第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「『伝統の継承』と『新たな挑戦』の融合で豊かな未来を創造します」を企業理念として掲げ、事業活動を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが策定した中期経営計画(2023年度から2025年度)の、2025年度の目標とする指標は、次のとおりです。

 

フェルト事業

不動産賃貸事業

合 計

売上高

102.5億円以上

6.6億円以上

109.1億円以上

営業利益

 4.3億円以上

3.7億円以上

 8.0億円以上

 

(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題

 我が国の経済は、緩やかな回復基調にありますが、米国の経済政策により、先行き不透明な状況が続くと見込まれます。

 当社グループの主要な取引先である紙・パルプ業界は、国内需要が減少傾向にあるものの、物流に不可欠な板紙や、生活必需品である家庭紙は、比較的底堅い需要を見込んでおります。

 

 このような状況におきまして、当社グループは中期経営計画(2023年度~2025年度)に基づいた施策に取り組んでおります。

①フェルト事業

 当社グループは家庭紙マシン・板紙マシンを中心に、製品ラインナップを拡充し、お客様のニーズに沿った製品提案を積極的に行っており、国内シェアアップを図ることで販売増を目指してまいります。

 国外については、紙の需要が増加しているアジア市場をターゲットとし、引き続き中国や、インドネシア等東南アジアの売上を増加させるとともに、成長余力のあるインドでの拡販に努めてまいります。

 ワイヤーについては、新織機をはじめ最先端の設備による生産体制の強化、品質の向上を進めております。さらに、バルメットテクノロジーズ社製品を加えることで豊富なラインナップを実現し、あらゆる取引先のニーズにお応えしてまいります。

 シュープレス用ベルトは、当社が製造した基布にヤマウチ株式会社で樹脂加工を施して製品化したものを当社が販売しております。取引先のニーズに応じた製品を積極的に展開し、国内に加え海外での拡販にも努めてまいります。

 当社は、今後も取引先でのエネルギー負荷低減に寄与する搾水性の高いフェルト、抄紙機の電力負荷を低減するワイヤー、有害物質を除去する集塵フィルターなど、環境に配慮した製品の開発・販売を行ってまいります。

 

②不動産賃貸事業

 地域社会のニーズに応えて開発を進めてきたオフィスビルや介護施設・保育園などにより安定した収益を確保しつつ、さらなる収益増に繋がる有効活用を進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当社取締役会は、企業理念「~「伝統の継承」と「新たな挑戦」の融合で豊かな未来を創造します~」の下、サステナビリティの観点を織り込んだ「経営指針」並びに当社グループの全ての役員及び従業員が遵守すべきガイドラインとしての「企業行動指針」を制定しております。また、品質に関する指針と環境に関する指針を定め、社会的責任の達成に努めております。これらの指針の下、毎月開催される取締役会並びに社外役員4名を含む取締役会メンバーによって不定期に行われる自由な意見交換の場において、サステナビリティに関する課題について、継続的に議論を行っております。

 「中期経営計画(2023年度~2025年度)」では、取締役会において、「経営指針」の下に、3か年で取り組むべき経営重点課題を取りまとめ、サステナビリティへの取り組みの方向性を決定しました。当社の事業の目的に紐づけて、環境・顧客・従業員・社会・ガバナンスの5項目について活動方針を定めております。重点課題としては、消費電力の非化石エネルギーへの転換や電力需要の最適化、抄紙工程の電力負荷を低減する製品の開発などを挙げております。この経営重点課題は、社内各部門の部門長が年間活動方針に展開し、常務会の承認を得た上で実施しております。また、毎月開催される執行役員会において、各部門の活動に関する情報伝達及び情報共有を行うとともに、取締役会において、活動の進捗を管理しております。

 

<中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営重点課題>(抜粋)

・節電の推進

・消費電力の非化石エネルギーへの転換

・電力需要の最適化

・搾水性能の高い抄紙用フェルトの供給により抄紙工程の省エネ・CO₂排出量削減に貢献

・抄紙工程の電力負荷を低減するワイヤーの開発

 

