2024年12月2日、「住江織物株式会社」から「SUMINOE株式会社」へ商号変更いたしました。また併せて、インテリア事業の基幹会社である「株式会社スミノエ」も「株式会社スミノエ インテリア プロダクツ」に商号変更しております。この商号変更を契機とし、本格的な海外展開に向けた活動を推進するとともに、非繊維関連を含む各事業の収益力及び競争力向上を目指し、世界に向けた新たな価値創造に挑戦してまいります。
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、くらしに寄り添う技術とアイデアで人と社会にやさしい空間を世界中へ提供することを使命とし、常に技術力の向上を図り、徹底した品質管理のもと、より良い製品づくりを追求しております。その時代によって求められる「快適さ」や「くらし」の姿は変わりますが、それらを追求し、これからの100年も人と社会にやさしい空間を世界中へ提供し、よろこび広がる未来のくらしをつくる存在となるため、独自の挑戦を続けてまいります。
(SUMINOE GROUP グループ理念)

(中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」)
当社は、2021年7月、これまで当社グループが取り組んできたESG経営のもと、社会のニーズに応える商材の拡販とグローバル経営を推進し、グループ社員全員の力を合わせてこの先の未来も成長していくために、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」を策定いたしました。

(中長期経営目標後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」)
2022年5月期から2024年5月期を対象とした前半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024 STEPⅠ」では、未来を見据えた着実な種まきを進め、2025年5月期から2027年5月期を対象とする後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、実力の底上げを確実に進める期間として位置づけております。

※後半3ヵ年「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」は、2024年7月12日付で開示しております。
(中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」の定量目標)
(単位:百万円)
※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。
(中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のセグメント別内訳)
(単位:百万円)
※策定時計画は2024年7月12日付、2026年5月期の期初計画は2025年7月11日付で開示しております。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」における取り組み)
VISION[わたしたちの目指す未来]である「時代や地球と調和する『新しい快適のスタンダード』を織りあげよろこび広がる未来のくらしをつくる。」を実現するため、これまで培ってきたコア技術をベースに、そして空間の理想像を柔軟に描く創造力で、社会を変える新たな価値を創造していきます。
「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」では、以下5つの重点テーマを追求するとともに実力の底上げを確実に進めていくことで、2027年5月期までに目標の収益率である営業利益率5.0%、資本コストを上回るROE8.0%、PBR1.0倍を目指してまいります。


具体的な取り組みは、以下のとおりです。
(収益性の向上)
成長事業への注力及び既存事業の強化により、安定した収益基盤の確保と継続的な収益性の向上を目指してまいります。
・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場における顧客ニーズに対応する高品質な製品の安定的な供給(自動車内装)
・独自の加飾技術による差別化(自動車内装)
・鉄道各社における安全・防災対策取り組み強化に適う非常脱出はしごなどの提案と対応(車両内装)
・中高級ゾーンに対応する付加価値型製品群のラインナップ拡充とシリーズ化による顧客への訴求力向上(インテリア)
・環境対応について訴求力のある水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」のシェアアップ(インテリア)
・プロダクトポートフォリオの見直しによる高付加価値分野への注力(インテリア)
・夏物家電商材の開発及び拡販(機能資材)
・部門を越えた連携によるシナジー効果の最大化(全事業)
・適切な利益確保及び持続可能なサプライチェーン構築のための価格転嫁活動の実施(全事業)
・設備投資及び生産体制の再構築・効率化による生産性の向上(全事業)
(グローバル展開のさらなる強化)
ダイバーシティの拡大とグローバル戦略のアップデートにより、海外市場でのプレゼンスを高めてまいります。
・国内外拠点の連携を強化し、海外での展示会出展やプレゼンテーション等による外資系自動車メーカーへの販路拡大(自動車内装)
・ベトナム拠点の生産体制再編によるコスト競争力の強化及び世界供給体制の最適化(自動車内装・機能資材)
・グローバルでのインテリア製品拡販に向けた体制構築(インテリア)
・グローバル人材の採用と育成(全社)
・キャリア申告制度の活用(全社)
(非繊維領域の強化)
