第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、常にお客様に満足していただき安心感を与え続ける事を目標に、営業・生産・開発のすべての部門がまずお客様の立場に立ち、お客様の生きた情報を共有化し、その要求・ニーズに応えることを第一の目的として行動することを基本方針としており、そのための体制・組織作りを積極的に推進してまいります。従来からの開発型企業としてのポリシーを保つとともに、お客様が満足される商品を絶えず生み出し続けることにより、安定的な業績を実現し、株主・取引先の皆様、社員等に貢献することを経営の基本としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、繊維業界を取り巻く経営環境を踏まえ、主力の染色加工事業におきましては、海外では積極的な事業展開を行い、国内では、安定的に収益確保が出来る経営基盤作りを進めてまいります。また、国内の繊維産業は人口減少・高齢化により拡大は期待できず、繊維のみに頼らない収益構造を造るため、既存の非繊維事業の強化・拡大及び、新しい事業への挑戦をしてまいります。

 

(3)経営環境

 新型コロナウイルス感染症の影響により世界経済は急速に縮小するなか、国内においてもインバウンド需要の減少、外出自粛による消費の低迷、企業収益の悪化により、景気は大幅に落ち込んでおり、新型コロナウイルス感染症が収束後には、再び回復基調に転じるもののV字回復は見込めず、流行前の水準を下回る状態が長期化する見通しであり、今後の経営環境は更に厳しくなるものと認識しております。

 繊維事業(染色加工事業および縫製品販売事業)につきましては、国内では少子高齢化や人口減少などによる構造的な衣料品需要の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による企業活動の停滞や外出自粛、販売不振に伴う受注の減少など、更に厳しい環境が続くと考えております。海外では、東南アジア地域における人口増加や所得水準の向上に伴う衣料・生活関連分野の需要拡大が見込まれていたものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い状況は一変しており、早期収束と経済活動の再開が待たれております。

 保育サービス事業は、「個別のニーズに合わせた保育サービスを提供する。子育て支援を通して、地域社会に貢献する。」という理念のもと、ベビーシッターサービスの提供、企業・病院内託児所、保育園の運営などを実施しております。

 今後も各自治体の待機児童問題の解消に向けた取組みや、企業内保育所などのニーズに対応したサービスを提供してまいります。

 機械販売事業は、自社の濃度制御技術を活用した染色加工関連設備の販売及びそれら技術を応用した異業種への販路拡大を模索いたしております。

 その他事業は、洗濯事業にて新型コロナウイルス感染症拡大の影響からインバウンド需要の消滅や外出自粛の影響からホテルリネンが大幅減少しており、早期の回復は望めず非常に厳しい経営環境が続く見通しであります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、更なる企業価値の向上を図るために、目標とする経営指標をROE(自己資本当期純利益率)10%以上を掲げております。この指標を重要な指標と位置づけ、今後も引き続き、国内・海外における各事業の収益性を更に高め、資本効率の向上に取り組んでまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

 

①東南アジア戦略の拡大

 当社グループの東南アジア戦略の中核を担うインドネシア子会社にて、国内・外での販売を拡大するため、新規市場・顧客の開拓、販売エリアの拡大、日本の加工技術を取り入れた新商品開発に注力いたします。また、タイ国子会社では、受注内容に応じた生産体制の見直しを実施することで、収益改善に注力いたします。

 一方、インドネシア・タイの拠点を活用し、東南アジア全域を対象として、繊維事業以外も含め、新たな事業展開に向けた準備を積極的に進めてまいります。

 

②国内染色加工事業の収益改善・再編

 国内の染色加工業界は、海外品の流入、個人消費の低迷や構造的な衣料需要の縮小により、加工規模の縮小が止まらず、今後も厳しい環境が続くと考えられます。

 また、原材料においては、中国の環境規制強化などから染料を中心に高止まりが続いております。

 このような状況下、当社はコスト削減、加工料金見直し、商慣習・取引条件の適正化を進めると同時に、生産性向上や作業の効率化にも注力し継続的な収益改善を図ってまいります。

