第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国の経済は、政府や日銀の経済・金融政策や、人手不足などを背景にした雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復基調が続いております。一方、海外経済は、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や、米国新政権の政策運営の動向、英国のEU離脱問題など、先行き不透明な状況が継続しております。

 当社グループの主要な得意先であります紙・パルプ業界は、国内の需要が減少し原燃料価格が上昇するなど、厳しい経営環境が続いております。

 このような状況におきまして、当社グループは迅速かつきめ細やかな営業活動・技術サービスの提供に努めてまいりましたが、当連結会計年度の売上高は、前期比4.4%減11,080百万円となりました。

 紙・パルプ用フェルトの連結売上高は、国内におきましては高いシェアを維持し105百万円の増収となりました。国外におきましては、中国、アジアにおける数量減と、為替の影響もあり、443百万円の減収となりました。

 シュープレス用ベルトなど、工業用その他の製品につきましては、フィルターの高機能製品が低調であったことなどにより170百万円の減収となりました。

 連結経常利益は、コストダウンの推進及び生産性の向上などに努めてまいりましたが、前期比14.5%減の794百万円となりました。

 また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比10.4%減の504百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,038百万円(前期は1,366百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が794百万円、減価償却費が697百万円となった一方、法人税等の支払が288百万円あったことなどによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,047百万円の支出(前期は528百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1,100百万円あったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、586百万円の支出(前期は439百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出が146百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が178百万円、配当金の支払が252百万円あったことなどによるものです。

 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ612百万円減少3,329百万円となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前期比(%)

紙・パルプ用及び工業用フエルト

10,186,400

△4.0

合計

10,186,400

△4.0

  (注)1.金額は、販売価格に換算しております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

品目

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

紙・パルプ用フエルト

8,923,395

△0.1

4,495,780

1.2

工業用フエルト

1,322,313

△5.5

1,019,542

5.0

仕入商品

1,071,218

0.6

102,432

57.2

合計

11,316,926

△0.7

5,617,755

2.6

  (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前期比(%)

紙・パルプ用フエルト

8,787,262

△3.7

工業用フエルト

1,259,678

△9.1

仕入商品

1,033,958

△4.1

合計

11,080,900

△4.4

  (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本製紙㈱

1,533,679

13.2

1,554,508

14.0

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、創業100周年を迎えるにあたり、「『伝統の継承』と『新たな挑戦』の融合で豊かな未来を創造します」を新たに企業理念として掲げ、事業活動を展開してまいります。

(2)目標とする経営指標

当社グループは、平成29年4月から平成32年3月までの中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画の、平成32年3月期における目標とする指標は、次のとおりです。

連結売上高 120億円以上

連結営業利益 8億円以上

 

(3)経営環境

紙から電子媒体へのシフトなどによる紙・パルプ産業の需要構造の変化、製紙用具メーカーのグローバル化の進展による競争の激化など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にあります。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、低成長下においても売上、利益を拡大できる基盤をより強固にし、常に得意先の信頼と期待に応えられる製品及びサービスを提供できる体制を構築していくことが、企業価値の向上のために重要であると考えております。

そのために、当社グループは、本年度策定した中期経営計画において、

①総合抄紙用具企業としての確立

②海外事業の強化

③産業資材事業の強化

④人材の育成による企業体質の強化

⑤新規事業の創出

⑥環境に配慮した事業活動

を中長期的な経営戦略ととらえ、その実現に向けて、本計画の諸施策を着実に実行してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)紙・パルプ業界向け売上

 当社グループは、紙・パルプ業界向けの売上高が全体の約8割を占めております。同業界の景気後退による需要の減少、市況の下落等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品市況

 当社グループの業績は、製紙用具メーカーのグローバル化による競争激化や製品市況の動向等により、大きく影響を受ける可能性があります。

(3)原材料の調達

 当社グループは、特殊な原材料を使用しており、その調達は一部の仕入先に依存しております。仕入先との取引は安定的に推移しておりますが、今後取引関係が継続困難になった場合や、供給状況、価格動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)退職給付債務

 当社グループは、従業員の退職給付債務の算定にあたり、割引率、年金資産の期待運用収益率等については、現在想定される前提条件に基づいて計算しておりますが、今後低金利の長期化による割引率の低下や年金資産の運用利回りの悪化等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、退職給付制度の変更により、未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。

(5)金融情勢

 今後の金利の急激な上昇等の金融情勢の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害等による生産の停滞・遅延

