当連結会計年度におけるわが国経済は、英国のEU離脱問題、中国をはじめとする新興国の成長の鈍化や米国の新政権への移行などにより為替や株価が乱高下しましたが、国内企業は、政府の経済政策や日銀の金融緩和もあり、設備投資や雇用環境に改善が見られ、緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループ主力ユーザーの水産業界におきましては、台風や爆弾低気圧発生等の異常気象による海況異変や円高による水産物の輸出量の減少が懸念されることなど厳しい状況にありますが、前期に引き続き漁船漁業の水揚げ及び経営環境は概ね安定しております。
このような状況のもと、当社グループの売上高は、北海道地区等の定置網部門、海外旋網部門や陸上用ネットの施工工事の受注が順調であったため、前期と比べて増加しました。営業利益は、生産の平準化を図り、無駄な費用の削減に努めましたが、年数の経過した在庫の評価方法を見直したことにより、製造原価が増加したこと、将来に備え試験開発研究に注力したこと、一部漁業者に急潮被害がでたことから貸倒引当金の繰入額を増加したことなどにより、一般管理費が増加し、前期と比べて減少しました。営業外収益では、南米の子会社のうちペルーが好調で持分法による投資利益を計上しました。特別損失では、賃貸用の仕立作業場等の取壊しによる減損損失や環境対策引当金繰入額等を計上しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は17,948百万円(前期比8.7%増)、営業利益は816百万円(前期比29.3%減)、経常利益は758百万円(前期比16.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は557百万円(前期比6.1%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
売上高は14,709百万円(前期比8.8%増)となりました。主な要因は、前期に引き続き北海道地区の定置網部門や旋網部門の受注が好調であったことにより、前期と比べて増加しました。利益面は、一部漁業者に急潮被害がでたことから、貸倒引当金の繰入額が増加したことが影響し、セグメント利益は645百万円(前期比38.7%減)となりました。
売上高は3,197百万円(前期比7.6%増)となりました。主な要因は、防球ネット等の施工工事の受注が順調に推移したこと及び産業資材の安全ネット等の受注が順調であったことにより、前期と比べて増加しました。利益面は、売上高が増加したことにより、セグメント利益は171百万円(前期比67.2%増)となりました。
前期に比べ産業用機械の受注が増加したこと等により、売上高は40百万円(前期比295.8%増)となりました。利益面は、産業用機械の材料費の上昇が影響し、セグメント損失0百万円(前期は0百万円の利益)となりました。
当連結会計年度の現金及び現金同等物につきましては、営業活動により1,188百万円増加し、投資活動により782百万円減少し、財務活動により343百万円減少した結果、当連結会計年度末残高は409百万円となり、前連結会計年度末残高と比べ65百万円の増加となりました。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年度比増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,048 |
1,188 |
139 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△313 |
△782 |
△468 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△670 |
△343 |
327 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
343 |
409 |
65 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益は619百万円となり、増加要因として減価償却費514百万円及び売上債権の減少854百万円あり、減少要因としてたな卸資産の増加176百万円等により1,188百万円となりました。
この結果、営業キャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ139百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出498百万円、新規連結子会社の株式取得による支出113百万円等により△782百万円となりました。
この結果、投資キャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ468百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、長短借入金の借入・返済による純減額207百万円、配当金の支払90百万円等により△343百万円となりました。
この結果、財務キャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ327百万円の増加となりました。
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年5月1日 至 平成29年4月30日) |
前期比(%) |
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漁業関連事業(千円) |
7,161,030 |
7,412,354 |
103.5 |
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陸上関連事業(千円) |
1,273,055 |
1,382,643 |
108.6 |