 また、将来の市況悪化、国内経済の大幅減速、受注の大幅減少など、不測の事態に備え、国内染色加工事業継続のための体制見直し・再編についての準備を進めてまいります。

 

③非繊維事業の強化・拡大

 保育サービス事業は、保育園などの新規開設需要に対応するため、進出エリアの拡大を図ってまいります。また、慢性的な保育士不足に対応するための採用強化のほか、従業員教育、働き方改革などを実施することで、定着率の向上に努め、当社子会社の強みである“保育の質”の確保、更なる向上に注力いたします。

 洗濯事業については、既に生産能力拡大を図っており、既存客先との取組み強化に加え、新規客先開拓を積極的に進め、ホテルリネン以外にも、多方面からの受注を取込むことで、売上の増加、収益の確保を図ってまいります。

 機械販売事業については、国内外を問わず染色関連設備の販売強化に努めてまいります。

 当社グループは、今後も新たなる事業を積極的に発掘・開拓し、非繊維事業の強化・拡大に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の変動について

①季節による変動の影響について

 当社グループの中心である染色加工事業及び縫製品販売事業は、春・夏型素材を中心とする天然繊維及びその複合素材を主力としております。秋冬素材への取組みも強化しているものの、売上高を始めとする当社グループの経営成績は、秋冬主体の上半期に比べ、春夏主体の下半期が増加する傾向があります。

 

2019年3月期

2020年3月期

上半期

(千円)

下半期

(千円)

通期

(千円)

上半期

(千円)

下半期

(千円)

通期

(千円)

売上高

6,916,157

(47.7%)

7,590,872

(52.3%)

14,507,029

6,742,302

(48.1%)

7,267,977

(51.9%)

14,010,280

内、加工料

4,312,833

(47.5%)

4,759,631

(52.5%)

9,072,464

4,119,997

(50.2%)

4,094,457

(49.8%)

8,214,454

内、テキスタイル販売

942,042

(46.0%)

1,104,927

(54.0%)

2,046,969

1,039,740

(41.4%)

1,473,935

(58.6%)

2,513,676

内、縫製品販売

332.863

(53.3%)

291,233

(46.7%)

624,097

188,808

(36.9%)

322,600

(63.1%)

511,408

営業利益

269,683

(35.8%)

482,895

(64.2%)

752,578

257,647

(41.7%)

360,079

(58.3%)

617,726

経常利益

312,015

(38.7%)

494,812

(61.3%)

806,827

249,238

(41.3%)

354,832

(58.7%)

604,070

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

91,968

(22.4%)

317,867

(77.6%)

409,836

71,764

(-%)

△622,911

(-%)

△551,146

※比率は連結会計年度に占める上半期及び下半期の割合を示しております。

②流行・トレンドによる影響について

 テキスタイル加工・販売のマーケットにおける大手アパレル及びSPA(製造小売業)向けのファッション性の高い服地衣料・テキスタイルの分野は流行に敏感な傾向があります。従って、現在のトレンドにあったテキスタイルをいかに差別化してタイムリーに開発・提供できるかが、経営成績にも影響を与える可能性があります。

(2)海外取引関係

①海外取引について

 当社グループは、直接為替変動リスクのない間接輸出が中心であるものの、海外売上高は当連結会計年度において30.7%を占めております。また、当社グループの商品売上の主体である輸入衣料商品は、当社グループで加工したテキスタイルを海外の縫製工場で商品化するもの及び海外縫製工場からの商品の直接輸入によるものに分かれますが、いずれも海外での生産委託が主体であります。

 各国の政治体制の変動や経済情勢、法規則、紛争及び伝染病の流行など、不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

