文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、常にお客様に満足していただき安心感を与え続ける事を目標に、営業・生産・開発のすべての部門がまずお客様の立場に立ち、お客様の生きた情報を共有化し、その要求・ニーズに応えることを第一の目的として行動することを基本方針としており、そのための体制・組織作りを積極的に推進してまいります。従来からの開発型企業としてのポリシーを保つとともに、お客様が満足される商品を絶えず生み出し続けることにより、安定的な業績を実現し、株主・取引先の皆様、社員等に貢献することを経営の基本としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、繊維業界を取り巻く経営環境を踏まえ、主力の染色加工事業におきましては、海外では積極的な事業展開を行い、国内では、安定的に収益確保が出来る経営基盤作りを進めてまいります。また、国内の繊維産業は人口減少・高齢化により拡大は期待できず、繊維のみに頼らない収益構造を造るため、既存の非繊維事業の強化・拡大及び、新しい事業への挑戦をしてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、更なる企業価値の向上を図るために、目標とする経営指標をROE(自己資本当期純利益率)10%以上を掲げております。この指標を重要な指標と位置づけ、今後も引き続き、国内・海外における各事業の収益性を更に高め、資本効率の向上に取り組んでまいります。
(4)経営環境
染色加工業界につきましては、国内では、衣料品需要が少子高齢化や人口減少などによって構造的に減少していることに加え、消費者の節約志向により、引き続き厳しい環境が続くと想定されます。
その一方、海外では、とりわけ現在拠点展開している東南アジア地域におきまして、堅調な経済成長を背景に、人口増加や所得水準の向上に伴って衣料分野や生活関連分野などで需要拡大が見込まれています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①東南アジア戦略の拡大
当社グループの東南アジア戦略の中核となるインドネシア子会社にて顧客満足度の向上や日本と連携した新商品開発にも注力し、内地向け販売に加え輸出の拡大に努め、収益拡大を図ってまいります。またタイ子会社では、収益改善に向け生産体制の見直しも含めた再構築に取り組みます。
一方インドネシア・タイの拠点を活用して、東南アジアの全域を対象として、繊維以外も含め新たな事業展開に向けて準備を進めてまいります。
②国内染色加工事業の収益改善
国内の染色加工業界は、個人消費の低迷や構造的な衣料需要の縮小に加え、原材料価格の高騰により、今後も厳しい環境が続くと考えられます。
特に原材料価格は、中国の環境規制強化により染料を中心に大幅な値上げが続いており、一部染料では、生産中止により調達が困難になり高価格の代替品で対応をせざるを得ないなど、収益を圧迫しております。この状況に対し、当社は自助努力によるコスト削減や加工料金への転嫁にてコストアップの吸収を進めると同時に、国内・海外のネットワークを活かして原材料の安定確保に努めます。また従来の商慣習・取引条件の適正化や設備投資により労働負荷を減らし、生産スピードアップ、作業効率向上にも注力し収益改善を図ってまいります。
物流に関わる問題も費用上昇を含め深刻化しており、生産・出荷管理面での工夫や工場敷地内の倉庫新設などを進め、対応を図ってまいります。
③非繊維事業の強化・拡大
保育サービス事業は、慢性的な保育士不足により、人件費や採用費用が収益を圧迫する厳しい環境が続いております。保育士の定着率向上や、より効率的な採用活動に努めるとともに、価格への転嫁も進め、既存開設場所での収益率向上に力を注ぎます。
洗濯事業については、増強した生産能力により、新規客先を増やすことで取り扱う商量を更に増加させるとともに、バイオマスボイラー導入による省エネ効果を活かし、収益力の強化を図ります。また開発機器販売の促進に加え、新たなる事業を積極的に発掘し、非繊維事業の強化・拡大に努めてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる主な事項を記載しております。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の変動について
①季節による変動の影響について
当社グループの中心である染色加工事業及び縫製品販売事業は、春・夏型素材を中心とする天然繊維及びその複合素材を主力としております。秋冬素材への取組みも強化しているものの、売上高を始めとする当社グループの経営成績は、秋冬主体の上半期に比べ、春夏主体の下半期が増加する傾向があります。
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2018年3月期 |
2019年3月期 |
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上半期 (千円) |
下半期 (千円) |
通期 (千円) |
上半期 (千円) |
下半期 (千円) |
通期 (千円) |
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|
