文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は最高の技術で最高の商品を創り、常に消費者に信頼され選ばれる企業であり続けるという創業の精神のもとに、全ての人が、心身ともに健康的で“素足以上に足どり軽く”快適な生活を実現できるよう、常に消費者起点の発想で、新しい市場・新しい技術・新しい商品の開発に挑戦し、いつの時代にも消費者にご満足いただける最高の商品とサービスを提供することを経営の基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社はTSR向上を目標に、持続可能な成長事業ポートフォリオを構築し、安定的な収益構造を実現することで、弛まず企業価値向上を目指し、連結経常利益率3%以上の安定的な達成を目標としてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
①消費者に信頼され選ばれるための「新しいナイガイの価値創造」への取り組み
②卸売り事業と小売り事業を両輪とする盤石な事業ポートフォリオの再構築
③本業を通じて社会的責任を果たすCSV経営の推進
④健全かつ透明性のあるコンプライアンス経営のさらなる推進
⑤コーポレートガバナンスコードに基づくガバナンス体制の強化
⑥復配実現へ向けた収益力の強化と環境整備
(4)対処すべき課題
当社グループは、引き続き、持続可能な成長戦略実現のために、従来のルート卸売りビジネス偏重からの脱却を図り、消費者と直接つながり、信頼され、選ばれ、支持される企業としての小売り事業を育成し、卸売りと小売りそれぞれの事業を両輪とする盤石なポートフォリオを再構築することを中長期の重要経営課題と位置付けております。
なお、当連結会計年度におきましては、新型コロナウィルス感染症拡大で、経済環境が著しく悪化し、当社事業活動も多くの制約を受け、大幅な減収、減益となったことから、早期業績の立て直しによる、営業利益、営業キャッシュ・フローの黒字化回復と財務安全性の確保が喫緊の対処すべき経営課題と認識しております。
現在進捗中の第4次中期経営計画につきましては、定量目標は、コロナ禍における不透明な経営環境が続いていることから、2020年12月14日にお知らせいたしましたとおり、一旦取り下げさせていただいておりますが、定性基本戦略である、BtoB革新(卸売り事業革新による競争力強化)、BtoC構築(小売り事業モデルの構築)、『ナイガイ』ブランディング(ナイガイ4つの価値創造)に関する各戦略施策につきましては、ウィズコロナ、アフターコロナでの市場変化、消費者の行動変化に対応し、早期に業績回復を果たすためにも欠かせないものであり、次期中期経営計画への布石ともなる重要な経営課題であると認識しており、以下の施策とともに引き続きその確実な実行を目指してまいります。
① 卸売り事業(BtoBの革新による収益力回復)
百貨店販路でのホームウェア、アンダーウェアカテゴリーの拡大強化
ドラッグストア、スポーツ専門店、リビング専門店等の新規販路拡大
一般専門店向けWEB卸の拡大
変化に柔軟に対応できる適時・適量・適地・適産によるサプライチェーン再構築
② 小売り事業(BtoC構築に向けた投資事業分野)
ハッピーソックスにおける新業態開発(異業種連携コラボ)
ナイガイ・コンセプトショップの展開(新顧客体験の創造)
インターネット及びカタログでの通信販売の強化(購買利便性向上)
新チャネルでの直販事業ネットワークの拡大(異業種連携コラボ)
③ CSV経営の推進(人と環境にやさしいSDGs事業展開)
ユニバーサルデザインソックスの開発(みんなのくつしたプロジェクト)
障害者の生きがい、働きがいを支援する事業化プロジェクトの取り組み
残糸、残反を利用したアップサイクル事業の展開
環境に配慮した商品・資材開発の拡大
ロンデックスタイランドでの太陽光発電による工場電力供給の取り組み
④ 企業ブランディングのさらなる強化
ナイガイ・ファン作り、EC送客の強化を目的とする公式SNSの活用強化
企業認知拡大のための広報活動の強化
(5)コーポレート・ガバナンスの強化及びコンプライアンスの徹底
当社は、2019年に発覚した連結子会社による不適切な会計処理問題に伴い策定公表しております再発防止策の実践を重要な経営課題として認識し、全役職員のコンプライアンス教育を徹底するとともに、再発防止のための各施策の実行を現場レベルまで徹底し、厳正な内部統制システムによりモニタリングを有効化し、健全かつ透明性のあるコンプライアンス経営の推進とガバナンス体制の強化に、引き続き努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済動向・消費動向の変化に伴うリスク
当社グループが主に扱う衣料品は、常に最新の消費者ニーズに基づき商品開発をしておりますが、ライフスタイルの急激な変動、競合環境の変化、個人消費の低迷等により、所期の計画と乖離する可能性があります。また、当社グループの売上全体の約96%は国内市場での売上によるものであり、特に主要販路である、百貨店、量販店に対する売上高は当社の売上の約70%を占めるため、これら業態の経営方針の変更、出退店や業績の変動が、当社グループの業績にも大きく影響を及ぼす可能性があります。
(2)気象状況や災害等に伴うリスク
当社グループが主に扱う衣料品は、天候の影響を受けやすいため、短サイクル少ロット化や在庫管理を徹底しておりますが、冷夏暖冬、長雨、台風等の予測不能な気象状況の変化、また、地震や火災等の偶発的な自然災害によって、当社グループの経営に影響が及ぼされる可能性があります。
(3)パンデミックに伴うリスク
未知のウィルス等によるパンデミックにより、政治、経済環境に甚大な制限が課されることも想定され、これによるサプライチェーンの不機能、消費市場の停滞等により、当社業績に重大な影響が及ぼされる可能性があります。
なお、2020年から世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)につきましては、未だに収束の見通しが不透明なことから、感染防止策に伴う消費市場における行動制限や制約が継続することが想定され、当社の業績にも引き続き重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)品質に伴うリスク
