第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「21世紀のグッドカンパニー」の実現を目指し、株主・取引先・社員・地域社会の皆様方から高い信頼を得られる企業経営を基本方針としております。この方針のもと、株主、お客様の視点に立ち、「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」活動を共通の意識として、企業構造の革新と企業体質の改革に積極的に取り組んでおります。また「のびのび いきいき ぴちぴち」の経営理念のもと、社員一人ひとりが自主性・責任感・使命感を持ち、不条理・矛盾を許さないフェア精神とコンプライアンス精神とを持って企業活動を行っております。これらを確実に推進することによって、より高い付加価値の創造と企業価値の向上、さらには企業の社会的責任を果たすことにつながるものと考えております。

(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題等

雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、物価動向やエネルギー及び原材料価格、為替動向に加え、米国の通商政策の動向や海外経済の先行き、中東情勢を含む地政学リスク等により、先行き不透明な状況が続き、経営環境については一層の注視が必要です。セーレングループは、変化し続ける経営環境においても、常にお客様のニーズに応え、かつ安定した収益確保と継続的な企業成長を果たすため、当社グループの企業文化である「五ゲン主義」に立ち返り、「個々の役割と責任のもと、一人ひとりが付加価値を創り出す」という原理に基づき仕事を行ってまいります。 その基本戦略は下記の4点であります。
①「IT化・ビジネスモデル転換」・・ITを活用し、新しいビジネスモデルを構築
②「非衣料・非繊維化」・・・・・オンリーワン技術の活用による新規事業の創出
③「グローバル化」・・・・・・・地球規模での事業展開
④「企業体質の改革」・・・・・・のびのび いきいき ぴちぴちで、強い企業体質へ
 これら4つの基本戦略の制定から今日に至るまで、幾たびの経済環境や社会構造、そして流通構造の激しい変化がありました。それらを越えた今、得られた成果を評価すると、この基本戦略は、いつの時代においても将来を見据えた確かな戦略であったと確信しております。次の新たな飛躍を目指し、「素材から製品化、BtoBからBtoC」を中期事業戦略におき、従来よりも付加価値の高い流通ポジションにおける販売事業拡大を進め、高収益モデルへの転換に取り組んでまいります。

① IT化・ビジネスモデル転換

企画・製造・販売の「流通一貫機能」と原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」による「小ロット・短納期・在庫レス・オンネット・低コスト・省資源・省エネルギー」を進化させ、生活者のニーズ・CS(顧客満足度)に100%対応しつつ、ムダ・ロスのゼロを実現する21世紀型ビジネスモデルの完成を目指します。

1)DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、当社独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」とSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムをさらにレベルアップさせ、ビジネスモデルの基盤を強化。

2)パーソナルオーダーシステム「Viscotecs make your brand®」の販売拡大に向け、バーチャル試着など利便性を高めたシステムやコンテンツを改良。在庫レス小売を目指した新しいビジネスモデルによるSPA事業を拡大するとともに、BtoBビジネスにおいても、同システムの事業を展開。

3)原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」を活用し、製品化・部品化の拡大及びBtoCビジネスの拡大。

4)AIやロボットを活用した生産工場のスマートファクトリー化による業務効率化・生産性向上推進。

5)NBセーレン㈱とのシナジー創出による新規事業の早期事業化、既存資産の有効活用による投資効率の向上。

② 非衣料・非繊維化

繊維技術をコアとして、そこから派生する繊維加工技術、応用化学、機械工学、ITを活用し、「次世代車種シート材」「一貫生産エアバッグ」「炭素繊維」「人工衛星」「半導体」「エレクトロニクス素材」「環境・メディカル」「非繊維ビスコテックス」の8つの成長分野の事業を拡大してまいります。

 

1)車輌内装材向けの高級感と優れた機能性を備えた“本革を超えた新素材”「クオーレ®」の拡販及びファッション、産業資材分野等における新規用途開拓。
さらなる快適機能や高耐久性能の付加、非繊維ビスコテックスとの融合による高付加価値品の開発と拡販。

2)エアバッグ向けPET素材の拡販及び糸からの一貫生産による事業拡大。

3)炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の生産性と物理特性を変える新型プリプレグ「セレカーボ®」の用途開発と拡販。

4)人工衛星及び人工衛星部品の開発・製造・販売等、宇宙関連分野の事業拡大。

5)セーレンアドバンストマテリアルズ㈱の独自技術である、厚膜熱酸化膜付ウェーハや各種SOIウェーハの拡販。

6)柔軟性、伸縮性、耐屈曲性に優れた導電性ファブリック「メタフレックス®」の用途開発と市場拡大及び拡販。

7)KBセーレン㈱のエンプラ繊維である、LCP繊維「ゼクシオン®」及びPPS繊維「グラディオ®」の用途開発と市場開拓及び拡販。

8)シルクたんぱく質「セリシン」をベースにした当社オリジナル化粧品「コモエース®」シリーズやヘルスケア商品の拡販、及びセリシンの優れた機能である保湿、美白、酵素安定、細胞保護、抗酸化機能などを応用した医療分野などへの参入・拡販。