②為替変動リスクについて

 当社グループは、上記①を始めとした外貨建取引を行っており、為替変動リスクのある外貨建資産・負債を有しております。これらの外貨建予定取引及び資産・負債に係る為替変動リスクを回避する目的で、為替予約取引を行っているものの、これらのデリバティブ取引ですべてのリスクを回避できるとは限らず、その場合には経営成績に影響を与える可能性があります。

(3)原材料調達価格の変動について

 当社グループの主力である染色加工事業は、木屑チップをエネルギー源とするバイオマスボイラーを主力の動力源としており重油依存比率は低いものの、木屑チップ価格は値上がり傾向にあります。

 また、重油価格が高騰した場合、関連する原材料の調達価格に大きな影響を与えます。

 加えて、染料・薬品など海外からの輸入品依存度も高くなっており、環境規制・輸出入規制、災害・事故などにより需給バランスが崩れた場合、原材料の調達価格に影響を与える可能性があります。

 これら原材料の調達価格の上昇により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)特有の法規制等について

 当社グループの製造・販売する加工及び製商品に対する規制としては、「製造物責任法」「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」及び「排水総量規制」等が該当します。当社グループでは各法令の趣旨に鑑み、法令遵守のための設備投資を実施する一方、当社の開発技術部を中心として定期的に実施する環境監査の中でこれらの遵守、管理の徹底指導を行っております。また、一部損害保険により、リスクヘッジも図っております。

 しかしながら、今後これら法令が改定された場合、当社グループの業務に影響を与える可能性があります。

(5)人材の確保について

 当社グループの主力である染色加工事業においては、天然繊維に対し、「色」「風合い」といった人の感覚に依る付加価値を与えることが生業であり、このため、各製造工程において、高い知識・技術と経験に裏付けされた「職人」的人材が不可欠であります。また、テキスタイル販売部門や縫製品販売事業においても、染色加工のみならず、テキスタイル・縫製品の知識に精通し、且つトレンドに敏感な人材が求められております。これらのことから、当社グループにおいては優れた人材の育成・確保は重要な課題であると考えており、以下に挙げる施策による、人材の育成・確保に取り組んでおります。

①社内研修制度の充実

 主に新入社員全体に対して、実地研修を行うと共に繊維加工に関する講義も並行して実施し、技術的知識を持った人材の育成を図っております。また、営業系社員に対しては必要に応じて、約1年間の海外研修を実施しており、語学力とスピード感を併せもった人材の育成を図っております。この他にも、適宜社内研修や社外研修機関と社内経営層による中堅・幹部社員の育成研修等も実施しております。

②染色技術・知識の継承

 上記の社内研修制度に加えて、通常の教育・研修では継承が困難である現場での実践的な染色加工技術の技能・ノウハウを次世代社員等に継承するため、属人的な技術・技能を体系化し、文書化・マニュアル化を進めるなど技術・知識の継承に積極的に取り組んでおります。

③現地法人への技術継承

 当社では、海外拠点における機能商品・付加価値商品の需要に応えるため、技能実習制度などを活用し、積極的に現地法人との技術交流を図ることで、技術の向上及び継承を行っております。

 しかしながら、上記施策が奏功しない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)感染症や自然災害などの異常事態リスク

 当社グループでは、国内・海外に複数の事業拠点、事務所・保育施設などを有しており、新型コロナウイルス感染症のような感染症などの世界的大流行や、想定を超える大規模自然災害が発生し、事業の運営が困難となった場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、国内では、第2波感染の懸念はあるものの、社会経済活動制限は解除の方向に進んでおります。しかしながら、海外では、未だ感染が拡大している地域もあり、収束時期の見通しは極めて難しい状況であります。

 当社グループにおいては、企業活動の停滞や外出自粛・販売不振に伴う受注減少、海外での生産拠点や提携会社の休業・営業自粛などにより厳しい経営環境が続くものと考えております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善などは続いたものの、米中貿易摩擦など世界経済の不安定化や消費税率の引上げ、加えて世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルスの影響によるインバウンド需要や消費の低迷、経済・社会活動の停滞により、先行きの景気減速懸念は一層高まっております。