当社グループの商品は、消費者や取引先へ出荷する前に、その安全性、機能性、規格等について、品質管理部門又は第三者の検査機関の検査を実施して万全の体制で臨んでおりますが、調達先の予測しえない品質トラブルや製造物責任に関する事故が発生した場合は、企業やブランドイメージの低下、多額の損失が発生する可能性があります。
(5)ライセンス契約に伴うリスク
当社グループは、国内外企業が所有する知的財産権の使用許諾を得て事業を展開しているものもありますが、不測の事由によりライセンス契約が継続できない状況が発生した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(6)海外活動に伴うリスク
当社グループは、海外からの商品調達を行っておりますが、調達、製造拠点における政治、経済の混乱や予期せぬ為替レートの変動等により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(7)個人情報に関するリスク
当社グループは、個人情報の取扱いについて情報管理規定を明確に定め、運用管理しておりますが、ハッキング等の不測の事故による情報流出が発生した場合は、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(8)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大幅な減収とそれに伴う営業損失の計上及びマイナスの営業キャッシュ・フローの計上を余儀なくされたことから、当連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在しております。
当社は、かかる状況下、不測の事態に備えたリスク回避策として、財務面では当面の運転資金として、新たに複数の金融機関より追加で計2,100百万円の融資の実行を受け、当面の経営に支障をきたさない十分な資金調達を進めるとともに、営業面では大幅な仕入れ削減と過年度在庫販売の徹底強化、販管費の使用抑制を実行してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは、第4四半期において大幅な黒字回復を実現し、通期で321百万円のマイナスまで圧縮することができ、事業継続に十分なネットキャッシュポジションを維持しました。また、商品在庫は前年より1,188百万円圧縮し、1,556百万円と大幅な削減を実行し、財務安全性を回復いたしました。
2022年1月期の計画におきましては、一定程度の売上回復を見込みつつ、適時適量供給を前提とした仕入コントロールを徹底するとともに、既存販路事業の収益力改善に加えて、無店舗販売形態の小売事業拡大に注力することで、営業利益の黒字化と営業キャッシュ・フローの黒字化を見通しております。
以上のことから、現時点では当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、経済環境が急激に悪化し、未だ収束の見通しが見えない中で、先行き不透明な状況が続いております。
衣料品業界におきましても、政府の緊急事態宣言発出により、百貨店、商業施設の臨時休業、営業時間短縮に加え、感染防止対策としての外出自粛要請による消費活動の制限等で、各種集客イベントの中止などが相次ぎ、また世界的な渡航制限によるインバウンド需要の激減も重なり、消費需要は低迷したまま、依然として厳しい状況が続いております。
この様な状況の中、当社グループは、従業員、お客様、取引先様の安心、安全を最優先に考え、ナイガイ・オンラインショップをはじめとするインターネット通販事業の強化を推し進め、外出を控える消費者の購買行動変化に柔軟に対応するとともに、店舗販売におきましても、ステイホーム対応のレッグウェアやホームウェア、リラクシングウェアの販売に注力してまいりました。
一方、大幅な減収への対策として、期中での仕入抑制、在庫販売強化に注力するとともに、販管費の削減などの施策に取り組み、営業キャッシュ・フローのマイナスを最小限に抑えることを最優先課題とし、効率経営を徹底してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は11,688百万円(前年同期比30.2%減)、営業損失は1,807百万円(前年同期比1,550百万円の悪化)、経常損失は1,747百万円(前年同期比1,570百万円の悪化)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,837百万円(前年同期比1,390百万円の悪化)となりましたが、第4四半期には営業キャッシュ・フローの黒字回復を果たし、在庫につきましても大幅な圧縮を達成し、次期での業績回復への道筋をつけることができました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(卸売り事業)
卸売り事業につきましては、2020年4月の緊急事態宣言発出時は、百貨店を中心に休業や営業時間の短縮措置が取られ、販売停止状態となりましたが、緊急事態宣言明けからは、全国百貨店を中心に、当社100周年フェアを順次開催するなどして、販売回復に努めました。
しかしながら、その後は夏場の第2波、冬場の第3波による感染再拡大の影響により、再び緊急事態宣言が発出されるなど、断続的に外出自粛要請が続き、各種販促イベントやシーズンセールの集客が中止または縮小となり、厳しい販売環境が続きました。
商品別には、各販路とも、コロナ禍での在宅時間の増加を背景に、ビジネスニーズであるパンストやビジネスソックスの需要は大きく減少しましたが、一方でイエナカ需要の高まりにより、ルームソックス、リラクシングウェア、パジャマ、エプロン等のホームウェアの販売は好調に推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の卸売り事業の売上高は10,002百万円(前年同期比32.8%減)、営業損失は1,668百万円(前年同期比1,577百万円の悪化)となりました。
(小売り事業)
小売り事業につきましては、外出自粛による消費者の購買行動の変化に対応すべく、9月より、子会社のセンティーレワン株式会社で運営していた、レッグ・アンダーウェアのインターネット通販事業を当社に事業移管し、品揃えと商品供給量を増やすことで、幅広い顧客ニーズに応える体制を整え、販売拡大に注力してまいりました。
一方、ハッピーソックスを中心とする直営店事業は、緊急事態宣言による商業施設の長期休業と外出自粛要請による集客減少傾向の継続に加え、訪日客の入国制限によるインバウンド需要の減少により、苦戦を強いられました。