 当社グループは、埼玉工場、栃木工場を主力拠点として生産活動を行っておりますが、自然災害・火災などにより生産の停滞・遅延が起こった場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、地震により発生する損害に対しては、地震保険を付保しておりますが、その補償範囲は限定されております。

(7)訴訟リスク

 当社グループは、業務を遂行するにあたり法令遵守に努めておりますが、訴訟リスクが皆無ではありません。

(8)株価の下落

 当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株価の大幅な下落が、その他有価証券評価差額金の減少や評価損の発生など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、製紙用フェルト分野においては高機能製品、製紙用フォーミングファブリック分野においては新しい織り構造、工業資材分野においては高機能フィルターに重点をおいた開発を行っています。

 開発のスタッフはグループ全体で17名であり、これは全従業員の2.6%であります。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は156百万円となっています。当連結会計年度末において当社グループが所有している産業財産権は、71件であります。

 当連結会計年度における研究の目的、研究成果は次の通りであります。

 

(1)紙・パルプ用フェルト

プレスフェルトの主要な機能である搾水性に重点をおいたノンウーブン基布製品、高機能製品の改良、開発を進めております。

 

(2)製紙用フォーミングファブリック

耐久性において高い評価を得ている新しい織り構造を持った製品の改良、開発を進めております。

 

(3)工業用フェルト

各種環境用フィルター・耐熱性を持つフェルト・チューブ状フェルトなど、得意先のニーズに対応できるよう、新製品の開発を進めております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして当社グループは、資産、負債、損益の計上金額に影響する見積りを行う必要があり、合理的な要因に基づき継続的にこれを行っております。実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
 特に以下の重要な会計方針が見積りに影響いたします。

①当社グループは、顧客の支払不能による損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

②当社グループは、従業員退職給付費用及び債務を、割引率、年金資産の期待運用収益等、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。前提条件の変化や実際の結果との差異は、将来の費用及び債務に影響いたします。

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ45百万円増加しております。

 これは、投資有価証券が873百万円増加した一方、現金及び預金が612百万円、繰延税金資産(固定)が191百万円減少したことなどによるものです。

 負債は前連結会計年度末に比べ680百万円減少しております。これは、繰延税金負債(固定)が184百万円増加した一方、流動負債その他が396百万円、リース債務(固定)が156百万円、退職給付に係る負債が237百万円減少したことなどによるものです。

 純資産は前連結会計年度末に比べ725百万円増加しております。これは、利益剰余金が415百万円、その他有価証券評価差額金が597百万円増加した一方、自己株式を146百万円取得(純資産の減少)したことなどによるものです。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業キャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ327百万円の減少、投資キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ519百万円の支出の増加、財務キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ146百万円の支出の増加となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ612百万円の減少となりました。

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの主要な得意先であります紙・パルプ業界は、国内の需要が減少し原燃料価格が上昇するなど、厳しい経営環境が続いております。

このような状況におきまして、当社グループは迅速かつきめ細やかな営業活動・技術サービスの提供に努めてまいりましたが、当連結会計年度の売上高は、前期比4.4%減の11,080百万円となりました。うち紙・パルプ用フェルトの連結売上高は、国内におきましては高いシェアを維持し105百万円の増収となりました。国外におきましては、中国、アジアにおける数量減と、為替の影響もあり、443百万円の減収となりました。

シュープレス用ベルトなど、工業用その他の製品につきましては、フィルターの高機能製品が低調であったことなどにより170百万円の減収となりました。

売上原価につきましては、前連結会計年度に比べ原材料費の減少などにより295百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ貸倒引当金繰入額の減少などにより9百万円の減少となりました。営業外収益につきましては、受取賃貸料の増加などにより前連結会計年度に比べ58百万円の増加となり、営業外費用につきましては休業手当が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ11百万円の減少となりました。

以上の結果、連結経常利益は前連結会計年度に比べ、14.5%減の794百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ10.4%減の504百万円となりました。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループの主力製品であります紙・パルプ用フエルトは、国内外の製紙用具メーカーとの厳しい競争にさらされており、製紙会社の生産設備の海外移転や景気変動等に伴う需要状況、販売シェア及び販売価格の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼすことがあります。
 費用面では、原油の価格動向により、原燃料費が変動する可能性に加え、従業員の退職給付債務の算定にあたり、金利の動向による割引率の改定、年金資産の運用状況、退職給付制度の変更等により、退職給付費用が大きく変動する可能性があります。