第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 わが国経済の今後の見通しにつきましては、過年度から続く業績悪化を踏まえ、経営体制の刷新を図るとともに、当連結会計年度より、中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』をスタートさせて、「事業ポートフォリオの強化」、「生産体制の再編による収益基盤の強化」、「資本の効率化」の3つの重点課題に取り組むことにより黒字転換を図り、さらには将来の持続的成長のための安定した財務基盤の確立を目指しております。

 当連結会計年度においては、生産の海外シフトを進めるなど、収益力の強化により黒字転換を目指しましたが、コア事業であるストッキングの市場縮小による競争の激化や、急激な円安進行が利益面において逆風となるなど、赤字体質の解消には至らず、中期経営計画の初年度である当連結会計年度は大幅な計画未達となりました。

 初年度の結果を踏まえ、当社グループは、中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』の計画を改訂いたしました。

 改訂後の『ATSUGI VISION 2024』では、主力領域であるストッキング市場の低位安定、ブランド力の脆弱化や顧客への訴求力不足等、当社における現状の課題を真摯に受け止めたうえで、課題解決に向けて、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの新たな課題を掲げて、それぞれの課題に対する戦略を実行してまいります。あわせて、このような先行き不透明・不確実な状況の中、企業として今後の進むべき方向性を明確にするため、当社がこれまで歩んできた道のりを振り返り、あらためて、自分たちの存在意義とこれから目指すべき姿を言語化することとし、パーパスを『肌と心がよろこぶ、今と未来へ。』、ビジョンを『肌心地から、感動を生み出す フィールウェアのアツギへ。』に制定いたしました。パーパスおよびビジョンの実現に向けて、グループ一丸となってこの難局を乗り越えてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1)ガバナンス

 当社では、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への対応は、主に2023年5月に設置されたサステナビリティ委員会が担います。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長として原則として四半期に1回開催し、気候変動に関連する課題の特定および対応策についての議論を行います。また、審議内容を原則年2回取締役会に答申します。取締役会では対応方針が決議され、サステナビリティ委員会を通じて進捗管理や社内啓もうが実施されます。

 

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(2)戦略

 当社グループは、日本政府が掲げている温室効果ガス削減目標に沿ったサステナビリティの実現を目指しています。そのため、政府が達成年度に設定している2030年と2050年を基準としてリスク・機会の特定を行いました。リスク・機会の特定にあたっては、TCFD提言に基づき、1.5/2℃シナリオと4℃シナリオという複数のシナリオを用いました。複数シナリオの利用により、各戦略の将来にわたる柔軟性を確保しております。

 

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 当社グループはまず、1.5/2℃シナリオにおいて影響が大きい移行リスクについて特定しました。移行リスクでは、主に、炭素税導入をはじめとする政策・規制によるもの、原材料高騰等に関するものが特定されました。これらのリスクに対し、当社グループは、本社でのLED照明導入や、中国の新工場における再エネ電力導入の検討等、使用エネルギーの見直しを行っています。また、中国の新工場では節水型の設備を導入し、2025年度までに水使用量を13,870t(2022年度対比5.9%)削減する予定です。

 また、4℃シナリオにおいて影響が大きい物理リスクでは、異常気象の激甚化や干ばつ、平均気温上昇を背景として、生産拠点の操業停止、綿花の生育不良、季節性製品需要の変化が特定されました。これらのリスクに対し、当社グループは、現状中国への一極集中が見られる生産拠点を国内外の協力工場に分散させるといったBCP対応を進めております。更に今後は調達ソースの多様化や、サプライヤー選定基準に環境への取組みを加えることにより、事業継続力を高めていくことを検討しております。

 当社グループは、リスク特定で用いた枠組みのもと、機会の特定も行いました。脱炭素社会への移行に伴う機会としては、環境配慮型製品の需要増加やESG投資による資金調達コストの削減等が特定されました。当社グループは現在、FSC認証紙の使用、商品パッケージやショッピングバッグの脱プラスチック推進、再生素材の導入、リサイクル活動の実施等、調達から製品の販売に至るまで、様々な環境対策を行っています。これらの取組みを継続、拡大していくことと並行して積極的な情報開示を行うことで、消費者、投資家のニーズをとらえた製品・サービスの提供が可能となると考えております。

