文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.会社の経営の基本方針
当社グループは「暮らしと社会の明日を紡ぐトーア紡」を経営理念とし、トーア紡クオリティの追求と新しい
価値の創造、環境負荷の低減に積極的に取り組むことを通じて、モノづくりの伝統を未来へつなげることを基本
方針としております。
そして社会に貢献し、必要な存在として認められる企業集団となり、常に自らも成長・発展し続ける「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、事業の永続性を確かなものとする努力をしております。
2.経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍を契機としたデジタル化の加速、SDGsによる世界的な規
模での環境や人権リスクへの意識の高まり、原燃料高などによるコスト増など、様々な要素が複雑に絡み合
い、困難かつ柔軟なかじ取りが必要になってきております。そのような環境背景に対応すべく、既存の基幹
5事業(衣料・インテリア産業資材・エレクトロニクス・ファインケミカル・不動産)については新領域へ
の展開も視野に入れた効率的かつ持続可能な仕組みの再構築を行い、一方で次世代を見据えた新事業の創出を
喫緊の課題と捉え、令和4年度を初年度とする中期経営計画(令和4年12月期~令和6年12月期)を策定し、
実行しております。
当社グループでは、中期経営計画の達成に向け下記の5点を重点施策とし取り組んでおります。
1.強み、成長分野を見据えたポートフォリオの再構築
ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた環境変化に対応するため、衣料事業・インテリア産業資材事
業・エレクトロニクス事業・ファインケミカル事業・不動産事業の基幹5事業については、新領域への展開
も含めたセグメント内での選択と集中を行い、収益基盤を確実なものにしてまいります。
2.持続的な成長に資する重点的な設備投資
この3か年を持続的な成長へ向けた準備期間と位置づけ、新規事業創出と育成に注力するとともに、環境
負荷低減を実現する投資を積極的に行います。
3.環境に配慮したバリューチェーンの構築などサステナビリティへの取り組み
原材料から製品までのサプライチェーン全体で快適な製品の供給と環境負荷低減の両立を実現させる仕組
み「TOABO GREEN VALUE CHAIN」の構築を足掛かりに、サステナビリティへの取り
組みを加速させます。
4.SDGs、機能性を切り口にした新領域への展開
持続可能な環境に配慮した事業活動と快適性を追求した機能素材開発を通じて、新たな価値を生み出し、
新領域への展開を目指します。
5.DXによる業務改善、改革の継続的推進
モノづくりを始め、あらゆるシーンでITの活用を推進し、ビジネスモデルや組織を変革、企業の優位性
を高めます。
これらの施策により、安定的な事業基盤の確立を目指してまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、令和4年2月15日に発表いたしました「中期経営計画の策定に
関するお知らせ」をご覧ください。
当社グループの目標値を次のように設定しております。
(単位:百万円)
|
|
令和5年12月期 |
令和6年12月期 |
|
売上高 |
16,500 |
17,000 |
|
営業利益 |
550 |
630 |
|
経常利益 |
480 |
550 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
280 |
330 |
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界的な半導体不足、ウクライナ情勢や更なるインフレ懸念等により、不透明な経営環境が続くものと予想
されますが、このような状況下、中期経営計画の2年目となる令和5年度は、各事業分野において以下の取り
組みを進めてまいります。
・衣料事業
地政学リスクの高まりや原材料、エネルギーコストの上昇等激変する経済環境の中、中期経営計画2年目と
なる今年は、その最重要課題である盤石な事業体制の構築へ向けて以下の施策を進めていきます。
1. 持続可能なバリューチェーンの構築
メーカーとして、自社グループをはじめ、協力会社を含めた持続可能で強固なバリューチェーンを構築
し、環境負荷低減と経済合理性の両立を実現していきます。
2. DXの推進
FAの計画的導入も含めた工程、業務フローの見直し等、生産効率の向上、業務変革を徹底的に推し進め
ます。
3. 海外拠点の活用
既存の中国、東南アジアの拠点について、部門の枠を超えた視点で、製造拠点としてのみならず、商品開
発、それに伴った市場創造の側面から有効活用し総合力を高めます。
4. 毛糸部門の販売強化
国内の梳毛紡績会社の集約が進む中、国内外に生産工場・拠点を持つという背景、強みを活かして販売網
の構築に取り組みます。
・インテリア産業資材事業
インテリア産業資材事業は以下の3つの戦略を推し進めていきます。
1. 生産の効率化
国内、中国子会社とも新規商材の立ち上げ、および効率化を図るため既存設備の改修、改造および工程の見える化による生産の効率化を進めていきます。
2. 品質へのプライド・ものづくりへのこだわり
すべての分野で新規商材の受注獲得のための新規開発を進めていきます。
ポリプロファイバーでは、高機能綿の開発・販売、カーペット不織布では、高付加価値機能商材の開発・販売を目指します。
3. 環境に配慮したものづくり
導入済みの環境に配慮した排水処理設備の適切な運用と更新を実施するとともに、工場で使用するエネルギーの低炭素排出へのシフトを実現し、環境負荷低減を推し進めます。また、リサイクル事業では、産官学共同研究による「リサイクル炭素繊維の連続繊維化および製布化」に取り組んでおり、リサイクルカーボンファイバーの高付加価値製品化を目指します。
・エレクトロニクス事業
昨年度前半は、一昨年から続く半導体不足による大幅な受注増により増収・増益となりましたが、後半に入
りロシアによるウクライナ侵攻や高インフレによる景気後退の影響が見られ、受注が減少しました。今年度も国際秩序の不安定化が続くことが予想され、厳しい経営環境の見通しです。
主要分野において以下の重要施策を推進していきます。
1. ACコントローラー分野