9)瞬間消臭機能を備えた「デオエスト®」(用途:アンダーウエア)、「イノドールクイック瞬感消臭®」シリーズ(用途:ブランケット、シーツ、介護商品など)の拡販。

10)ビスコテックスによる非繊維材料(金属、陶器、樹脂、ガラス、コンクリートなど)に対する加飾ビジネスの顧客開拓及び拡販。(用途:車輌用インストルメントパネル、外壁資材など)

③ グローバル化

地政学リスクや世界経済の動向、米国関税政策など、国際的な市場環境の変化を注視し、柔軟かつ迅速な対応を行ってまいります。また、少子高齢化による人口減少、国内市場縮小が見込まれるなか、今後さらなる経済成長が期待される新興国市場での収益拡大を図るとともに、グローバルでの最適地生産・最適地仕入等、グループ経営の強化を進めてまいります。

1)海外生産能力増強による車輌資材事業の世界シェア拡大。SEIREN Hungary Kft.(ハンガリー)を拠点に、環境意識の高い欧州における合成皮革の車輌シート材の拡販。 今後成長が見込まれるインド、ブラジル等の新興国市場において、生産・販売体制の強化を図り、グローバルでの事業拡大を推進。

2)上海を拠点とする世聯美仕生活用品(上海)有限公司(中国)によるセーレングループ差別化商材の拡販。

④ 企業体質の改革

1)意識改革

A)仕事の目的を理解し、その目的を完遂するための役割と責任の明確化。

B)企業理念「のびのび いきいき ぴちぴち」「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」の徹底。仕組みとしての「整流」「見える化」「見つけましたね運動」「革命的VA活動」等の浸透・定着。

2)研究開発力の強化
技術開発、設備開発、ソフト開発などへの積極的な投資と環境づくり。

3)資本効率の向上と収益力の強化

PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本当期純利益率)、PER(株価収益率)などの向上。

4)グループ連結経営の強化
グループ企業価値を最大化すべく、グローバル本社体制による、グループ企業のガバナンス強化。グループ各社の役割・責任を明確にし、効率的で最適な企業統治システムを構築するとともに、各社の事業の見直し・選択と集中を行う。

     5)本社改革

スピード経営のための仕組みやシステムの構築、会長・社長スタッフとしての役割機能強化。

     6)人材の育成・確保、雇用安定

21世紀型の高付加価値新規事業の創出やグローバル事業の拡大にあたり不足する新たなニーズにマッチングする人材の育成及び確保。中期戦略を見据えた、グループ全体の人員戦略見直しと、ローテーションや人材育成を含めた適切な施策実施。

 

     7)サステナビリティへの取り組み

A)省エネルギー活動及び環境対応型製品の開発に取り組むことにより、ロス・ムダの削減、リサイクルの推進、環境負荷の低減を図る。

B)「21世紀型企業への変革」を進めるためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、活力溢れることが不可欠との考えのもと、健康経営に取り組む。

C)会社法、金融商品取引法に基づいたコーポレート・ガバナンスや内部統制システムを構築・推進し、企業統治や企業活動の透明性を高める。

 

以上、今後も“変えよう、変わろう”を合言葉に、改革の手を緩めることなくこれらの課題を着実に具現化し、「生活価値創造企業」を目指して邁進していきます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

当社グループは、前述のとおり「21世紀のグッドカンパニー」の実現を企業経営の基本方針とし、加えて、環境経営の根幹となる「環境保護理念」を定め、「人と地球環境を保護する観点から、研究開発、生産、販売にいたるすべての工程、すべての組織で、安心・安全な企業活動を行う」旨を規定しています。これらに基づき、セーレングループが事業活動を通じて社会からの期待に応え、「持続可能な社会」と「セーレングループの持続的成長」の双方を実現していくための基本方針を、以下のとおり定めております。

 

サステナビリティ基本方針

1.商品・サービス

環境変化とお客様のニーズを踏まえた、最適で質の高い商品・サービスを提供することに努めます。

品質を第一に、安全・安心・快適・満足を追求し、環境と人にやさしい製品・サービスの開発及び提供により、持続可能な社会の実現のために努力します。

2.取引先との共存共栄

取引先を尊重し、長期的な視野に立って相互信頼に基づく共存共栄の実現に取り組みます。

事業活動に関わるそれぞれの国の法令及びその精神を遵守し、公正かつ自由な取引を行います。

3.地域社会への貢献

事業活動に関わるそれぞれの地域の文化、伝統を尊重し、地域社会の発展に貢献します。

4.地球環境の保全

人々が安心して暮らせる地球環境が事業活動の前提であるとの認識のもと、地球環境の保全と気候変動対策の取組みを推進します。

5.人権・職場環境

あらゆる人々の人権を理解・尊重し、事業活動に反映します。

ダイバーシティ・インクルージョンを推進し、すべての従業員に対する平等な機会の提供や働きやすい職場環境を整備します。

6.経営体制の整備

経営陣はサステナビリティ推進に積極的に取り組み、適切な事業ポートフォリオの構築、サステナビリティ推進に必要な経営資源の適切な配分、体制整備を実施します。また、全従業員への本方針の周知徹底、意識醸成のための教育を行います。