 日本製紙連合会が公表している『「製紙業界-地球温暖化対策長期ビジョン2050」カーボンニュートラル産業の構築実現』(2021年1月20日)の中で、CO₂排出量削減のための取り組みとして「ドライヤー前(プレス)での水分量低下によるドライヤーでの乾燥効率の改善」が挙げられております。当社製品である抄紙用フェルトはプレス工程で使用され、水分量低下に大きな影響を与えます。当社は、より搾水性の高いフェルトの開発・供給を通じて、抄紙工程全体でのCO₂削減に貢献してまいります。

 

②リスク管理

 「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しているリスク管理体制に基づき、サステナビリティに関するリスク管理を行っております。

 

(2)人的資本

①戦略

<基本方針>

 当社は、企業理念「~「伝統の継承」と「新たな挑戦」の融合で豊かな未来を創造します~」に基づき、持続的な企業の成長を目指しております。そのために「人」と「組織」が互いに成長し、力強いプロフェッショナル集団であり続けられる人的資本経営を推進しております。

 当社は、様々な環境変化に柔軟に対応できる社員一人一人の「多様性」、「専門性」を活かすことを人材戦略の重要な柱ととらえ、「人」への投資を通じ、「人材育成」・「社内環境の整備」・「女性活躍の推進」の強化に取り組み、持続的に企業価値の向上を実現してまいります。

 

<人材育成>

 当社は、厳しい経営環境が続き競争が激化すると予想される中、組織の成長のために多様なスキルや能力を持った人物を確保・育成することが重要と考え、様々な取り組みを行っております。

 

1.人材の多様性を確保する取り組み

 多様な経験や感性・価値観をもった人材を積極的に採用しております。

 採用に関しては、新卒の通年採用及び中途採用、非正規社員から正社員への登用、一般職から総合職へのコース転換等により、多様な人材の確保に努めております。

 

2.多様性を活かす取り組み

 多様な個性をもつ社員一人一人が力を発揮するために、教育・育成への投資を行っております。

 立場や役割ごとに必要な知識やスキルを習得するための階層別研修、組織のリーダー及び経営幹部候補となる人材を育成するための次世代リーダー研修等を実施しております。また、専門的知識やスキルを習得するためのグローバル人材研修、IT研修等の実施により、個人と組織の成長を目指しております。

 

<社内環境の整備>

 社員一人一人を尊重し、安心して「イキイキ」と働き続けられる環境の構築を目指しております。

 

1.働きやすい社内環境の整備

 多様性を尊重し様々な価値観を受け入れられる環境の実現に取り組んでおります。

 中期経営計画(2023年度~2025年度)の経営重点課題に掲げている従業員の声を聞く経営の推進として、従業員エンゲージメント調査を新たに導入いたしました。その結果をもとに、エンゲージメントの向上につながる施策の実行を進めております。今後も調査を定期的に実施することで、施策の評価やその状況に合わせた新たな施策を効果的に実行する予定です。

 

2.キャリア継続の実現

 ライフイベント等による環境の変化によりキャリアの継続が困難な状況においても、多様で柔軟な働き方を選択でき、安心して働き続けられる環境の実現に取り組んでおります。

 具体的には、年次休暇取得の推進、フレックスタイム制度の積極的活用、男性の育児休業取得の推進等を実施しております。

 また、病気の治療や育児・介護等、やむを得ない理由により退職した社員が職場復帰できるジョブリターン制度を導入し、再び活躍できる環境を整備しております。

 

3.健康経営の推進

 社員の健康は、企業価値の向上の基盤であると捉え、「日本フエルト健康宣言」に基づき「健康経営」を推進することにより、生産性の向上、将来的な企業価値の向上を目指しております。

