当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策などを背景に、雇用・所得環境の改善が進むなど、緩やかな回復基調が続いているものの、米国の新政権発足による政策運営や英国のEU離脱問題などにより、海外経済の不確実性が増大するなど、景気は依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような経済環境のなか、当社グループの事業基盤であります水産、水産加工・流通、食品の各分野におきましては、少子高齢化による国内市場が縮小傾向にあるなか、一部には価格よりも品質を重視した選別消費の動向が見られるものの、消費者の節約志向は依然として根強く、引き続き厳しい環境下にありました。
このような情勢のもとで、当社グループは、3ヵ年経営計画「第131期中期経営計画(100周年への飛躍)」の初年度として、人材と組織の連携強化を図るとともに、「浜から食卓まで」をカバーした当社グループならではの強みを活かした営業展開を推し進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,140億38百万円と前連結会計年度比48億21百万円の増加となりました。営業損益は24億25百万円の利益となり前連結会計年度比7億49百万円の増加となりました。経常損益は15億42百万円の利益となり前連結会計年度比1億68百万円の増加となりました。
特別損益におきましては、特別利益として35百万円を計上し、特別損失として10百万円を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純損益は9億14百万円の利益となり前連結会計年度比3億29百万円の増加となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
すり身部門では、市況の低迷が影響し、売上、営業利益ともに減少いたしました。鮮凍水産物部門では、カニは原料相場が高騰したものの、取扱量の確保に努め、売上は増加いたしましたが、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。助子は原料相場が上昇するなか製品の生産効率化に努め、北方凍魚はホッケやアカウオの販売が堅調に推移し、それぞれ売上、営業利益ともに増加いたしました。加工食品部門では、ツナフレークは原料価格が高騰し販売が低調に推移いたしましたものの、コンビニ向け新規商材の販売などが伸長いたしました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。
これらの結果、売上高は725億18百万円となり前連結会計年度比49億47百万円の増加となりました。セグメント損益は17億47百万円の利益となり前連結会計年度比5億36百万円の増加となりました。
漁網・漁具資材部門では、官公庁向け漁具資材や底曳用漁具資材の販売などが堅調に推移し、売上、営業利益ともに増加いたしました。一方、船舶・機械部門では、船体一括受注案件の減少や船舶用機器類の販売が低調に推移し、売上、営業利益ともに減少いたしました。養殖部門では、養殖用生簀や機資材、養殖魚向け配合飼料の拡販に努めました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。
これらの結果、売上高は180億34百万円となり前連結会計年度比88百万円の増加となりました。セグメント損益は7億67百万円の利益となり前連結会計年度比1億36百万円の増加となりました。
機械事業におきまして、国内では前連結会計年度に比べ工場一括受注などの大型案件が少なく、売上は減少いたしましたが、食品加工業界・惣菜加工業界向け各種生産設備など幅広く受注が進み、営業利益は増加いたしました。海外では韓国向け豆腐製造ラインや中国向け食品工場生産設備の受注が堅調に推移し、売上、営業利益ともに増加いたしました。
これらの結果、売上高は103億66百万円となり前連結会計年度比5億92百万円の減少となりました。セグメント損益は7億10百万円の利益となり前連結会計年度比1億85百万円の増加となりました。
資材事業におきまして、化成品部門では、包装資材のレジンや粘着シートの販売は減少いたしましたが、住宅用シートや印刷用フィルムの販売が伸長いたしました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。農畜資材では、農業用ハウス資材の販売が減少し、売上は減少いたしましたが、既存商材の拡販に努めました結果、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。
これらの結果、売上高は103億11百万円となり前連結会計年度比3億26百万円の増加となりました。セグメント損益は2億79百万円の利益となり前連結会計年度比27百万円の増加となりました。
バイオティックス事業では、大手食品メーカー向けに「アグリマックス」や「イムバランス」素材の拡販や、薬局・通販向けの販売が堅調に推移いたしました結果、売上高は2億96百万円となり前連結会計年度比23百万円の増加となりました。セグメント損益は37百万円の利益となり前連結会計年度比14百万円の増加となりました。
物流事業では、九州地区における食品を中心とした運送業を展開し、新規配送業務の受注や配送センターの業務効率化による経費削減に努めましたものの、売上高は24億27百万円となり前連結会計年度比31百万円の増加となりました。セグメント損益は28百万円の損失となり前連結会計年度比82百万円の減少となりました。