繊維で培ったコア技術をさらに進化させ、非繊維商材の開発及び受注拡大に注力いたします。
・メキシコ子会社に新設した合成皮革工場を活用した新規素材の開発(自動車内装)
・鮮度保持などの新機能追加で、フィルター商品群を拡充(機能資材)
・合成皮革やスペース デザイン ビジネスなど、新たな付加価値のある製品・サービスの開発・拡販による他社との差別化(全事業)
(経営基盤の強化)
サステナビリティ経営の推進やコーポレートガバナンスの強化により透明性を高め、資本コストの抑制につなげます。
・当社グループの成長を支える人材の育成・確保(全社)
・政策保有株式の縮減(全社)
・基幹システムの再構築(全社)
(ブランディング)
国内外における「SUMINOE」の認知度を高めるため、企業の総合力を高めつつ、積極的なブランディング向上施策を推進してまいります。
・ブランド戦略室を中心としたSUMINOEブランド価値の競争力強化(インテリア)
・部門を越えた交流によるグループ内協力体制の強化(全社)
・コーポレートブランドの広告出稿(全社)
・インナーブランディング推進によるグループ理念・経営方針の浸透(全社)
・業務ツール等を通じた企業ロゴの露出強化(全社)
(3) 資本政策の基本的な方針
(基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と中長期的に市場の期待を上回る企業価値の実現に向けて、「収益率の向上」「資産の有効活用」「財務レバレッジの利用」の3つのバランスを取りながら、ROEの向上に取り組みます。
当社グループの株主資本コストは、CAPM(資本資産価格モデル)で算出して5~7%と認識しており、「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」期間において株主資本コストを上回る水準のROEを目指しているものの、2025年5月期実績のROEは2.1%、PBRは0.5倍となりました。2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI)として、ROE、PBR、ROIC、WACCを設定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた企業価値向上のための取り組みを積極的に進めていきます。自動車内装事業を取り巻く市場環境が不確実性を増している状況下で、今後株主資本コストを上回る水準のROEを達成するために、まずは「SUMINOE GROUP WAY 2025~2027 STEPⅡ」のもとで本業における利益率の改善が最重要課題であると認識しております。加えて、資本コストの抑制を図ることも必要であると考えております。
(2027年5月期に向けた主な経営指標(KPI))
(株主還元方針)
当社は、「安定した株主還元」と「継続的な還元拡充」を株主還元方針として定めております。配当性向は、33%から38%への引き上げを行っており、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、急激な経営環境の悪化により著しく業績が低迷するような場合を除き、年間配当金35円を下限としております。
※当社は、2025年3月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施したため、当該株式分割の影響を考慮した年間配当金を記載しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
(サステナビリティ基本方針)
当社グループは、経営理念に基づいた「企業行動規範」「企業行動基準」を遵守し、健全で透明性の高い経営と社会・環境に調和した事業活動を通じて、継続的に成長することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(サステナビリティ基本方針と関連方針に関する基本的な考え方)
当社グループでは、ESG経営を推進するなかで、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」に取り組んでおります。なかでも、CSRやサステナビリティ領域においては、国際規格・国際基準から注力すべきサステナビリティ課題を特定し、事業活動を通じた課題解決に取り組むことが重要であると考えております。この考えのもと、当社グループが持続可能な成長をしていくための指針として、サステナビリティ基本方針と関連方針を定めております。
サステナビリティ基本方針と関連方針の体系
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(1)ガバナンス
サステナビリティ全般に関して
当社グループは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制のもと企業活動を行っております。サステナビリティに係る諸事項の決定は、各部門の推進委員で構成されるCSR推進委員会にて審議を行い、CSR・内部統制審議会(経営会議)に報告、その後、取締役会にて監査役会による監査・監督のもと、承認を得る体制を取っております。なお、サステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任は代表取締役社長が有しております。
サステナビリティに係る当社グループの協議内容としては、以下のような内容の協議を行ってまいりました。
①マテリアリティ施策、進捗、モニタリングの進め方
②スキルマトリックスの定義
③独禁法順守マニュアル
④ハラスメント等通報・相談対応実績
ガバナンス体制については、後述の「
(2)リスク管理