 中でも、生活習慣病対策、がん対策、女性の健康対策、喫煙対策を健康経営重点項目として位置づけ、様々な取り組みを行っております。また、がんをはじめとする病気の治療を行っている社員に対しては、治療と仕事の両立支援として、「就労支援」と「経済的支援」により、働きながら治療・療養できる環境を整備し、就労に関する不安の解消に努めるとともに安心して復帰できるよう支援しております。これらの取り組みが評価され、健康経営優良法人2025に認定されました。

 

<女性活躍の推進>

 当社は、女性が安心して「イキイキ」と働き活躍できることを目的とした施策を進めております。

 女性管理職候補となる人材を増やすため、一般職から総合職への登用やキャリアアップへの支援を積極的に実施しております。これらのキャリアに昇進した社員にはリーダーとして活躍できるよう、キャリア形成を支援する研修を提供しております。また、仕事と家庭の両立支援として、時間単位の年次休暇制度の導入や積立年次休暇の取得要件の緩和等、女性社員の声を反映させた制度を整備いたしました。さらに、女性が少ない職場において、女性ならではの悩みを共有し解決すること、女性コミュニティの形成を支援することを目的とした女性専用のミーティングルームを設置しております。

 

②指標及び目標

指標

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

一人当たり教育研修費

9,400円

12,700円

15,300

14,000

年次休暇取得率

67.2%

77.4%

80.9

80.0

男性の育休取得率

30.0%

100.0%

100.0

50.0

女性管理職比率

3.8%

4.9%

5.1

5.0

女性役職者比率

4.9%

11.0%

12.7

13.0

女性総合職社員比率

8.3%

10.0%

10.6

12.0

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)紙・パルプ業界向け売上

 当社グループは、紙・パルプ業界向けの売上高が全体の約8割を占めております。そのため、同業界の景気後退による需要の減少、市況の下落、また抄紙用具メーカーの競争激化や製品市況の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは過去の貸倒実績率に基づき貸倒引当金を計上し、取引先の状況把握にも努めておりますが、重要な取引先に事業継続上の問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)賃料

 賃貸物件の老朽化等による賃料の減額は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。適宜適切なメンテナンスによる賃料維持に努めてまいります。

(3)原材料の調達

 当社グループは、特殊な原材料を使用しており、その調達は一部の仕入先に依存しております。仕入先との取引は安定的に推移しておりますが、今後取引関係が継続困難になった場合や、供給状況、価格動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、国際情勢の影響により、原材料・燃料価格の高騰や物流の混乱が生じております。当社グループでは原料在庫の積み増し等の対応を行っていますが、今後の価格動向等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)人材の確保

 当社グループはおもに国内拠点で事業活動を行っており、少子高齢化により労働人口の減少が進む中、従業員の高齢化や離職、労働市場の競争激化等により必要な人材を確保できず、事業活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。健康経営の推進やメンター制度等による離職防止を図るとともに、シニア人材の活用、中途採用の拡大等により人材の確保に努めてまいります。

(5)退職給付債務

 当社グループは、従業員の退職給付債務の算定にあたり、割引率、年金資産の期待運用収益率等については、現在想定される前提条件に基づいて計算しておりますが、今後低金利の長期化による割引率の低下や年金資産の運用利回りの悪化等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、退職給付制度の変更により、未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。

(6)金融情勢

 今後の金利の急激な上昇・為替相場の変動等の金融情勢の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす 可能性があります。

(7)自然災害等による生産の停滞・遅延

 当社グループは、埼玉工場、栃木工場を主力拠点として生産活動を行っておりますが、自然災害・火災などにより生産の停滞・遅延が起こった場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、地震により発生する損害に対しては、地震保険を付保しておりますが、その補償範囲は限定されております。

(8)訴訟リスク

 当社グループは、業務を遂行するにあたり法令遵守に努めておりますが、訴訟リスクが皆無ではありません。

(9)株価の下落

 当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株価の大幅な下落が、その他有価証券評価差額金の減少や評価損の発生など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)気候変動に関するリスク

