文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.会社の経営の基本方針
当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい
価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本
方針としております。
そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。
2.経営環境及び対処すべき課題
(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
経営環境の変化の速度が増す中、当社グループでは各事業会社が自主性・迅速性を持って、それぞれの事業
特性に応じた戦略を立案し遂行する力をさらに高め、競争力の強化と収益力の向上に取り組み、継続的な事業
の発展に努めます。
また、グループの主たる経営戦略として
1.事業ポートフォリオの確立
2.中国・ベトナムを中心とする海外事業展開による業容拡大
3.収益性および資本効率の向上
4.内部統制の強化
5.エコロジー活動の展開
以上を掲げ強固な経営基盤の確立を目指します。
今後3年間におけるグループの目標値を次のように設定しております。
(単位:百万円)
|
|
令和2年度 |
令和3年度 |
令和4年度 |
|
売 上 高 |
18,200 |
19,000 |
20,000 |
|
営業利益 |
400 |
550 |
650 |
|
経常利益 |
350 |
500 |
600 |
(2)対処すべき課題
当社グループでは、5つの事業を中心として、グループ全体のさらなる企業価値の向上を最大の経営課題と位
置付け、各事業分野において、以下の取り組みを進めてまいります。
・衣料事業
原料価格の高止まりに加え、景気の先行き不透明感から厳しい外部環境が続くことが予想される中、今年度衣
料事業では、以下の3点に注力していきます。
1. 徹底的なコスト削減
物流の抜本的な見直しによるコスト削減、および作業の効率化による直接・間接経費の削減に取り組み、収益
性の改善を進めます。
2. 国内の提案力・販売力の強化
『エコ・リサイクル・SDGs』をキーワードに、サステイナブルな素材であるウールの魅力を積極的に発信し、
オーガニックウールなど高付加価値商品の販売を推進するとともに、アウトドア/スポーツブランドの新規取引
先獲得を目指します。また、グループ内の縫製子会社・ニット製品製造販売子会社と連携し、スクールユニフォ
ーム部門の販売拡大を図ります。また、近年の自然災害の増加を受け、新規事業として難燃などの機能素材を活
用した防災商品の開発・販売を進めていきます。
3. 海外生産・海外販売の強化
ベトナムの生産基盤を活用したニット糸の東南アジアの日系ニッター向け販売、メンズテキスタイルのヨーロ
ッパ向け輸出、およびブラックフォーマル用テキスタイルの日本向け販売を推進します。
・インテリア産業資材事業
米中貿易摩擦の影響が懸念される中、インテリア産業資材事業は以下の3つの戦略を推し進めていきます。
1. 徹底した生産の効率化
既存設備の徹底した効率化と新規分野開拓のための老朽施設の改修、新規設備への投資を進めます。
また、中国子会社では、昨年増設した設備を効率よく稼働させることで製造コストの安定化を図り、現地メー
カーとの競争に対処し新規部位の受注を目指します。
2. 品質へのプライド・もの作りへのこだわり
原着ポリプロファイバーの細番化を実現し、衣料用途への拡販を目指します。また、連続染色工程を最大限に
生かした機能性製品の開発に注力するとともに、自動車産業向けなどの次世代製品の受注獲得のために新規商材
開発を進めていきます。
3. 環境に配慮したもの作り
化学繊維の中では比較的CO2排出量が少ないポリプロファイバー部門を強化していきます。また、導入済み
の環境に配慮した新排水処理設備の適切な運用に加え、リサイクル事業では既存の取り組みを超えた新しいリサ
イクルの研究にも注力していきます。
・エレクトロニクス事業
昨年は、米中貿易摩擦の影響による中国経済減速の影響を受け、半導体部品の売上は大幅に落ち込みました。
本年は5G期待で半導体市況は好転する見込みですが、その影響が産業機器業界にまで及ぶ時期についてはまだ
不透明です。このような状況下、まず既存の得意先向けについては、徹底的なコスト削減を図り収益を確保しま
す。続いて、新たな売上の柱として以下の4つの新規分野に挑戦していきます。
1. 減速機
昨年から取り組んでいる減速機分野では、メイン部品をメーカーに供給することが決定したため、製販の両面
で売上に繋げます。
2. 電子棚札
電子棚札やICの販売分野は、取引先の承認が取れ、本年度から売上に貢献する予定です。
3. 3D実装
将来の事業の柱として期待される3D実装分野は、量産化の取り組みを開始し、国内外での基盤作りに注力し
ていきます。
4. 特殊センサー
少子高齢化による労働力不足対策として開発が進むサービスロボット分野においては、センサーメーカーと共
同開発した特殊センサーで新たな市場への参入に挑戦します。
・ファインケミカル事業
今後予想される事業環境の変化を「新たな成長の機会」と捉え、以下の3つの重要課題を中心とした更なる成
長の実現に注力します。
1. 電子材料分野
次世代通信規格5Gの進展により成長が見込まれる電子材料分野については、電子回路や放熱材料向けに加
え、フォトレジスト材料の生産能力増強と顧客視点に立ったスピーディーな対応で拡販強化に努めます。
2. ヘルスケア分野
高齢化社会の進展で健康美容志向が高まり、一層多様な需要が見込まれるヘルスケア分野は、ジェネリック医
薬品向け中間体、および化粧品原料の市場ニーズをしっかり取り込んでいきます。エキスパート人材の養成や既
存設備の増強など、持てる経営資源の最大化を推進し、売上規模と収益拡大に努めます。
3. CSR
地球環境問題への対応として、環境負荷低減に有用な製造技術の確立と既存製品の製法改良を一層進め、顧客
満足と品質第一の理念のもと企業の社会的責任を果たしていきます。
・不動産事業
事業部全体として、資産の有効活用をより促進し、安定収益の確保を目指します。事務所賃貸については、設
備のリニューアルを行うことでオフィス環境への満足度を高め、魅力あるオフィスビルとして稼働率の向上に努
めます。経年により資産価値が低下している商業施設については、計画的に修繕し、付加価値を高めることで収
益性の向上に努めます。
これらの取り組みとともに、「企業の果たす社会的責任」の一環として、「人」・「暮らし」・「環境」の心地
よい調和を求めてまいります。
また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を推