当社グループ及びステークホルダーにとっての財務的影響、並びに環境・社会に与える影響の大きさの程度、発生の可能性をもとに、CSR推進委員会配下の各部会でリスク及び機会を識別・評価し、リスクの最小化と機会の活用に向けた各種方針・戦略について立案、CSR推進委員会でそれらを審議・決定し、取り組みのモニタリングを行っております。CSR推進委員会での審議・決定事項は、CSR・内部統制審議会(経営会議)に報告し、承認を得る体制を取っております。取締役会は、サステナビリティ課題の報告を受け、監督を行っております。
以下、(3)戦略と(4)指標と目標につきましては、(3-①、4-①)気候変動への対応に関して、(3-②、4- ②)人材育成及び社内環境整備等に関してに記載しております。
(3-①)気候変動への対応に関する戦略
(気候変動問題に関わる当社グループ方針)
当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題の一つに位置付けており、1998年に「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を発表して以降、室内環境改善やリサイクル材の活用、環境負荷の低減など、環境保全に積極的に取り組んでまいりました。2022年4月に策定したSUMINOE GROUP第二次環境対策宣言においては、グローバル戦略を推進し、当社グループの製品を多くの人々に使用していただくこと、KKR+Aを世界各地に広げていくことを目指し、その実現に向けて当社グループ一丸となってチャレンジしてまいります。
(気候変動問題への取り組み)
2022年7月、気候変動問題に関わる対応を一層推進していくために、TCFD提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言が推奨する開示項目に沿って適切に情報を開示してまいります。
取り組みとしては、中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」に合わせ、環境問題全般に関わる行動目標「エコチャレンジ2027」(2024~2026年度)を設定し、事業活動における環境負荷低減に取り組んでおります。
また、2022年4月には、「SUMINOE GROUPの温室効果ガス排出量削減目標」を策定し、温室効果ガス(CO2)排出量の長期的な削減目標を設定いたしました。
物流改善、生産拠点の一元化、エネルギー効率向上と使用燃料の変更ほか、事業活動によるCO2排出量削減に対する具体的な取り組みを実施するとともに、環境対応型商材の拡販の両軸で、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(4-①)気候変動への対応に関する指標及び目標
(エコチャレンジ2027)
2024~2026年度の3ヵ年を行動期間とし、事業活動によるCO2排出量(Scope1,2)を2023年度比3%削減(売上高原単位)
CO2排出量削減の年度目標及び実績
※売上高原単位
(SUMINOE GROUPの温室効果ガス排出量削減目標)
2030年度(2031年5月期) までに、事業活動によるCO2排出量(Scope1,2)を2013年度比35%削減(売上高原単位)

Scope3の温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みについては、2023年度より第一段階として、国内主要6事業会社の算定をスタートし、2024年度からは国内主要2事業会社を、2025年度からは海外7事業会社を新たに対象に加え、現在排出量開示に向けて進めております。当社グループの現状を把握し、のちに具体的施策を検討してまいります。
(3-②)人材育成及び社内環境整備等に関する戦略
当社グループは、中長期的な「ありたい姿」を見据えて中長期経営目標に取り組んでおります。
非財務目標として「社員の幸せにつながる職場づくり」を目標に掲げ、「人材育成・多様な人材の活用・健康に働ける職場づくり」を優先的な課題と考えており、これらを解決すべく諸施策を実行してまいります。
また、従業員が最高のパフォーマンスを発揮し成果を出し続けるには、従業員のウェルビーイング(精神的・身体的・社会的に満たされている状態を指す)が欠かせません。そのため、従業員のウェルビーイングを阻む要因を特定し、改善に向けて取り組むことは必要不可欠であり、人的資本の活用の観点からも重要施策となり取り組んでまいります。
(a) 人材育成について
(人材育成基本方針)
当社グループは、企業の持続的成長の源泉は人材であり、最も大切な資産と考えております。従業員一人ひとりの人格や個性を尊重し、専門性と創造性に富む個性豊かな人材を育成してまいります。
当社グループは、SUMINOE GROUP全社員の成長を促進するため、グループ全体で教育研修を行っております。「求める人物像」に基づき、階層や役割に応じた研修を行い、選択型のスキルアップ研修では、各テーマを設定して自発的に参加する研修を行っております。
2024年度は、当社ではマネジメント層の育成に注力し、国内の全管理職を対象にマネジメント力強化研修を実施しました。その数か月後には、フォローアップ研修も実施しております。来期は、国内グループ会社の管理職を対象に、同様の研修を実施いたしました。
当社では、従業員が自身の短期的・中長期的なキャリアや異動意向を会社に伝える「キャリア申告」を制度化しております。従業員が今後のキャリアについて考えることで、主体的に仕事に取り組む自律的な人材を育成すること等を目的としております。
(求める人物像)
わたしたちが大切にしている価値観(和協・誠実・不屈の精神)を原点に、未来の「SUMINOE」を紡ぎだせる人材
(b) 多様性について
(ダイバーシティ&インクルージョン基本方針)
