文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「信用を重んじ、堅実を旨とする」「人の和と開かれた心で活力ある企業を築く」「創意を生かし、社業を通じて社会に貢献する」を企業経営の目標を達成するための活動指針である「社是」に掲げ、事業に対する信頼性と堅実性を経営の基本に位置付け、長期的視野から安定した経営基盤の確立に努めるとともに、卓越した開発力、技術力で多くの新しい商品を世に送り出し、事業活動を通じて社会貢献することを基本理念としております。
(2)目標とする経営指標
当社では、企業価値の向上を目指すにあたり、総資産利益率、自己資本利益率などを重視しておりますが、当連結会計年度実績で売上高の約69%を占める自動車安全部品事業で増収であったものの、セグメント別利益ベースでは減益となったことから、収益力の向上を課題としているため、営業利益と営業利益率を特に重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組むとともに、有利子負債の削減と自己資本比率の向上を目標とした財務体質の強化に取り組んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略ならびに会社の対処すべき課題
当社グループは、激変を続ける事業環境のなか、事業規模の拡大や収益基盤の強化を通じて企業価値を向上させるべく、各種施策にグループ一丸となって取り組んでまいります。
事業ごとの取り組みについては以下のとおりです。
自動車安全部品事業
新興国をはじめとした成長市場での安全部品の需要増加や、顧客の品質・コストへの要求の高まりが継続するなか、自動車安全部品事業では以下を重点活動方針に掲げ、取り組んでまいります。
①徹底した効率化による製造コスト削減
②技術力・品質力の向上によるパートナー(顧客、サプライヤ―)戦略の深耕
③情報の共有によるグローバル全体最適の追求
具体的には、既存製品・設備の熟成、各商品の最適製造、部品のグローバル最適調達によるコスト低減、提案型営業の実践と現地調達化の推進による収益力向上活動を強力に推進するとともに、「ニーズの先取り」「高付加価値」をキーワードとした次世代商品の開発にも注力いたします。
機能製品事業
国内の防災・減災意識の高まり、国土強靭化政策を受けたインフラ強化といった流れから、今後もパルテム・防災分野の需要増加が見込まれます。
市場ニーズと当社の独自技術をマッチングさせた商品・システムの新規開発や改善に一層注力し、各分野の受注拡大をはかり、収益規模の拡大と「総合インフラ防災メーカー」の地位確立に引き続き取り組んでまいります。
更に、国内各地に設置した営業拠点の運営を活性化させ、顧客の声を直接聞く営業活動を進め、利益拡大に努めてまいります。
パルテム関連では、増加する下水道分野の管更生需要に対応しつつ、上水道・農業用水分野における地位確立を目指します。また、コスト低減や次世代製品の開発を推し進め、海外展開の見極めを早期に行い、さらなるシェアの拡大と収益力向上を目指します。
防災関連では、ホース分野において新商材投入によるシェア拡大とさらなる収益力向上をはかり、防災資機材分野では最終ユーザーとの関係を築く営業活動を通じ、新たな防災市場の開拓に取り組んでまいります。
産業資材関連では、営業・技術部門の業務効率を追求し、グループ会社の有効活用をはかることで、顧客開拓と開発の速度を上げ、物流や建築などの堅調な分野への販売を引き続き確保するとともに、土木関係の新商品開発やアジアを中心とした海外事業展開を加速し、事業規模の拡大をはかります。
上記の取り組みに加え、経費削減活動を通じた収益力向上と高付加価値化への取り組みにより、全社的な生産性向上をはかるとともに、当社グループ全体のガバナンス強化、コンプライアンス体制の拡充にも引き続き取り組んでまいります。
当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特定販売先への依存について
2019年3月期における売上高のうち、販売実績上位2社の占める割合は約35%に達しております。当社グループにおける自動車安全部品の売上高構成比率が高いためであり、新規販売先の開拓やその他部門の売上増により特定販売先への依存度を低下させる方針であります。しかし、特定販売先への依存度低下が進捗しない段階で、当該販売先による当社グループ及び当社グループ製品に対する取引方針が変化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)製品の欠陥について
2019年3月期における売上高のうち、約69%を占める自動車安全部品は、製品の特性上、特に品質面において完璧が求められております。当社グループでは世界的に認められている品質管理基準に従い各種製品を製造し、品質管理には万全を期しており、保険にも加入しております。しかし、万が一、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合、当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当社グループの業績と財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)為替レートの変動について