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報告セグメント計(千円) |
8,434,086 |
8,794,998 |
104.3 |
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その他(千円) |
7,846 |
37,852 |
482.4 |
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合計 |
8,441,932 |
8,832,850 |
104.6 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年5月1日 至 平成29年4月30日) |
前期比(%) |
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漁業関連事業(千円) |
13,572,674 |
14,639,522 |
107.9 |
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陸上関連事業(千円) |
2,880,539 |
3,198,244 |
111.0 |
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報告セグメント計(千円) |
16,453,213 |
17,837,767 |
108.4 |
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その他(千円) |
4,280 |
39,747 |
928.6 |
|
合計 |
16,457,494 |
17,877,514 |
108.6 |
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年5月1日 至 平成29年4月30日) |
前期比(%) |
|
漁業関連事業(千円) |
1,555,219 |
1,484,762 |
95.5 |
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陸上関連事業(千円) |
456,574 |
457,306 |
100.2 |
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報告セグメント計(千円) |
2,011,794 |
1,942,068 |
96.5 |
|
その他(千円) |
4,596 |
3,685 |
80.2 |
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合計 |
2,016,390 |
1,945,754 |
96.5 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年5月1日 至 平成29年4月30日) |
前期比(%) |
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漁業関連事業(千円) |
13,523,573 |
14,709,979 |
108.8 |
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陸上関連事業(千円) |
2,970,686 |
3,197,513 |
107.6 |
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報告セグメント計(千円) |
16,494,259 |
17,907,492 |
108.6 |
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その他(千円) |
10,273 |
40,658 |
395.8 |
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合計 |
16,504,532 |
17,948,151 |
108.7 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、当社が社是として揚げております「創意・誠実・努力」を基本理念に「挑戦」を加え、基本方針とし、社会に役立つ製品を開発し、これを合理的な価格で提供していくことこそ、メーカーの社会的使命であるとの強い信念を持ち安易に模倣することを恥ずべき事と考えて、1910年創立以来、一貫して研究開発に多大な努力をはらってまいりました。
また、長期的な視野にたち、株主、ユーザー、その他取引先及び従業員の期待にこたえることを優先し、合理的な価格達成のために、経営の合理化、コストダウンを絶えず追求し続けてまいります。
① 売上高経常利益率 6%
② 自己資本比率 30%
③ 配当性向 30%
平成28年5月に当社グループの経営戦略として以下の5項目を設定しております。
① 海外売上高目標を30億円
チリとタイの現地法人を中心として、中南米・東南アジアに拡販を図る。
② 高付加価値製品・サービスの開発と販売
常にお客様の目線を忘れずに、他社との差別化を図る。
③ 原反・消耗品の販売強化
安定的な収入源として、リピート品の販売の強化を図る。
④ 連結グループ会社の経営一元管理体制推進
人材、技術、資金の一元管理により、技術の継承を図る。
⑤ 業界のリーダーとしての自覚を持ち新たな時代の先頭に立ち行動
業界の基軸となるべく、業界に様々な角度からの提案を図る。
当社グループの経営は、主要営業基盤であるわが国の水産業界の動向や世界的に増加している水産物の消費の傾向にも注視していく必要があり、漁船漁業による漁獲量の確保や水産物供給における養殖業の重要性は今後益々増大するものと考えられることから、各種の要望に対応できる体制を構築していくことが重要と認識しております。
