第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が見られ緩やかな回復基調となりましたが、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策運営動向を背景に、先行き不透明な状況で推移しました。

繊維業界におきましては、少子高齢化や消費動向の変化によりファッション衣料の消費低迷が続き、業界を取り巻く環境は依然厳しい状況が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループは、優れた感性と技術で新しい「価値」を創造するとともにグローバル展開を図り、安定的・持続的成長の実現を目指しております。
 当社グループの「染色加工事業」「テキスタイル事業」はアウター素材が中心でありますが、インナー素材の生産・販売にも注力し事業領域の拡大を図るとともに、ベトナム生産での品質向上を図っております。

当連結会計年度の経営成績は、売上高120億5千4百万円(前連結会計年度比3.6%増)、営業利益4億5千4百万円(前連結会計年度比8.1%減)、経常利益6億6千8百万円(前連結会計年度比8.5%増)となりました。特別利益に固定資産売却益1億5千7百万円等を計上しましたが、特別損失にベトナム事業における事業用資産の減損損失2億8百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5億3千9百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

A.染色加工事業

衣料消費の低迷の影響を受け、織物は38億6千1百万円(前連結会計年度比5.2%減)、ニットはインナーやスポーツ衣料分野の新規受注により43億2千9百万円(前連結会計年度比5.3%増)となり、全体としては売上高81億9千1百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。営業利益は燃料費の値下がり効果等により3億円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。

B.テキスタイル事業

製品事業やインナー素材の取り組みを強化したことにより、売上高33億2千9百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりましたが、ベトナム事業の業績低迷と原材料の値上りや取扱商品の変化等による原価率の悪化により、営業損失2億7千2百万円(前連結会計年度は営業損失1億8千1百万円)となりました。

C.不動産事業

売上高5億3千4百万円(前連結会計年度比1.1%増)となり、営業利益は設備費の減少により、4億2千6百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、15億7千8百万円の増加(前連結会計年度は11億5千7百万円の増加)となりました。主な増加要因は、減価償却費10億6千1百万円、税金等調整前当期純利益7億3千5百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額3億7千8百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、20億9千3百万円の減少(前連結会計年度は4億2千万円の減少)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入5億6千5百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出19億3千4百万円、有形固定資産の取得による支出11億5千8百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、5億5千7百万円の減少(前連結会計年度は5億1千2百万円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額5億9百万円であります。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額の1百万円を含め前連結会計年度末と比べ10億6千9百万円減少し、26億4百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

染色加工事業

8,172,416

99.5

テキスタイル事業

3,267,937

110.1

不動産事業

合計

11,440,353

102.3

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

染色加工事業

7,977,954

94.0

1,058,284

83.2

テキスタイル事業

3,291,963

103.9

707,991

101.5

不動産事業

合計

11,269,918

96.7

1,766,276

89.7

 

(注)   上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

染色加工事業

8,191,076

100.1

テキスタイル事業

3,329,018

114.0

不動産事業

534,727

101.1

合計

12,054,822

103.6

 

(注) 1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

スタイレム株式会社

1,500,477

12.5

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  前連結会計年度のスタイレム株式会社については、当該割合が百分の十未満のため記載を省略しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)会社の経営の基本方針

優れた感性と技術で新しい「価値」を創造するとともにグローバル展開を図り、安定的・持続的成長を実現いたします。

 

  (2)目標とする経営指標

 ROE(連結自己資本利益率)5%以上を達成します。

 

  (3)中長期的な会社の経営戦略

 ①繊維事業の水平・垂直展開による収益拡大を図ります。

 ②高品質な物づくりで成長するグローバルマーケットを取り込みます。

 ③差別化加工の開発、提案により新たな需要を創造します。

 ④さらなるコストダウンを推進しコスト競争力の強化を図ります。

 ⑤M&Aを視野に入れた新規事業の確立を目指します。

 

  (4)会社の対処すべき課題

今後のわが国経済は、引き続き企業収益や雇用環境の改善が見込まれ、緩やかな国内景気の回復が続くことが期待されますが、海外情勢の大きな変化の影響が懸念され、不透明な状況が続くものと思われます。

繊維業界におきましては、消費動向の変化によりファッション衣料の売上が低迷する等、依然厳しい市場環境が続くと思われます。

当社グループとしましては、引き続き染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化し、市場ニーズに沿った差別化加工の開発・提案を積極的に進め、生産性向上とテキスタイル事業の収益改善により利益の確保を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループは、繊維製品の染色加工、製造、販売及び不動産賃貸を中核的事業として展開しており、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりであります。
 当社グループは、これらのリスクを認識した上で、それらの回避及び発生した場合の速やかな対応に努める所存であります。
 なお、将来に関する事項の記載については当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)トレンドの変化について