その他といたしましては、不動産の賃貸、人材派遣業などを行っており、売上高は83百万円となり前連結会計年度比3百万円の減少となりました。セグメント損益は64百万円の利益となり前連結会計年度比5百万円の減少となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、47億48百万円と前連結会計年度比7億53百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15億67百万円、たな卸資産の21億41百万円減少などにより、48億99百万円のプラス(前連結会計年度は7億10百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出5億62百万円などにより、6億95百万円のマイナス(前連結会計年度は8億4百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額△15億74百万円、長期借入れによる収入58億円、長期借入金の返済による支出△37億51百万円、社債の償還による支出△37億30百万円などにより、34億47百万円のマイナス(前連結会計年度は3億24百万円のプラス)となりました。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 |
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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食品事業 |
67,570 |
72,518 |
7.3 |
|
海洋事業 |
17,945 |
18,034 |
0.4 |
|
機械事業 |
10,959 |
10,366 |
△5.4 |
|
資材事業 |
9,984 |
10,311 |
3.2 |
|
バイオティックス事業 |
273 |
296 |
8.4 |
|
物流事業 |
2,395 |
2,427 |
1.3 |
|
その他 |
86 |
83 |
△4.2 |
|
合計 |
109,216 |
114,038 |
4.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺処理しております。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 |
|
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
食品事業 |
58,148 |
59,002 |
1.4 |
|
海洋事業 |
13,435 |
12,886 |
△4.0 |
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機械事業 |
7,154 |
5,986 |
△16.3 |
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資材事業 |
9,386 |
9,543 |
1.6 |
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バイオティックス事業 |
74 |
76 |
1.7 |
|
その他 |
28 |
28 |
△1.2 |
|
合計 |
88,228 |
87,522 |
△0.8 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺処理しております。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
ニチモウグループは、創業以来「会社は社会の公器であることの精神に立ち業界をリードする技術とサービスをもって広く社会の発展に貢献する。」ことを経営理念としてきております。今日のニチモウグループは顧客のニーズに応え得る提案営業力(サービス)と商品開発(技術)をもって「健康な生活づくり」に、主として「食」の分野で貢献することを目指しております。
為替変動リスクや少子高齢化による国内市場が縮小傾向にある厳しい事業環境下においても、顧客のニーズに柔軟に対応したきめ細かな営業展開を図るとともに、確実に収益を上げられる体制を構築していくことを考えており、具体的には、平成29年3月期から平成31年3月期までの3ヵ年における「第131期中期経営計画(100周年への飛躍)」を新たに策定し、平成31年8月17日に創立100周年を迎えるにあたり、「100周年への飛躍」として更なる利益体質の強化を最優先課題として掲げ、当社グループ全事業部門での黒字化の実現に向け、より一層の組織連携を強化し、事業の拡大を図ってまいる所存であります。
食品事業におきましては、原料調達から製造・販売まで一貫した体制を整備し、利益体質の再構築を行うとともに、新たな柱として近海魚事業の展開を促進してまいります。海洋・機械・資材の各事業におきましては、確立した利益体質の安定化を図るとともに、海外事業の拡大を目指してまいります。その他、リスク管理や法令遵守を徹底するとともに、より一層の企業統治体制の強化、企業価値の更なる向上に尽力してまいります。
当社グループの全売上高のおよそ6割前後を食品事業が占めておりますが、その中の主要商材は、その調達や販売において世界的な漁獲規制や漁獲量の変動及び水産物市況等の影響を受けております。従って、予期せぬ原料価格の高騰や漁獲量の変動等により、食品事業の主要商材の調達や販売が困難になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、その原料の大部分を海外から買付けており、為替レートの変動による影響を受けております。そのため、円建て決済や為替予約等のリスクヘッジを行い、為替レートの変動による当社グループの業績への影響を可能な限り軽減しております。しかしながら予期せぬ為替レートの急激な変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、その安全性を最重要課題として位置付け、グループ工場や国内外の提携工場へのHACCPの導入や徹底した品質保証体制の確保と実践に努めております。しかしながら予期せぬ品質事故等による原料等の大規模な回収や製造物責任賠償等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
当社グループで取り扱う食品事業の主要商材は、国内はもとより、北米、南米、ロシア及び東南アジア等の海外のさまざまな地域から供給されております。従って、予期せぬ自然災害がそれらの地域において発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
