文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業理念として「感性技術で未来を拓く」をスローガンとし、優れた感性と技術で新しい「価値」を創造し、人々の暮らしに新鮮な喜びや豊かさをもたらすことを企業の使命とし、事業領域の拡大とグローバル展開を図り、安定的、持続的な成長の実現を目指します。また、ファッション衣料業界のキーインダストリーと言われる染色加工事業を通して、産地のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立し、産業の発展と企業価値向上に寄与していくことを基本方針としております。
当社グループは、染色加工事業並びにテキスタイル事業において、急速に変化する市場環境に柔軟に対応する体制を確立し、安定的・持続的な利益基盤の確立と成長を目指し、ROE(連結自己資本利益率)5%、DOE(連結純資産配当率)2.5%を当面の目標といたします。
<構造改革>
コア事業である染色加工事業における安定的収益基盤を構築します。
①染色改革と省エネ活動を推進し、さらなるコストダウンを図ります。
②働き方改革を進め、生産性向上を図ります。
③社員教育を充実させ、従業員の意識改革を図ります。
<成長戦略>
染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化し、素材・加工開発を進め新たな市場を開拓します。
①スポーツ・ユニフォーム・インナー等事業領域の拡大を図ります。
②市場ニーズを的確に掴んだ商品開発・提案を推進し、グローバル展開を図ります。
③製品販売の拡充等、垂直展開による利益拡大を図ります。
④M&Aを視野に入れた新規領域、新規事業の確立を目指します。
繊維産業とりわけファッション衣料分野におきましては、消費動向が「モノからコト」に変化し消費の低迷が続くと予測され、また当業界においては2022年3月期も新型コロナウイルス感染症による影響が続くものと思われ、先行きにつきましても極めて予測が困難な状況となっております。
また、繊維産業におきましては、かねてよりアパレル業界における大量生産に伴う製品の大量廃棄が、SDGsの観点から構造的な社会問題となっており、今後新型コロナウイルス感染症が収束し市場が回復したとしても、以前のような生産状況には戻ることはないと推測しております。
このような環境が予測される中で、当社グループといたしましては、引き続き染色加工とテキスタイル事業の連携を強化し、市場ニーズに沿った差別化加工の開発・提案を積極的に推し進め、スポーツ・インナー・ユニフォーム素材の受注・生産に注力して事業領域の拡大を図るとともに、生産性向上とコストダウンにより利益の確保を図ってまいります。
このようなグループ戦略やSDGsにおける環境問題への対応を踏まえて、当社グループの染色加工事業におきまして、2022年3月期から2023年3月期の2期に渡り現状レベルの生産能力を落とすことなく工場の集約を実施し、省エネ・節水を図ってまいります。さらに、工場集約に伴い環境負荷低減等を目的とした設備投資を実施し、この投資を当社の成長戦略であるスポーツ・インナー・ユニフォーム素材を中心とした事業領域の拡大につなげてまいります。
当社グループが長きに渡って培ったウール素材を中心とした染色加工技術は、品質面において国内で高く評価されており、高級志向のファッション業界で高い競争力を有しております。この当社グループの技術を最大限に活かすため、染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化して事業領域の拡大を図るとともに業界内でのステークホルダーとの協業・連携により、優れた日本のテキスタイルの輸出拡大、日本の技術力・管理力を生かした海外展開を模索し、当社グループとして企業価値の向上を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要リスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)受託加工業について
当社グループのコア事業である染色加工事業は、売上高が全体の60%を占めており、得意先の商品に対して加工を施す受託加工業であります。当社グループは、得意先との取り組みを強化し、情報収集に努めて安定的な受注の確保を図ってまいりますが、最終製品を扱うアパレルや百貨店等の市場での販売及び在庫状況に対する得意先の生産量の調整により、翌年の当社グループの生産量に影響を及ぼす可能性があります。
(2)トレンドの変化について
当社グループの染色加工事業における顧客は、愛知県西部を中心としたいわゆる尾州地区に集中しております。尾州地区は、従来からウール素材を主体とする繊維産地であり、素材のファッショントレンドの変化により、受注数量が大きく左右される傾向にあります。当社グループは、素材の多様化に対応した差別化加工の開発、提案により、尾州地区のみならず他産地からの受注拡大を図っておりますが、変化の激しい最終消費者の嗜好動向によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)原油・ガス価格の変動について
当社グループの染色加工事業における原材料は、石油化学製品に依存しているものが多く、エネルギーはガスを主体としており、原油・ガス価格の値上りに対して、加工単価への転嫁、生産性の向上、省エネ対策等により対処するよう努めておりますが、想定以上の原油・ガス価格の値上りがある場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)不動産賃貸先の状況について