当社グループは、芦森科技(無錫)有限公司及び無錫芦森国際貿易有限公司(中華人民共和国)、ASHIMORI (Thailand)CO.,LTD.(タイ王国)、Ashimori India Private LTD.(インド国)、ASHIMORI KOREA CO.,LTD.(大韓民国)及びASHIMORI INDUSTRIA de MEXICO,S.A. de C.V.(メキシコ合衆国)において自動車安全部品の製造・販売を行っており、今後、生産移管をはじめ海外事業の比率が高くなることが予想されます。当社グループは、通常の営業過程における輸出入取引に係る為替変動リスクに対して為替予約取引を行うなど、為替変動リスクの軽減を行っておりますが、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)知的財産権について
当社グループは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源であると考え、開発した商品や技術について、知的財産権による保護に努めておりますが、第三者との間で知的財産権にかかわる紛争が生じる可能性があり、その場合、当社グループの業績と財政状態に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中間における通商問題の動向や、米国金利上昇による国際金融市場の動揺など下振れリスクがあるものの、雇用・所得環境の改善継続や企業収益の向上、各種政策の効果などにより景気回復傾向が維持されました。
このような情勢のなかで当社グループは、次世代商品開発強化に取り組むとともに、収益や成長が見込まれる分野・地域への拡販を推進し、業績の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、機能製品事業の管更生分野の受注が好調であったことや、自動車安全部品事業において受注車種の販売が好調に推移したことなどにより、60,978百万円となり、前連結会計年度比4,263百万円増収となりました。損益面については、自動車安全部品事業で収益性の低下が響いたものの、機能製品事業が順調に推移したことにより、営業利益は2,237百万円と前連結会計年度比357百万円の増益、経常利益は2,321百万円と前連結会計年度比374百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても1,245百万円と、前連結会計年度比787百万円の大幅な増益となりました。
以下、各事業セグメント別に概況をご報告申し上げます。
当社は、事業本部制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車安全部品事業」「機能製品事業」の2つを報告セグメントとしております。
a.自動車安全部品事業
シートベルトについては、各海外現地法人において売上が減少したものの、国内において順調に推移し、売上が増加しました。エアバッグについては、国内、韓国・中国の現地法人において受注車種の販売が好調に推移したことにより、売上が増加しました。内装品その他につきましては、国内、中国・メキシコ・インドの現地法人において順調に推移し、売上が増加しました。
この結果、当事業の売上高は42,274百万円と、前連結会計年度比2,282百万円の増収となりました。
一方で、国内とメキシコの現地法人における生産変動による収益性の低下や一部材料費の高騰、および加工費の増加などにより、営業利益は639百万円と、前連結会計年度比526百万円の減益となりました。
当事業においては、収益力の改善のため、収益改善プロジェクトの立ち上げや、内製化・FA化の推進、芦森工業山口株式会社第三工場を活用し生産性の向上を推進するなど、諸施策に取り組んでおります。
b.機能製品事業
パルテム関連は、ライフライン(下水道・ガス等)の管更生分野において、特に下水道分野が大きく伸長し、売上は大幅に増加しました。
防災関連は、防災関連資機材の需要は増加しましたが、消防用ホースの主力品種の入札案件が相次ぐ自然災害の影響により延期となり、売上は減少しました。
産業資材関連は、物流省力化システム関連と船舶用ロープがやや増加したほか、連結子会社のオールセーフ株式会社の決算期変更もあり、売上は増加しました。
この結果、当事業の売上高は18,697百万円と、前連結会計年度比1,981百万円の増収となり、営業利益は2,928百万円と、前連結会計年度比922百万円の大幅な増益となりました。
当事業においては、収益力の向上のため、特に防災関連の消防用・消火栓用ホースのシェア拡大と大口径システム・防災資機材の積極的な拡販活動に取り組んでおります。
c.その他
当事業の売上高は7百万円、営業利益は5百万円と、前連結会計年度に比べ横ばいとなりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の収入は、税金等調整前当期純利益2,065百万円、減価償却費1,906百万円、売上債権の増加855百万円、棚卸資産の増加290百万円、仕入債務の増加1,318百万円等により、前連結会計年度に比べ1,848百万円増加して3,765百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の支出は、有形固定資産の取得による支出3,720百万円、有形固定資産の売却による収入19百万円等により、前連結会計年度に比べ874百万円増加して3,818百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の収入は、長期借入による収入2,496百万円、長期借入の返済による支出1,312百万円、配当金の支払額239百万円等により、前連結会計年度に比べ277百万円増加して560百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、460百万円増加して2,941百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車安全部品事業(百万円) |
