動はありません。