7.コンプライアンス

業務遂行のあらゆる面においてコンプライアンスが最優先されるとの認識のもと、国内外の適用されうる法令、国際規範並びに社内規程等を遵守することはもとより、社会的良識に基づいて公正・誠実に行動します。

8.ステークホルダーへの情報開示・対話

株主、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーに対し、情報を適切・公平に開示するとともに、継続的な対話を通じて信頼関係を構築します。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ経営を推進し、事業活動を通じた「持続可能な社会」と「セーレングループの持続的成長」の双方を実現していくことを目的として、サステナビリティ委員会を設置しています。代表取締役社長が委員長を務め、取締役会の監督のもと、セーレングループのサステナビリティに関連する方針の決定や全体計画の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行います。また、定期的に取締役会において報告を行い、取締役会はこのプロセスを監督し、必要に応じて対応の指示を行います。また、気候変動対応の推進体制として、サステナビリティ委員会の下部にワーキンググループ「Cゼロプロジェクト」などを設置し、気候変動を含めた環境面での対策を立案・モニタリングする環境推進委員会と連携して推進する体制をとっております。

(2)戦略

気候変動、資源・エネルギー問題、水不足、自然環境の喪失や安全・健康への不安など、サステナビリティを巡る課題への対応は企業に課せられた重要な経営課題であると認識しております。これらの課題を、自社への影響度、社会への影響度の両面で評価し、当社グループにとっての重点課題(マテリアリティ)を特定しました。マテリアリティに関わる施策と指標を検討し、目標値が定められるものについては可能な限りKPIを設定しております。これらの取組みにより、事業活動上のリスクを低減するだけでなく、社会課題の解決に貢献する製品・技術の開発を進め企業価値の向上を図ってまいります。

①気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

当社グループでは、TCFD提言に基づき、気候変動がもたらす「リスク」と「機会」を明確にいたしました。抽出したリスク及び機会について、シナリオ分析等に基づき継続的な見直しを行うとともに、損益・資金計画に与える影響について検討を進め、経営戦略のレジリエンスを高めてまいります。

 

[気候変動関連における重要度の高いリスク・機会]

分類

リスク

機会

時間軸

影響度

対策

移行
 リスク

カーボンプライシング

カーボンプライシングの導入による生産コストアップ

省エネ活動の推進によるエネルギーコスト削減

短~中期

高い

徹底した省エネや再生可能エネルギーの導入、サプライチェーンと連携したScope3の削減

レビュテーション

石油由来製品がステークホルダーから懸念される収益の低下

バイオ製品やリサイクル製品の拡大でイメージアップによる収益の増加

短~中期

中程度

バイオ率100%素材の開発及び拡大、サーキュラーエコノミーを目指したビジネスモデルの創出

資金調達

情報開示不足による投資家や金融機関からの資金調達の悪影響の懸念

積極的な情報開示による資金調達の増加、株価の上昇

短~中期

高い

TCFD提言に沿った情報開示

物理的
 リスク

自然災害

自然災害による生産拠点の被害やサプライチェーン寸断による生産停止の発生

防災・防護製品の需要拡大
 気候変動対策製品、サービスの需要拡大

短~中期

高い

これまでの災害経験を踏まえた事業継続計画(BCP)の設定

 

 

②人材育成及び社内環境整備に関する方針

当社グループにおける人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略は次のとおりであります。

当社は、仕事を通じ社員の豊かな人生を実現していくことが企業の活性化につながり、企業としての永続性を確保すると認識しております。その実現に向け、個々人の多様性と創造性を組織の付加価値として活かし、働くことに夢とやりがいを持てる職場環境を整備するとともに、環境変化が激しい時代においても自ら成長・変化していくことができる環境を提供してまいります。あわせて高度な専門性と総合力を駆使し、企画・提案ができる人材集団を形成していくことを人事の基本方針としています。

また、当社グループは、中長期的な企業価値向上および事業環境の変化への対応に向けた経営戦略の実現において、人材の育成および活用が重要な要素であると認識しております。

1)多様性の確保

多様性確保による柔軟な発想・開発の重要性を認識し、新卒採用に加え、キャリア採用にも積極的に取り組んでいます。2023年度は8名、2024年度は9名、2025年度は12名をキャリア採用しました。今後も、多様な人材確保に向け、社外ではあらゆるチャネルを活用するとともに、社内における挑戦マインドを刺激し、多様な人材確保を進めてまいります。