当社グループの不動産事業は主として流通業者への賃貸であり、同業界は競争激化の傾向にあります。従って、それに伴う賃貸料の値下げ圧力は強いものがあり、さらには競争激化等による不採算を理由に賃貸物件の店舗閉鎖が決定されることも想定され、これらにより当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)非常事態リスクについて
当社グループのいずれのセグメントにおいても、新型コロナウイルス感染症拡大のような非常事態が発生し、事業運営が困難になった場合、非常事態への対応方針の発信、勤務体制の変更等、事業リスクの最小化に向けた施策を行ってまいりますが、当社グループの経営成績等に大きな影響を受ける可能性があります。
(6)季節偏重について
当社グループの染色加工事業及びテキスタイル事業は、ウール素材を中心とした秋冬物が中心であります。複合素材等の強化及びスポーツ・ユニフォーム・インナー等事業領域の拡大により生産の平準化を図ってまいりますが、秋冬素材を生産する上期に販売が集中する傾向にあり、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7)自然災害について
当社グループの染色加工事業の顧客及び生産拠点は、愛知県西部を中心とした尾州地区に集中しております。このため、当該地区において地震、台風等の大規模災害が発生した場合には仕事量の減少、生産設備の破損、物流機能の麻痺等により操業停止等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(8)海外情勢について
染色加工事業及びテキスタイル事業の原材料が中国を中心とした海外生産が主であることやグローバル展開を目的としたテキスタイル事業は、現地の環境規制、政治情勢等の変化や予期せぬカントリーリスクにより、原材料調達の状況及び価格の高騰並びに現地生産等で当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(9)環境規制について
当社グループの染色加工事業は、環境に影響を与える可能性のある薬品等を使用しており、種々の法的規制を受けております。当社グループは法令遵守と仕入管理の徹底を図っておりますが、国内外において環境規制等が強化され、使用が制限された場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(10)金融資産の保有について
当社グループの金融資産は、その多くが株式及び社債であるため、個別銘柄の保有の適否に関して毎年精査を行っておりますが、株価、金利及び為替等の動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(11)為替相場の変動について
当社グループの染色加工事業、テキスタイル事業は海外製品と激しく競争しております。また、原材料の仕入については海外からの輸入に依存する部分が多く、当社グループとしてはコスト競争力の強化と差別化加工の開発に努めておりますが、為替相場の変動によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大し収束が見えない中で、緊急事態宣言による営業時間短縮や外出自粛により、個人消費を中心に経済活動が停滞したことで、国内経済は極めて厳しい状況となりました。
繊維産業におきましては、前期の消費税増税による消費の落ち込みが懸念された中において、新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛、商業施設の休業や営業時間短縮の影響等により、繊維産業の中におきましても特にファッション衣料消費が大幅に落ち込み、現状も新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況にあり、依然として極めて厳しい市場環境が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループは、優れた感性と技術で新しい「価値」を創造し、事業領域の拡大とグローバル展開を図り、安定的・持続的成長の実現を目指しております。
当連結会計年度の経営成績は、ファッション衣料消費の落ち込みの影響を大きく受け、売上高75億4千5百万円(前連結会計年度比32.7%減)、営業損失6億3千4百万円(前連結会計年度は営業利益1億9千3百万円)、経常損失4億6千7百万円(前連結会計年度は経常利益3億5千8百万円)、将来の課税所得及び繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額として2億9千2百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失8億3千1百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失9千7百万円)となりました。
染色加工事業
前期の暖冬の影響により、当期の秋冬物の受注減が懸念されていた中で、新型コロナウイルス感染症による百貨店等の休業、営業時間短縮や衣料消費の低価格志向の影響を受け受注が大幅に減少いたしました。特にメンズ製品を中心に織物の落ち込みが大きく、ニットはわずかながら回復の兆しがうかがえたものの、織物が22億7千7百万円(前連結会計年度比39.0%減)、ニットが22億2千6百万円(前連結会計年度比32.0%減)となり、売上高45億3百万円(前連結会計年度比35.8%減)、営業損益につきましては、労務費や設備費などの固定費の削減を図ってまいりましたが、大幅な売上減少の影響により、営業損失8億7千2百万円(前連結会計年度は営業損失1億5千3百万円)となりました。
テキスタイル事業
前期の消費税増税や暖冬の影響により厳しい市場環境が予想される中で、染色加工事業と同様に、新型コロナウイルス感染症により市場が大きく低迷した影響により、売上高25億9百万円(前連結会計年度比31.9%減)、営業損失1億7千4百万円(前連結会計年度は営業損失6千5百万円)となりました。
