第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和策を背景に緩やかな回復基調にあるものの、中国経済の減速、英国のEU離脱決定、米国大統領選挙などによる内外経済の不確実性や将来不安などを背景に、消費性向の低迷、想定を超える為替と株価の変動が見られるなど、依然として不透明な状況が続きました。

衣料品業界におきましては、ライフスタイルの変化や長引く消費マインドの冷え込みから、消費者の低価格志向や節約志向が継続していることに加え、売上を牽引していた訪日外国人や富裕層による高額品消費が失速するなど、総じて厳しい状況が続きました。

こうした中、当社グループは、一昨年に公表いたしました当連結会計年度を初年度とする、第3次中期経営計画に掲げた各施策に着手してまいりました。

卸売り事業主力のレッグウェア事業は、百貨店販路では、店頭起点の実需連動型卸売りの徹底による収益力の改善に努めました。専門店販路では、お取引先の利便性向上、付加価値の提供を目指して、BtoBサイト「ナイガイセレクトモール」をオープンしました。また、消費者の様々な足の悩みを機能的なレッグウェアを通じて解決する“ソリューション型ビジネスモデル”を構築、砂山靴下株式会社と資本業務提携をし、平成29年春夏商戦に向けて新製品・新技術の開発に着手しました。これらソリューション商品は、東京ビッグサイトで開催されたギフトショーへの出展、当社総合展示会での重点商談、雑誌媒体掲載などのPR活動を行い、お取引先から高評価を得ております。

通信販売事業につきましては、インターネット通販は引き続き順調に売上を伸ばしましたが、テレビ通販の販売不振と商品評価損の増加により、減収、減益となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、16,807百万円(前期比4.0%減)となりましたが、営業利益につきましては、店頭効率改善による返品調整引当の減少や、仕入原価削減策が奏功したことなどから売上総利益率が大きく改善し、272百万円(前期比228百万円の増益)と大幅増益となりました。経常利益につきましては、為替差損が発生し営業外費用が膨らんだことから、189百万円(前期比34百万円の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、121百万円(前期比34百万円の増益)となりました。

なお、個別業績につきましては、株式会社ナイガイ・イムの株式について、同社の事業規模を見直すとともに今後の円滑な在庫循環を図るため、過年度在庫の処分早期化に向けて商品評価損を積み増したことで純資産が減少し、その回復には当面の時間を要するため減損処理を行い、関係会社株式評価損として319百万円を特別損失に計上いたしました。

 

  セグメント別の概況

(卸売り事業)

卸売り事業の主体であるレッグウェア事業につきましては、百貨店販路で、展開フェイスの拡大と店頭プロモーションなどの販促活動がほぼ計画通りに進んだことで、店頭販売が総じて前年実績を上回りました。売上は、店頭起点の実需連動型卸売り施策により店頭在庫の適正化を図ったことで減収となったものの、ほぼ計画通りの実績となりました。利益につきましては、適地適品政策に基づいた仕入原価削減策を推し進めるとともに、適時適量納品の徹底により返品が減少したことなどから売上総利益率が改善し、増益となりました。

量販店販路は、得意先プライベートブランド獲得による大幅な売上拡大を目指しましたが、売上はほぼ前年並みの実績に留まり計画未達となりました。利益につきましては、仕入原価削減策を推し進めたことが寄与して売上総利益率が改善し、増益となりました。

 

その他卸売り事業では、紳士、婦人衣料の製造、卸売り業の株式会社NAPが、量販店向け販売の店頭不振により減収となりました。繊維製品の販売及び輸出入業の香港ナイガイと上海ナイガイは、グループ会社へのOEM、ODM販売の減少や、現地販売不振等の影響で減収となりました。

 これらの結果、当連結会計年度における卸売り事業の売上高は、13,867百万円(前期比3.2%減)、営業利益は382百万円(前期比438百万円の増益)となりました。

 

(通信販売事業)

通信販売事業につきましては、株式会社ナイガイ・イムは、主力のテレビ通販の販売不振により減収となりました。利益につきましては、前期に引き続き収益力の改善と経費削減に努めましたが、過年度在庫の評価損を積み増し計上したことで減益となりました。インターネット通販を展開するセンティーレワン株式会社は、レッグウェアECのシーズン商品販売強化が売上に寄与しましたが、顧客返品等の影響により減収となりました。

 これらの結果、当連結会計年度における通信販売事業の売上高は、2,939百万円(前期比7.6%減)、営業損失113百万円(前期比210百万円の減益)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は1,144百万円(前年は141百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益172百万円、減価償却費152百万円と売上債権の減少額311百万円及びたな卸資産の減少額407百万円の増加項目によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は95百万円(前年は115百万円の使用)となりました。固定資産の取得に57百万円、投資有価証券の取得に24百万円使用しました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は130百万円(前年は170百万円の使用)となりました。長期借入金の返済に130百万円使用しました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売り事業

207

87.7

 (注)1 金額は製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

 該当事項はありません。

(3)仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売り事業

7,643

90.5

通信販売事業

1,436

88.3

合計

9,079

90.2

 (注)1 金額は仕入価格によっております。

       2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    3 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

卸売り事業

13,867

96.8

通信販売事業

2,939

92.4

合計

16,807

96.0

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 第3次中期経営計画初年度にあたる当連結会計年度は、量販店卸販売、テレビ通販、海外販売がともに計画に届かず、売上高が公表を下回ったものの、重点経営課題であった仕入原価削減策、百貨店卸売り事業の収益力改善施策を確実に実行した結果、経常利益については計画を上回ることができました。

