第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、総じて緩やかな回復基調にあるものの、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移しました。

当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界におきましては、国内需要の低迷等により、依然として厳しい状況が継続しております。

このような状況の中、当社グループの連結売上高は11,696百万円(前期比2.9%減)となりました。損益の状況につきましては、継続的なコスト削減に努めましたものの、売上高の減少に加え営業外損益において為替差損等を計上したことにより、連結営業利益は362百万円(前期比24.0%減)、連結経常利益は381百万円(前期比29.3%減)となりました。また、法人税等の負担率の増加などから、親会社株主に帰属する当期純利益は235百万円(前期比35.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

<抄紙用具関連事業>

(日本)

内需につきましては、厳しい市場環境が続く中、抄紙用フエルトの販売数量は横ばいで推移いたしましたが、抄紙用ベルトの販売数量は増加いたしました。輸出につきましては、積極的な拡販活動が奏功し、抄紙用フエルト及び抄紙用ベルトの販売数量は増加いたしました。この結果、売上高は8,495百万円(前期比3.0%増)、セグメント利益(営業利益)は1,855百万円(前期比0.6%増)となりました。

(北米)

抄紙用ベルトの販売数量は横ばいで推移いたしましたが、抄紙用フエルトの販売数量が減少したことにより、売上高は1,202百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益(営業利益)は46百万円(前期比58.7%減)となりました。

(欧州)

抄紙用ベルトの販売数量は横ばいで推移いたしましたが、抄紙用フエルトの販売数量が減少したことに加え、ユーロ安の影響により、売上高は1,251百万円(前期比8.9%減)、セグメント損失(営業損失)は21百万円(前期はセグメント利益13百万円)となりました。

(中国)

抄紙用ベルトの販売数量は増加いたしましたが、抄紙用フエルトの販売数量が減少したことに加え、人民元安の影響により、売上高は342百万円(前期比22.7%減)、セグメント利益(営業利益)は47百万円(前期比203.6%増)となりました。

<工業用事業>

内需及び輸出ともに減少したことにより、売上高は403百万円(前期比18.0%減)、セグメント損失(営業損失)は24百万円(前期はセグメント損失22百万円)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、1,642百万円(前年度末比2.7%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下の通りです。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益381百万円を計上したほか、減価償却費を源泉とする収入1,271百万円などにより1,712百万円の収入(前期比583百万円の収入増)となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,036百万円などにより1,048百万円の支出(前期比29百万円の支出増)となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済による支出293百万円、配当金の支払額284百万円などにより691百万円の支出(前期比106百万円の支出減)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

抄紙用具
関連事業

日本

7,207,102

+0.4

北米

欧州

中国

工業用事業

275,944

△9.8

合計

7,483,046

+0.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっています。

3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

抄紙用具
関連事業

日本

7,251,692

△28.7

2,156,695

△49.7

北米

2,177,352

+96.2

1,266,842

+4.7

欧州

1,207,446

+9.5

726,873

+66.5

中国

1,107,355

+169.0

662,758

+1,347.3

工業用事業

260,440

△35.0

204,407

△6.6

合計

12,004,287

△9.0

5,017,577

△19.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

3 受注生産品以外に仕入商品があります。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

抄紙用具関連事業

日本

8,495,624

+3.0

北米

1,202,540

△19.0

欧州

1,251,464

△8.9

中国

342,933

△22.7

工業用事業

403,529

△18.0

合計

11,696,091

△2.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

3  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本製紙株式会社

1,193,101

10.2

 

     (注) 前連結会計年度における日本製紙株式会社の販売高は総販売高の10%未満であるため、記載しておりません。        

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社は、「事業は人なり而して人の和なり」「より良い品をより安くより多く」を社是とし、「株主重視」・「顧客重視」・「社員の生活向上」の理念に基づき、市場のニーズに的確に対応した高機能製品を提供する「抄紙用具の高度専門企業」として成長・発展することを目指して経営活動を展開しております。

 

当社グループを取り巻く経営環境は、国内の構造的な需要低迷やグローバル市場での競争の激化等により、極めて厳しい状況が続いております。

このような環境下、当社グループは、いかなる環境変化にも迅速に対応するため、平成28年度を起点とする中期経営計画(略称:“NE-18”)を策定し、「経営方針」及び「経営目標」を次のとおり定めました。

 

経営方針:「抄紙プレスパートの総合ソリューションカンパニーとして世界一の品質を目指す」

経営目標:(1)一株当たり連結当期純利益:30円

 (2)連結売上高:135億円以上

 

また、新たな経営方針で示したビジョンと“NE-18”の経営目標の実現に向けて、以下の項目を経営課題といたしました。

 

1)人財の育成

2)営業力の向上

3) 技術力の強化

4) 生産技術力の向上

5) 情報インフラの整備

6) 工業用フエルト事業戦略の再構築

 

初年度の当連結会計年度につきましては、海外での販売体制の強化、お客様が求める高品質な製品を安定的に供給できる体制の確立及び高機能樹脂を使用した抄紙用ベルト新製品の開発に取り組みました。