DXを活用し、生産管理、品質管理を向上させます。生産ラインについては自動はんだ付け装置導入など省力化を推進し、下期の受注回復時には速やかに量産対応できるように生産効率向上を目指します。
2. 電子デバイス分野
半導体デバイスにおいては、引き続き産業機器向け製品は供給不足の状況にありますが、いくつかのカテゴリーでは供給不足が解消されています。そのため、逼迫部品と在庫過多部品の調整を行いながら、サプライヤーと協力関係を維持して安定確保を図ります。
その上で、今まで参入できていない事務機、フェムテック分野への積極的な営業を進めます。
3. 成長期待分野
ロボットに使用される減速機は、生産数量を拡大して国内外の販売を強化していきます。
電子棚札や個人向けビールサーバーは、昨年度は生産部材の確保ができず販売遅延となりましたが、今年は部材確保の見通しが立っているため、販売増を目指します。
4. 新規案件開発
大阪工場主体で国内外注先と提携して国産品の開発・製造をスタートさせ、海外情勢の変化に対応できるような生産基盤作りを目指します。
・ファインケミカル事業
ウクライナ情勢やインフレが止まらない欧米の経済情勢下、不確実性がさらに高まる混沌とした事業環境で
はありますが、将来の成長軌道を確かなものとするために、今年度も中期経営計画に沿った以下の重要戦略を推進していきます。
1. 世界的な調整局面に入った電子材料分野ですが、中長期的には市場拡大が見込まれると捉え、一昨年来よ
り進めてきた能力増強投資の成果を売上利益拡大につながるように取り組みを強化します。また、需要の旺盛な半導体プロセス材料向け生産能力増強ならびに品質力の向上にも努め需要家の要望にしっかり応える体制に注力します。
2. ヘルスケア分野はオーソライズド・ジェネリック品との厳しい競争が予想されますが、地道なコスト低減
策を講じて競争力の向上に努めます。また、中国製から国内品に切り替わる多様な受託ニーズを的確に捉え、新規受託材料獲得に向け積極的な営業活動を展開します。
3. DXのさらなる推進で業務効率化・生産性向上をより確かなものとし収益力を高めます。省エネ・サーキ
ュラーエコノミー推進やプロセス改善に継続的に取り組むことで地球環境保全という人類共通の課題解決に貢献し、持続可能かつ社会に必要とされるファインケミカル事業の発展を追求します。
・不動産事業
資産の有効活用と安定収益確保のため、以下の4つの重点施策を進めていきます。
1. 事務所賃貸については、オフィス環境の満足度を高めるため、今後も設備のリニューアルを継続してい
きます。
2. 商業施設については、稼働率と収益性を高めるため、計画的に修繕を行い付加価値の維持向上を図りま
す。
3. 老朽化した施設については、新規テナント誘致のため、建て替えなど新たなスキームを検討していきま
す。
4. 保有森林の維持管理など SDGsを意識した資産の活用を促進し、環境負荷低減への貢献を図ります。
当社グループは、創業者の訓示である「顧客満足」「重点主義」「公平性」を脈々と受け継ぎ、人々そして暮
らしの「アメニティ=快適・ここちよさ」を追求する「暮らしと社会の明日を紡ぐ」企業グループであり続けるという理念のもと、以上のような取り組みを通じて持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。
また、法令順守や危機管理を一層徹底するため、「トーア紡グループ企業行動憲章」のさらなる定着と実践を
推進し、より実効性のある内部統制の整備、運用に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり
であります。また、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、事態発生の回避及び発生した場合の迅速な対
応に努めてまいります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであ
ります。
1.有利子負債への依存度
当社グループの有利子負債残高の純資産に対する比率は以下のとおりであります。
|
|
純資産(百万円) |
有利子負債残高(百万円) |
対純資産比率(%) |
|
平成30年12月末 |
11,142 |
11,383 |
102.2 |
|
令和元年12月末 |
11,164 |
11,273 |
101.0 |
|
令和2年12月末 |
10,814 |
12,381 |
114.5 |
|
令和3年12月末 |
11,360 |
11,778 |
103.7 |
|
令和4年12月末 |
11,738 |
12,250 |
104.4 |
(注)「対純資産比率」は、連結貸借対照表の「純資産合計」から「非支配株主持分」を控除した数値を分母として算出しております。
今後、有利子負債の圧縮を進めてまいりますが、現在の金利水準が大きく変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
2.カントリーリスク
当社グループは、海外の企業と輸出入取引を行っております。また、中国、ベトナムに生産拠点を有しており、当社グループが事業展開している国や地域において、不利な影響を及ぼす法令・規制等の変更や政治・経済・社会情勢等に起因した予期せぬ事態が発生した場合、債権回収や事業継続が困難になるリスクを負っております。このようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
3.為替変動リスク
当社グループは、国内外において外貨建て取引を行っております。外貨建て取引に対しては、為替変動のリスクを軽減するために為替予約によるヘッジを行っております。しかしながら、為替レートが大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の連結子会社や持分法適用会社の経営成績は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートにより円換算後の価値が大幅に変動し、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
4.購入原料の変動リスク
当社グループの主力事業である衣料事業及びインテリア産業資材事業の原料は、国際商品市況(原油相場・羊毛相場)の影響を受けやすく、それら原料の供給量や価格が大幅に変動した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
5.市場環境に関するリスク