不動産事業
売上高5億3千2百万円(前連結会計年度比1.2%増)、営業利益4億1千1百万円(前連結会計年度比0.4%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度の西川毛織株式会社については、当該割合が百分の十未満のため記載を省略しております。
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ7億4千5百万円減少し、156億1千6百万円となりました。主な要因は、土地が5億7千4百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が8億3千万円減少、投資有価証券が2億1千7百万円減少したことであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ5千万円増加し、26億6千6百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が1億5千5百万円減少、未払費用が8千1百万円減少しましたが、繰延税金負債が3億8千万円増加したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7億9千6百万円減少し、129億4千9百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が3億2千9百万円増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純損失8億3千1百万円を計上したこと及び配当金の支払い3億5千6百万円により利益剰余金が11億8千8百万円減少したことであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、10億1千9百万円の増加(前連結会計年度は10億8千3百万円の増加)となりました。主な増加要因は、売上債権の減少8億3千万円、減価償却費6億8千3百万円であり、主な減少要因は、税金等調整前当期純損失5億1千1百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億1千3百万円の減少(前連結会計年度は5億3千4百万円の減少)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入6億6千3百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出11億1百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億3千8百万円の減少(前連結会計年度は5億2千万円の減少)となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入1億3千万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額3億5千6百万円であります。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ3億6千7百万円増加し、25億7千1百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のために必要な運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、流動性の維持及び健全な財政状態を目指して安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当社グループは、今後も営業活動によるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
また、翌連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、百貨店等の営業自粛により個人消費の低迷が引き続き想定され、連結財務諸表の作成にあたっては、翌連結会計年度末に向けて緩やかに回復するとの仮定を考慮して見積り及び予測を行っておりますが、現時点で全ての影響について合理的な見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(c)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(93,693千円)を計上しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発は、社長をトップとして組織した開発戦略委員会と各事業部の開発委員会、技術研究所が一体となって、新しいファッション・トレンドに即した感性を訴求する加工と時代のニーズに即した特殊機能を実現する加工の開発を目指しております。
セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の主な研究開発は、業界の最近のキーワードである「環境に優しい」「サスティナブル」な羊毛の防縮加工、フォーマルブラック加工ならびに非フッ素撥水加工、及び「天然由来成分」をキーワードとした特殊加工や、防汚加工等の目に見える機能加工です。さらに新型コロナウイルスの脅威に対抗出来る衛生加工として抗菌・抗ウイルス加工の開発に注力しています。また、染色部門を中心に省エネ及び生産性と品質の向上を目指し新しい設備導入に関する調査・研究、さらには関連他社との共同開発案件にも精力的に取組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
研究開発活動は行っておりません。
研究開発活動は行っておりません。