当社グループは、国籍、人種、宗教、性別、年齢、身体的特徴などの属性や個人の価値観といった多様性を受容・尊重することで、能力と意欲ある従業員が活躍できる組織風土を醸成し、新しい価値やイノベーションを創出してまいります。
(女性活躍の推進)
当社グループでは、女性活躍をキャリアアップ(育成、登用)×継続就業(仕事と家庭の両立など)と位置づけ、男女ともに活躍できる環境づくりを進めております。
女性活躍への指標及び目標については、グループ会社で課題が異なります。女性活躍推進法に基づき、当社、㈱スミノエ インテリア プロダクツ、ルノン㈱、住江テクノ㈱、住江物流㈱、尾張整染㈱の6社において、各社ごとに課題分析のもと、行動計画を策定し、取り組みを進めております。
(c) 健康経営について
(健康経営宣言)
当社グループは、従業員一人ひとりの心身の健康が企業成長の基盤であると考えております。健康でいきいきと働くことが「社員の幸せ」に、さらには「良い会社」として成長することにもつながります。また、当社グループの開発の基本理念である「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」においても健康を掲げております。健康に関する様々な事業活動と同様に、健康づくりを積極的に推進し健康経営に取り組んでまいります。
(健康経営の取り組み)
健康に働ける職場作りとして「健康経営」に取り組んでおります。
当社は健康経営推進体制のもと、健康増進の意識向上等に取り組み、2024年4月から2年連続で「健康経営優良法人」に認定されました。

(働き方改革アクションプラン2024)
2023年6月より当社及び全国内グループ会社にてSUMINOE GROUP「働き方改革アクションプラン」を策定し実行しております。随時実績と進捗確認を行い、施策の深化と継続を図り推進してまいります。
取り組み内容
1.長時間労働の是正
2.年次有給休暇の取得促進
3.男性の育児休業取得促進
(d) ワーク・ライフ・バランスについて
(ワーク・ライフ・バランス基本方針)
当社グループは、仕事と生活の充実は、従業員が意欲的に働き続けるために重要であると考えており、多様なライフイベントに対応した柔軟な働き方への取り組みを行っております。
(男性の育児休業取得促進)
当社グループでは、男性の育児休業取得率100%を目標としております。当社では、育児休業対象者だけでなく上司も制度を正しく理解し、必要な時に適切に活用できるよう、「仕事と育児の両立支援マニュアル」を作成し、社内に周知しております。男性育児休業取得の風土も形成されつつあり、取得者だけでなく取得日数も増えてきております。
(e) コミュニケーションの強化について
中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」の「社員の幸せにつながる職場環境づくり」「会社と社員のビジョンの共有」の実現を目指す施策の1つに、全方向コミュニケーションを掲げております。
2024年度は、「ツナグ」をキーワードに、以下2つのコミュニケーションの取り組みを行いました。
「ツナグ輪(ワ)―ケーション」
当社グループならではの製品・サービスを通じ、最終的に社会的価値及び経済的価値を創出するためには、事業部門間やグループ会社間で技術やアイデアを共有・連携することで発揮されるシナジー効果の最大化が不可欠であると考えております。それを達成するためには、従来の「タテ割り組織」から「ヨコのつながり」を意識した組織への移行が重要であると考え、その手段として、「部署間コミュニケーション」の取り組みを推進しております。
2024年度は、「営業事務担当者交流会」を東西で各1回、「SUMINOE GROUPの目指す(提供する)「快適」を考える交流会」を1回、「五反田ビル(東京支店)交流会」を1回、それぞれ実施いたしました。
「ツナグ講演会(後援会)」
豊富な経験と実績を持ち合わせた方を社内講師として、技術・ノウハウ、マインドなどの継承を行う「ツナグ講演会(後援会)」を実施しております。2024年度は、「2部門の営業経験を通じて伝えておきたいこと」及び「複数の部門と海外拠点での経験を通して伝えておきたいこと」の2つのテーマで開催いたしました。
(f) SUMINOE GROUPグループ理念の浸透に向けて
2023年6月に「SUMINOE GROUP グループ理念」を制定いたしました。全従業員がグループの提供価値や強みを理解し、「SUMINOE GROUP グループ理念」を自分の中に落とし込み、個々にやるべきことが明確になった上で、グループ理念が浸透するという考えのもと、まずはインナーブランディングの一環として、2023年10月に第1回、2024年12月に第2回のグループ理念研修を実施いたしました。
(部門・部署・個人MISSIONの策定)
「SUMINOE GROUPグループ理念」の実現のために部門として何ができるのかを明確化し、その行動づくりに繋げるための部門MISSIONを、2024年6月に策定・社内周知いたしました。
さらに、2025年1月には経営メンバーによる座談会のビデオ視聴を行い、2025年3月には部門MISSIONを各部署に落とし込むため、部署MISSIONを策定いたしました。2025年6月には、部署MISSIONを個人レベルに落とし込む形で個人MISSIONを策定いたしました。
今後は、部門・部署・個人MISSIONを遂行し、インナーブランディングを推進してまいります。
(g) サステナブル調達への取り組みについて
(サステナブル調達基本方針)
当社グループは、持続可能な社会の実現に向け、調達活動においては品質、価格、納期、サービス、技術開発力のみならず、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)等社会的責任への配慮も含めたサステナブル調達を推進しております。