 染色加工業界におきましては、中国の染料工場の爆発事故や環境規制による原材料価格の高騰や物流費などの製造コスト増加に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済の停滞から極めて厳しい経営環境が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは国内染色加工事業にて、加工料金見直し、取引条件改善、新商品開発、コスト削減などを実施して参りましたが、編物加工受注の減少に歯止めがかからず、岐阜事業所の固定資産減損及び希望退職者の募集を実施致しました。

 海外では、インドネシア子会社では、更なる事業拡大のため、東ジャワ地区での新規客先の獲得、タイ国子会社では生産性向上、品質改善、新素材開発に取り組むとともに、周辺諸国への受注拡大にも努めて参りました。

 また、周辺事業拡大に向け、保育サービス事業は、“保育の質”は維持しながら、コスト見直しにより収益性の改善を図り、縫製品販売・テキスタイル販売事業では、新規客先・販路の開拓に努め、機械販売事業では、異業種への販路開拓を進め、洗濯事業では高品質を強みとした商量の増加に取り組んで参りました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は14,010百万円(前期比3.4%減、496百万円減)、営業利益は617百万円(前期比17.9%減、134百万円減)、経常利益は604百万円(前期比25.1%減、202百万円減)となりました。

 また、減損損失712百万円、特別退職金24百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は551百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益409百万円)となりました。

 

 セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

a.染色加工事業

 染色加工事業における部門別(加工料部門、テキスタイル販売部門)の業績は次のとおりであります。

(加工料部門)

 国内では、織物加工におきましては、ユニフォームや資材用途向けの非衣料分野の受注は堅調であったものの、市況低迷により定番加工商品の受注が伸びず減収となりました。編物加工におきましても、受注の減少に歯止めがかからず減収となりました。

 海外では、インドネシア子会社は、大統領選前後の抗議デモなどによる混乱、市況停滞により昨年対比減収となり、タイ国子会社では客先の在庫過多や安価な中国品の流入により、受注獲得に苦戦したことで減収となりました。

 これらの結果、加工料部門の売上高は8,214百万円(前期比9.5%減、858百万円減)となりました。

(テキスタイル販売部門)

 国内は、ファッション用途への販売が低迷、スポーツアパレル向けの受注が好調に推移し、増収となりました。海外では、インドネシア子会社では輸出向け販売の落込みにて減収となり、タイ国子会社では、高単価商品の受注増加により大幅な増収となりました。

 これらにより、テキスタイル販売部門の売上高は2,513百万円(前期比22.8%増、466百万円増)となりました。

b.縫製品販売事業

 縫製品販売事業は、量販店向けの販売が振わず、ユニフォームやイベント関連商品の受注強化に努めましたが、売上高は511百万円(前期比18.1%減、112百万円減)、営業利益は15百万円(前期は営業損失2百万円)となりました。

c.保育サービス事業

 保育サービス事業は、主力の企業内保育の条件改定に加え、営業費用の見直し及び、原価管理の徹底により、収益性が大幅に改善されました。売上高は2,650百万円(前期比3.5%増、89百万円増)、営業利益は99百万円(前期比447.1%増、81百万円増)となりました。

d.倉庫事業

 倉庫事業は、新規客先の開拓により取引数量を伸ばしましたが、ニット製品の取扱量減少から売上高は250百万円(前期比0.2%減、0百万円減)、営業利益は3百万円(前期比70.3%減、8百万円減)となりました。

e.機械販売事業

 機械販売事業は、濃度制御装置などの染色加工関連設備の海外向け売上が減少し、売上高は206百万円(前期比0.2%減、0百万円減)、営業利益は30百万円(前期比63.8%減、54百万円減)となりました。

f.その他事業

 当セグメントには、洗濯事業、不動産賃貸事業が含まれております。洗濯事業では、第4四半期において新型コロナウイルス感染症拡大によりインバウンド需要が減少しホテルリネンの数量を減らしましたが、新規客先の開拓により通期では受注数量を伸ばし、増収となりました。