当社グループの染色加工事業における顧客は、愛知県西部を中心としたいわゆる尾州地区に集中しております。尾州地区は、従来からウール素材を主体とする繊維産地であり、素材のファッショントレンドの変化により、受注数量が左右される傾向にあります。当社グループは、素材の多様化に対応した差別化加工の開発、提案により、尾州地区のみならず他産地からの受注拡大を図っておりますが、変化の激しい最終消費者の嗜好動向によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)為替相場の変動について

当社グループの染色加工事業、テキスタイル事業は海外製品と激しく競争しております。当社グループはコスト競争力の強化と差別化加工の開発に努めておりますが、為替相場の変動によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(3)海外生産について

当社グループは、グローバル展開を目的としてベトナムでテキスタイルを生産しておりますが、ベトナムの政治情勢、経済状況等の変化や予期せぬカントリーリスクが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(4)原油・ガス価格の変動について

当社グループの染色加工事業における原材料は、石油化学製品に依存しているものが多く、またエネルギーはガスを主体としており、原油・ガス価格の値上りに対して、加工単価への転嫁や生産性の向上、省エネ対策等により対処するよう努めておりますが、想定以上の原油・ガス価格の値上りがある場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(5)環境対策について

当社グループの染色加工事業は、環境に影響を与える可能性のある薬品等を使用しており、種々の法的規制を受けております。当社グループは法令遵守と管理の徹底を図っておりますが、今後これらの法令が改定された場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(6)自然災害について

当社グループの染色加工事業の生産拠点は、愛知県一宮市に集中しております。このため、当該地区において地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損や物流機能の麻痺等により操業停止等が生じ、当社グループの営業成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(7)不動産賃貸先の状況について

当社グループの不動産事業は主として流通業への賃貸であり、同業界は競争激化の傾向にあります。従って、それに伴う賃貸料の値下げ圧力は強いものがあり、さらには競争激化による不採算により賃貸物件の店舗閉鎖が決定されることも想定され、これらにより当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

(8)金融資産の保有について

当社グループの金融資産は、その多くが株式及び社債であるため、株価、金利及び為替等の動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(9)季節偏重について

当社グループの染色加工事業及びテキスタイル事業は、ウール素材を中心とした秋冬物が中心です。複合素材等の強化により生産の平準化を図っておりますが、秋冬素材を生産する上期に販売が集中する傾向にあり、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

業務提携契約

 

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

株式会社ソトー

28 CORPORATION ONE MEMBER LIMITED LIABILITY COMPANY

ベトナム社会主義共和国

ウール素材を中心としたテキスタイルの生産販売

平成25年9月10日より10年間

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループの研究開発は、当社が子会社との連携のもとで活動を行っております。

 セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1)染色加工事業

当社グループの研究開発は、社長をトップとして組織した開発戦略委員会と各事業部の開発委員会、技術研究所が一体となって、新しいファッション・トレンドに即した感性を訴求する加工と時代のニーズに即した特殊機能を実現する加工の開発を目指しております。

当連結会計年度の主な研究開発は、新しい防縮加工とその加工設備の開発、特殊薬剤の応用による快適性・健康を訴求する加工、特殊技術と特殊加工設備の応用による独特な表面感と新しい風合い・触感を実現した加工が中心となっています。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、9千9百万円となりました。

(2)テキスタイル事業

研究開発活動は行っておりません。

(3)不動産事業

研究開発活動は行っておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中に記載した金額には消費税等の金額を含んでおらず、将来に関する事項の記載については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 

 

(1)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2億9千1百万円増加し、185億2千5百万円となりました。主な要因は、有価証券が21億7百万円減少、機械装置及び運搬具が1億7千6百万円減少しましたが、投資有価証券が17億1千4百万円増加、現金及び預金が10億1千4百万円増加したことであります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し、28億5千8百万円となりました。主な要因は、未払法人税等が7千万円減少しましたが、繰延税金負債が9千9百万円増加したことであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億8千9百万円増加し、156億6千7百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が5千万円減少しましたが、その他有価証券評価差額金が2億2千7百万円増加、退職給付に係る調整累計額が7千9百万円増加したことであります。

 

(2)経営成績の分析

 「1 (業績等の概要)  (1) 業績」欄をご参照下さい。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

 「1 (業績等の概要)  (2) キャッシュ・フローの状況」欄をご参照下さい。