① 営業活動における専門性の強化
漁業部門においては、他社との競合に対応し、当社のシェアを拡大するために、4つの事業部に分割し、各分野の専門性を重視した体制を構築済みで、顧客のニーズに合った提案、製商品の提供のスピード化を図ります。
また、海外事業展開を推し進めるため、積極的に海外へ人材派遣を行い、需要の掘り起こしと知名度の浸透を図ります。
② 生産体制の効率化と生産能力の向上
生産量の拡大、納期短縮等の生産体制の効率化を図るため、内製化の促進や各工程の省人化を進め、また、規格統一・在庫管理を徹底することで、顧客ニーズに合った適正在庫を揃え、競争力強化を目指します。
③ オリジナル商材の開発と差別化
独自性のある付加価値の高い製商品の開発・販売を行うため、産学官と連携し、複数の有望な共同研究開発事業を推し進め、差別化を図り将来的な収益力の強化を目指します。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす事項は、以下のようなものがあります。
① 当社グループの主要な事業である「漁網の製造販売」「漁業関連商品の販売」は、漁業者の経営動向に左右されます。この漁業者の経営リスクは、下記のリスク等があります。
・異常気象、海洋環境の変化による漁獲量の減少
・輸入魚、海洋輸入加工品の増加及び個人消費嗜好の変化、消費の後退等に伴う魚価の下落
・漁業者の原油高等に伴う事業費用の増加
・海洋国際管理機関、国内の漁業団体等による漁獲量の制限・漁獲禁止
現況は売上債権の回収懸念リスクに対応し、貸倒引当金を計上しておりますが、これらのリスク要因により漁業者の経営が更に悪化した場合、当社グループの製品の購入手控えや売上債権の回収長期化につながるリスクを含んでおり、業績と財務内容に悪影響を与える可能性があります。
② 原材料の調達に関するリスク
当社グループ漁網製品は主原材料である原糸の大半を石油精製品に依存しており、原油価格が高騰すれば、原材料の調達価格の上昇につながり、当社グループの業績と財務内容に悪影響を与える可能性があります。
③ 調達金利の上昇リスク
当社グループの有利子負債は、やや減少はしておりますが、総資産に占める割合が依然として高水準となっていることから、今後、市場金利が上昇した場合には、金融コストが増加します。
④ 為替変動リスク
当社グループの海外売上高は、総売上高に対し10%未満ではありますが、当社の経営戦略により少しずつではありますが、その割合は増加しており、急激な円高が進行した場合等で為替の変動により、業績に悪影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおいて研究活動は、連結財務諸表を提出する当社が中心となり、有限会社温泉津定置ほかが当社とともに行っております。
当社の研究開発活動は、主に技術部が担当し、製造部門、販売部門並びに管理部門とが密接に連携をとりながら生産工程の省力化、効率化、多機能化等、漁業関連事業に関する短期間で解決が必要な研究課題と中長期的視点にたった基礎技術の研究や、新製品の開発に積極的に取り組んでおります。
最近では、当社グループ外との連携にも注力しており、産官学の共同研究への参加、他の機関、企業への研究依頼等、その活動範囲を広げております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は163百万円であり、研究開発費は漁業関連事業に係わるものが163百万円、陸上関連事業に係わるものが0百万円であります。(網の技術開発は漁業関連事業の研究を他の事業へ応用しており、主に漁業関連事業部門で開発を行っております。)
当連結会計年度中の成果・進捗状況としては、漁業関連事業において高比重の開発や研究を進めており、将来の改良及び新製品の販売を目指して試験を継続しております。
今後も現在開発中である製品の早期製品化を含め、水産業界を核とし、各種業界の発展に寄与すべく不断の研究開発を続けていきます。
① 当社グループの財政状態に関しましては、前連結会計年度と比べ、総資産は358百万円増加しました。売上債権は減少しましたが、有形固定資産が増加したこと等によるものです。
負債、純資産の部では、長期借入金は増加しましたが、短期借入金が減少し、負債は減少しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加で純資産は増加しました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動による資金が1,188百万円の収入となりましたが、投資活動による資金は有形固定資産の取得及び新規連結子会社の株式取得等により782百万円の支出となり、財務活動による資金は長短借入金の借入・返済の純増額、配当金の支払等により343百万円の支出となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度より増加して409百万円となりました。
② 当社グループの経営成績は、売上高は北海道地区等の定置網部門、海外旋網部門や陸上用ネットの施工工事が受注が順調であったため、前期と比べて増加しました。利益面では、生産の平準化を図り、無駄な費用の削減に努めましたが、年数の経過した在庫の評価方法を見直ししたことにより、製造原価が増加したこと、将来に備え試験開発研究に注力したこと、一部漁業者に急潮被害がでたことから貸倒引当金の繰入額を増加したことなどにより、一般管理費が増加し、営業利益は816百万円となりました。営業外収益では、南米の子会社のうちペルーが好調で持分法による投資利益を計上し、経常利益は758百万円となりました。特別損失として賃貸用の仕立作業場等の取壊しによる減損損失等を計上し、税金等調整前当期純利益は619百万円となり、また、法人税等の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は557百万円となりました。