売上高 |
7,067,975 (47.6%) |
7,790,270 (52.4%) |
14,858,246 |
6,916,157 (47.7%) |
7,590,872 (52.3%) |
14,507,029 |
|
内、加工料 |
4,364,953 (48.0%) |
4,728,058 (52.0%) |
9,093,011 |
4,312,833 (47.5%) |
4,759,631 (52.5%) |
9,072,464 |
|
内、テキスタイル販売 |
1,128,296 (49.9%) |
1,130,953 (50.1%) |
2,259,250 |
942,042 (46.0%) |
1,104,927 (54.0%) |
2,046,969 |
|
内、縫製品販売 |
365,983 (49.0%) |
381,657 (51.0%) |
747,640 |
332,863 (53.3%) |
291,233 (46.7%) |
624,097 |
|
営業利益 |
351,742 (39.0%) |
551,178 (61.0%) |
902,921 |
269,683 (35.8%) |
482,895 (64.2%) |
752,578 |
|
経常利益 |
368,329 (39.2%) |
571,203 (60.8%) |
939,533 |
312,015 (38.7%) |
494,812 (61.3%) |
806,827 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
125,084 (28.6%) |
311,881 (71.4%) |
436,966 |
91,968 (22.4%) |
317,867 (77.6%) |
409,836 |
※比率は連結会計年度に占める上半期及び下半期の割合を示しております。
②流行・トレンドによる影響について
テキスタイル加工・販売のマーケットにおける大手アパレル及びSPA(製造小売業)向けのファッション性の高い服地衣料・テキスタイルの分野は流行に敏感な傾向があります。従って、現在のトレンドにあったテキスタイルをいかに差別化してタイムリーに開発・提供できるかが、経営成績にも影響を与える可能性があります。
(2)海外取引関係
①海外取引について
当社グループは、直接為替変動リスクのない間接輸出が中心であるものの、海外売上高は当連結会計年度において29.8%を占めております。また、当社グループの商品売上の主体である輸入衣料商品は、当社グループで加工したテキスタイルを海外の縫製工場で商品化するもの及び海外縫製工場からの商品の直接輸入によるものに分かれますが、いずれも海外での生産委託が主体であります。
各国の政治体制の変動や経済情勢、法規則、紛争及び伝染病の流行など、不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
②為替変動リスクについて
当社グループは、上記①を始めとした外貨建取引を行っており、為替変動リスクのある外貨建資産・負債を有しております。これらの外貨建予定取引及び資産・負債に係る為替変動リスクを回避する目的で、為替予約取引を行っているものの、これらのデリバティブ取引ですべてのリスクを回避できるとは限らず、その場合には経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)重油価格の変動について
当社グループの主力である染色加工事業は、エネルギー多消費型産業であるため、重油価格の高騰は染料・加工薬剤をはじめとする原材料の調達価格に影響を与えます。
当社グループは、販売価格への転嫁や生産性向上によるコストダウンを推し進めており、また木屑をエネルギー源とするバイオマスボイラーを主力の動力源としているため、エネルギーの重油依存比率は低いものの、重油価格の高騰が進んだ場合、原材料の調達価格の上昇により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)特有の法規制等について
当社グループの製造・販売する加工及び製商品に対する規制としては、「製造物責任法」「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」及び「排水総量規制」等が該当します。当社グループでは各法令の趣旨に鑑み、法令遵守のための設備投資を実施する一方、当社の開発技術部を中心として定期的に実施する環境監査の中でこれらの遵守、管理の徹底指導を行っております。また、一部損害保険により、リスクヘッジも図っております。
しかしながら、今後これら法令が改定された場合、当社グループの業務に影響を与える可能性があります。
(5)人材の確保について
当社グループの主力である染色加工事業においては、天然繊維に対し、「色」「風合い」といった人の感覚に依る付加価値を与えることが生業であり、このため、各製造工程において、高い知識・技術と経験に裏付けされた「職人」的人材が不可欠であります。また、テキスタイル販売部門や縫製品販売事業においても、染色加工のみならず、テキスタイル・縫製品の知識に精通し、且つトレンドに敏感な人材が求められております。これらのことから、当社グループにおいては優れた人材の育成・確保は重要な課題であると考えており、以下に挙げる施策による、人材の育成・確保に取り組んでおります。