1.パートナーシップを心がけます
2.公平・公正な取引を行います
3.人権・労働・安全衛生・コンプライアンス
4.環境
責任ある調達活動を通じて、当社グループとサプライヤーの皆さまで持続可能な社会の構築と発展という地球規模の難題に挑戦し、解決に向け貢献することで、共に企業としての価値を向上させていきたいと考えております。
2024年度は、6月に「SUMINOE GROUPサステナブル調達ガイドライン」を策定し、12月よりサステナブル調達の定義決めをした範囲のサプライヤーに対し「サステナブル調達ガイドライン(第1版)」の周知を行い、ガイドラインにおける行動規範にご理解いただくとともに、必要な社内体制の構築と、継続的な運用と改善へのご協力をお願いいたしました。
また、当社では、ガイドラインの周知と併せて、ガイドラインの趣旨と内容に賛同いただける場合の「同意書」の締結、サプライヤーの皆さまのお取り組み状況を当社及びサプライヤーの皆さまで把握するための「サステナブル調達アンケート」回答を依頼いたしました。アンケート回答を行うことで、取り組みが不十分な項目を把握いただき、その改善に向けた取り組みを依頼しております。
(h) 人権尊重への取り組みについて
(人権方針における基本的な考え方)
私たちは、「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、経済協力開発機構(OECD)の「多国籍企業行動指針」をはじめとする国際規範にて表明された人権を尊重いたします。
また、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、人権尊重の取り組みを推進いたします。事業活動を行うそれぞれの国・地域における法令と規則を遵守する際、当該法令及び規則が国際規範と矛盾する場合には、国際的に認められた人権を最大限に尊重する方法を追求してまいります。
「SUMINOE GROUP人権方針」の項目
1.基本的な考え方
2.適用範囲
3.人権デュー・ディリジェンス
4.是正・救済
5.ガバナンス体制及び社内体制
6.教育
7.ステークホルダーとの対話
8.情報開示
2024年度は、当社グループが対応すべき人権リスクの特定について、サステナブル調達で掲げる人権尊重への取り組みと併せて社内とサプライヤーへ実態調査のためのアンケートを行いました。
(4-②)人材育成及び社内環境整備等に関する指標及び目標
当社グループでは、上記「(3-②)人材育成及び社内環境整備等に関する戦略」について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(a) 人材育成について
研修受講者(国内グループ会社)
グループ会社各社と連携して人的資本の課題に取り組んでおりますが、具体的な数値に関しては連結ベースではなく、国内グループ会社の数値を記載しております。
(b) 多様性について
女性活躍推進法における一般事業主行動計画に定める数値目標及び実績(2025年5月31日現在)
(c) 健康経営について
SUMINOE GROUP「働き方改革アクションプラン2024」における数値目標及び実績(2025年5月31日現在)
グループ会社各社と連携して人的資本の課題に取り組んでおりますが、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、具体的な数値に関しては、国内グループ会社の数値を記載しております。
(d)サステナブル調達について
「同意書」の締結及び「サステナブル調達アンケート」の回収率
配付社数432社
(5)2024年度で行った戦略の考え方について
(マテリアリティの特定)
当社グループは、企業活動において、サステナビリティの重要性が高まる中、「サステナビリティ基本方針・関連方針(2022年制定)」、「SUMINOE GROUP グループ理念(2023年制定)」といった理念・方針のもと、ステークホルダーにおける重要度と、自社の長期的なビジネスにおける重要度を踏まえた上で、中長期的な価値創造を実現していくため、2024年6月に6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
グループ施策・進捗・モニタリング指標(KPI)及び目標については、策定プロセスに基づき、十分な検討期間と議論を経て、策定しました。
マテリアリティに関する目標に対する実績は、現在集計中であり、2025年版統合報告書にて開示を予定しております。
当社グループでは、会社が直面する不確実性について、CSR推進委員会コンプライアンス・リスクマネジメント部会が、当社及びグループ会社より提出されたリスク評価シートに基づき、財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを中心として把握を進め、そのリスク評価を財務統制委員会にて検討し、経営会議においても認識しております。
各部門の長として業務執行にあたる当社の取締役は、それぞれが自部門に整備するリスクマネジメント体制の下、財務統制委員会の検討結果も踏まえながら、内在するリスクを把握、分析、評価して適切な対策を実施しております。
当社グループの事業、財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクについての主な事項は以下のとおりであります。
なお、記載内容について将来に関する事項については当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において判断したものであります。
(1) 経済情勢に関するリスク