当社グループの製品の多くは他社製品と競合しております。したがって、競合他社との競争が激化し市場環境が悪化した場合には、販売数量の減少や販売価格の下落を通じて当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
6.与信リスク
当社グループは、当社の信用管理制度のもとに、取引先別に限度額を設定するなど与信リスクを最小限にするための対応策をとっております。また、過去の貸倒実績率等に基づき、貸倒引当金を計上して、売上債権の不良化による損失に備えております。しかしながら、政治的混乱や深刻な景気後退・金融不安等により重要な取引先が破綻した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
7.製品の欠陥等(訴訟リスク)
当社グループは、所定の品質管理基準に従って、衣料品・カーペット・自動車内装材・化成品・半導体商品等の
各種製品を国内外で生産しており、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、重大な製品の欠陥等が発生し、その賠償額が保険でカバーできない場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
8.不動産の下落リスク
当社グループは、事業の構造改善に伴う工場跡地や建物等、不動産を相当量保有しております。その多くは「土地の再評価に関する法律」に基づき事業用の土地の再評価を行い(平成12年12月31日)、評価差額に係る税金相当額を「繰延税金負債」として負債の部に計上しておりますが、地価がさらに大幅に下落した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
9.自然災害や事故等のリスク
当社グループは、国内外の各地で生産活動を主とした企業活動を行っております。地震などの自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの製造拠点等の設備や商品に壊滅的な被害を被った場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.コンプライアンスリスク
当社グループは、「コンプライアンス委員会」を設置し、法令順守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、順守すべき倫理規範等を「トーア紡グループ企業行動憲章」として制定し、当社グループにおける行動指針の順守並びに法令違反等の予防に努めております。しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
11.情報システム管理に関するリスク
当社グループは、情報伝達や基幹業務支援など事業全般においてコンピュータシステム及びITネットワークを活用しております。「情報システム管理規程」等を定め、情報セキュリティの強化、バックアップ体制の構築、機器の高性能化等、システムトラブル対策を講じておりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による情報資産の漏洩、また、事故や自然災害等によりシステムが機能不全となる可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
12.新型コロナウイルス感染症によるリスク
当社グループは、国内外の各地で生産活動を主とした企業活動を行っております。生産拠点である工場において新型コロナウイルス感染者が発生し、操業等に支障が出た場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止策として、在宅勤務や時差出勤の推奨、出社の際のソーシャルデ
ィスタンスの確保とマスク着用の義務化、手指のアルコール消毒の徹底、社内会議のウェブ化、会議室のアクリル板設置などを実施しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキ
ャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産の残高は、32,911百万円(前連結会計年度末は、31,488百万円)となり、1,423百万円
の増加となりました。その主な要因は、棚卸資産および有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の負債の残高は、21,164百万円(前連結会計年度末は、20,119百万円)となり、1,045百万円の
増加となりました。その主な要因は、短期借入金の増加によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、11,746百万円(前連結会計年度末は、11,368百万円)となり、378百万円の
増加となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金および為替換算調整勘定の増加等によるものであ
ります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染が続き収束が見通せない状況ではあるものの、社会経済活動は正常化に向けて動き出しました。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格、原材料価格の高騰に加え、急激な円安によって物価が上昇するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らしと社会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は17,000百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益は516百万円(前年同期比
43.9%増)、経常利益は528百万円(前年同期比26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は269百万円(前年
同期比4.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売を行っております。
新型コロナウイルスの影響により冷え込んでいた一般衣料の市況は、ウィズコロナ期に入り回復基調となりました。
毛糸部門は、織糸の需要が国内産地で回復し増収となりました。