32,236 |
105.6 |
|
機能製品事業(百万円) |
13,760 |
113.8 |
|
合計(百万円) |
45,996 |
107.9 |
(注)1.金額表示の基準は、販売価額によります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機能製品事業 |
7,683 |
110.5 |
1,908 |
80.8 |
(注)1.機能製品事業のパルテム部門以外は主として見込生産を行っており、受注に基づく生産は、ほとんど行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車安全部品事業(百万円) |
42,274 |
105.7 |
|
機能製品事業(百万円) |
18,697 |
111.9 |
|
その他(百万円) |
7 |
98.9 |
|
合計(百万円) |
60,978 |
107.5 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
マツダ(株) |
16,261 |
28.7 |
17,677 |
29.0 |
|
スズキ(株) |
3,666 |
6.5 |
3,815 |
6.3 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
営業活動から発生する営業利益や営業利益率が重要な指標となりますが、一方で資産効率向上に取り組み自己資本利益率や総資産利益率も重視しております。
② 当社グループの当連結会計年度の経営成績等
当連結会計年度は、中期経営計画(2017年3月期から2019年3月期まで)の最後の会計年度にあたっております。売上高は60,978百万円、営業利益は2,237百万円で前連結会計年度比増収増益となっておりますが、中期経営計画比では売上高は1,021百万円、営業利益は762百万円それぞれ未達となっております。
自動車安全部品事業における事業拡大のペースが中期経営計画策定時の見込みを下回ったことが主因であります。
当連結会計年度では総資産経常利益率は、4.9%となっておりますが、総資産回転率については、ここ数年1.3~1.4で推移しており資産効率のアップが課題のひとつと認識しております。
また自己資本当期純利益率につきましても、8.1%と前年3.1%より大幅にアップしておりますが、売上高営業利益率は3.7%と前年3.3%よりわずかにアップした程度であり、収益性の向上が課題であります。
なお、今般新たに策定いたしました中期経営計画では最終年度2022年3月期で、総資産経常利益率は6.1%、売上高営業利益率は4%を目指します。
③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.自動車安全部品事業
売上高は42,274百万円、営業利益は639百万円で、売上高は、国内の好調が効いて前連結会計年度比増収となりましたが、営業利益は国内とメキシコの現地法人における生産変動による収益性の低下や一部材料の高騰、及び加工賃の増加などにより、前連結会計年度比減益となっております。
営業利益率は2%を割り込んでおり、収益力の改善が直近の課題であります。これには販売商品の取捨選択を図ることも選択肢となりますが、かたや顧客に安定して自動車部品を供給する社会的使命もあり、まず、当連結会計年度より継続しております収益改善プロジェクトでの施策推進による効果や、内製化・FA化の推進、芦森工業山口株式会社第三工場を活用し生産性の向上を推進するなどの諸施策に取り組んでおります。
b.機能製品事業
売上高は18,697百万円、営業利益は2,928百万円で前連結会計年度比増収増益となっておりますが、これはライフラインの管更生事業でありますパルテム関連の好調によるものであり、防災関連は、防災資機材の需要は増加しましたが、消防用ホースの主力商品の入札案件が相次ぐ自然災害の影響で延期となり減収減益、また産業資材関連は物流省力化システム関連と船舶用ロープがやや増加しましたほか、連結子会社のオールセーフ株式会社の決算期変更もあり増収増益となりました。
国内の防災・減災意識の高まり、国土強靭化政策を受けたインフラ強化といった流れから、今後もパルテム・防災分野の需要増加が見込まれます。市場ニーズと当社の独自技術をマッチングさせた商品・システムの新規開発や改善に一層注力し、各分野の受注拡大をはかり、収益規模の拡大と「総合インフラ防災メーカー」の地位確立に引き続き取り組んでまいります。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度は4,216百万円の設備投資を行っております。うち、北米顧客向けの拠点であるメキシコ現地法人第二工場新設など自動車安全部品事業に3,554百万円を支出しております。今後も欧州事務所の設置により海外顧客増を見込んだ海外投資はもとより、国内の老朽化した生産設備の更新等は継続して行ってまいりますので、大きな資金需要は今後も続きますが、資金調達については借入で賄ってまいります。