当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道等の内装材、消臭関連商材といった製品を、国内外の各地で生産し、様々な市場で販売しております。このため、当社グループの生産拠点や主要市場において政治的混乱や深刻な景気後退が生じた場合には、消費低迷による在庫の増加、販売数量の減少や固定資産の減損等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 株価の下落に関するリスク
当社グループは、市場性のある株式を相当量保有しており、国内外を含めた情勢の変化等により株価が大幅に下落した場合には、有価証券の評価や売却における損失の発生等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、定量・定性の両面から保有する合理性を定期的に検証し、保有数を見直しております。
(3) 製品の品質に関わるリスク
当社グループは「第二次環境対策宣言~KKR+Aのテーマのもとに~」をキーワードに掲げ、より快適で環境に優しい製品とサービスの提供を行うために、常に徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥や品質トラブルが発生した場合、その欠陥や品質トラブルに起因した損害に対して多大な補償費用や賠償費用等の発生だけではなく、社会的信用や当社グループの事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の高騰によるリスク
当社グループは、カーペットや壁紙、自動車や鉄道などの内装材、消臭関連商材といった製品を生産するために様々な取引先から原材料を仕入れており、その原材料価格は常に市況により変動しております。取引先とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提とし、適正な価格での仕入れに努めておりますが、原材料価格の高騰が原価高につながり、製品価格に転嫁できない、又は転嫁できる時期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 海外での事業活動に関わるリスク
当社グループは、海外市場における事業拡大を重要な戦略の一つとしております。現在、米国をはじめ中国、タイ、インドネシア、インド、メキシコ、ベトナムの7ヵ国に関係会社があり、今後、著しく経済成長の見込まれる海外市場には積極的に投資を行い進出していく可能性があります。海外における投資や事業展開は、各国における諸規制のほか、経済的、社会的及び政治的リスク等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。
(6) 為替変動によるリスク
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、為替レートの変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、当社グループの取引先には外貨による輸出・輸入が含まれております。そのため、為替予約等により為替相場の変動リスクを軽減する措置を講じておりますが、そのリスクをすべて排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害及び事故等に係るリスク
当社グループは、国内外に生産拠点を配置しておりますが、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の突発的な事故の発生により、当社グループの生産設備等が多大な被害を受けた場合は、操業が一時的に中断され、生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、災害及び事故等の発生による破損した建物や設備の復旧に多額の費用が発生する恐れがあり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、災害発生時の速やかな情報収集が重要と考えており、災害発生初期段階の行動指針となるBCP行動計画を策定し、緊急時の体制整備に努めております。
(8) 貸倒れリスク
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金を計上しておりますが、景気後退等により重要な取引先が破綻した場合や取引先の信用不安によって予期せぬ貸倒れが発生した場合には、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは与信管理規程に則った取引先別の与信限度額を設定し、契約履行の過程で常に細心の注意を払い取引を行っております。
(9) 情報管理に関するリスク
当社グループは、様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を管理しております。これらの情報については、社内体制の整備や情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、不測の事態により情報漏えい等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすだけではなく、損害賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、昨今のサイバー攻撃増大の情勢を受け、標的型メール訓練の実施や端末へのハッキング検知防御機能、外部業者による常時監視の導入などの取り組みを行っております。また、外部によるリスクアセスメント結果に基づき、セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対応体制の整備に向けて、全社的な取り組みを進めております。