ユニフォーム部門のスクール制服向け素材およびニット製品は、学生服メーカーの新入学生向け商品の生産が旺盛なため、素材の受注が好調に推移し増収となりました。官公庁制服向けは、調達数量減少の影響を受け減収となりました。一般企業向け制服素材は、需要回復の兆しが見え増収となりました。
テキスタイル部門は、主要取引先の在庫調整が解消されたことで、受注が順調に推移し増収となりました。
毛糸製造販売を主体とする中国現地法人は、日本市場向けの受注が回復したため増収となりました。
この結果、売上高5,996百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益209百万円(前年同期比104.4%増)となりました。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな用途の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
国内においては、新型コロナウイルスの影響が収まりつつありながらも、自動車産業は半導体・部品の不足などによって自動車の生産が減少し、大きな影響を受けました。
ポリプロファイバー部門は、自動車内装材用原綿が自動車減産により引き続き減産傾向にありますが、カーペット用原綿は展示会が規模を縮小しながらも開催されており、増収増益となりました。
カーペット部門は、ホテル・オフィス用途の生産が減りましたが、一般資材やダストコントロール、展示会・イベント用の需要が回復し増収となりました。しかし、急激な原材料・燃料・副資材の値上げにより減益となりました。
特殊繊維部門は、金属繊維が自動車の生産台数減少の影響で減産となりましたが、カーボン繊維は建設機械向けが活況となり微増収となりました。
自動車内装材部門は、半導体・部品不足の影響はありましたが、受注商品への影響が少なかったことや、原材料価格の高騰を価格転嫁できたことなどもあり、増収となりました。
不織布部門は、土木、寝装関連は前年並みに推移しました。防草、緑化関連は順調に推移しましたが、急激な原材料・燃料・資材の値上がりを受け増収減益となりました。
自動車内装材製造販売の中国現地法人は、半導体不足と上海ロックダウンの影響を受けて大きく生産効率を落とし、減収減益となりました。
この結果、売上高6,306百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益67百万円(前年同期比25.1%減)となりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
主力の電動工具向けコントローラーは、後半にウクライナ侵攻の長期化の影響を受けて受注が減少しましたが、年間では受注残の解消が順調に進んだことにより、売上が堅調に推移しました。
また、半導体デバイスは年間を通して、半導体製造装置や衛生用品向けの受注が好調に推移しました。
この結果、売上高2,335百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益76百万円(前年同期比62.7%増)となりました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、電子材料用および工業用薬品の製造および販売を行っております。
電子材料分野は半導体向けのプロセス材料の受注増で増収となりました。ヘルスケア分野はジェネリック医薬品向けの需要が堅調に推移し増収となりました。
この結果、売上高1,176百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益93百万円(前年同期比107.4%増)となりました。
[不動産事業]
不動産事業は、主に郊外型ショッピングセンター・ロードサイド店舗・オフィスビルの賃貸などを行っております。
新規テナントが入居したことに加え、新たな事務所賃貸も寄与し増収となりましたが、光熱費の高騰により微減益となりました。
この結果、売上高901百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益543百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売、洋菓子店の運営などを行っております。また、海外においては、カンボジアで衣料品生地の検品、補修事業を行っております。
自動車教習事業は、二輪車・大型特殊・フォークリフトは堅調に推移しましたが、主力の普通車が低調であったため減収となりました。
ヘルスケア事業は、スキンケア化粧品と健康食品の自社ブランド商品(ONU)を立ち上げて販売を開始しましたが、予定していた海外免税店での化粧品販売が延期になり、低調に推移しました。
また、ECサイト販売を中心に展開していたホームウェアは低調に終わり、当期末をもって販売終了となりましたが、洋菓子店、カンボジア現地法人は堅調に推移しました。
この結果、その他の事業全体の売上高は285百万円(前年同期比5.0%減)、営業損失49百万円(前年同期は営業損
失38百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ275百万円減
少し、1,677百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益468百万円を計上しておりますが、主な増加要因としては非資金的支出費用である減価償
却費373百万円および売上債権の減少303百万円、主な減少要因としては棚卸資産の増加701百万円等により、営業活動による資金は492百万円(前年同期比25.9%減)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の払戻による収入496百万円および定期預金の預入による支出630百万円、有形固定資産の取得による支
出995百万円等により、投資活動による資金は1,130百万円(前年同期比419.3%増)の使用となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入3,048百万円および長期借入金の返済による支出3,856百万円、短期借入金の純増加額1,280
百万円等により、財務活動による資金は336百万円(前連結会計年度は692百万円の使用)の獲得となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年1月1日 至 令和4年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