2)女性の活躍に向けた取組み

製造業の特性として女性労働者が少ない実態を踏まえ、女性の活躍推進を含むダイバーシティの推進に取り組んできており、2021年の定時株主総会においては当社初の女性取締役(社外取締役)が選任されました。現在、取締役と監査役を合わせて13名中、女性は1名でその比率は7.7%となっております。取締役に限れば、9名中1名が女性で、その比率は11.1%となります。2024年6月より、経営面において特定地域や専門分野を任せうる高い見識や専門性を持った経営幹部役職として新たに「専任役員」を設け、有価証券報告書提出日現在、7名中3名が女性となっております。また、女性の受入体制等の環境整備については、従前から女性活躍の重要性を認識し、育児・介護等の休暇に加え、時間単位での有給休暇取得を可能にするなど、就業を継続しやすい環境作りを進めてまいりました。その結果、育児休業後も就業を継続する社員が多く、女性の平均勤続年数は2023年度末 24.0年、2024年度末 23.6年、2025年度末 23.3年と、男性比では120.7%となっています。今後も男女の勤続年数の差異を130%以上とすることを目標として環境整備に努めてまいります。

3)人材育成・人材力の強化

社員の多様性を尊重し、キャリアステップに応じた多様な研修体系を提供するとともに、自己学習や社外研修・派遣など、あらゆる方向から社員の成長・キャリアアップを支援する体制を整えています。また、海外事業拡大に対応するため、グローバル志向の醸成を図り、海外人材の育成を強化してまいります。

4)働きがい・Well-beingの向上

従業員の健康・働きやすさの向上を通じ、エンゲージメントの向上を図ってまいります。

1.健康経営推進・・人事労務部を中心に、健康保険組合、健康管理室、サステナビリティ推進部(働き方改革ワーキンググループ)が協働し、安全衛生委員会の協力の下、施策実行に取り組む。

2.所得向上作戦・・安心した生活設計、モチベーションアップのため所得水準を向上させる。

3.社内公募制度・・社員の挑戦意欲、やる気を具現化しさらなる成長とスキルアップを目指す。

4.コミュニケーション・・メール・アンケート等を通じ、社員の意見・要望・提案を吸い上げ、仕事が充実できる職場環境づくり。会社イベントの開催等を通じて、従業員間のコミュニケーションの活性化や一体感の醸成。

(3)リスク管理

サステナビリティ委員会には、取組みテーマごとにワーキンググループを設置しています。各ワーキンググループでは、リスク及び機会を識別し、対応方針や課題について検討を行い、各事業部・グループ各社横断的に取組みを推進します。また、専任組織であるサステナビリティ推進部はサステナビリティ委員会の事務局を担当するとともに、各テーマの進捗管理及びサステナビリティ戦略の検討・立案を行い、サステナビリティ委員会に提言します。

当社グループのサステナビリティ推進体制は以下のとおりです。

 


 

 

(4)指標及び目標

サステナビリティ委員会には、現在5つのテーマのワーキンググループを設置し、取組みを推進しております。各ワーキンググループの目標と取組み内容は次のとおりであります。

 

テーマ

目標

内容

2025年度の実績

気候変動・脱炭素

「Cゼロ」

2030年

 CO2排出量46%削減

(2013年度対比)

・2050年 カーボンニュートラル

・CO2削減に向けた大型エネルギー転換検討(太陽光発電、バイオマスボイラー)
・各工場のCO2排出量削減活動推進

2025年度(推定値)

 CO2排出量39削減

(2013年度対比)

新田事業所エネ転稼働開始(12月)

BCP対応

・2026年度

単体主事業における事業継続計画(BCP)の策定

・事業継続戦略の策定

・事業継続・復旧計画の策定

・BCP発動までの初動体制基準化

・BCPの教育・訓練計画策定

2025年度

災害発生時の社員の安否確認訓練実施→定着化

ダイバーシティ

働き方改革

・健康経営優良法人認定

・女性活躍推進

・グループ従業員の働きがい向上策の提案

・女性活躍推進(採用、教育体系)

・従業員の働きがい向上(給与向上作戦)

・環境改善(有休、育休、介護休暇取得)

2025年度

・新卒女性採用26%
(2024年度 同29%)

・年収前年比 +3.7%UP
(平均7,141千円/年)

・育休等取得率
男性74% 女性133%

調達改革

・サプライチェーン調達におけるサステナビリティ推進

・セーレン調達ガイドライン項目でのサプライヤー評価実施

(人権問題・化学物質規制・CO2削減など)

2025年度

サプライヤー勉強会の開催

ESGサプライヤーアンケート改訂(2026年度実施予定)

グリーン

プロダクト

・2030年度

環境対応製品の売上高:50%

・グリーンプロダクツ

(環境配慮技術・製品)の開発

・カーボンニュートラル、リサイクル視点の価値提案製品拡大

2025年度

・車輌内装材分野の環境対応合皮(無溶剤)技術を開発、商品化に進展

・住宅環境、ライフヘルスケア分野における、サステナブル素材(リサイクル、フッ素フリー)を商品化

 

 

 

CO2排出量の推移は次のとおりであります。

(千ton-CO2/年)

 

集計範囲

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

(推定)

 

2030年度
 (目標)