“NE-18”の2年目に当たる平成29年度につきましては、競争力のある抄紙用フエルト新製品の拡販を積極的に展開するとともに、抄紙用ベルト新製品の市場投入も進めてまいります。また、生産性向上による全社的なコスト低減にも取り組んでまいります。

当社グループは、抄紙プレスパートで使用される抄紙用フエルト、シュープレス用ベルト及びトランスファー用ベルトの3つの用具製品をすべて開発・製造・販売できる国内唯一のメーカーです。その強みを活かし、自社製品の最適な組合せをご提案・ご提供してまいります。

当社グループの製品・サービス・それらを提供する社員を含め、あらゆる面においてお客様から「世界一の品質」と評価されるよう努めるとともに、内部統制システムの一層の強化を図り、企業価値の増大に邁進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の可能性の回避及び発生した場合の影響の極小化に全力を挙げて取り組んでまいります。

なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

① 紙・板紙の生産動向

当社グループは、抄紙用具の専門企業として、国内外の製紙会社に製品を販売しておりますが、数量・金額ともに大きなウエイトを占める主要な販売先は国内製紙会社であります。したがって、主力製品の抄紙用フエルトや抄紙用ベルトの需要は、国内紙パルプ業界の紙・板紙の生産動向に大きく影響を受けております。

② 原材料

当社グループの主要原材料は石油関連素材であり、原油価格の高騰及び石油化学工業の生産動向等により原料コストや調達面で影響を受ける可能性があります。

③ 為替相場

当社グループの海外売上高比率は前連結会計年度44.2%、当連結会計年度は41.8%となっており、為替変動のリスクを負っています。外貨建売掛金に対しては、先物為替予約により短期的な為替変動による影響を最小限にとどめる措置を講じていますが、中長期的に大幅な為替変動が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況に影響する可能性があります。

また、在外連結子会社の現地通貨建の資産、負債及び収益、費用は決算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

④ 金利

当社グループは、平成29年3月末時点で、923百万円の有利子負債があり、中長期的に金利が大幅に上昇した場合には、当社グループの業績に影響する可能性があります。

⑤ 株価

当社グループは、平成29年3月末時点で、主要な得意先や取引金融機関の株式など市場性のある株式を中心として投資有価証券を3,994百万円保有しており、これらの株価変動のリスクを負っています。同時点では1,820百万円の評価益を有しておりますが、今後の株価の動向次第でこの数字は変動します。

⑥ 自然災害等

地震・風水害など不測の自然災害が発生し、生産設備や交通手段等のインフラが大きな被害をうけた場合に、製造が休止あるいは遅滞することで、事業の遂行に多大な影響が及び、業績が確保できない可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、抄紙用具関連事業及び工業用事業ともに、優位化商品、新製品の開発及び技術開発を主体とし、また、環境に配慮したテーマをより多く取り上げて活動しております。

抄紙用具関連事業の研究開発活動については、最新の市場動向や抄紙技術にお応えするため、新素材の応用、新樹脂、新加工法の開発及び基盤技術開発を主体に行っております。

当連結会計年度につきましては、抄紙用ベルトにおいて、更なる機能向上を目指し、新製品の開発に取り組みました。

なお、当社グループの研究開発費は、そのほとんどがセグメントに配分できない基礎研究であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は413百万円です。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に対し2.9%減少し11,696百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に対し1.4%増加し6,809百万円となりました。また、海外売上高は前連結会計年度に対し8.3%減少し4,887百万円となり、海外売上高の比率は41.8%となりました。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に対し197百万円減少し7,515百万円となりました。販売費及び一般管理費は、販売費の減少等により、前連結会計年度に対し34百万円減少し3,817百万円となりました。

③ 営業外損益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に対し46百万円減少し153百万円となりました。営業外費用は前連結会計年度に対し2百万円減少し133百万円となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対し128百万円減少し235百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に対して5.37円減少し9.92円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ181百万円減少し24,964百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が46百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ35百万円減少し9,895百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が663百万円、機械装置及び運搬具が249百万円それぞれ増加した一方、リース資産が806百万円、建物及び構築物が325百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ145百万円減少し15,068百万円となりました。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ687百万円減少し6,855百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が183百万円増加した一方、リース債務が365百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ407百万円減少し2,545百万円となりました。固定負債は、リース債務が487百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ280百万円減少し4,310百万円となりました。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ506百万円増加し18,108百万円となりました。これは主としてその他有価証券評価差額金が490百万円増加したことによるものです。また、1株当たり純資産額は前連結会計年度に対し2.9%増加し761.78円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の70.0%から72.5%となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ、営業活動によるキャッシュ・フローが583百万円の収入増、投資活動によるキャッシュ・フローは29百万円の支出増となり、財務活動によるキャッシュ・フローは106百万円の支出減となりました。以上の結果、当連結会計年度の資金は前連結会計年度に比べ649百万円支出減の46百万円の支出となりました。