2,397 |
110.6 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
5,168 |
108.4 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
1,163 |
101.5 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
915 |
278.5 |
|
合計(百万円) |
9,644 |
114.7 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.不動産事業及びその他は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業 |
6,371 |
121.2 |
606 |
261.9 |
|
インテリア産業資材事業 |
6,283 |
108.3 |
24 |
79.1 |
|
エレクトロニクス事業 |
1,311 |
45.5 |
397 |
28.0 |
|
ファインケミカル事業 |
1,201 |
100.1 |
341 |
108.0 |
|
合計 |
15,167 |
100.2 |
1,370 |
68.5 |
(注)1.受注残高には、継続的な取引先からの受注内示は含めておりません。
2.不動産事業及びその他は受注高及び受注残高はありませんので、上記金額には含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年1月1日 至 令和4年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
衣料事業(百万円) |
5,996 |
116.3 |
|
インテリア産業資材事業(百万円) |
6,306 |
107.6 |
|
エレクトロニクス事業(百万円) |
2,335 |
101.6 |
|
ファインケミカル事業(百万円) |
1,176 |
115.1 |
|
不動産事業(百万円) |
901 |
101.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
16,715 |
109.7 |
|
その他(百万円) |
285 |
95.0 |
|
合計(百万円) |
17,000 |
109.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の
相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成
されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて
は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、10,231百万円(前連結会計年度末は、9,733百万円)となり、498百万円の増加となりました。その主な要因は、棚卸資産が増加した一方で、受取手形及び売掛金が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、22,679百万円(前連結会計年度末は、21,755百万円)となり、924百万円の増加となりました。その主な要因は、建設仮勘定および投資有価証券の増加等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、8,533百万円(前連結会計年度末は、6,603百万円)となり、1,929百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金および支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、12,631百万円(前連結会計年度末は、13,515百万円)となり、884百万円の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、11,746百万円(前連結会計年度末は、11,368百万円)となり、378百万円の増加となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定、利益剰余金の増加によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、17,000百万円(前連結会計年度は15,532百万円)となり、1,468百万円の増加とな
りました。その主な要因は、衣料事業においてウィズコロナ期に入り市況が回復基調となり需要が増加したことや、エレクトロニクス事業において、半導体デバイスの半導体製造装置や衛生用品向けの受注が好調に推移したことによるものであります。
各セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、13,821百万円(前連結会計年度は12,579百万円)となり、1,241百万円の増加となりました。その主な要因は、売上の増加によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,663百万円(前連結会計年度は2,594百万円)となり、68百万円の増加となりました。その主な要因は、売上の増加に伴い運送費が増加したことや、人件費が増加したことによるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、164百万円(前連結会計年度は227百万円)となり、63百万円の減少となりました。その主な要因は、助成金収入および受取保険金の減少によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、152百万円(前連結会計年度は168百万円)となり、16百万円の減少となりました。その主な要因は、従業員休業補償費の減少によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、38百万円(前連結会計年度は13百万円)となり、25百万円の増加となりました。その主な要因は、国庫補助金20百万円の増加によるものであります。