Scope1、2

Scope1

グループ 全体

99

98

103

104

107

 

97

Scope2

112

113

111

112

111

 

109

Scope1+2

211

211

215

215

217

 

206

Scope1

国内

70

68

70

67

69

 

60

Scope2

60

59

59

62

58

 

52

Scope1+2

130

127

129

129

127

 

112

Scope1

海外

29

30

33

36

38

 

37

Scope2

52

54

52

50

53

 

57

Scope1+2

81

84

85

86

91

 

94

原単位 (ton-CO2/売上高 百万円)

グループ 全体

1.93

1.59

1.51

1.35

1.27

 

-

国内

1.68

1.51

1.50

1.47

1.25

 

-

海外

1.19

0.92

0.88

0.72

0.73

 

-

 

 

また、上記「(2)戦略」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は次のとおりであります。

1.女性管理職数

当社グループでは以前より社員数に占める女性の社員数は少ないことから、女性管理職の比率はその時々の総人員数の影響を受けやすく、多様性確保の視点から、女性管理職数自体を増加させることを推進しております。現在目標として、2030年代に女性管理職数2022年比倍増を掲げており、2025年度の実績は2022年比横ばいとなっております。

2.中途採用者の管理職比率

中途採用者の管理職比率は現在11.8%となっております。その時々の環境により採用数を検討しており、継続維持することを目標とします。今後も、将来の管理職候補を長期的・計画的に育成すべく、キャリア意識の醸成や仕事と家庭の両立に関する不安の軽減に向けコミュニケーションと支援を継続してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあり、いずれも関連する当社事業グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。なお、文中における将来に関するリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 海外活動に潜在するリスクについて

当社グループは、グローバル化に対応するため、海外(米国、ブラジル、タイ、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ハンガリー)に子会社を設立し製造・販売活動を行っておりますが、これらの地域・国において、各国の法制や税制の変更、通商・関税政策の動向を含む政治的・社会的・経済的状況の変化や地政学リスクの顕在化等に伴う様々なカントリーリスクが内在しています。グループ内や外部機関などを通じた情報収集を行い、その予防・回避に努めておりますが、当社の予想を超える範囲でこれらの事象が生じる可能性があります。

(2) 為替相場の変動について

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各地域における現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時の為替レートの変動により、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替レートの変動は製品の相対的な価格や、仕入コストに影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、グローバルに生産拠点を配置し、最適地生産・最適地仕入を行うなど、このリスクを軽減するよう努めております。

(3) エネルギー・原材料価格の変動リスクについて

当社グループは、エネルギー源として、主に原油・ガス・電気を使用しておりますが、再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇や電力調達コスト増加に伴い電気料金の価格が上昇すると、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの製品は、石油化学製品を原材料にしているものが多く、その仕入価格が原油価格の変動の影響を大きく受ける可能性があります。これらのリスクに対し当社グループでは、エネルギー転換や合理化投資を進めるとともに、企画・製造・販売の機能連携により徹底した原価低減に取り組んでおります。

(4) 急速な技術革新について

当社グループの各事業分野において新しい技術が急速に発展しております。特にエレクトロニクスなどの分野においては技術革新の速度は顕著であり、また、AI(生成AIを含む)技術の急速な進展は、当社グループの事業機会となりうる一方で、既存のビジネスモデルや競争環境に変化をもたらす可能性があります。これらに対して競争力を維持するため迅速かつ優れた費用対効果による研究開発や製造・販売のための施策を講じています。しかし、最大限の注意・努力を払って施策を講じたとしても、全てが必ず成功する保証はなく、これらが予定どおり進展しなかった場合は、競争力を保てない可能性があります。

(5) 訴訟などについて

法令の遵守や知的財産侵害の防止については、専門部署などで万全のチェック体制をとっていますが、最大限のチェックを行ったとしても解釈の相違などにより訴えられる可能性があり、その場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 事故・災害・感染症等について

当社グループは、事故・災害等の未然防止に向けて、安全衛生対策、防災教育、防災訓練、防火設備点検等の事故・災害拡大防止対策を積極的に推進しています。しかしながら、大規模事故や地震・洪水・台風・感染症の流行等の大規模災害が発生した場合、生産能力への影響やサプライチェーンの機能不全等により、事業活動が遅延または中断する可能性があります。

(7)製造物責任について

当社グループは、品質管理には万全を期しておりますが、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。そうした事態に備えるため保険にも加入しておりますが、万が一、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合、当社グループの評価に重大な影響を与え、多額の追加コストが発生し、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)情報管理について

当社グループは、BtoC事業など様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を取り扱います。これらの情報については、社内規程に基づく運用管理、システムの整備やセキュリティソフトの導入を行い、情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、高度化するサイバー攻撃やランサムウェア等の脅威により、不測の事故による情報流出やシステム障害が発生した場合は、当社グループの評価に重大な影響を与え、損害賠償などの費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 人材確保について