進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、事態の発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める所存であります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1.有利子負債への依存度
当社グループの有利子負債残高の純資産に対する比率は以下のとおりであります。
|
|
純資産(百万円) |
有利子負債残高(百万円) |
対純資産比率(%) |
|
平成27年12月末 |
11,433 |
11,904 |
104.1 |
|
平成28年12月末 |
11,415 |
11,799 |
103.4 |
|
平成29年12月末 |
11,656 |
11,596 |
99.5 |
|
平成30年12月末 |
11,142 |
11,383 |
102.2 |
|
令和元年12月末 |
11,164 |
11,273 |
101.0 |
(注)「対純資産比率」は、連結貸借対照表の「純資産合計」から「非支配株主持分」を控除した数値を分母として算出しております。
今後も有利子負債の圧縮を進めてまいりますが、現在の金利水準が大きく変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
2.カントリーリスク
当社グループは、海外の企業と輸出入取引を行っております。また、中国、ベトナムに生産拠点を有しており、当社グループが事業展開している国や地域において、不利な影響を及ぼす法令・規制等の変更や政治・経済・社会情勢等に起因した予期せぬ事態が発生した場合、債権回収や事業継続が困難になるリスクを負っております。このようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
3.為替変動リスク
当社グループは、国内外において外貨建て取引を行っております。外貨建て取引に対しては、為替変動のリスクを軽減するために為替予約によるヘッジを行っております。しかしながら、為替レートが大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の連結子会社や持分法適用会社の経営成績は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートにより円換算後の価値が大幅に変動し、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
4.購入原料の変動リスク
当社グループの主力事業である衣料事業及びインテリア産業資材事業の原料は、国際商品市況(原油相場・羊毛相場)の影響を受けやすく、それら原料の供給量や価格が大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
5.販売価格の下落リスク
当社グループの製品の多くは他社製品と競合しております。したがって、競合他社との価格競争等が激化した場 合には、売上高の減少が生じるなど経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
6.与信リスク
当社グループは、当社の信用管理制度のもとに、取引先別に限度額を設定するなど与信リスクを最小限にするための対応策をとっております。また、過去の貸倒実績率等に基づき、貸倒引当金を計上して、売上債権の不良化による損失に備えております。しかしながら、政治的混乱や深刻な景気後退・金融不安等により重要な取引先が破綻した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
7.製品の欠陥等(訴訟リスク)
当社グループは、所定の品質管理基準に従って、衣料品・カーペット・自動車内装材・化成品・半導体商品等の
各種製品を国内外で生産しており、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、重大な製品の欠陥等が発生し、その賠償額が保険でカバーできない場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
8.不動産の下落リスク
当社グループは、事業の構造改善に伴う工場跡地や建物等、不動産を相当量保有しております。その多くは「土地の再評価に関する法律」に基づき事業用の土地の再評価を行い(平成12年12月31日)、評価差額に係る税金相当額を「繰延税金負債」として負債の部に計上しておりますが、地価がさらに大幅に下落した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
9.自然災害や事故等のリスク
当社グループは、国内外の各地で生産活動を主とした企業活動を行っております。地震などの自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの製造拠点等の設備や商品に壊滅的な被害を被った場合や、新型インフルエンザや新型コロナウイルスに代表されるような感染症の発生により、生産活動や販売活動などに支障が生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.コンプライアンスリスク
当社グループは、「コンプライアンス委員会」を設置し、法令順守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、順守すべき倫理規範等を「トーア紡グループ企業行動憲章」として制定し、当社グループにおける行動指針の順守並びに法令違反等の予防に努めております。しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
11.情報システム管理に関するリスク
当社グループは、情報伝達や基幹業務支援など事業全般においてコンピュータシステム及びITネットワークを活用しております。「情報システム管理規程」等を定め、情報セキュリティの強化、バックアップ体制の構築、機器の高性能化等、システムトラブル対策を講じておりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による情報資産の漏洩、また、事故や自然災害等によりシステムが機能不全となる可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキ
ャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、31,120百万円(前連結会計年度末は、31,266百万円)となり、146百万円の
減少となりました。これは受取手形及び売掛金が減少した一方で、投資有価証券が増加したことなどが主な要因であります。
当連結会計年度末の負債の残高は、19,947百万円(前連結会計年度末は、20,116百万円)となり、168百万円の減