①社内研修制度の充実
主に新入社員全体に対して、実地研修を行うと共に繊維加工に関する講義も並行して実施し、技術的知識を持った人材の育成を図っております。また、営業系社員に対しては必要に応じて、約1年間の海外研修を実施しており、語学力とスピード感を併せもった人材の育成を図っております。この他にも、適宜社内研修や社外研修機関と社内経営層による中堅・幹部社員の育成研修等も実施しております。
②染色技術・知識の継承
上記の社内研修制度に加えて、通常の教育・研修では継承が困難である現場での実践的な染色加工技術の技能・ノウハウを次世代社員等に継承するため、属人的な技術・技能を体系化し、文書化・マニュアル化を進めるなど技術・知識の継承に積極的に取り組んでおります。
③現地法人への技術継承
当社では、海外拠点における機能商品・付加価値商品の需要に応えるため、技能実習制度などを活用し、積極的に現地法人との技術交流を図ることで、技術の向上及び継承を行っております。
しかしながら、上記施策が奏功しない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、好調な企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しが見られるなど緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、貿易摩擦の問題に起因する経済規模の萎縮や中国経済の減速により、世界経済は下振れするリスクが強まり、先行き不透明感が高まっております。
染色加工業界におきましては、製造コストの大幅なアップが収益を圧迫する厳しい環境が続いております。苛性ソーダなどの基礎薬品価格の高止まりに加え、染料は中国での環境規制強化による減産により、大幅な値上げが世界規模で繰り返され、一部染料は入手困難な状況となっております。また人手不足や燃料費高騰などを背景に物流に係る費用もアップし、製造コストは全面的に上昇し続けました。
このような状況のもと、当社グループは、染色加工事業にて、国内ではユニフォーム向けなど非衣料分野の受注強化に努めるとともに、とりわけ編物加工では、収益重視の観点から大幅に受注構成の見直しを図りました。海外においては、インドネシアでは好調な国内市場向けに加えて輸出の拡大、タイ国では収益力回復に向け品質の改善、高付加価値商品の販売、生産体制の見直しに取り組んでおります。
原材料価格の高騰への対応としましては、各生産拠点にてコスト削減を目的とした投資を積極的に行い、自助努力による原価低減、省エネルギー化を進めました。また同時に加工料金への転嫁を含めた取引条件の適正化に努めましたが、上昇し続ける費用に対し当期においては、全てのコストアップを吸収するまでには至りませんでした。
非繊維事業では、洗濯事業や保育サービス事業の拡大に加えて、機械販売事業でも積極的な営業活動により売上拡大を図り、グループ全体での収益性向上に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は14,507百万円(前期比2.4%減、351百万円減)となり、営業利益は752百万円(前期比16.7%減、150百万円減)、経常利益は806百万円(前期比14.1%減、132百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は409百万円(前期比6.2%減、27百万円減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
a.染色加工事業
染色加工事業は、売上高は11,119百万円(前期比2.1%減、232百万円減)となり、営業利益は656百万円(前期比13.6%減、103百万円減)となりました。
染色加工事業における部門別(加工料部門、テキスタイル販売部門)の業績は次のとおりであります。
(加工料部門)
国内では、織物加工において非衣料分野の比重を高めたことが奏功し、年間を通して受注を安定的に確保して増収となりました。
しかしながら、編物加工においてはカジュアル・婦人衣料の不振を背景に、採算重視の方針への転換に舵を切り、受注の絞り込みを積極的に進めた結果、減収となりました。
一方、海外では、インドネシア子会社は、旺盛な国内需要を取り込み、順調に数量を増加させ現地通貨ベースでは増収となりましたが、現地通貨安の影響で邦貨換算額は減収となり、タイ国子会社でも安価な中国製品の流入増などにより、国内客先の販売低迷の影響が続いており減収となりました。
これらの結果、加工料部門の売上高は9,072百万円(前期比0.2%減、20百万円減)となりました。
(テキスタイル販売部門)
国内は、カジュアル向け衣料の不振が続く中、新規客先の開拓、ユニフォーム向けや資材用途商品の販売拡大に努めましたが、減収となりました。海外では、インドネシア子会社にて新規客先の取り込みにより数量を増加させましたが、邦貨換算額で減収となり、タイ国子会社でも高単価商品の受注の減少により減収となりました。
これにより、テキスタイル販売部門の売上高は2,046百万円(前期比9.4%減、212百万円減)となりました。
b.縫製品販売事業