⑤ 海外事業におけるリスク
当社グループでは、食品事業における主要商材の安定的な確保を目的として、海外における投資や事業展開を進めておりますが、現地の経済環境の変化、法規制等(各国政府の許認可等も含みます。)の変更、政治的・社会的混乱などが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
当社グループは、十分な信用調査の上多くの取引先と取引を行っておりますが、取引先の業績の悪化や突発的なM&A、あるいは自然災害や事故、さらには、法令違反などの企業不祥事等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
当社グループの事業活動の遂行は、国内及び海外の法規制等の影響を受けつつ事業活動を遂行しております。従って、予期せぬ法規制等の変更があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1億39百万円であります。
セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。
当社において食品品質管理室を設置しており、その研究開発活動の主なものは次のとおりであります。
水産物を原料とする各種加工食品の商品開発、品質改良、各種調味料の開発・改良。各種水産加工品の諸検査及び基礎データ分析等。
当連結会計年度の研究開発費の額は管理費を含め75百万円であります。
当社において研究開発室を、またノールイースタントロールシステムズINC.においてエンジニアリング部門を設置しており、その研究開発活動の主なものは次のとおりであります。
トロール漁具をはじめとする各種漁具類について漁獲効率の向上、省人省力化及び持続的資源利用等を目的とする技術開発・改良及び新商品開発等。
当連結会計年度の研究開発費の額は管理費を含め54百万円であります。
ニチモウバイオティックス㈱における研究開発活動の主なものは次のとおりであります。
国内外の大学の研究室、製薬会社・食品会社・動物医薬品会社の研究部門との共同研究等。
当連結会計年度の研究開発費の額は管理費を含め8百万円であります。
当社において、機械・資材事業部門の新商品開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の額は管理費を含め0百万円であります。
記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、重要な影響を与える見積りを必要とする会計方針としては、以下のようなものがあると考えております。
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、取引先の財務状況等が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上の可能性があります。
保有する有価証券について時価のあるものについては、期末における時価が取得価格に比べて50%以上下落した場合に時価までの減損処理を行い、時価のない有価証券については実質価額が著しく低下した場合に減損処理を行っております。将来、株式の市況または投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における資産の部は611億43百万円となり、前連結会計年度比7億43百万円の減少となりました。これは、主として、現金及び預金の増加8億80百万円、たな卸資産の減少21億42百万円、前渡金の減少3億9百万円、投資有価証券の増加9億22百万円などによるものであります。
負債の部は466億24百万円となり、前連結会計年度比31億29百万円の減少となりました。これは、主として短期借入金の減少15億76百万円、1年内償還予定の社債の減少34億80百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少3億38百万円、長期借入金の増加23億86百万円などによるものであります。
純資産の部は145億18百万円となり、前連結会計年度比23億85百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加7億43百万円、その他有価証券評価差額金の増加4億79百万円、為替換算調整勘定の増加11億16百万円などによるものであります。
当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、1,140億38百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。損益につきましては、営業損益は24億25百万円の利益(前連結会計年度比44.7%増)、経常損益は15億42百万円の利益(前連結会計年度比12.3%増)、親会社株主に帰属する当期純損益は9億14百万円の利益(前連結会計年度比56.2%増)となりました。
営業外損益は、当連結会計年度は8億83百万円の損失(前連結会計年度は3億2百万円の損失)となりました。これは主に、営業外収益として受取配当金1億26百万円及び持分法による投資利益3億12百万円あるものの、営業外費用として支払利息4億80百万円及び為替差損9億円などによるものであります。
特別損益は、当連結会計年度は24百万円の利益(前連結会計年度は3億10百万円の損失)となりました。これは主に、特別利益として固定資産売却益33百万円、特別損失として固定資産売却損6百万円及び固定資産除却損4百万円などによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損益は、当連結会計年度は9億14百万円の利益(前連結会計年度は5億85百万円の利益)となりました。
当連結会計年度における資本の財源及び流動性については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営課題は「高収益構造の確立」「コンプライアンスの徹底と内部統制の強化」と捉えており、引続きグループをあげて目標達成をめざしてまいります。