少子高齢化に伴い労働力人口が減少するなか、21世紀型の高付加価値新規事業の創出やグローバル事業の拡大を重点的に推し進めるうえで、新たなニーズにマッチングする人材の不足が懸念されます。専門性を有した人材の確保、育成ができない場合、当社グループの競争力の低下や、事業活動が停滞するなど悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、新卒採用に加え積極的なキャリア採用に取り組んでおり、社外のあらゆるチャネルを活用するとともに、社内における挑戦マインドを刺激し、多様な人材確保を進めてまいります。なお、人材の育成及び社内環境整備に関する方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。

(10) 人権について

サプライチェーンを含む人権課題に対する対応が不十分である場合、顧客との取引の停止や会社に対する社会的信頼の喪失につながり、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。セーレングループでは、国内外の関係法令や社会規範を遵守するのはもちろんのこと、基本的人権に配慮した形での企業活動に取り組んでいます。また、取引先に対してもESGに関する調査を実施し、人権・労働に関する問題がないか確認を行っております。

(11) 気候変動について

気候変動に関する制度変更等に対する取組みが不十分である場合、会社に対する社会的信頼の喪失につながり、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、地球環境保全と持続可能な循環型社会の実現に向けた取り組みは、企業に課せられた重要な経営課題の一つと認識し、省エネルギー活動や環境対応型製品の開発に取り組むことにより、ロス・ムダの削減、リサイクルの推進、環境負荷の低減を図っております。

(12) グループ内連携・シナジー創出について

当社グループでは、事業競争力の強化やグループシナジーの最大化を目的として、グループ会社間の連携強化や事業の最適化に取り組んでおります。NBセーレン㈱をはじめ、これらの取り組みにおいて、構造改革やビジネスモデルの変革が計画どおりに進展しない場合、あるいは想定したシナジー効果が十分に発現しない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における経済環境は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の通商・経済政策の動向や地政学リスクの高まり等により、物価上昇やエネルギー・原材料価格の高止まり、為替相場が円安水準で推移するなか、景気の下振れリスクが継続し、依然として先行き不透明な状況となりました。

このような厳しい経営環境においても、当社グループは、中期方針「未知の可能性への挑戦!」に基づき、変化し続けるお客様ニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“イノベーションと顧客開発”及び“企業体質の再建”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力、環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。

当連結会計年度の連結業績は、売上高1,717億65百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益208億32百万円(同16.6%増)、経常利益220億5百万円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益155億99百万円(同12.3%増)となりました。売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を更新しました。なお、当連結会計年度の連結業績には、2026年1月に連結子会社としたNBセーレン㈱の業績が反映されております。

当連結会計年度のセグメントの概況は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しております。以下は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。

(車輌資材事業)

国内事業について、カーシート材は、前年の国内自動車メーカーの生産停止により落ち込んでいた受注が回復し、増収・増益となりました。

海外事業(2025年1~12月)について、アメリカでは、前年に一部商材が好調であった反動から売上が減少しました。一方、メキシコでは新規車種立上げに伴い受注が拡大しました。アジア地域ではファブリック及び合皮によるカーシート材の売上が増加しました。また、各拠点における品質改善や経費削減活動が功を奏し、海外事業は増収・増益となりました。

なお、NBセーレン㈱の自動車向け資材等が当セグメントに加わりました。

以上により、車輌資材事業全体では増収・増益となりました。

当事業の売上高は1,152億58百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益161億99百万円(同16.1%増)となりました。

(ハイファッション事業)

アパレル業界において環境に配慮したモノづくりへの関心が高まるなか、当社は差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造する独自の「Viscotecs®」を活用したビジネスモデルの展開に加え、リサイクル素材や生分解性素材の開発・製造を進めております。

単体では、スポーツやアウトドア向け素材が好調に推移しましたが、ファッション衣料は伸び悩みました。KBセーレン㈱においては、不採算商品の見直しを行ったことにより、増収・増益となりました。その他、世聯美仕生活用品(上海)有限公司におけるスポーツウェアの販売が低調に推移しました。

以上により、ハイファッション事業全体では減収・減益となりました。

当事業の売上高は213億24百万円(前連結会計年度比0.1%減)、営業利益14億11百万円(同0.6%減)となりました。

(エレクトロニクス事業)

ゲーム機やモバイル端末向け商材が順調に推移したほか、人工衛星の売上が寄与したこと等により、単体では増収・増益となりました。KBセーレン㈱においては、海外半導体メーカー向け防塵衣用導電糸「ベルトロン」やデータセンター・半導体市場向け光ファイバーコネクタ清掃用資材が順調に推移しました。

また、セーレンアドバンストマテリアルズ㈱においては、海外を主としてシリコンウェーハの酸化膜加工(厚膜・薄膜)の販売が順調に推移しました。

以上により、エレクトロニクス事業全体では増収・増益となりました。

当事業の売上高は133億88百万円(前連結会計年度比21.9%増)、営業利益は30億86百万円(同67.2%増)となりました。

(環境・生活資材事業)