 今後はさらなる収益力改善施策への取り組みに加えて、増収による企業成長力の向上を重要な経営課題と捉え、以下の各施策に取り組んでまいります。

 

①レッグソリューション事業の本格的展開による企業認知度の向上と増収の実現

・既存店への浸透と新規販路開拓

・インターネット通販、テレビ通販での販路拡大

②量販店卸売り事業の取組型ビジネス深耕による増収の実現

・大手GMSとのPB取り組みの拡大

・スポーツブランド展開の強化(プーマ、フィラ)

③店頭起点型百貨店卸売り事業の推進による収益力強化

・販売展開フェイスの拡大によるプロパー販売シェアの拡大

・店頭在庫の適正誘導による返品リスクの軽減

④ナイガイセレクトモール(WEB卸)による全国小売店向け卸売り拡大

⑤海外事業の再構築

⑥物流-販売系情報システムインフラの軽量化によるコスト削減

⑦若手、女性活用による人材力強化と教育制度の充実

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済動向・消費動向の変化に伴うリスク

 当社グループが主に扱う衣料品は、顧客ニーズに基づき商品開発をしておりますが、ファッショントレンドの急激な変動、同業他社との競合、個人消費の低迷等により、所期の計画と乖離する可能性があります。また、当社グループの売上全体の約90%以上は国内市場での売上によるものであり、特に主要販路である、百貨店、量販店に対する売上高は当社の売上の75%以上を占めるため、これら業態の経営方針の変更、業績の変動が、当社グループの業績に大きく影響を及ぼすものと考えられます。

(2)気象状況や災害等に伴うリスク

 当社グループが主に扱う衣料品は、天候の影響を受けやすいため、短サイクル少ロット化や在庫管理を徹底しておりますが、冷夏暖冬、長雨、台風等の予測不能な気象状況の変化、また、地震や火災等の災害によって、当社グループの経営に影響が及ぼされる可能性があります。

(3)品質に伴うリスク

 当社グループの商品は、消費者や取引先へ出荷する前に、その安全性、機能性、規格等について、品質管理部門又は第三者の検査機関の検査を実施しておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に関する事故が発生した場合は、企業やブランドイメージの低下、多額の損失が発生する可能性があります。

(4)ライセンス契約に伴うリスク

 当社グループは、国内外企業が所有する知的財産権の使用許諾を得て事業を展開しているものもありますが、不測の事由によりライセンス契約が継続できない状況が発生した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

(5)海外活動に伴うリスク

 当社グループは、海外からの商品調達を増加させておりますが、調達、製造拠点における政治、経済の混乱や予期せぬ為替レートの変動等により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

(6)個人情報に関するリスク

 当社グループは、個人情報の取扱いについて情報管理責任者を選任し、運用管理しておりますが、不測の事故による情報流出が発生した場合は、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒引当金、返品調整引当金、退職給付に係る負債等の計上について見積り計算を行っており、その概要については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度は、卸売り事業は減収増益、通信販売事業は減収減益となり、全体では減収増益となりました。

 項目別の分析は次のとおりであります。

<財政状態の分析>

①流動資産

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ65百万円増加し、10,305百万円となりました。現金及び預金が883百万円増加し、受取手形及び売掛金が351百万円、商品及び製品が411百万円それぞれ減少しました。

②固定資産

 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、3,573百万円となりました。投資有価証券が時価の上昇で114百万円増加し、無形固定資産が90百万円減少しました。

③流動負債

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ101百万円増加し、3,519百万円となりました。未払金が156百万円増加し、電子記録債務が56百万円及び返品調整引当金が58百万円減少しました。

④固定負債

 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ172百万円減少し、1,531百万円となりました。長期借入金が130百万円及び退職給付に係る負債が35百万円減少しました。

⑤純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ167百万円増加し、8,829百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益121百万円と株式市場の相場上昇によるその他有価証券評価差額金93百万円の増加等によるものであります。

 

<経営成績の分析>

①売上高

 当連結会計年度の売上高は、卸売り事業は、主に百貨店販路で店頭在庫の適正化を図ったことにより減収となり、通信販売事業は、株式会社ナイガイ・イムがテレビ通販の販売不振により減収となりました。その結果、全体では前年に対して4.0%減の16,807百万円(前年比698百万円の減収)となりました。

②売上総利益

 当連結会計年度の売上総利益は、卸売り事業は、返品調整引当の減少や、仕入原価削減策が奏功したことにより、売上総利益率は前年に対して上昇しましたが、通信販売事業は、株式会社ナイガイ・イムの売上総利益率が販売不振と商品評価損の増加により減少しました。その結果、全体では売上総利益率が3.0ポイント改善し、売上総利益は6,098百万円(前年比266百万円の増収)となりました。

③販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、物流費や減価償却費は減少しましたが、人件費や広告宣伝費が増加したため、5,825百万円(前年比37百万円増)となりました。

④営業外損益

 当連結会計年度の営業外損益は83百万円の損失(前年比193百万円減)となりました。為替差損が131百万円発生しました。

⑤特別損失

 当連結会計年度の特別損失は、社葬費用を計上し17百万円となりました。

⑥親会社株主に帰属する当期純損益

 以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は121百万円、前年比39.9%の増益となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2「事業の状況」の4「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高(担保差入定期預金等を除く)は、前連結会計年度末に比べ、883百万円増加し、3,205百万円となりました。これに至ったキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」の(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、第2「事業の状況」の3「対処すべき課題」に記載のとおりであります。