縫製品販売事業は、収益重視の販売方針のもと既存顧客への商品拡充やイベント関連商品などの販売拡大に努めましたが、店頭での販売不振により、主力の量販向け販売が低迷しました。この結果、売上高は624百万円(前期比16.5%減、123百万円減)、営業損失は2百万円(前期は営業利益18百万円)となりました。
c.保育サービス事業
保育サービス事業は、主力の企業内保育において価格改定を進めたことで、売上高は2,560百万円(前期比5.0%増、120百万円増)となりました。しかしながら、常態化する保育士不足に起因した労務費と採用費の上昇により、営業利益は18百万円(前期比68.1%減、38百万円減)となりました。
d.倉庫事業
倉庫事業は、新規客先の取扱数量を伸ばしましたが、既存のニット製品の商量が減少し、売上高は251百万円(前期比0.6%減、1百万円減)となりました。一方で、経費の見直しを実施したことで、営業利益は11百万円(前期比8.6%増、0百万円増)となりました。
e.その他事業
当セグメントには、機械販売事業、不動産賃貸事業、洗濯事業が含まれております。洗濯事業においては生産キャパの拡大により売上高は倍増し、その他事業における売上高は440百万円(前期比20.2%増、73百万円増)となり、営業利益は146百万円(前期比159.7%増、89百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、営業活動により946百万円の増加、投資活動により589百万円の減少、財務活動により302百万円の減少となった結果、前連結会計年度末と比べ、46百万円増加し1,943百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益801百万円に加え、減価償却費476百万円、売上債権の減少96百万円、退職給付に係る負債の減少83百万円、たな卸資産の増加120百万円、法人税の支払215百万円等により946百万円の収入(前期は1,175百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出733百万円、無形固定資産の取得による支出26百万円、定期預金の払戻による収入46百万円、国庫補助金の受入32百万円等により589百万円の支出(前期は796百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入600百万円、長期借入金の返済による支出537百万円、短期借入金の純減少額70百万円、セール・アンド・リースバックによる収入131百万円、リース債務の返済による支出212百万円、配当金の支払150百万円等により302百万円の支出(前期は380百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における染色加工事業の生産実績を示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
染色加工事業 (千円) |
10,115,622 |
△2.6 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における染色加工事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
染色加工事業 |
11,365,439 |
0.5 |
1,009,495 |
21.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
染色加工事業 |
|
|
|
加工料部門 (千円) |
9,072,464 |
△0.2 |
|
テキスタイル販売部門 (千円) |
2,046,969 |
△9.4 |
|
染色加工事業 計 (千円) |
11,119,434 |
△2.1 |
|
縫製品販売事業 (千円) |
624,097 |
△16.5 |
|
保育サービス事業 (千円) |
2,560,820 |
5.0 |
|
倉庫事業 (千円) |
251,034 |
△0.6 |
|
その他事業 (千円) |
440,540 |
20.2 |
|
小計 (千円) |
14,995,927 |
△1.1 |
|
セグメント間取引 (千円) |
△488,897 |
― |
|
合計 (千円) |
14,507,029 |
△2.4 |
(注)1 主な相手先の販売実績については、総販売実績に対する割合がいずれも100分の10未満のため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、14,507百万円(前期比2.4%減、351百万円減)となりました。セグメント別売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、2,573百万円(前期比2.5%減、64百万円減)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少し、17.7%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、752百万円(前期比16.7%減、150百万円減)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少し、5.2%となりました。
b.財政状態の分析
<資産>