少となりました。これは支払手形及び買掛金の減少や社債の減少などが主な要因であります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、11,172百万円(前連結会計年度末は、11,150百万円)となり、21百万円の
増加となりました。これはその他有価証券評価差額金が増加した一方で、為替の変動により為替換算調整勘定が減少
したことなどが主な要因であります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を当連結会計年
度の期首から適用しており、財政状態の概況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年
度との比較を行っております。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移してい
るものの、長期化する米中貿易摩擦や中東情勢の緊張の高まりなどにより、世界経済は先行き不透明な状況が続いて
おります。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らしと社
会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は18,669百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は390百万円(前年同期比
5.2%増)、経常利益は351百万円(前年同期比5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は165百万円(前年同期
比33.3%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売を行
っております。
毛糸部門は、価格改定により利益率は改善しましたが、市況の低迷が続いており減収となりました。
ユニフォーム部門のスクール向け制服素材は、新規獲得したモデルチェンジ校向けの素材の出荷が順調に推移した
ものの、原料高により利益率が低下し増収減益、企業向けユニフォーム向けは、新規案件の獲得件数が伸びず、減収
減益となりました。
また、官公庁向けは、前年のような大口案件がなく減収となりました。
テキスタイル部門は、郊外量販店向けが苦戦し、減収となりました。
毛糸製造販売の中国子会社は米中貿易摩擦の影響を受けて減収、九州にある制服の縫製会社は、安定的に受注が確
保できたことと原価改善により、増収増益となりました。
衣料事業全体として減収にはなりましたが、技術開発部門の再編や業務の効率化により収益は改善し、売上高
7,717百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益80百万円(前年同期比374.0%増)となりました。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな用途
の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
ポリプロファイバー部門は、車両向け原綿の受注は前年同様堅調に推移しましたが、東京ビッグサイトなどの展示
会場がオリンピックプレス用に閉鎖されつつあるため、展示会カーペットなどの床材用原綿が減産となり、減収とな
りました。
カーペット部門は、ダストコントロールマット向け、住宅等ホームユース向けの需要が落ちることなく堅調に推移
し、前年並みとなりました。
不織布部門は、緑化資材・防草資材、土木関連、寝装関連共堅調に推移し、増収増益となりました。
特殊繊維部門は、カーボン繊維が下期から減産となり、金属繊維も低調で減収となりました。
自動車内装材部門は、主力の軽自動車、小型自動車、マイナーチェンジしたハイブリッド車向けが堅調に販売を維
持し、新規立ち上がりの車種もあり増収となりましたが、採算面では引き続き厳しい状況で、更なる原価改善を推進
します。自動車内装材製造販売の中国子会社は、生産数量もようやく安定してきており増収となりましたが、設備投
資による減価償却費の増加もあり減益となりました。
この結果、インテリア産業資材事業は、売上高7,018百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益188百万円(前年同
期比10.6%増)となりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
中国経済減速の影響により、産業機器向けの半導体部品の受注が減少したことや、家電市場で日本製品が販売低調
であったことから成型品の受注が減少し、売上高1,726百万円(前年同期比11.3%減)、営業利益12百万円(前年同
期比59.5%減)となりました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、工業用薬品の製造および販売を行っており、医薬品原体をはじめ
とするヘルスケア素材と自動車部材向けの機能性材料が大幅に伸長、加えて既存の工業用薬品も堅調に推移した結
果、売上高1,174百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益149百万円(前年同期比14.2%増)となりました。
[不動産事業]
不動産事業は、郊外型ショッピングセンター・オフィスビル等の賃貸を行っております。今期は九州にあるショッ
ピングセンターがリニューアルオープンし、収益に貢献しております。また、主要なショッピングセンターがリニュ
ーアル工事を終えて秋にオープンし、収益も改善いたしました。
この結果、売上高765百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益482百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売などを行っております。
自動車教習事業は、入校生数減少により減収減益となりました。
ヘルスケア事業は、ナールスゲンを配合した化粧品の受注が増えましたが、フコイダンサプリメントの中国向け販
売が現地での販売規制の影響で延期となり、減収となりました。
この結果、その他の事業全体の売上高は267百万円(前年同期比26.2%減)、営業損失65百万円(前年同期は営業
損失54百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ219百万円増
加し、1,489百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益307百万円を計上しておりますが、主な増加要因としては非資金的支出費用である減価償
却費379百万円および売上債権の減少476百万円、主な減少要因として仕入債務の減少195百万円等により、営業活動