 気候変動の物理的な影響が顕在化することに伴い生じる機会は、EC販売の需要増加や涼感機能性商品の需要増加が特定されました。EC販売の需要増加については、当社グループは2017年に自社ECサイトをリニューアルオープンしました。さらに、中期経営計画「ATSUGI VISION 2024」の初年度である2022年度にはEC強化プロジェクトを発足し、2023年の「ATSUGI VISION 2024 改訂」においても自社ECの強化を打ち出しております。また、涼感機能性商品の需要増加については、当社グループは、暑さに対応した商品の販売を拡大しています。冷感効果を持つ糸や汗のべたつきを軽減する素材を使用した商品、蒸れを軽減する仕様の商品、紫外線対策ができるUVカット機能を搭載した商品等、気温上昇による猛暑・酷暑で需要拡大が見込めるインナーウェア・レッグウェアを製造販売しています。

 特定したリスク・機会に対応するため、全社で情報を共有し、環境経営に関する円滑な意思決定およびサステナビリティ推進活動の強化を図ってまいります。

 

 

■リスク機会一覧表

 

 

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※補足

1.事業インパクトの項目のうち、時間軸は以下のように設定しています。

短期:0~3年 中期:4~10年(2030年) 長期:11~30年(2050年)

2.事業インパクトの項目のうち、影響度は以下のように設定しています。

大:事業及び財務への影響が大きくなることが想定される

中:事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される

小:事業及び財務への影響が軽微であることが想定される

 

 また、当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、多様性、チャレンジ性を重視し、常に新たな価値創出を実現し続ける組織へと生まれ変わるための組織改革を実行しています。

 社員の士気を高め、一人ひとりが活き活きと活躍し、能力を最大限発揮できる環境の整備を進めます。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への対応は重要な経営課題の一つであると考え、全社的なリスク管理体制を構築しています。リスクの特定はサステナビリティ委員会が担います。サステナビリティ委員会は社長、管理本部長、レッグ事業本部長、インナー事業本部長、開発本部長、生産本部長、経営企画部長、総務部長、生産統括部長、生販計画部長、経理部長で構成されており、各部門の報告に基づいた審議を行っています。また、気候変動関連リスク以外のリスクを踏まえた相対的な評価(優先度の判定)はリスクマネジメント委員会が行います。なお、サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会はともに社長が管轄しています。

 

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(4)指標及び目標

 当社グループはこれまで、環境問題への取組みの重要性を認識しながらも、製品・サービスの環境配慮性能の向上やESG全般への取組みの強化に注力していたことから、温室効果ガス削減の定量的な目標設定および実績値の算定は行ってきませんでした。しかしながら、現在、脱炭素への国際的な合意が強化され、社会的要請が高まっています。当社グループも、事業を通じて社会的な責任を果たすため、また、気候変動関連リスク・機会の精度の高い分析を行うため、今後は自社の活動範囲での排出であるScope1、2の算定からはじめ、将来的にはサプライチェーン全体が対象であるScope3の算定も行ってまいります。

 今後、日本政府が掲げている温室効果ガス削減目標に沿い、2030年度や2050年度等、具体的な年度設定を行ったうえで中長期的なロードマップを検討してまいります。

 

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 また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

《多様性》

①女性の活躍応援団

 性別に関係なく働き続け、女性が個性と能力を発揮できる社会の実現に向けて、2016年9月より「かながわ女性の活躍応援団」として活動に参加しています。

 2022年9月には女性の活躍を一層推進するための「行動宣言」として以下の3つを宣言しており、2023年3月末現在の進捗は[ ]内記載のとおりです。

(ⅰ)男性の育児参画を推進するため、育児のための休業・休暇・短時間勤務制度の男性利用者が20%以上になる

よう取り組む[2022年度50%]