また、当連結会計年度の特別損失は、98百万円(前連結会計年度は51百万円)となり47百万円の増加となりました。その主な要因は、事業撤退損54百万円を計上したことや固定資産圧縮損が19百万円増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は、198百万円(前連結会計年度は、159百万円)、法人税等調整額は、0百万円(前連結会計年度は、△38百万円)となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、269百万円(前連結会計年度は、258百万円)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の
状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標のトレンド)
|
回 次 |
第19期 |
第20期 |
第21期 |
|
決 算 年 月 |
令和2年12月 |
令和3年12月 |
令和4年12月 |
|
自己資本比率(%) |
34.6 |
36.1 |
35.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
13.4 |
12.0 |
9.5 |
|
債務償還年数(年) |
- |
17.7 |
24.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
8.0 |
6.1 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により計算しております。
|
・自己資本比率(%) |
:自己資本/総資産 |
|
・時価ベースの自己資本比率(%) |
:株式時価総額/総資産 |
|
・債務償還年数(年) |
:有利子負債/営業キャッシュ・フロー |
|
・インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
:営業キャッシュ・フロー/利払い |
2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動による
キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて
いる負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.第19期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのた
め記載しておりません。
d.資本の財源及び資金の流動性
資本の財源については、収益力及び資産効率の向上により確保することを基本としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、
設備の新設、拡充、改修等に要する設備資金などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につき
ましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度の計画の達成状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
指標 |
計画 令和4年12月期 |
実績 令和4年12月期 |
計画対比 |
|
売上高 |
16,000 |
17,000 |
+1,000 |
|
営業利益 |
450 |
516 |
+66 |
|
経常利益 |
380 |
528 |
+148 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
220 |
269 |
+49 |
新型コロナウイルスの感染再拡大や、原材料価格の高騰等ありましたが、当社グループは、令和4年12月期
の計画を達成いたしました。
該当事項はありません。
当社グループは、研究開発部門の基礎研究や外部研究機関との共同研究をベースに、新商品開発・新機能開発に重
点を置き、更に品質向上・地球環境保護のための工程改善等の研究を積極的に行っております。当連結会計年度にお
けるグループ全体の研究開発費は
(1)衣料事業
衣料事業関係では、「安心」「安全」「快適」「環境」の観点から原料、織物、製品にいたる様々な素材開発に取り組んでおります。
繊維改質加工分野では、環境に配慮したウールの新しい防縮加工の量産に向けた技術開発や、ヘルスケア、快適性訴求として、衣服内の調温調湿機能素材、血流促進機能素材、近年消費者ニーズが高まっている抗菌・抗ウイルス加工の開発も進めております。
紡績・製織分野では、スーパーストレッチ織物、防シワ性織物や、高強力・高耐久性織物の開発を進めております。
サステナブル分野では、製造工程から発生する廃棄物を利用した製品開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、
(2) インテリア産業資材事業
産業資材関係では、土木資材、防草シートなどの高機能、複合化を進めております。
機能素材として、抗菌、消臭、抗ウィルス、抗アレルゲンのカーペット、不織布、短繊維の開発に取り組んでおります。
自動車内装関係では、自動車室内空間の静音性の向上のため、内装外装両面からの視点で複合吸音素材の開発や軽、小型車両向けフェルト一体型カーペットの開発を行っております。
その他、産官学の共同研究開発事業としてのリサイクルカーボンの紡糸製布化事業を行っております。
また工場の環境対策として、排水システムの変更、燃料転換を行い二酸化炭素排出量削減、産業廃棄物の削減を実施できるように取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(3) エレクトロニクス事業
従来の電動工具分野以外の成長分野への進出を目指し、省力化・ロボット産業、衛生関連、環境関連の研究開発
に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(4) ファインケミカル事業
中期経営計画の重点事業に位置づける電子材料分野において感光性樹脂材料のプロセス開発研究、また、環境負
荷低減を目的として既存製品のプロセス改良に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(5) その他事業
京都大学・大阪市立大学(現 大阪公立大学)の研究から生まれた機能性アミノ酸誘導体の研究開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、5百万円であります。