 この結果、その他事業における売上高は244百万円(前期比4.7%増、10百万円増)となり、営業利益は73百万円(前期比19.8%増、12百万円増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、営業活動により1,118百万円の増加、投資活動により742百万円の減少、財務活動により10百万円の増加となった結果、前連結会計年度末と比べ、383百万円増加し2,326百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純損失180百万円、減価償却費474百万円、減損損失712百万円、売上債権の減少544百万円、退職給付に係る負債の減少75百万円、たな卸資産の減少117百万円、法人税の支払150百万円等により1,118百万円の収入(前期は946百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の取得による支出712百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円等により、742百万円の支出(前期は589百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 長期借入れによる収入900百万円、長期借入金の返済による支出605百万円、短期借入金の純増加額20百万円、セールアンドリースバックによる収入223百万円、リース債務の返済による支出196百万円、配当金の支払150百万円等により10百万円の収入(前期は302百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における染色加工事業の生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

 至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

染色加工事業      (千円)

9,274,139

△8.3

 (注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度における染色加工事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

染色加工事業

10,375,555

△8.7

649,271

△35.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

 至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

染色加工事業

 

 

加工料部門      (千円)

8,214,454

△9.5

テキスタイル販売部門 (千円)

2,513,676

22.8

染色加工事業 計    (千円)

10,728,130

△3.5

縫製品販売事業     (千円)

511,408

△18.1

保育サービス事業    (千円)

2,650,750

3.5

倉庫事業        (千円)

250,652

△0.2

機械販売事業      (千円)

206,841

△0.2

その他事業       (千円)

244,201

4.7

 小計          (千円)

14,591,984

△2.7

セグメント間取引    (千円)

△581,703

 合計          (千円)

14,010,280

△3.4

 (注)1 主な相手先の販売実績については、総販売実績に対する割合がいずれも100分の10未満のため、記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(連結業績)

 当社グループは、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を経営上の目標達成状況を判断する客観的な指標としておりますが、当連結会計年度においては、固定資産の減損損失712百万円など、特別損失の計上により利益を確保することが出来ず、当連結会計年度のROEは△8.3%(前連結会計年度は5.7%)となりました。

 売上高14,010百万円(4期連続の減収)、営業利益は617百万円、経常利益は604百万円(3期連続の減益)、親会社株主に帰属する当期純損失551百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益409百万円)、3期連続の減益となり、3期連続の減収減益となりました。

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、14,010百万円(前期比3.4%減、496百万円減)となりました。

 要因は染色加工事業(前期比391百万円減)および、縫製品販売事業(前期比112百万円減)の減収であります。

 売上高の76.6%を占める染色加工事業のうち、主力の加工料部門にて、国内は衣料品販売不振による受注の大幅減少、海外では安価な中国品の流入や選挙などの政治混乱、市況低迷などにより前期比858百万円の大幅な減収となりました。

 セグメント別売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、2,359百万円(前期比8.3%減、214百万円減)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少し、16.8%となりました。

 売上原価にて、各種取引条件の改善、自助努力によるコスト削減、その他製造現場にて原価低減活動を実施いたしましたが、原材料・エネルギー単価の高止まり、削減効果を上回る収入減少の影響により、売上総利益は前期比大幅減少となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は、617百万円(前期比17.9%減、134百万円減)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度に比べ0.8ポイント減少し、4.4%となりました。

b.財政状態の分析

<資産>

 資産合計は13,927百万円で、前連結会計年度末比818百万円の減少となりました。

 流動資産は6,483百万円で、前連結会計年度末比46百万円の減少であり、現金及び預金の増加393百万円、受取手形及び売掛金の減少521百万円、商品及び製品の増加35百万円が主な要因であります。