による資金は1,047百万円(前年同期比727.1%増)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出330百万円および定期預金の預入による支出280百万円、定期預金の払戻による収入
252百万円等により、投資活動による資金は527百万円(前連結会計年度は62百万円の獲得)の使用となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入3,844百万円および長期借入金の返済による支出3,247百万円、短期借入金の純減少額460百
万円および社債の償還による支出250百万円等により、財務活動による資金は293百万円(前年同期比27.9%減)の使
用となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
2,966 |
96.9 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
5,703 |
99.0 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
792 |
86.0 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
514 |
161.9 |
|
合計(百万円) |
9,976 |
99.1 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.不動産事業及びその他は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業 |
7,769 |
94.7 |
300 |
120.6 |
|
インテリア産業資材事業 |
6,973 |
99.6 |
30 |
80.3 |
|
エレクトロニクス事業 |
1,647 |
87.5 |
451 |
85.1 |
|
ファインケミカル事業 |
1,161 |
104.4 |
208 |
94.2 |
|
合計 |
17,551 |
96.4 |
990 |
95.4 |
(注)1.受注残高には、継続的な取引先からの受注内示は含めておりません。
2.不動産事業及びその他は受注高及び受注残高はありませんので、上記金額には含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
7,717 |
93.7 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
7,018 |
99.5 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
1,726 |
88.7 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
1,174 |
114.7 |
|
不動産事業(百万円) |
765 |
102.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
18,402 |
96.8 |
|
その他(百万円) |
267 |
73.8 |
|
合計(百万円) |
18,669 |
96.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施して
おります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作
成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、8,648百万円(前連結会計年度末は、9,083百万円)となり、434百万円の減少となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の減少(前連結会計年度比492百万円減)によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、22,471百万円(前連結会計年度末は、22,183百万円)となり、288百
万円の増加となりました。その主な要因は、投資有価証券の増加(前連結会計年度比282百万円増)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、7,122百万円(前連結会計年度末は、7,075百万円)となり、47百万円の増加となりました。その主な要因は、その他の流動負債の増加(前連結会計年度比283百万円増)および支払手形及び買掛金の減少(前連結会計年度比199百万円減)によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、12,825百万円(前連結会計年度末は、13,040百万円)となり、215百万円の減少となりました。その主な要因は、長期預り敷金保証金の減少(前連結会計年度比286百万円減)や社債の減少(前連結会計年度比150百万円減)および、長期借入金の増加(前連結会計年度比124百万円増)、退職給付に係る負債の増加(前連結会計年度比68百万円増)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、11,172百万円(前連結会計年度末は、11,150百万円)となり、21百万円の増加となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金の増加(前連結会計年度比93百万円増)、および為替換算調整勘定の減少(前連結会計年度比75百万円減)によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、18,669百万円(前連結会計年度は19,374百万円)となり、704百万円の減少とな
りました。その主な要因は、衣料事業において国内市況の低迷や、米中貿易摩擦の影響により中国子会社での販売が落ち込んだこと、およびエレクトロニクス事業において中国経済減速の影響により産業機器向けの半導体部品の受注が減少したことによるものであります。
各セグメント別の状況につきましては、「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、15,433百万円(前連結会計年度は、16,078百万円)となり、644百万円の減少
となりました。その主な要因は、製造コスト削減や売上の減少によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,845百万円(前連結会計年度は、2,925百万円)となり、79百万円の減少となりました。物流コストの見直し等による経費削減によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、108百万円(前連結会計年度は、119百万円)となり、11百万円の減少となり
