当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の財政および金融政策により企業業績や雇用環境の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や原油価格の下落の影響などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような事業環境の中、当社グループは、暮らしに欠かせない文化と科学を提案するため、積極的な営業活動を展開するとともに、技術と品質の向上、さらに新製品の開発に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は5,019百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は757百万円(前年同期比31.8%増)、経常利益は703百万円(前年同期比24.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は458百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(テクノ製品事業)
テクノ製品事業は、前連結会計年度に引き続き輸出売上が堅調に推移しました結果、売上高は3,825百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は1,000百万円(前年同期比23.2%増)となりました。
(メディカル製品事業)
メディカル製品事業は、競業他社との厳しい市場競争の状況の中、積極的な営業活動を展開しました結果、売上高は1,190百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は59百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ654百万円増加し、当連結会計年度末には1,964百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、650百万円の資金の増加(前年同期 594百万円の資金の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加243百万円はありましたが、税金等調整前当期純利益637百万円、減価償却費194百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、605百万円の資金の減少(前年同期 265百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出700百万円、投資有価証券の償還による収入100百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、624百万円の資金の増加(前年同期 169百万円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入900百万円、長期借入金の返済による支出214百万円などがあったことによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
テクノ製品事業 | 4,121,467 | +8.4 |
メディカル製品事業 | 1,218,903 | +3.3 |
その他 | ― | ― |
合計 | 5,340,371 | +7.2 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
テクノ製品事業 | 3,825,648 | +8.3 |
メディカル製品事業 | 1,190,877 | +1.0 |
その他 | 3,272 | +84.2 |
合計 | 5,019,797 | +6.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
SANFORD(MARYVILLE) | 564,620 | 12.0 | ― | ― |
(注) 当連結会計年度においては、販売実績が総販売実績の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、『真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業をめざします。』を経営理念として掲げております。
日本最初の製帽会社として1892年(明治25年)に創立し、帽子のフェルト生産技術を応用したサインペン先や医療機器など新しい分野へ積極的に進出してまいりました。
創立120年余の歴史を積み重ねてくることができました原動力は、国内のみならず海外からのニーズに応え、顧客からの幅広い支持を得てきたことにあると確信しております。
当社グループは、モノづくりを通して「人に想いを伝える、人の思いに応える」企業として社会へ貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
経営指標といたしましては、総資産利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、平成25年度から3ヶ年の第5次中期経営計画を実行し、最終年度の平成27年度は、連結売上高50億円を達成し、利益面についても計画値を上回ることが出来ました。平成28年度からの第6次中期経営計画『オーベクスビジョン2018』(平成28年4月~平成31年3月)では、「チャレンジ&イノベーション」のスローガンを掲げ、新しい価値の創造と更なるグローバル展開を図ってまいります。平成28年12月竣工予定である千葉ニューテックセンター(千葉県印西市)の建設を含めた当社グループの積極的な設備投資を推進いたします。営業、生産、開発の強化を推し進め、新市場、新分野へのアプローチを行うことで、更なる成長に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
今後の経済環境につきましては、国内においては、少子高齢化、消費マインドの低迷、さらに雇用環境の変化による人員不足等の問題があり、一方、海外においては、中国経済の下振れリスク、中東地域の政情不安定等の問題があり、今後も不透明な状況が続くものと思われます。
テクノ製品事業では、平成28年12月に竣工予定である千葉ニューテックセンターを千葉県印西市に新設します。これにより、短納期の受注に備えた増産体制を整備し、さらにコスメティック分野での新製品開発に注力し、グローバル市場における更なるシェア拡大を目指してまいります。
メディカル製品事業では、厳格な品質管理による生産体制の整備を行ない、取引先との協働による拡販と付加価値の高い製品の企画開発を推進し、収益の改善を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 為替相場の変動に関するリスク
当社グループの売上高に対する輸出売上高の割合は、平成27年3月期61.1%、平成28年3月期61.6%と高く、為替相場の変動が大きいと、当社グループの業績および財務状況等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは連結財務諸表作成のために在外子会社の財務諸表を円貨に換算しており、為替変動が当社グループの業績と財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 原材料価格の変動に関するリスク