 抄紙用具の製造に必要な原材料の入手や、製造プロセスに必要なエネルギー調達が、気候変動による自然災害や異常気象の影響を受けた場合、製品の供給が滞る可能性があります。

 また、気候変動による社会的・政治的変化が原燃料の調達コストを押し上げ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)情報セキュリティリスク

 当社グループは、情報資産を改ざん・破壊・漏洩等から保護するため、情報セキュリティポリシーを策定し、その遵守と、情報セキュリティ体制の実効性の確保に努めております。しかしながら、巧妙化したサイバー攻撃や不正アクセス、ウイルス感染、自然災害等その他不測の事態により、情報資産の侵害、システム停止による業務の中断等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善し、設備投資に持ち直しの動きがあることから、緩やかに回復しました。

一方で、原材料や燃料価格を含む物価上昇に加え、米国の経済政策により、先行き不透明な状況が続いております。当社グループの主要な取引先であります紙・パルプ業界は、国内需要においては減少傾向が続いております。

このような状況におきまして、当社グループの業績は、国外での紙パルプ用フェルトの減収に加え、工業用その他製品が低調に推移したことにより、売上高が9,699百万円(前期比3.8%減)となりました。また売上高の減少に加え、貸倒引当金繰入額を販売費および一般管理費に計上したことにより、営業利益は200百万円(前期比57.3%減)、経常利益は468百万円(前期比29.5%減)となりました。投資有価証券売却益を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、429百万円(前期比11.8%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

<フェルト事業>

品種別の売上高は以下のとおりであります。

品    種

売 上 高

増 減 率

紙・パルプ用フェルト

7,591

(1,691)

百万円

 

前期比

 

3.6%減

(14.5%減)

工業用その他の製品

1,493

 

 

6.4%減

合    計

9,084

 

 

4.1%減

 (注)紙・パルプ用フェルト(  )は国外売上高で、上段の数字に含まれております。

 

紙・パルプ用フェルトの売上高は、281百万円の減収となりました。国内につきましては高シェアを維持した結果、前期並みの水準を確保いたしましたが、中国、インドネシア等の国外で販売数量が減少いたしました。

工業用その他の製品の売上高は、102百万円の減収となりました。新たに開発した防塵マスク用フィルターの販売が好調であったものの、シュープレス用ベルトの基布や耐熱・高耐熱フィルターが減少したことによるものです。

セグメント利益(営業利益)につきましては505百万円(前期比37.1%減)となりました。

<不動産賃貸事業>

不動産賃貸事業については、資産価値の維持に努め、高い入居率で稼働した結果、売上高は614百万円(前期比0.1%増)となりました。

セグメント利益(営業利益)につきましては366百万円(前期比0.5%増)となりました。

 

(注)各セグメント利益(営業利益)の合計額と連結業績における営業利益との差異、672百万円は各セグメントに配分していない全社費用であります。「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」もご参照下さい。

 

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ194百万円増加しております。これは主に有形固定資産が529百万円、投資有価証券が441百万円増加した一方、売掛金が617百万円、現金及び預金が265百万円減少したことによるものです。

負債は前連結会計年度末に比べ158百万円減少しております。これは主に繰延税金負債が271百万円増加した一方、退職給付に係る負債が459百万円減少したことによるものです。

純資産は前連結会計年度末に比べ353百万円増加しております。これは主に自己株式の取得等により自己株式が233百万円増加(純資産が減少)した一方、その他有価証券評価差額金が261百万円、退職給付に係る調整累計額が172百万円、利益剰余金が64百万円増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ285百万円減少し、3,107百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,063百万円(前期は611百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が569百万円、減価償却費が542百万円、売上債権の減少が564百万円となった一方、退職給付に係る負債が274百万円減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、753百万円の支出(前期は934百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が865百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が44百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、623百万円の支出(前期は1,327百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が249百万円、配当金の支払が365百万円あったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

フェルト事業

8,981,542

△1.1

合計

8,981,542

△1.1

  (注)金額は、販売価格に換算しております。

 