 固定資産は7,443百万円で、前連結会計年度末比772百万円の減少となりました。これは減損損失の計上による減少712百万円、機械装置及び車両運搬具の取得による増加331百万円、投資有価証券の減少364百万円が主な要因であります。

<負債>

 負債合計は6,731百万円で、前連結会計年度末比32百万円の増加となりました。

 流動負債は3,976百万円で、前連結会計年度末比117百万円の減少であり、これは電子記録債務の減少194百万円、短期借入金の増加105百万円、未払費用の減少79百万円が主な要因であります。

 固定負債は2,755百万円で、前連結会計年度末比149百万円の増加であり、これは長期借入金の増加210百万円、退職給付に係る負債の減少54百万円、繰延税金負債の減少45百万円が主な要因であります。

<純資産>

 純資産合計は7,195百万円で、前連結会計年度末比851百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失の計上による減少551百万円、配当金支払による減少150百万円、投資有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の減少243百万円、非支配株主持分の増加114百万円、為替換算調整勘定の増加62百万円が主な要因であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要の主なものは、染料、薬品などの原材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本としております。

 資金調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借り入れを基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成のため重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響を2021年3月期の第3四半期以降緩やかに収束するものと仮定して、固定資産の減損会計及び繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

(固定資産の減損会計)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。その見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループにおける研究開発活動は、持続可能(サステナブル)な社会に貢献する製品を提供することを目指しており、染色加工事業、縫製品販売事業及び機械販売事業において関連するテーマを選定し、当社の開発技術部ならびに商品開発室を中心に進めております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は58百万円となっており、研究開発スタッフはグループ全体で21名となっております。

 各セグメントに関連付けた研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

 染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発活動では、社会のニーズにこたえるべくいくつかの重点テーマを持って進めております。日本は自然災害多発国で、近年は多くの甚大災害が発生しております。第一のテーマは防護・防災用繊維製品を用途とする高強度難燃性繊維の染色整理に係わる技術開発です。他社との共同開発契約に基づき日本国内での研究開発から量産、さらには海外子会社への技術移転・海外量産生産も軌道に乗りさらなる拡大を計画しております。高強度や難燃性などの特殊機能に加え、衣料品としての着心地や風合い、色彩などの着用快適性向上を目指し、機能性繊維と難燃レーヨンやポリエステルとの複合素材の染色技術も確立しております。さらには当社独自の機能性加工(撥水撥油、吸汗速乾、蓄熱保温、抗菌防臭、制菌など)と組み合わせた高次加工商品開発を進めていきます。第二のテーマとして光触媒、無光触媒を用いた抗ウイルス加工、制菌加工等の付加価値を付与した清潔安全製品開発であります。今般、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く状況下、海外連携に対する危機管理体制やグローバルサプライチェーンの脆弱性が露呈し日本国内での生産が見直されております。当社は染色整理から縫製品販売までを手掛ける強みを活かして安全安心な商品の消費者への提供を目指します。

 染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発費は32百万円であります。

 

 機械販売事業における研究開発活動は、主に機器開発関連における研究活動となります。染色整理業向けの各種濃度制御技術は、国内はもとより中国・アセアン諸国を中心として海外からも高い評価を得ております。染色整理業においては薬品の濃度を一定に管理することは品質保証の基礎であり、無駄な使用を減らすことにより経済性にも寄与、さらには省資源生産を可能にして持続可能な社会にも貢献していきます。また繊維関連以外の異業種からの問い合わせも増えてきております。産業資材としてPVAフィルムの加工やヨウ素関連事業、その他の化学工業向けにさらに制御装置の測定精度を高め、幅広い分野で利用できる環境配慮型の薬品濃度制御装置の開発を進めてまいります。

 機械販売事業における研究開発費は25百万円であります。