病院・介護施設向けベッド商材については、厚生労働省の病床数適正化支援事業等の影響により、売上が減少しました。また、ハウジング関連では住宅着工戸数減少の影響を受け、住宅向け資材が苦戦しました。一方、KBセーレン㈱では民生資材の売上が回復したほか、NBセーレン㈱の産業資材向け繊維や不織布等が当セグメントに加わりました。

以上により、環境・生活資材事業全体では増収・増益となりました。

当事業の売上高は132億84百万円(前連結会計年度比32.9%増)、営業利益は10億33百万円(同4.9%増)となりました。

(メディカル事業)

サポーター等の健康・医療資材が堅調に推移した一方、水処理関連資材は前年の反動により売上が減少しました。KBセーレン㈱においては、絆創膏用途の「エスパンシオーネ」の売上が増加した一方、貼付材は売上が増加したものの、商品構成の変化に伴う利益率低下の影響を受け、全体としては減益となりました。また、セーレン商事㈱の医療システム販売は、前年の好調の反動で売上が伸び悩みました。なお、NBセーレン㈱の貼付材向け短繊維等が当セグメントに加わりました。

以上により、メディカル事業全体としては減収・増益となりました。

当事業の売上高は66億76百万円(前連結会計年度比1.6%減)、営業利益は7億39百万円(同7.0%増)となりました。

(その他の事業)

テナント事業において建物修繕費を計上したことにより、単体では減益となりました。一方、㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業やセーレン商事㈱の保険代理業は堅調に推移しました。また、NBセーレン㈱の包装フィルム、容器類向け原料販売等が当セグメントに加わりました。

以上により、その他事業全体としては増収・増益となりました。

当事業の売上高は18億32百万円(前連結会計年度比152.0%増)、営業利益は5億58百万円(同7.9%増)となりました。

 

② 財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して247億3百万円増加の2,239億26百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産増加等により、前連結会計年度末と比較して26億18百万円の増加となりました。固定資産は、投資有価証券の増加に加え、NBセーレン㈱を新規連結したこと等により有形固定資産が増加し、前連結会計年度末と比較して220億84百万円の増加となりました。

(負債の部)

負債の部は、繰延税金負債の増加や企業結合に係る特定勘定を計上したこと等により全体で67億98百万円増加し、621億39百万円となりました。

(純資産の部)

純資産は、為替換算調整勘定の変動や利益剰余金の増加等により、全体で179億4百万円増加し、1,617億87百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は341億98百万円となり、前連結会計年度末より61億18百万円減少しました。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、177億71百万円の収入(前連結会計年度は205億38百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益223億42百万円があった一方、法人税等の支払額73億51百万円があったこと等によるものです。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、194億53百万円の支出(前連結会計年度は118億10百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103億48百万円や連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出75億39百万円があったことによるものです。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、56億80百万円の支出(前連結会計年度は78億2百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の純減による支出11億17百万円、配当金の支払いによる支出45億58百万円があったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

前年同期比(%)

車輌資材

 55,932

 3.9

ハイファッション

 13,541

 5.4

エレクトロニクス

8,247

 20.9

環境・生活資材

 5,241

 99.6

メディカル

3,811

9.0

その他

484

 ―

合計

 87,259

9.6

 

(注) 1. 当社企業集団の各事業は、素材の支給を受けて委託加工を行う事業と素材を仕入れて加工を行い販売する事業から成り、各々の加工高を生産実績としております。

2. セグメント間の取引については、内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注状況

当社及び連結子会社は、受注生産形態をとらない製品が多いため、セグメントごとに受注状況は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

前年同期比(%)

車輌資材

 115,258

5.0

ハイファッション

21,324

△0.1

エレクトロニクス

13,388

21.9

環境・生活資材

13,284

32.9

メディカル

6,676

△1.6

その他

1,832

152.0

合計

171,765

7.6

 

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える相手先がいないため、主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載は省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 経営成績の分析

(売上高と営業利益)

当連結会計年度の売上高と営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高原価率は72.6%と前連結会計年度比0.2ポイントの上昇、また、売上高営業利益率は12.1%と前連結会計年度比0.9ポイントの上昇となりました。

 

(営業外損益と経常利益)

当連結会計年度の営業外損益は11億72百万円の利益となり、前連結会計年度の14億11百万円の利益から2億38百万円減少しました。これは、有価証券評価損が4億17百万円減少した一方で、補助金収入が2億10百万円減少したことや、為替差益が2億5百万円減少したことなどによるものです。この結果、経常利益は220億5百万円となり、前連結会計年度比27億28百万円(14.2%)の増益となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益は3億36百万円の利益となり、前連結会計年度の28百万円の利益から3億8百万円の増加となりました。これは、投資有価証券売却益を4億63百万円計上したことなどによるものです。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

経常利益の220億5百万円に特別損益の利益3億36百万円を加えた結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は223億42百万円となりました。ここから税金費用66億72百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益70百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は155億99百万円となり、前連結会計年度比17億11百万円(12.3%)の増益となりました。この結果、1株当たり当期純利益は265円48銭となり、前連結会計年度の242円29銭から23円19銭増加しました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは16億82百万円の支出となりました。