しかし、当連結会計年度期末日の借入金や社債が長期短期合わせて13,122百万円と総資産47,667百万円の28%弱を占めておりますので、財務内容悪化の懸念から個々の投資案件につきましては採算性や将来の財務内容への影響等を十分検討して実施してまいります。
さらに2017年9月に旧本社土地建物の売却を行いましたように、適時資産の組み換え等も行い外部からの資金調達の圧縮と資産運用の効率化を図ってまいります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、自動車安全部品事業、機能製品事業各関連において、より安全、安心、快適な複合材や製品、技術を生み出す事を目的としております。
大半の研究開発活動については、当社が母体となっておりますが、工事を主体とする『パルテム』に関わる工事関連の研究開発については、子会社(芦森エンジニアリング株式会社)と共同開発を行っております。
研究開発部門では、中長期で将来軸となる商品若しくはシステムの技術開発に取り組んでおります。特に、新規事業の育成につなげるため、他社と比較してコモディティ化しない技術を意識しながらも固有技術に軸足を置きすぎず、先進ユーザーやサプライヤー、アカデミアなどの外部機関と連携、協働を強化し新たな価値創造につなげる活動を実施しております。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであり、研究開発費の総額は
(1)自動車安全部品事業
シートベルトは、市場優位性を高めるための改善と新デバイス開発、並びに多様な衝突モードに対応可能な先進デバイスの開発を進めております。
エアバッグは、自動車事故死傷者ゼロを目指し様々な事故形態に対応するデバイス開発、信頼性向上、並びに市場競争力向上を目指した開発、商品化を進めております。
内装品は、各種シェード、トノカバー、並びにカーゴネット類の市場開拓に向けた製品開発、付加価値向上技術開発などに取り組み、海外市場展開・顧客拡大に向けた商品化を進めております。
当連結会計年度における自動車安全部品事業の研究開発費は
(2)機能製品事業
パルテム関連では、パルテムHL工法は、高耐圧パルライナーを中心に、更生材料の改良改善による生産性および施工性の向上に注力するとともに、大学及び研究機関等と共同で更生管の耐震性能検証を継続実施しています。パルテムSZ工法は、更生材料の高強度化による更生管の薄肉化に着手しています。パルテム・フローリング工法は、充填材のラインナップ追加による日本下水道新技術機構の建設技術審査証明を更新取得し、適用範囲の拡大等に努めました。また、更生管の品質管理システム構築を目的に、自治体との共同研究による更生管の硬化度検査診断方法の開発に着手し、管更生の信頼性向上ならびに更なる普及に注力しています。
産業資材関連では、ゴム資材用広幅織物では、エンジン内部で使用される高機能ベルト用帆布の改善・改良を継続するとともに、電動パワーステアリング用等の周辺機器用ベルト帆布や一般産業用途について開発を継続しています。合成繊維ロープでは、海洋用途で関係機関とともに適用評価試験を継続し、一部実海試験を実施しました。墜落防護分野では垂直落下用墜落阻止器具のラインナップ開発に着手し、高まる高所作業での安全確保の要望に応えてまいります。トラック物流機器については、輸送品質向上のニーズに応えるための製品ラインアップの開発・上市を行い、今後労働力確保がますます厳しくなる背景を受け、より省力化を進めた搬送装置の開発に取り組んでまいります。
防災関連では、通水時の圧力損失が低い消防用ホース ドルフィンシリーズのラインナップ拡充が進み、耐熱耐摩耗ホースの呼称40Aおよび50A、65Aへの展開と量産体制が確立しました。消防団向けの操法大会用ホースについては、2019年モデルとして通水性および操作性の改良・改善を目標にホースを開発し市場投入していきます。防災資機材については、エアーテントおよび可搬式コンプレッサー、緊急排水システムに続いて、更なる商品の開発を図っていきます。
当連結会計年度における機能製品事業の研究開発費は
(3)その他
技術企画部では、長期の視点に立ち各事業の将来の市場性を睨みながらあるべき姿を定め、将来の戦略要素技術の研究開発を進めております。とくに当社グループの強みを、ATPとして「織る」「被覆する」「固定する」「膨らませる」を定めました。さらに、その強みを最大限に発揮でき、かつ大きな変化をもたらす「もの」と「場」を見出し、新規ビジネスモデルを構築することで事業拡大や新規事業の創出、強み伝えによるリスク軽減活動を進めております。
※ATP:Ashimori Technology Platformの略。当社のコア技術(コアコンピタンス)として制定。
① 円筒織物活用製品、システムの開発
当社の保有する革新織機や押出成形の加工技術を最大限に活かした、「長尺」「大口径」かつ「高耐圧」な織物構造を具備した新ホース、新システム化に取組んでおります。具体的には「軽量・低伸縮大口径ホース」「自動放水システム」「アシストスーツ」等です。
② 次の世代を担う管路更生材料・工法の開発
年々増加する「管路更生市場」が要求する環境負荷が少なく高品質で安価な新しい更生材料の開発、材料の自社生産化を進めております。
また、省力化、ECO、環境分野への展開を図ってまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は