ました。その主な要因は、前連結会計年度で保険差益29百万円を計上したことおよび当連結会計年度にて受取保険金15百万円を計上したことによるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、147百万円(前連結会計年度は、156百万円)となり、8百万円の減少
となりました。その主な要因は、支払利息の減少によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、10百万円(前連結会計年度は、105百万円)となり、94百万円の減少となりました。その主な要因は、前連結会計年度において投資有価証券売却益98百万円を計上したことによるものであり
ます。
また、当連結会計年度の特別損失は、54百万円(前連結会計年度は、73百万円)となり、18百万円の減少と
なりました。これは、当期において環境対策引当金繰入額14百万円、災害による損失12百万円を計上しましたが、固定資産廃棄損および減損損失が減少したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は、163百万円(前連結会計年度は、58百万円)、法人税等調整
額は、△22百万円(前連結会計年度は、58百万円)となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰
属する当期純利益は、165百万円(前連結会計年度は、248百万円)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の
状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標のトレンド)
|
回 次 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
|
決 算 年 月 |
平成29年12月 |
平成30年12月 |
令和元年12月 |
|
自己資本比率(%) |
35.9 |
35.6 |
35.9 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
17.0 |
13.3 |
15.9 |
|
債務償還年数(年) |
90.9 |
89.9 |
10.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
1.1 |
1.3 |
11.6 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により計算しております。
|
・自己資本比率(%) |
:自己資本/総資産 |
|
・時価ベースの自己資本比率(%) |
:株式時価総額/総資産 |
|
・債務償還年数(年) |
:有利子負債/営業キャッシュ・フロー |
|
・インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
:営業キャッシュ・フロー/利払い |
2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動による
キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて
いる負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計
年度の期首から適用しており、平成30年12月期の自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率については、
当該会計基準等を遡って適用した後の数値を記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性
資本の財源については、収益力及び資産効率の向上により確保することを基本としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、
設備の新設、拡充、改修等に要する設備資金などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につき
ましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
該当事項はありません。
当社グループは、研究開発部門の基礎研究や外部研究機関との共同研究をベースに、新商品開発・新機能開発に重
点を置き、更に品質向上・地球環境保護のための工程改善等の研究を積極的に行っております。当連結会計年度にお
けるグループ全体の研究開発費は
(1)衣料事業
繊維素材開発関係では、ウール繊維が本来持つ撥水や防汚の特性を損なわず、通常の家庭洗濯で縮むという欠点
を除去する防縮加工の基礎技術を確立しました。本加工は、従来の塩素、プラズマ、酵素などを使用し、ウール表
面に損傷を与えて防縮性を付与するものではなく、環境にもやさしい技術です。試験設備も順調に稼働し、量産に
向けた技術開発を進めております。
テキスタイル関係では、お客様に快適に着用していただける素材開発を進めております。夏物素材として、衣服
内の温度上昇を従来品より抑える熱遮蔽クーリング素材に、肌に優しく紫外線をカットする機能を付加し、透けを
軽減する加工をプラスして、学生服用途スカート、パンツ素材として開発しております。また、ウールメーカーと
して、羊毛混の風合いの良さや特徴を活かしつつ、取扱い易さを追求した素材の開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、
(2) インテリア産業資材事業
産業資材関係では、以前より取り組んでいる土木資材、寝具用コイルカバー材、防草シートなどの高機能化に加え、新意匠性カーペットや繊維、不織布、カーペットの特徴を活かした複合素材の開発に取り組んでおります。
また、機能素材として、抗菌、消臭、抗ウイルス、抗アレルゲンのカーペットの開発に取り組んでおります。
自動車内装関係では、自動車室内空間の静音性向上のため、内装外装両面からの視点で複合吸音材の開発や、軽
・小型車向けフェルト一体型カーペットなどの開発を行っております。
当事業に係る研究開発費は、
(3) エレクトロニクス事業
従来の電動工具分野以外の成長分野への進出を目指しロボット産業の基幹部品である減速機の研究開発に取り組
んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(4) その他事業
京都大学・大阪市立大学の研究から生まれた機能性アミノ酸誘導体の研究開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、1百万円であります。