これらの結果、当連結会計年度の小売り事業の売上高は1,686百万円(前年同期比9.4%減)、営業損失は144百万円(前年同期比20百万円の改善)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1,055百万円減少し、11,773百万円となりました。自己資本比率は56.9%となり、1株当たり純資産額は815円43銭となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ762百万円減少し、9,426百万円となりました。現金及び預金が1,642百万円増加し、受取手形及び売掛金が1,096百万円、商品及び製品が1,188百万円減少しました。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ293百万円減少し、2,346百万円となりました。有形固定資産が62百万円、投資有価証券が売却と時価の下落により208百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ799百万円増加し、3,788百万円となりました。短期借入金が1,798百万円増加し、支払手形及び買掛金が478百万円、電子記録債務が298百万円、返品調整引当金が116百万円減少しました。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ175百万円増加し、1,290百万円となりました。長期借入金が300百万円増加し、繰延税金負債が21百万円、退職給付に係る負債が114百万円減少しました。
(純資産)
前連結会計年度末と比較して2,030百万円減少し、6,694百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失1,837百万円と投資有価証券の売却及び株式市場の相場下落によるその他有価証券評価差額金159百万円の減少等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、5,437百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,642百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は321百万円(前年は1,122百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少1,079百万円及びたな卸資産の減少1,176百万円の増加項目と税金等調整前当期純損失1,824百万円、及び仕入債務の減少735百万円の減少項目によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は104百万円(前年は370百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却により11百万円獲得し、固定資産の取得に93百万円使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は2,099百万円(前年は70百万円の使用)となりました。短期借入金及び長期借入金の借入により2,100百万円獲得しました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
卸売り事業 |
154 |
68.8 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
卸売り事業 |
4,968 |
59.7 |
|
小売り事業 |
816 |
80.1 |
|
合計 |
5,784 |
61.9 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については相殺消去しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
卸売り事業 |
10,002 |
67.2 |
|
小売り事業 |
1,686 |
90.6 |
|
合計 |
11,688 |
69.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討の内容は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社経営者は、期末日における資産及び負債、当連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを実施いたします。
見積り及びその基礎となる仮定は、過去の実績やその時点での入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとする様々な見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりであります。
(a) たな卸資産評価損
当社グループは、商品在庫の評価ルールを定め、収益性の低下が認められる商品在庫については、たな卸資産評価損を原価計上しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響等を含む市況の急激な変化、天候変動要因を含む様々な消費動向の変化により評価ルールが想定しない変化が発生した場合、追加的に評価損計上が必要となる場合があります。
(b) 固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業セグメントを基礎に資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、新型コロナウイルス感染症の影響による減収・減益等、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
(c) 返品調整引当金
当社グループは、販売シーズンの終了に伴う返品の損失に備えるため、得意先における保管在庫に基づいた一定の見積方法による返品見積額から算出した損失見込額を計上しております。
返品見積額を算定する過程、及び損失見込額を算定する過程においては合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で算出しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容と異なる可能性があります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績