(10) 知的財産に関するリスク
当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウを蓄積し、常にその保護に努めております。しかしながら情報技術の急激な進展やグローバル化等により、当社グループ独自で開発した技術やノウハウが外部へ流失する可能性や類似製品の製造を完全に防止できない可能性があります。
さらに、当社グループでは、他社の知的財産権を侵害しないよう配慮しながら、製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発成果が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。このように、当社グループの知的財産権が侵害され、あるいは当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループで売上減少や損害賠償支払いが生じる等、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ内での教育・啓蒙活動を定期的に実施し、当社グループの知的財産権保護・活用、第三者の知的財産権侵害防止に努めております。
(11) 訴訟によるリスク
当社グループは日々、事業活動を展開する中で、法令遵守によるコンプライアンス経営に努めております。知的財産権、製造物責任、環境、労務といった様々な法規制の適用を受けており、それらによる訴訟の対象となる可能性があります。その結果、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(12) 新たなウイルス感染症・疫病発生に関するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、新たなウイルス感染症・疫病発生などにより一時的に事業活動を停止又は制限せざるを得ない状況となった場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13) その他のリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末(2025年5月31日現在)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益や設備投資の活性化、インバウンド需要の拡大などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、不安定な国際情勢のなか長期化する原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、米国新政権による通商政策の動向などに注視が必要な状況が続きました。
当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比4.0%減、非住宅分野では着工床面積が同6.0%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比2.0%減となり、海外においても減少しました。
このような状況のもと当連結会計年度における連結業績は、以下のとおりとなりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(機能資材事業)
負債につきましては、借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ33億1百万円増加し、578億13百万円となりました。
純資産につきましては、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ5億24百万円減少し、371億63百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は32.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億43百万円増加し、86億97百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加等により、22億83百万円の収入(前期74億50百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、22億54百万円の支出(前期23億23百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純増等により、7億73百万円の収入(前期42億4百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
(b) 受注実績
当社グループは販売形態が多岐にわたっており、受注の把握が困難でありますので記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年5月31日現在)において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(b) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益や設備投資の活性化、インバウンド需要の拡大などにより、景気は底堅く推移しました。一方で、不安定な国際情勢のなか長期化する原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、米国新政権による通商政策の動向などに注視が必要な状況が続きました。