(ⅱ)将来的な社内出身女性取締役の登用を目指して、2024年度までに部長職以上の女性割合が17%以上になるよ

う取り組む[2023年3月末現在11%]

(ⅲ)働く場所や時間の制限を緩和し、就業継続がしやすい職場を目指すため、フレックスタイム制度の導入に取

り組む[2023年3月末現在検討中]

 

②採用形態の多様化

 様々な経験・知識・文化・価値観を持つ人材が集まることで、互いに刺激を受けあい、成長しあい、新たな発想に繋がることを期待し、中途採用、出向、転籍等、多様な採用形態の活用を進めています。

 

《チャレンジ性を重視した社内風土改革》

①パーパス、ビジョン、行動指針の浸透

 パーパス、ビジョンを制定して社員一人ひとりに浸透させ、それらに向けて社員一人ひとりが体現すべき姿勢を行動指針として明確に示すことで社員のベクトルを統一し、今までにない新たな価値を創出する企業文化の醸成に取り組んでいます。

 行動指針を「あらゆることを楽しむ。」「常にお客さまを想う。」「ギアを入れて、自分から。」「ずっと挑戦し続ける。」「向き合う、まっすぐ誠実に。」と定め、行動指針を後押しする制度として、当社グループの経営向上に役立つ提案を募集する提案制度を創設し、運用を開始しました。これにより、チャレンジ精神を奨励する風土の定着を図ります。

 

②評価制度改革

 人事評価制度を刷新し、一人ひとりに求められる役割・業務目標が明確で、自分の目標の達成が会社の目標達成に繋がることを実感できる評価制度を導入しました。日々の努力が報酬に反映されやすい評価制度とすることで、仕事に対するモチベーション向上に繋げます。この制度は目標設定の適切性が最も重要となるため、定期的に目標設定と評価実施に関する社内研修を実施することで、運用の質の維持・向上に継続的に努めます。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。

 本項については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)為替レートの変動リスク

 当社グループは、生産拠点を海外シフトしており、外国通貨建ての取引があります。従って、当社グループの取引および投資活動等に係る損益は、外国為替の変動により影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループは、ヘッジ取引により、為替変動によるリスクを低減しておりますが、予測を超えた為替変動が業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2)海外事業

 当社グループは、主に生産拠点を中国へ移管しておりますが、中国政府による規制、人材確保の困難さ、通貨切上げ等のリスクが存在します。

 このようなリスクが顕在化することにより、中国での事業活動に支障を生じ、業績および将来の計画に影響を与える可能性があります。

 

(3)原油価格の変動リスク

 原油価格の乱高下に伴い、当社グループの主力商品である靴下の主要な原材料であるナイロン糸および電力・重油等の購入価格の上昇により、業績および将来の計画に影響を与える可能性があります。

 

(4)市況による影響

 当社グループの中核である繊維事業は、市況により業績に大きな影響を受ける業種であります。市況リスクとしては、ファッション・トレンドの変化による需要の減少、天候不順による季節商品の売上減少、デフレによる低価格商品の増加、海外からの低価格商品の輸入増等により、業績および将来の計画に影響を与える可能性があります。

 

(5)貸倒リスク

 当社グループは、販売先の状況および過去の貸倒実績発生率による見積りに基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、販売先の財政状況の悪化、その他予期せざる理由により、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。

 

(6)製造物責任・知的財産

 当社グループの製品の欠陥に起因して、大規模な製品回収や損害賠償が発生し、保険による補填ができない事態が生じた場合や、知的財産に係わる紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされた場合、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(7)災害や停電、感染症等による影響

 当社グループの本社及び生産・物流拠点において災害、停電またはその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に著しい影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の影響が長期化した場合、減産や操業停止など、当社グループ全体の事業運営および業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(8)固定資産の減損について

 当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により事業の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合などには、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や入国制限の緩和により社会・経済活動の正常化が進み、緩やかに改善の兆しが見られました。その一方で、ウクライナ情勢の長期化などによる資源・エネルギー価格の上昇や外国為替相場における急激な円安進行等が景気の下押し圧力となるなど、先行きは不透明な状況で推移しました。