(売上高)
売上高は、卸売り事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い発出された2020年4月の緊急事態宣言により、臨時休業を余儀なくされた百貨店への納品がストップしたことが大幅減収となった一番の減収要因であり、前年同期比32.8%減となりました。小売り事業も、ハッピーソックスの直営店事業が緊急事態宣言による商業施設の長期休業等により減収となりましたが、EC販売を強化したことで、前年同期比9.4%減に止まりました。その結果、全体では前年に対して30.2%減の11,688百万円(前期比5,052百万円の減収、計画比5,311百万円の減収)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、卸売り事業及び小売り事業共に、上述により大幅な減益となりました。さらに、キャッシュ・フロー悪化を避けるべく、秋冬商品の仕入を最小限に抑えながら、セール販売を強化し、繰越在庫の削減に努めた結果、全体の売上総利益は3,784百万円(前期比2,557百万円の減益)となり、売上総利益率は32.4%と前年より5.5ポイント悪化しました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、卸売り事業では、商品の流通量が減ったことで物流・運搬費が減少し、百貨店等の臨時休業により販売員人件費負担が減少しました。小売り事業も同様に、販売代行費用や売上連動家賃等の店舗運営費が減少しました。全体では、出張旅費等の活動費減少や残業代の減少に加え、賞与を減額しました。その結果、販売費一般管理費は5,592百万円(前期比1,006百万円減)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、59百万円の利益(前年は79百万円の利益)となりました。利益面では、前年に投資有価証券を売却したことで受取配当金が13百万円減少し、仕入削減により貯蔵品売却益が16百万円減少しましたが、2020年4月の緊急事態宣言以降、臨時休業日とした本社従業員に対する雇用調整助成金収入が38百万円ありました。損失面では、支払利息が8百万円増加し、持分法による投資損失が13百万円増加しました。
(経常損失)
結果、経常損失は1,747百万円(前年は177百万円の損失)と大幅な赤字となりました。
(特別損益)
特別損益は、73百万円の利益と149百万円の損失により76百万円の損失(前年は163百万円の損失)となりました。主な利益は、2020年4月の緊急事態宣言により休業した百貨店等で働く販売員に対する雇用調整助成金収入67百万円であり、主な損失は、減損損失91百万円と臨時休業による損失(販売員給料)57百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、税金費用を13百万円(法人税、住民税及び事業税13百万円、法人税等調整額△0百万円)計上したことにより、1,837百万円(前年は446百万円の損失)となりました。
(b)財政状態
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、安定した収益と成長性を確保するための運転資金及び設備投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、当期においては、コロナ禍での大幅減収による資金不足リスクに備え、取引銀行6行の当座貸越枠使用により1,800百万円を調達し、さらに政府系金融機関の制度融資により300百万円を調達しました。その後、当期は利益よりもキャッシュ・フローを優先させることとし、繰越在庫の資金化に注力した結果、第4四半期会計期間において大幅なキャッシュ・フローの黒字化を達成し、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は5,437百万円を確保しました。翌期に当座貸越使用の借入金を返済するとした場合でも、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標については、2018年12月13日に公表いたしました第4次中期経営計画(2019〜2021年度)でお知らせしている通りでありますが、当該中期経営計画の最終年度となります2022年1月期業績指標につきましては、新型コロナウイルス感染症によるマイナス影響が当面続くことを想定し、2020年12月14日に定量目標を一旦取り下げさせていただいております。
現時点では、早期の業績回復を喫緊の経営課題として捉え、各施策に取り組み、2022年1月期連結会計年度の売上高は14,000百万円、営業利益は80百万円、経常利益は100百万円の達成を当面の経営指標といたします。
セグメント別には、卸売り事業は、複数の新ブランド投入により競争力強化を図るともに、レッグウェア、アンダーウェア、リラクシングウェア、ホームウェアの各カテゴリー間のシナジー連携を密に、コロナ禍における新しい生活様式に対応した商品、サービスの展開を推し進め、セグメント収益力の回復、黒字化を指標としてまいります。
また、今後の成長セグメント(投資対象セグメント)と位置づけている小売り事業につきましては、ハッピーソックス及びナイガイ直営店事業において、新しい顧客体験を提供する新業態を開発し、事業価値向上を目指すとともに、EC販売及びカタログ通信販売による無店舗販売ネットワークを開拓することで、連結売上高に占める小売事業のセグメント売上構成比率(2021年1月期14%)を上げていくことを経営指標とし、今後の成長戦略に資する事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。
特記事項はありません。
前連結会計年度において、ソリューションビジネスに資するデータベース構築及び靴下の開発を目的とした「ナイガイ・ラボ」を設立するとともに、医療機器製造販売資格を取得しており、今後も引き続き医療機器分野での本格的な機能商品開発を推し進めるとともに、全ての人の快適な足どりを実現するために、高年齢者、障害者の方でも満足いただける、ユニバーサル設計のレッグウェア類の開発に注力してまいります。