ⅱ) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

フェルト事業

9,103,949

△0.2

5,981,335

2.7

合計

9,103,949

△0.2

5,981,335

2.7

 

ⅲ) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

フェルト事業

9,084,963

△4.1

不動産賃貸事業

614,473

0.1

合計

9,699,437

△3.8

  (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本製紙㈱

1,113,706

11.0

1,126,470

11.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして当社グループは、資産、負債、損益の計上金額に影響する見積りを行う必要があり、合理的な要因に基づき継続的にこれを行っております。実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績等の状況の分析)

経営成績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

紙・パルプ用フェルトの売上高は、国内では、紙・板紙生産量の減少基調が続く中、ニーズの高い高機能製品の拡販に努めたことにより、高シェアを保ち前期並みの水準を維持いたしましたが、国外では、中国、インドネシア等で販売数量が減少した影響が大きく、減収となりました。工業用その他の製品は、シュープレスベルトや耐熱・高耐熱フィルターが減少したことにより、減収となりました。

売上原価は、物価上昇の影響があったものの諸経費の削減に努めた結果、減少となりました。販売費及び一般管理費については、民事再生手続きの開始を決定した取引先に対する債権に対し、貸倒引当金繰入額を計上したことが影響し、増加となりました。以上により、セグメント利益(営業利益)は前期比37.1%の減益となりました。

不動産賃貸事業については、本社ビルのテナントは満床の状態が続き、その他の賃貸物件も含め堅調に推移しております。賃貸原価については、前期並みの水準で推移しました。以上により、セグメント利益(営業利益)は前期比0.5%の増益となりました。

当社グループ全体では、売上高は前期比3.8%の減収、営業利益は前期比57.3%の減益となりました。経常利益は前期比29.5%の減益でありますが、受取配当金が前期より増加したことなどにより、営業利益の減益率よりやや縮小しております。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.8%の減益となりました。投資有価証券の2銘柄を売却したことによる投資有価証券売却益を特別利益に計上したことが影響し、経常利益の減益率よりさらに縮小しております

 

(経営成績に重要な影響を与える要因について)

経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。特に原材料の調達につきましては、中東情勢の長期化・円安等により原燃料価格の高騰が続いており、当社の主要材料である合成繊維や燃料価格に影響が表れております。

不動産賃貸事業については大きな影響はなく、順調に安定収益をあげておりますが、リスク分散の観点から高齢者施設、賃貸マンション、学生寮等多岐にわたった運用を心掛けております。

 

(キャッシュ・フローの状況の分析)

キャッシュ・フロー状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金需要として主なものは設備資金、製造費、販売費及び一般管理費等の運転資金、配当金の支払等があります。

当社グループはこれら事業運営上必要な資金の流動性及び資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入とし、大型の設備投資についてはファイナンス・リース又は金融機関からの長期借入をすることを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債は800百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,107百万円であります。

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、抄紙用フェルト分野においては高機能製品、抄紙用ワイヤー分野においては新しい織り構造、産業資材分野においては高機能フィルターに重点をおいた開発を行っております。

 開発のスタッフはグループ全体で13名であり、これは全従業員の2.3%であります。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は120百万円となっております。当連結会計年度末において当社グループが所有している産業財産権は、84件であります。

 当連結会計年度における研究の目的、研究成果は次のとおりであります。

 

(1)紙・パルプ用フェルト

プレスフェルトの主要な機能である搾水性に重点をおいた特殊基布製品、高機能製品に加え、得意先のニーズにお応えする製品の改良、開発を進めております。

 

(2)抄紙用ワイヤー

脱水性において高い評価を得ている新しい織り構造を持った製品の改良、開発を進めております。

 

(3)工業用フェルト

各種環境用フィルター・防塵マスク・耐熱性を持つフェルト・チューブ状フェルトなど、得意先のニーズに対応できるよう、新製品の開発を進めております。