当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢に改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続いているものの、海外景気の下振れ懸念や年明けからの大幅な為替変動もあり、先行き不透明感が強まりました。
当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界におきましては、国内需要の低迷等により、依然として厳しい状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は12,042百万円(前期比4.4%減)となりました。損益の状況につきましては、継続的なコスト削減に努めましたものの、売上高の減少等により、連結営業利益は477百万円(前期比46.0%減)、連結経常利益は540百万円(前期比38.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却損等を特別損失に計上したことにより、364百万円(前期比43.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
<抄紙用具関連事業>
(日本)
内需につきましては、厳しい市場環境が続く中、抄紙用フエルトの販売数量は横ばいで推移し、抄紙用ベルトの販売数量は増加いたしました。輸出につきましては、積極的な拡販活動が奏功し、抄紙用フエルトの販売数量は増加いたしましたが、抄紙用ベルトの販売数量は減少いたしました。この結果、売上高は8,248百万円(前期比2.7%減)、セグメント利益(営業利益)は1,845百万円(前期比18.5%減)となりました。
(北米)
抄紙用フエルトの販売数量は増加いたしましたが、抄紙用ベルトの販売数量が減少したことに加え、ドル安の影響により、売上高は1,484百万円(前期比5.3%減)、セグメント利益(営業利益)は113百万円(前期比7.7%増)となりました。
(欧州)
抄紙用フエルト及び抄紙用ベルトともに販売数量が減少したことに加え、ユーロ安の影響により、売上高は1,373百万円(前期比14.8%減)、セグメント利益(営業利益)は13百万円(前期比84.2%減)となりました。
(中国)
抄紙用ベルトの販売数量は減少いたしましたが、抄紙用フエルトの販売数量が増加したことにより、売上高は443百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益(営業利益)は15百万円(前期比64.3%減)となりました。
<工業用事業>
内需及び輸出ともに減少したことにより、売上高は492百万円(前期比7.7%減)、セグメント損失(営業損失)は22百万円(前期はセグメント損失2百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ695百万円減少し、1,688百万円(前年度末比29.2%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下の通りです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益506百万円を計上したほか、減価償却費を源泉とする収入1,225百万円などにより1,129百万円の収入(前期比616百万円の収入減)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,052百万円などにより1,018百万円の支出(前期比150百万円の支出減)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済による支出409百万円、配当金の支払額286百万円などにより797百万円の支出(前期比743百万円の支出減)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
抄紙用具 | 日本 | 7,175,021 | △0.7 |
北米 | ― | ― | |
欧州 | ― | ― | |
中国 | ― | ― | |
工業用事業 | 305,959 | +11.9 | |
合計 | 7,480,981 | △0.2 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっています。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
抄紙用具 | 日本 | 10,172,107 | +18.8 | 4,285,532 | +69.4 |
北米 | 1,109,954 | △25.6 | 1,210,034 | △27.3 | |
欧州 | 1,102,494 | △34.6 | 436,565 | △49.9 | |
中国 | 411,663 | +0.5 | 45,794 | △55.8 | |
工業用事業 | 400,948 | +30.7 | 218,817 | △6.5 | |
合計 | 13,197,168 | +6.0 | 6,196,743 | +14.7 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 受注生産品以外に仕入商品があります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
抄紙用具関連事業 | 日本 | 8,248,991 | △2.7 |
北米 | 1,484,530 | △5.3 | |
欧州 | 1,373,055 | △14.8 | |
中国 | 443,883 | +9.9 | |
工業用事業 | 492,117 | △7.7 | |
合計 | 12,042,577 | △4.4 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当社グループを取り巻く経営環境は、国内の構造的な需要低迷やグローバル市場での競争の激化等により、極めて厳しい状況が続いております。
当社は、このような厳しい環境下でも「抄紙用具の高度専門企業」として継続的に利益創出できる企業を目指し、平成25年度を起点とする3ヵ年の中期経営計画(略称:“NE-15”)で、更なる技術力強化や生産効率の向上等、品質コスト対策を推進し、グローバル競争体制を強化するとともに、新製品の積極的な拡販活動を行ってまいりました。
① 第4次中期経営計画(略称:“NE-15”)の総括
当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画(略称:“NE-15”)では、グローバル競争体制の強化の下、生産構造改革による品質及びコストの競争基盤の整備、新製品の開発、国内外市場への拡販活動に取り組みました。
平成25年度及び平成26年度では為替が円安基調で推移した影響もあり、目標数値をほぼ達成する業績を確保しましたが、平成27年度に入り、海外市場において品質競争が一段と激化し販売数量が減少したことや期後半から為替が円高傾向となったことなどによりまして、遺憾ながら経営目標を下回る結果となりました。
このように市場環境が一段と厳しくなる中、海外向け抄紙用フエルトにおいて新製品の供給体制の整備を進めました。また、抄紙用ベルトでは、品質競争への対応として高機能樹脂を使用した製品の市場投入を図るとともに、更なる機能向上を目指し、新製品の開発に取り組んでいるところです。
② 第5次中期経営計画(略称:“NE-18”)」の概要
当社グループは、平成28年度を起点とする新たな3ヵ年の中期経営計画「“New Enterprise2018”」(略称:“NE-18”)を策定し、「経営方針」及び「経営目標」を次のとおり定めました。
経営方針:「抄紙プレスパートの総合ソリューションカンパニーとして世界一の品質を目指す」
経営目標:(1)一株当たり連結当期純利益:30円
(2)連結売上高:135億円以上
当社グループは、抄紙プレスパートで使用される抄紙用フエルト、シュープレス用ベルト及びトランスファー用ベルトの3つの用具製品をすべて開発・製造・販売できる国内唯一のメーカーです。その強みを活かし、自社製品の最適な組合せをご提案・ご提供してまいります。
