第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

(1)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、前連結会計年度において営業損益は2期連続で黒字となったものの、営業キャッシュ・フローは連続してマイナスを計上しております。従いまして、継続企業の前提に重要な疑義が生じさせる事象又は状況が引き続き存在していると認識しております。

 このような状況を解消するために当社グループは、2025年2月3日に公表いたしました、第6次中期経営計画の着実な実行により、営業キャッシュ・フローの黒字化を計画していることから、現時点では当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 なお、資金面については、金融機関からの融資継続を含め手元資金は十分確保できており、財務面での安全性は確保できております。

 以上のことから、現時点では当社グループにおいて継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する分析

 当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境に改善の兆しが見られる一方で、地政学的リスクの長期化や米国の関税政策の動向、さらには物価上昇による景気減速懸念などから、先行きは依然として不透明な状況が続きました。

 衣料品業界においては、物価上昇の長期化により消費者の節約志向が根強く、インバウンド需要も都心部の一部に限定されるなど、足もとでは減速の兆しが見られました。さらに、空梅雨や酷暑といった気象要因により春夏衣料の立ち上がりが鈍く、需要環境の不透明感はいっそう強まりました。

 こうした環境のもと、当社グループは、2025年2月3日に公表した第6次中期経営計画「N-Challenge 2027」で掲げる2030年ビジョン「パーソナル・ソリューションカンパニー」の実現に向け、事業ポートフォリオの最適化と収益基盤の再構築に取り組みました。具体的には、売場プロデュース事業化による百貨店での当社主導型売場の拡大、直営店の拡大に向けた基盤整備、レッグEC事業における独自開発商品の展開やSNSを活用した販促活動による売上拡大を推進しました。また、量販店事業においてはパートナー企業との協業を深化させ、効率的な営業戦略を進めました。

 さらに、新たな取り組みとして、国内外で人気の高いオーセンティックアメリカンアスレチックウェアブランド「Champion(チャンピオン)」のサブライセンス契約を締結し、ソックスおよびアンダーウェアの販売を2026年1月から開始する予定です。

 

業績概況(売上高)

 事業ポートフォリオ戦略のもと、構造改革事業と位置づける百貨店販路の卸売は、消費者の節約志向やインバウンド需要の鈍化を背景に厳しい状況が続きました。一方で、成長加速事業として注力するEC販路、量販店販路および国内外のOEM販売は順調に拡大しましたが、百貨店販路の苦戦を補うまでには至らず、当期の売上高は前年同期比で微減収となりました。

 

(販管費)

 売上構造の変化に伴い、収益基盤の再構築に向けた投資が先行したことにより、当期の販管費は前年同期比で増加しました。これは、新規増員や定期昇給・ベースアップ、賞与の充実などによる人件費の増加、モール型EC販路拡大に伴う販売手数料負担やマーケティング費用の増加といった、成長領域への戦略的投資を積極的に行ったことによるものです。一方で、百貨店・直営店における不採算店舗の撤退などにより、一定のコスト抑制効果も表れています。結果として販管費は増加しましたが、その内訳は将来の成長に資する投資が中心であり、効率化と並行して企業基盤の強化が進展しました。

 

 これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は5,982百万円(前年同期比0.1%減)、営業損失は326百万円(前年同期は210百万円の営業損失)、経常損失は295百万円(前年同期は185百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間期純損失は318百万円(前年同期は200百万円の親会社株主に帰属する中間期純損失)となりました。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりです。

 

(卸売り事業)

卸売り事業では、百貨店販路においては消費者の節約志向やインバウンド需要の鈍化といった外部環境の影響を受けたものの、一方で、当社主導型売場の拡大や他社との協業を通じたシェア向上、さらには売場プロデュース化の推進に取り組むなど、構造改革を進めました。

量販店販路では、大手得意先向けのOEM・ODM対応を積極的に展開し、販路特性に応じた商品開発を推進しました。特に子供靴下の販売が大きく拡大したほか、専門チェーン店も総じて堅調に推移しました。

さらに、タビオ社向けの卸販売、海外輸出も順調に拡大し、計画を上回る進捗に寄与しました。

これらの取り組みにより、前年同期比では微減収となったものの、卸売り事業の構造改革を推進したことにより、中期的な成長基盤を強化することができました。

これらの結果、当中間連結会計期間の卸売り事業の売上高は4,804百万円(前年同期比2.5%減)、営業損失は368百万円(前年同期は204百万円の営業損失)となりました。

 

(小売り事業)

 小売り事業では、原宿竹下通り店においてインバウンド需要の増加により入店客数が伸長し、あわせてインバウンド向けの商品展開を強化したことで、計画を上回る進捗となりました。さらに、「HitoAshiヒトアシ」府中店では売場プロデュース化を推進した結果、売上拡大につながりました。レッグEC事業では、生成AIツールを活用したSNS販促の強化に加え、EC顧客向けに展開した独自開発商品の販売が好調に推移し、売上高・営業利益ともに計画を上回りました。バッグEC事業では、新たな顧客層の獲得を目的に、革製品以外(生地系)のバッグを取り扱うセレクトショップ「Tabinone」をオープンし、販路の拡大を図りました。

 これらの結果、当中間連結会計期間の小売り事業の売上高は1,177百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は41百万円(前年同期は6百万円の営業損失)となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)財政状態に関する分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に対して845百万円減少し、11,043百万円となりました。流動資産では、商品及び製品が52百万円増加し、現金及び預金が423百万円、受取手形及び売掛金が324百万円減少しました。

 負債は、前連結会計年度末に対して280百万円減少し、5,046百万円となりました。電子記録債務が142百万円、借入金が長短合わせて66百万円減少しました。

 純資産につきましては、親会社株主に帰属する中間純損失318百万円の計上とその他有価証券評価差額金の減少91

百万円により、前連結会計年度末に対して564百万円減少し、5,997百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に対して0.9ポイント減少し、54.3%となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況に関する分析

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、営業活動で145百万円の使用、投資活動で56百万円の使用、財務活動で173百万円の使用となり、為替換算差額等を加えた合計で423百万円減少し、当中間連結会計期間末残高は3,097百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純損失が307百万円となり、増加項目として売上債権の減少309百万円、減少項目として仕入債務の減少136百万円、棚卸資産の増加51百万円等により、145百万円の使用(前年同期は479百万円の使用)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出27百万円があったため、56百万円の使用(前年同期は167百万円の獲得)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済63百万円、自己株式の取得100百万円等により、173百万円の使用(前年同期は29百万円の使用)となりました。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。