当社グループは、特殊性の高い原材料を用いて高付加価値製品を製造販売しております。国内および海外市況ならびに為替相場の変動の影響を受けて原材料価格が上昇した場合、製造コストが増加し、当社グループの業績および財務状況等に影響を与える可能性があります。
(3) 原材料の調達に関するリスク
当社グループは、主要原材料を国内外から幅広く調達しておりますが、原料メーカーの事故による供給中断、品質不良や倒産による供給停止などがあった場合、当社グループの業績および財務状況等に影響を与える可能性があります。
(4) 品質問題に関するリスク
メディカル製品事業の製品の品質に関しましては、万全の体制を期しておりますが、予期せぬ事態により品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況等に影響を与える可能性があります。
(5) 販売価格の変動に関するリスク
メディカル製品事業は、医療機器の製造販売を行っており、国内では医療費抑制策の一環として、2年に1度、診療報酬、薬価および特定保険医療材料の公定償還価格の改定が行われます。また、国内外ともに、市場における企業間競争の激化や技術革新により価格下落が発生した場合、これらの販売価格の変動は、当社グループの業績および財務状況等に影響を与える可能性があります。
(6) 自然災害に関するリスク
地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難により、一部または全部の操業が中断し、生産および出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報の取扱に関するリスク
当社グループは、情報セキュリティおよび情報保護を経営の最重要課題の一つとして捉え、情報セキュリティ基本方針を定め、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかし、万一情報漏洩などの事故が発生した場合には、損害賠償等による予期せぬ費用が発生し、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、経営理念である「真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業を目指す」ために、市場ニーズに対応した付加価値の高い製品開発を推進しております。
当連結会計年度の当社グループが支出した研究開発費の総額は、74,899千円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
筆記具用ペン先に関しましては、多様化する顧客ニーズに対応した商品の研究開発を行い、特に筆ペンやホワイトボードマーカー用ペン芯の開発に注力し販売を開始しました。
コスメティック用途に関しましては、アイライナー用アプリケーターのラインアップ強化を図り、国内、海外の取引先より高い評価を頂いております。
更に、筆記具用ペン先で培われた技術をもとに、書き味や使用感を追求した商品を開発し、IT関連およびメディカル関連市場で採用して頂いております。
また、商品の付加価値を高める新規加工技術の開発に伴い、知的財産権の取得にも注力しております。
当連結会計年度におけるテクノ製品事業の研究開発費は、18,414千円であります。
加圧式医薬品注入器に関しましては、画期的なフラットバルーンを開発し、コンパクトで携帯性に優れ、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させる製品を開発し市場へ投入いたしました。
また、ディスポーザブル製品でありながら機械式に迫る高い機能を有する高付加価値製品の品種を追加し、市場拡大を図っております。
一方、血管造影用ガイドワイヤーに関しましては、品質特性の向上に向けた研究開発に取り組み、生産方法、加工費、原材料等を見直しコストの削減を図るとともに、より信頼性の高い製品を市場に供給することが出来ました。
更に、基礎技術である親水性コーティングを循環器、消化器以外の分野へ展開すべく開発を進めております。
当連結会計年度におけるメディカル製品事業の研究開発費は、56,484千円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6.5%増の5,019百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ5.1%増の1,928百万円となり、海外売上高は7.4%増の3,091百万円となりました。
テクノ製品事業の売上高は、前連結会計年度に引き続き輸出売上が堅調に推移しました結果、前連結会計年度に比べ8.3%増の3,825百万円となりました。メディカル製品事業では、競業他社との厳しい市場競争の状況の中、積極的な営業活動を展開しました結果、前連結会計年度に比べ1.0%増の1,190百万円となりました。
② 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ0.7%増の1,060百万円となりました。これは主に、租税公課6百万円の増加、人件費4百万円の増加、減価償却費3百万円の増加、貸倒引当金繰入額11百万円の減少などによるものです。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ31.8%増の757百万円となりました。
テクノ製品事業では、輸出売上が堅調に推移しました結果、前連結会計年度に比べ23.2%増の1,000百万円となりました。メディカル製品事業では、積極的な営業活動の展開により売上高が堅調に推移し、また、コスト削減に努めました結果、前連結会計年度に比べ7.1%増の59百万円となりました。
④ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ24.3%増の703百万円となりました。これは主に、営業利益の増加、為替差損30百万円の計上などによるものです。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12.3%増の458百万円となりました。これは主に、経常利益の増加、厚生年金基金解散損失引当金繰入額22百万円の計上、製品自主回収関連損失引当金繰入額44百万円の計上などによるものです。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,366百万円増加し、7,863百万円となりました。これは主に、現金及び預金678百万円の増加、土地673百万円の増加、仕掛品127百万円の増加、投資有価証券91百万円の減少などによるものです。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ979百万円増加し、3,770百万円となりました。これは主に、長期借入金685百万円の増加、未払法人税等179百万円の増加、その他流動負債66百万円の増加などによるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ386百万円増加し、4,092百万円となりました。これは主に、利益剰余金412百万円の増加、為替換算調整勘定34百万円の減少などによるものです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
「4[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2〔事業の状況〕 1〔業績等の概要〕 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
「3[対処すべき課題]」に記載のとおりです。