“NE-15”の経営目標が未達成となった主要因のひとつが、急激な外部環境の変化であったことから、いかなる環境変化にも迅速に対応するため、新たな経営方針で示したビジョンと“NE-18”の経営目標の実現に向けて、以下の項目を経営課題といたしました。
1)人財の育成
2)営業力の向上
3) 技術力の強化
4) 生産技術力の向上
5) 情報インフラの整備
6) 工業用フエルト事業戦略の再構築
こうした課題に対して、“NE-18”で定める諸施策を推進することにより、グローバル競争力を強化してまいります。
当社グループの製品・サービス・それらを提供する社員を含め、あらゆる面においてお客様から「世界一の品質」と評価されるよう努めるとともに、内部統制システムの一層の強化を図り、企業価値の増大に邁進してまいります。
当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の可能性の回避及び発生した場合の影響の極小化に全力を挙げて取り組んでまいります。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、抄紙用具の専門企業として、国内外の製紙会社に製品を販売しておりますが、数量・金額ともに大きなウエイトを占める主要な販売先は国内製紙会社であります。したがって、主力製品の抄紙用フエルトや抄紙用ベルトの需要は、国内紙パルプ業界の紙・板紙の生産動向に大きく影響を受けております。
当社グループの主要原材料は石油関連素材であり、原油価格の高騰及び石油化学工業の生産動向等により原料コストや調達面で影響を受ける可能性があります。
当社グループの海外売上高比率は前連結会計年度45.3%、当連結会計年度は44.2%となっており、為替変動のリスクを負っています。外貨建売掛金に対しては、先物為替予約により短期的な為替変動による影響を最小限にとどめる措置を講じていますが、中長期的に大幅な為替変動が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況に影響する可能性があります。
また、在外連結子会社の現地通貨建の資産、負債及び収益、費用は決算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
④ 金利
当社グループは、平成28年3月末時点で、1,889百万円の有利子負債があり、中長期的に金利が大幅に上昇した場合には、当社グループの業績に影響する可能性があります。
⑤ 株価
当社グループは、平成28年3月末時点で、主要な得意先や取引金融機関の株式など市場性のある株式を中心として投資有価証券を3,331百万円保有しており、これらの株価変動のリスクを負っています。同時点では1,157百万円の評価益を有しておりますが、今後の株価の動向次第でこの数字は変動します。
⑥ 自然災害等
地震・風水害など不測の自然災害が発生し、生産設備や交通手段等のインフラが大きな被害をうけた場合に、製造が休止あるいは遅滞することで、事業の遂行に多大な影響が及び、業績が確保できない可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、抄紙用具関連事業及び工業用事業ともに、優位化商品、新製品の開発及び技術開発を主体とし、また、環境に配慮したテーマをより多く取り上げて活動しております。
抄紙用具関連事業の研究開発活動については、最新の市場動向や抄紙技術にお応えするため、新素材の応用、新樹脂、新加工法の開発及び基盤技術開発を主体に行っております。
当連結会計年度におきましては、抄紙用フエルトでは従来品と異なる構造体の製品及び抄紙用ベルトでは機能向上を目的とした高機能樹脂を使用した製品の開発を進めました。
なお、当社グループの研究開発費は、そのほとんどがセグメントに配分できない基礎研究であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は443百万円です。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に対し4.4%減少し12,042百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に対し2.5%減少し6,714百万円となりました。また、海外売上高は前連結会計年度に対し6.5%減少し5,328百万円となり、海外売上高の比率は44.2%となりました。
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に対し157百万円減少し7,712百万円となりました。販売費及び一般管理費は、一般管理費の増加等により、前連結会計年度に対し15百万円増加し3,852百万円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に対し82百万円増加し200百万円となりました。営業外費用は前連結会計年度に対し17百万円増加し136百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、固定資産売却損及びゴルフ会員権評価損の計上により、前連結会計年度に対し17百万円増加し34百万円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対し283百万円減少し364百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に対して10.67円減少し15.29円となりました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,677百万円減少し25,145百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が695百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ722百万円減少し9,931百万円となりました。固定資産は、機械装置及び運搬具が640百万円増加した一方、投資有価証券が637百万円、建設仮勘定が383百万円、リース資産が333百万円、建物及び構築物が155百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ955百万円減少し15,214百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ885百万円減少し7,543百万円となりました。流動負債は、リース債務が450百万円増加した一方、未払法人税等が306百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ63百万円減少し2,952百万円となりました。固定負債は、リース債務が840百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ822百万円減少し4,590百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ791百万円減少し17,602百万円となりました。これは主としてその他有価証券評価差額金が435百万円、退職給付に係る調整累計額が301百万円それぞれ減少したことによるものです。また、1株当たり純資産額は前連結会計年度に対し3.5%減少し740.39円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の68.6%から70.0%となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ、営業活動によるキャッシュ・フローが616百万円の収入減、投資活動によるキャッシュ・フローは150百万円の支出減となり、財務活動によるキャッシュ・フローは743百万円の支出減となりました。以上の結果、当連結会計年度の資金は前連結会計年度に比べ258百万円支出減の695百万円の支出となりました。