 繊維業界においては、行動制限の緩和に伴う外出機会の増加により、個人消費は回復傾向にありますが、物価上昇による消費者の生活防衛意識や節約志向の高まりから衣料品への支出には慎重さが見られるなど、本格的な回復には至っておらず、依然として厳しい環境が続いております。

 このような状況において当社グループは、経営体制の刷新を図り、2023年3月期から2025年3月期までを実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』をスタートさせました。本計画では、顧客ニーズの変化と多様性に的確に対応したうえで、「事業ポートフォリオの強化」、「生産体制の再編による収益基盤の強化」、「資本の効率化」の3つの重点課題に取り組むことにより収益性を高めることに注力し、まずは足元において黒字転換を図ること、そして、その先にある将来の持続的成長のための安定した財務基盤の確立を目指しております。

 当連結会計年度においては収益構造の抜本的な見直しとさらなる製造原価の低減を目的として2022年5月をもって国内生産子会社であるアツギ東北株式会社の生産業務を終了し中国工場への生産移管を進めるとともに販売においては行動制限の緩和による人流回復とそれに伴うストッキング需要の回復を想定しストッキングの主力ブランドASTIGU(アスティーグ)のリブランディングを行うなどの商品戦略による巻き返しを図りましたが物価高を背景とした消費者の生活防衛意識や節約志向の高まりなどから売上は想定を下回る結果となりました利益面においても急激な円安進行をはじめ原燃料価格や物流費の高止まり人件費の上昇などのコストアップ要因が重なったこと等により厳しい状況で推移しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は20,503百万円(前年同期比4.4%減)、営業損失は2,131百万円(前年同期は2,293百万円の損失)、経常損失は1,583百万円(前年同期は1,804百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,215百万円(前年同期は1,827百万円の損失)となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

[繊維事業]

 レッグウェア分野は、行動制限の緩和により個人消費に回復の兆しがみられましたが、物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどから高価格帯の商品が苦戦し、同分野の売上高は11,013百万円(前年同期比3.7%減)となりました。

 インナーウェア分野は、紳士インナーウェアは堅調に推移しましたが、レッグウェア同様、消費者の生活防衛意識の高まりなどから全般的に厳しく、同分野の売上高は8,246百万円(前年同期比5.7%減)となりました。

 これらの結果、繊維事業の売上高は19,260百万円(前年同期比4.5%減)、営業損失は2,474百万円(前年同期は2,614百万円の損失)となりました。

 

[不動産事業]

 保有資産の有効活用を進めておりますが、当事業の売上高は544百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は388百万円(前年同期比0.8%減)となりました。

 

[その他]

 その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は天候の影響などにより発電量が減少し、介護分野も苦戦しました。これらの結果、当事業の売上高は699百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は58百万円(前年同期比18.2%増)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は40,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,545百万円減少いたしました。主な増減内容は、現金及び預金の減少1,521百万円、棚卸資産の減少670百万円、投資有価証券の減少580百万円、無形固定資産の増加866百万円および有形固定資産の増加202百万円等によるものであります。

 負債の部は9,756百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少470百万円等によるものであります。

 純資産の部は30,932百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失1,215百万円の計上による減少等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年同期比(%)

繊維事業

6,859

80.8

合計

6,859

80.8

(注)1.セグメント間取引については、内部振替前の数値によっております。

2.金額は、製造原価によっております。

 

b.受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年同期比(%)

繊維事業

19,260

95.5

不動産事業

544

101.2

その他

699

95.3

合計

20,503

95.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱しまむら

5,924

27.6

5,509

26.9

 

④キャッシュ・フローの状況

科目

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△748

△1,356

△608

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,043

760

1,803

財務活動によるキャッシュ・フロー

△616

△471

145

現金及び現金同等物に係る換算差額

505

316

△189

現金及び現金同等物の増減額

△1,902

△751

1,151

現金及び現金同等物の期末残高

5,500

4,749

△751

 