資産合計は14,746百万円で、前連結会計年度末比543百万円の減少となりました。
流動資産は6,530百万円で、前連結会計年度末比25百万円の減少であり、受取手形及び売掛金の減少148百万円、原材料及び貯蔵品の増加63百万円が主な要因であります。
固定資産は8,216百万円で、前連結会計年度末比517百万円の減少となりました。これは建物及び構築物の増加17百万円、無形固定資産の増加19百万円、投資有価証券の減少532百万円が主な要因であります。
<負債>
負債合計は6,699百万円で、前連結会計年度末比468百万円の減少となりました。
流動負債は4,093百万円で、前連結会計年度末比141百万円の減少であり、これは支払手形及び買掛金の減少53百万円、短期借入金の減少17百万円、その他流動負債の減少96百万円が主な要因であります。
固定負債は2,605百万円で、前連結会計年度末比326百万円の減少であり、これは退職給付に係る負債の減少96百万円、繰延税金負債の減少213百万円が主な要因であります。
<純資産>
純資産合計は8,046百万円で、前連結会計年度末比75百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加409百万円、配当金支払による減少150百万円、投資有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の減少369百万円、非支配株主持分の増加99百万円、為替換算調整勘定の減少87百万円が主な要因であります。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要の主なものは、染料、薬品などの原材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本としております。
資金調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借り入れを基本としております。
d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析
当社グループでは、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。当連結会計年度においては、グループ全体で収益性向上に努めてまいりましたが、原材料価格の高騰をはじめとした製造コスト上昇の影響により、ROEを向上させる利益規模を確保出来ず、当連結会計年度のROEは5.7%(前連結会計年度は6.2%)となりました。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、染色加工事業及び縫製品販売事業関連、機械販売事業の機器開発関連からテーマを設定し、当社の開発技術部を中心に進めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
各セグメントに関連付けた研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発活動では、いくつかの重点テーマを持って進めております。
第一のテーマは、防護服及び特殊作業者用ユニフォーム用途として注目されている高強度難燃繊維(ハイテク繊維)の染色整理加工に係わる技術開発です。通常衣料用途の繊維と比較して極めて染色が難しいとされている素材に対し、他社との共同開発契約に基づき染色加工技術の確立ができ、日本国内での量産開始と共に、海外子会社への技術移転も進め、量産加工を進めております。用途としましては難燃性能を活かしガス会社や石油会社に従事する作業員ユニフォームへの展開がされております。また、風合いや着心地といった着用時快適性向上を目的として、ハイテク繊維と特殊難燃レーヨンやポリエステルなどとの複合素材の染色技術も確立しつつあります。従来難しいとされてきた異素材複合繊維の染色技術開発により、高強度と難燃性、経済性及び快適性を兼ね備えた防護衣料、特殊作業用ユニフォーム用途の市場展開に向けて量産技術の確立を進めております。今後は素材展開のみならず、当社独自の機能性付与加工(撥水性、吸汗速乾性、抗菌性など)と組み合わせた高次加工商品開発へ進めていきます。
染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発費は32百万円であります。
その他事業における研究開発活動は、主に機械販売事業の機器開発関連における研究活動となります。
染色加工で使用する様々な薬品の濃度制御技術は、加工の安定性を増しつつ品質のバラツキを無くし、ムダな薬品の使用を抑える、経済性及び環境配慮を伴った装置として国内外より評価を受けております。特に海外向けにおいてはその加工背景や調達できる薬品に合わせた制御機器の開発が必要であり、前連結会計年度から引き続きインドネシア、タイ、中国向け濃度制御装置を開発し、機器販売へ繋げました。一般化学工業において薬品濃度制御装置として繊維染色加工業向け以外の異業種からの問合せも出てきており、産業資材としてPVAフィルムの加工やヨウ素関連事業等への実用化と応用展開を進めてきました。今後は更に制御装置の測定精度を高め、幅広い分野で利用できる環境配慮型薬品濃度制御の開発と拡販を進めてまいります。
その他事業における研究開発費は28百万円であります。