当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比4.0%減、非住宅分野では着工床面積が同6.0%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前期比2.0%減となり、海外においても減少しました。
当連結会計年度の売上高は、インテリア事業及び自動車・車両内装事業において増収となったため、前連結会計年度に比べ13億13百万円増加し、1,047億91百万円となりました。その結果、売上総利益は223億43百万円となりました。
営業利益は、自動車の生産計画変動による生産効率悪化やそれに伴う物流費の増加などの影響を受け、前連結会計年度に比べ2億98百万円減少し30億1百万円となりました。経常利益は、営業外費用として連結子会社の為替差損やシステム障害対応費用を計上したことなどから、前連結会計年度に比べ11億54百万円減少し25億14百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億4百万円減少し6億69百万円となりました。
その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は2.1%となりました。今後も資本効率を高め、ROE向上に向けて尽力してまいります。
(c) セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を開発の基本理念とし、よい製品を生産し、販売することで社会の向上に貢献すべく、多角的な事業活動を行っております。
当社グループは、事業活動に必要な資金の安定的な確保について、重要な経営課題の一つと認識しており、営業活動による現金収入、内部資金の活用のほか、取引先金融機関と良好な関係を維持しながら借入及び社債の発行等によって資金を調達しております。
事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と投資資金需要であります。
運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料及び商品仕入、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、製品の品質改善、製造現場の安全性確保、生産効率性の向上、環境負荷の改善等のために必要な設備投資、また海外展開を強化するために必要な投資、その他事業戦略遂行に必要な投資があります。
今後は営業活動による現金収入の拡大とともに、適正在庫の維持に取り組む事でDEレシオを0.5倍程度に改善して財務健全性を保ちつつ、期間や国内外の金利動向等を鑑みながら取引先金融機関からの機動的な資金調達を実施し資金の流動性を確保してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと差異が生じる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発部門では、「資源を未来へ」「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」をキーワードとし、社会問題解決に貢献する価値を創造することで持続的成長を図る新たなビジネスモデルの構築を目指しております。そのためには、強みである繊維・樹脂製品の「高機能化技術」と「評価技術」を両輪として、シーズとなる新規・独自技術を生み出すことが重要だと考えております。
技術・生産本部に属する技術開発センター並びに産業資材事業部門に属する開発センターを中心とし、関係各部署との密接な連携を取りながら研究開発を進めております。また生産部門である住江テクノ㈱は保有する設備を活用し、生産技術を磨き、オンリーワンのモノづくりを目指しております。
当連結会計年度においては、次に述べるものがあげられます。
(インテリア事業)
環境貢献と高品質なものづくりを両立させるという意志のもと、「SUMINOE 残糸再生プロジェクト」を立ち上げラグ製造工程で発生する「残糸」を有効活用した「Re:Rug(リ・ラグ)」シリーズを開発しております。サステナブルだからという単なるエコ製品にとどまらず、デザイナーが素材・色使い・肌触りなど細部まで丁寧にデザイン設計し「素敵なのに、実はサステナブルだった」と気付いてもらえる製品を目指しております。
抗ウイルス加工技術「Vguard(ブイガード)」については、感染症対策の一環として一定のニーズがあり、商品の拡充と抗菌・抗ウイルス機能を他の機能性と融合させた複合機能の開発にも取り組んでおります。
(自動車・車両内装事業)
自動車内装材における樹脂の開発を担う分野を統合し、ファブリックで培った技術、合成皮革で培った技術の融合を図っており、双方の特徴から得られるオンリーワン商材の開発を行っております。他には当社グループが得意とするエンボスや細幅織物に代表される加飾技術のバリエーション展開、多様な意匠等に応えるべく、技法・材料の進化を図っております。
(機能資材事業)
次世代型商品のひとつと位置付けるスマートテキスタイルの開発において、水濡れ検知システムの高機能化及び商品化に力を入れております。従来取り組んでいた座席などの布製品の濡れ検知、あるいは介護施設で使用するオムツ内での排尿検知以外にも、乾燥検知、漏水検知、品質管理面での水分検知など、さまざまなニーズが市場から挙がってきており、ニーズ毎にカスタマイズしながら、現場での実証実験を進めております。また同布センサの発展形として、ヒト・モノ判別センサも開発しております。
なお、当社グループの研究開発については、各セグメントに共通する基礎的研究であり特定のセグメントに関連付けができないため総額を記載することとし、当連結会計年度の研究開発費の総額は