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,171百万円、投資有価証券売却益による減少507百万円、棚卸資産の減少684百万円等により、1,356百万円の支出(前年同期は748百万円の支出)となりました。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,216百万円、無形固定資産の取得による支出633百万円、投資有価証券の売却による収入1,032百万円、定期預金の払戻しによる収入815百万円、有形固定資産売却による収入695百万円等により、760百万円の収入(前年同期は1,043百万円の支出)となりました。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出470百万円等により471百万円の支出(前年同期は616百万円の収入)となりました。

 

 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ751百万円減少し、4,749百万円となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績等の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 当社グループにおける資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて、金融機関からの借り入れによる調達を行っております。また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最適と思われる調達手段を選択しております。

 

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間を実行期間とする中期経営計画を策定し、達成に向けた施策を実行しております。しかしながら、為替の急激な変動等の影響により、計画初年度である2023年 3月期の当社の業績は予定していた利益水準を大幅に下回る結果となったことから、戦略および目標とする財務指標の見直しを行うことといたしました。

 改訂後の『ATSUGI VISION 2024』では、主力領域であるストッキング市場の低位安定、ブランド力の脆弱化や顧客への訴求力不足等、当社における現状の課題を真摯に受け止めたうえで、課題解決に向けて、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの新たな課題を掲げて、それぞれの課題に対する戦略として「付加価値の最大化」「コスト構造改革」「資本の効率化」「組織改革(人的資本への投資)」を重点取組戦略として策定しました。目標とする財務指標は以下の通りです。

 

見直し前

 

2023年度

2024年度

連結売上高

255億円

272億円

連結営業利益

6億円

16億円

連結営業利益率

2.3%

5.9%

当期利益

7億円

15億円

ROE

2%

4%

ROIC

3%

5%

 

見直し後

 

2023年度

2024年度

連結売上高

228億円

255億円

連結営業利益

△3億円

12億円

連結営業利益率

△1.5%

4.5%

当期利益

5億円

13億円

ROE

2%

4%

ROIC

△1%

3%

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、女性の「美しさ」と「快適」、そして「健康」を追求し、当社最大の強みである技術力及び商品開発力に磨きをかけ、差別化商品の企画のための研究開発を積極的に行っております。

研究開発は、本社を拠点として、新しい価値の創造と消費者の信頼を得られる高い品質を持った商品の研究開発に取り組んでおります。「価格を上回る価値ある商品づくり」を念頭に、多様化するニーズに対応した商品を提供し、顧客満足の向上に努めます。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は342百万円であり、繊維事業に係るものであります。

 

 セグメントの研究開発活動は次のとおりであります。

[繊維事業]

(1)レッグウェア分野

① ストッキング・ソックスの開発

 2023年春夏シーズンより「冷やしソックスはじめました。」を新発売致しました。同ブランドは好評発売中の婦人涼感レギンス「冷やしレギンスはじめました。」に、冷感・涼感機能付ソックスを紳士・婦人向けに拡充したものです。暑い夏も快適に清潔に過ごせるソックスを展開し、婦人は「冷たさ20%アップ」のレーヨン混ソックスと、「冷感」「DRY」に特化したナイロンソックスを展開します。紳士は接触冷感機能と消臭機能を持たせたレーヨン混ソックスを開発致しました。

 

(2)インナーウェア分野

① インナーウェアの開発

 当社のスポーツインナーブランド「クリアビューティアクティブ」を2023年春夏シーズンよりリニューアル致しました。商品ラインアップを大幅に見直し、インナーウェアは「アクティブ」「ヨガ」「ウェルネス」の3カテゴリーとし、リサイクルポリエステル、リサイクルポリウレタン、リサイクルナイロンといったサステナブル素材を積極的に採用しました。更に店頭販売時の装飾も変更し、これまで商品に一つ一つ取り付けていたハンガータグを一部廃止しました。素材の見直しと無駄な資材の削減で環境負荷の低減に取り組みます。