 

b.資本の財源及び資金の流動性係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、海外子会社を中心とした生産能力増強やエネルギー転換などの環境対応のための設備投資であります。

当社グループは、事業の拡大や新規事業構築のための戦略的設備投資、グローバル化投資、研究開発投資及びM&A等に資金を機動的に活用するとともに、リスクを許容できる十分な株主資本の水準を保持することを基本方針としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、不足分については、基本的に銀行借り入れによる調達を実施しております。

なお、キャッシュ・フロー等に関する主要指標の推移は、下記のとおりであります。

 

2022年
3月期

2023年
3月期

2024年
3月期

2025年
3月期

2026年
3月期

自己資本比率(%)

58.2

62.3

66.0

71.7

71.8

時価ベースの自己資本比率(%)

76.8

74.4

81.4

72.1

 81.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.1

2.0

1.4

0.5

0.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ

310.9

340.4

146.7

74.7

 147.8

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
 

   1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。

 2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。

3. 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、短期借入金、長期借入金及び新株予約権付社債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。

 

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものは以下のとおりです。

 

(固定資産及びのれんの減損会計における将来キャッシュ・フロー)

固定資産及びのれんのうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。この回収可能価額については、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローによる見積りに依存するため、経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

なお、減損会計に係る会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を評価した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績及び事業計画等に基づいて見積っておりますが、税制改正や経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載のとおりです。

 

⑤ 目標とする経営指標の達成状況等

当社及び当社グループは、グループトータルの企業価値を最大にするための連結経営を基本としております。その目標とする連結経営指標は、売上高営業利益率10%以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目標としております。さらには、ROA(総資産事業利益率)、自己資本比率、キャッシュ・フローなどを念頭に、企業価値を高めるための経営を行ってまいります。

なお、当連結会計年度の連結売上高営業利益率は12.1%(前連結会計年度11.2%)、ROEは10.3%(同10.4%)となりました。 

 

5 【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、“イノベーションと顧客開発”の事業戦略のもと、新しいシーズを生み出すとともに顧客ニーズに対応することを目的に、車輌資材事業をはじめとする全セグメントにおいて、新技術・新素材・新システム・新設備の研究・開発に積極的に取り組んでいます。また、最先端IT技術を駆使した「Viscotecs®」のように、全く新しいビジネスモデル創出のための開発を推進しています。

その運営にあたっては、研究開発センターがグループ全体を統括し、各事業部には商品開発部などを設置することで顧客ニーズに即応した開発を進めています。これらは連結子会社各社とも緊密な連携を取り合い、相乗効果を最大限に発揮した研究開発を推進しております。また、KBセーレン㈱の研究・技術開発センターを中心として、新原糸開発に向けた研究活動を行っています。
 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,920百万円です。事業の種類別セグメントごとの研究開発費は次のとおりで、経営資源を効果的に配分しております。

 

  (1)車輌資材事業

主として当社及び世聯汽車内飾(蘇州)有限公司が中心となり、自動車・鉄道車輌等内装材及びエアバッグ、加飾部品において新素材開発・新加工技術開発・新商品開発を行っています。当事業に係る研究開発費は3,533百万円です。

 

  (2)ハイファッション事業

主として当社及びKBセーレン㈱が中心となり、新原糸開発・各種衣料製品の新素材開発・新加工技術・新商品開発並びにビスコテックスによるパーソナルオーダービジネスなどの新事業開発を行っています。当事業に係る研究開発費は746百万円です。

 

   (3)エレクトロニクス事業  

主として当社及びKBセーレン㈱が中心となり、ビスコテックスをはじめとしたインクジェット技術を応用した多品種・省エネルギー・在庫レスの生産システム及びインク等サプライ品の開発、繊維と金属の特性を併せ持った導電性マテリアルや電磁波シールド材の開発、人工衛星及び人工衛星部品の開発、HDD向けのナノレベル対応可能なワイピング素材や加工技術の開発、エンプラ繊維の開発を行っています。当事業に係る研究開発費は849百万円です。
 

  (4)環境・生活資材事業

主として当社及びNBセーレン㈱が中心となり、各種ハウジング資材・インテリア資材・産業資材・土木用資材の新素材開発・新商品開発、及び非繊維ビスコテックスの開発を行っています。当事業に係る研究開発費は440百万円です。

 

  (5)メディカル事業

主として当社が中心となり、スキンケア商品・医療用資材等の基礎研究及び抗ウイルス商品等の新商品開発を行っています。また、KBセーレン㈱では、貼付材基布、絆創膏基布、逆浸透膜スペーサー基材の開発を行っています。当事業に係る研究開発費は343百万円です。

 

(6)その他事業

主としてNBセーレン㈱が中心となり、繊維・ボトル成形・接着剤・コーティング剤向けの機能性ポリエステル及び環境配慮型ポリエステルの開発を行っています。当事業に係る研究開発費は7百万円です。